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 放課後。

 僕は教室でひとり、日直日誌を書くために居残りをしていた。

 窓の外では、部活をする運動部員達の声が遠く聞こえている。



 「お前、まだ残ってたの?」

 勢いよく教室のドアが開き、クラスメイトの龍崎が入ってきた。

 「う、うん。日直だから…」

 突然の来訪者に驚きつつ僕は答えた。彼とは同じクラスになって半年が過ぎたが、会話をしたことはほぼない。

 そもそもクラスカースト上位の龍崎と底辺の僕とでは、住む世界が違うと思っていた。


 「ふーん」

 全く興味のなさそうな声とは声とは裏腹に、彼の足はずんずんこちらへ近づいてくる。


 「なぁ、お前ってさぁ」

 僕に話しかけながら、龍崎は僕の前の席へ腰かけた。


 「柔道の授業ん時、いっつも俺の足じっと見てくるよな」


 僕は自分の顔がカッと紅潮するのを感じた。彼の口調は嘲笑的で、目は軽蔑に満ちていた。


 図星だった。僕はゲイの足フェチで、特に肉厚で大きな足が大好物なのだ。

 たまたま選択教科で選んだ柔道の授業で、初めて龍崎の素足を見た時に目が釘付けになった。

 まさに理想通りの足がそこにあったから。


 それから僕は授業の度に彼の足を舐めまわすように視姦した。

 ああ、あの足を触って、嗅いで、しゃぶったら、どんな味がするだろう。

 踏まれたい。踏んでほしい。体中を彼の足で踏んでほしい。

 気付かれないようこっそりと足を目に焼き付けては、帰宅して自慰にふける日々を過ごしていた。

 だが、当の龍崎には僕の視線はあからさま過ぎたらしい。


 口ごもっている僕をにやにや眺めながら、龍崎は言葉を続けた。


 「お前って、ホモなの?」

 「ちっ違うよ!」

 「正直に言ったら皆には黙っといてやるけど?」


 ぞっとした。同性愛者なんて言いふらされた日には、今後の学校生活の死を意味する。

 僕は震える両手を握りしめながら、喉から声を絞り出した。


 「……っ……、そう、です…」

 「なんて?」

 「…僕は…ホモです…」

 「ちがうだろォ?!『僕は、ホモで、男の足で勃起する変態です』だろ!ちゃんと言えよ!」

 僕の返答が気に入らないのか、段々と龍崎の語気が荒くなっていった。

 「…僕は…ホモで…男の…足で、勃起する…変態…です」

 「よくできました」


 龍崎は満足そうに笑っている。僕は羞恥と惨めさでどうにかなりそうだ。

 そのまま力なく項垂れていたが、「おい」と呼ばれ恐る恐る顔を上げた。


 「正直に言ったご褒美に、俺の足の匂い嗅がせてやるよ」

 龍崎は上履きを雑に脱ぎ、僕の眼前に片足をドンと置いた。少し汚れた白のスニーカーソックスが汗で湿っている。むわっとした蒸気が漂ってきそうだ。

 僕は突然の状況に思考回路が追い付かず、言われるがままに龍崎の足に顔を寄せた。汗と体臭と柔軟剤が混じりあったような匂いが鼻をつく。――その瞬間、一気に興奮が押し寄せ、体中の血が一か所に集まるのを感じた。

 目を閉じ、鼻を靴下に思いきりうずめて深呼吸をする。臭い。臭いけど、嫌な臭さじゃない。全神経を嗅覚に集中させ、僕は夢中で龍崎の足の匂いを嗅いだ。ハァハァと息が荒くなり、まるで犬になった気分だった。誰が来るか分からない放課後の教室というシチュエーションが、僕の興奮を更に掻き立てた。

 

 「はい、そこまで――」

 龍崎が僕から足を離した。その甘美な時間は僅か1分もなかったように思う。僕は思わず名残惜しい顔で龍崎を見てしまった。


 「お前本っ当に変態なんだな」

 龍崎は呆れつつ上履きを履き直した。「じゃあな」と足早にドアの方へ向かい、来た時と同じように勢いよく扉を開けて出て行った。

 遠ざかっていく彼の足音を聞きながら、教室に一人残された僕は張り詰めた股間をビクビクと震わせ、放心状態のまましばらく動けなかった――――。

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Comments

いいね!!s気なクラスメイトに足を責めることのが大好き!

Anonymous

Great! I want to see the next story.It feels like they're secretly in love with each other, right?Ah, and the Black Sox.ver too wwwwwwwww