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アニメーションは大変だ。


2021年10月某日、発射される精液の描写に一日を費やした私はこのままではいかんと感じていた。

アニメに限らず、動く映像では一秒をいくつかに分割して少しづつ違う絵を描写することで動いて見えるようにしている。原理としてはパラパラ漫画と同じだ。

アニメでは1秒24コマにわける。異論もあろうが大雑把にわけて、その1コマずつに絵を入れていく方法を昔のディズニーに代表されるフルアニメーション、対して2コマおき3コマおきなどに絵を入れていく方法をリミテッドアニメーションと呼び、現在日本で作られるアニメのほとんどはリミテッド的な手法を根幹にしている。(もちろん場合によってはフルコマ打ちも4コマ打ち以上も使われる。また異論の方に興味がある人は『磯光雄、フル3コマ』などでググってみてほしい)つまり1秒間動き続けるアニメはフルで24枚、3コマ打ちでも8枚の絵が必要なのだ。


商業アニメーションはその膨大な作業量を原画、動画、仕上げ、3D、撮影などの分業によりこなしているが、これを個人でやるのにはどうしても限界がある。もちろんなかには嬉々としてそれをやる変態もいるが自分のような凡人には真似しようもないし、したいとも思わない。


とにかく楽をしたい。効率よく動かしたい。そんなことを考えてLive2Dの使用も視野に入れつつ、ひとまずクリスタのメッシュ変形などのツールを使うアニメーションの模索をしていたのだが、そんな折にクリスタのアップデートが入り、とあるツールが追加された。


歪みツールである。


講座系配信でもすぐに取り上げられていたので、ご存じの方も多かろう神ツールである。(こいついっつも講座配信観てるな)ご多分に漏れず自分も完成イラストの胸のサイズ調整などで使ってみたが、もともとメッシュ変形ツールを使っていたため、すぐにこれはアニメに使えるなとわかった。理解ってしまった。


まずは簡単な動きからと、ぶるぶるマシーンこ〇さんを制作した。アナログアニメで『ブレ』と呼ばれる手法をデジタルで再現しようという試みである。結果は上々で自分では結構気に入っている。しかし、あんまりえっちじゃなかったので評価はそれほど良くなかった。

じゃじゃじゃあもっとえっちな動画を作ってやろうじゃあないかぁ、という気持ちが今回の〇かゆんにつながっている。こ〇さん動かしたんなら〇かゆんも動かさねばという厄介ヲタゆえの謎の義務感もあった。


そんなわけで、〇かゆんのバランスボール配信の動きは全て変形、移動、歪みツールを使い作成した。実際に線を引いたのは基本となる一枚(実際には細かくパーツ分けしたので一枚ではないが全体図として便宜上一枚とする)のみだ。

このメイキングがどこかにいるかもしれない絵を動かしたいという奇特な絵描きの一助になれば幸いである。


①カットの設計

実際の作業に入る前にどのような動きを作るのかを考える。

〇かゆんの『NEEDY GIRL OVERDOSE』ゲーム実況配信を見ていて、ゲーム中のキャラクターがバランスボール配信と称して上下運動をしていたのを、実際に〇かゆんにやってもらったらちょっと面白いかもしれないと思ったのがそもそもだが、そこに前述の動機が合致して、いかに楽にアニメを作るかを裏テーマにしている。


単純な上下運動をいかにそれらしく見せるかは、極論、上下の動きに合わせて『揺れモノ』『なびきモノ』などと呼ばれるパーツが動いていれば良い。

エロアニメを観るまでもなく地上波で流れているアニメを観ていればなんとなくわかるのではないかと思うが、代表的なモノは髪の毛や胸だろう。これをどうすればうまく動かせるかを考えてアングルやパーツ分けの構想を練る。


アングルは元ネタのアングルに合わせたというのもあるが、カメラに対して対象を斜めに置くと余計なパースがつき、動かすのが困難になるため、正面以外はありえない。結局、完成作では広角寄りの画面になってしまったが、できる事なら望遠寄りにしてパースを殺したほうが動かすうえでは楽だったはずだ。

以上を踏まえてラフを描く


②ラフ

想定通り、この時点ではまだ望遠寄り。通常のイラストラフとほぼ変わらないが髪の毛の動き幅と顔の輪郭が不自然にならないように形をとっている。また、動かすうえで股関節部分が目立たないようにシャツの裾で隠したり、やや前傾姿勢にすることで上半身と下半身を違和感なくパーツ分けできるようにしている。また、接地面の処理の煩雑さを省略するため手を画面外に出している。


③線画

これも通常のイラストとほぼ変わらないが、確実に動かす髪と尻尾とリボン、そして髪と干渉するであろう表情は最初から別レイヤーにしている。また、この線画も全体のバランスを見るために同一レイヤーで作業しているが、後に『頭胸腕』と『胸より下のシャツ』『下半身』の3レイヤーに分割している。

最終的なパーツ分けはこちら。全体的なパーツの重なりを調整して動かしたときの不具合を誤魔化すために上半身を拡大した。この時点で望遠の画面は放棄している。

顔も描き直しているけど、これは単純にラフが気に入らなかっただけ。改めて見るともう少し手を入れたいけど、そんなことを始めたら過去作全部に手を入れることになりキリがないので、次はもっと可愛く描けるように頑張るよ。


③彩色

各パーツごとに塗っていく。ポイントは2つ。動かしたときに見えそうな部分も塗っておくこと。髪の毛と一緒に動く顔に落ちる影は髪のレイヤーに塗っておくこと。


動かすための下準備はここまでで大半が済んだので、次回はいよいよ歪みツールの登場です。

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