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 屋敷の地下に続く鋼鉄製の扉には『お仕置き部屋』と書かれた表札らしきものが付けられており、その扉を開くと中は……倉庫の様に無機質で寒々しい空間が広がっていた。  床に壁、そして天井に至るまで石を組んだだけの無骨な造り……光源は壁際の穴に設置されている小さな蝋燭が数本火を灯しているだけ。  そんな弱い光源であるから部屋の隅などはハッキリ視認する事も出来ず、何かしらの道具が置かれているのは影で分かるが、それが何なのかは確認できない程に暗い。  そんな“怪しい儀式でも始めるのではないか?”とも思える程不気味で薄暗い部屋の中央に、自然のままの巨石を四角く切り取ってきたかのような拘束台が鎮座していた。  ベッドと言うにはあまりにも大きすぎて硬すぎるそれは、横になってみればあまりの寝心地の悪さに思わず肩や腰に痛みを覚える程……  しかし、そんな寝心地の悪い拘束台に私は衣服を脱ぎX字の格好になって拘束を強いられている。  手首には頑丈な鋼鉄製の枷がそれぞれはめられ、私がどんな力を発しても腕を降ろせないよう頭上遥か上のベッドの端に頑丈に固定されている。  足首にも同じような金属製の枷が嵌められ私の股を肩幅以上に開かせる格好を強いて、こちらもベッドの端にて固定され私の足を拘束している。  更にこの足首に巻かれた枷には5本のワイヤーが繋がっていて、そのワイヤーの先端の輪っかを私の足指の関節に食い込ませるよう通すと、今度は枷側のワイヤーの長さを短く調整し足指を“引っ張る”ような拘束を始める。  足指が枷側に引っ張られれば、足の指はワイヤーの力に逆らえず反る様な形を取ってしまう為、当然私の足裏は“さっき私が床を踏みしめるような体制になっていた時”と同じようにピンと伸びるような格好を強いられ、足の指を丸めて防御しようとしたりくすぐりから逃げる事も叶わないよう完全拘束される形となる。  ちょっと動けないようにする為にその辺のロープか何かで軽く縛る程度だろう……と甘く考えていた私は、ここまで徹底的に拘束出来る道具があるとは思いもせず……拘束される時は、徐々に動かせなくなっていく身体の各部位が増えれば増える程“自分は間違った決断をしてしまったのではないか?”という不安を強く持つようになってしまった。  腕はもう降ろせない。それは、腋や脇の下をくすぐられても私の力では一切抵抗が出来なくなったという事と同じ意味……  つまりはこの変態女領主に何をされても私は腕を降ろす事は愚か身体を捻って逃げる事も許されない……  足だって同じだ。  肩幅以上に開かされたらどんなに恥ずかしいと思ってもその足を閉じる動きをさせて貰えず、衣服も何も着せられていない秘部を晒し続ける格好を強制されるのだ。  それが年頃の私にとってどれほど恥ずかしい事なのか……恐らくこの変態領主は分かってなどくれない事だろう。それよりも、抵抗できなくなった私の足の裏をくすぐる事だけに意識を向けているようで、足の方に早速メイドを二人配置につかせくすぐる準備をさせている。  拘束される事がこれほど屈辱的で恥ずかしい思いをさせられるとは考えもしなかった。  どうせ女にしか見られないんだったら恥ずかしい事など有るものか……と思っていたのだけど、こんな裸に剥かれた状態で身動きが取れないよう拘束されると、途端に“無防備を強制されている”という自覚を生み、自分の生殺与奪権は全てこの変態達に委ねられてしまったのだと思い知らされる。それが恥ずかしさと屈辱感を増幅させ、私の身体を勝手に羞恥の炎で火照らせていく。  不安も強いが……怒りや後悔の念も同時に強く私は持つようになってしまっていた。 「拘束ベッドに拘束された感想は如何かしら? イリスちゃん?」  そんな私の悔しさを嘲笑うかのようにマリフォーヌがクスクスといやらしい笑みを浮かべながら私に問いかけて来る。  私はその問い掛けに怒りの念が強く出てしまいついつい強気な言葉を彼女に返してしまう。 「少し寝心地悪いのが不快なくらいで……加減は悪くありませんよ? マリフォーヌ様……」  あくまで反抗的な目で、私の怒りを彼女にぶつける私。  その目は言葉には発さないが“こんな恥ずかしい格好にしやがって許せない!”と言いたげな目をしていたに違いない。 「あらあら……あまりお気に召していない様子ねぇ?」  私の反抗的な目を見て増々嬉しそうに口角を上げてニヤつく彼女……。私はその顔を見て再びムッとした表情を彼女に向ける。 「さてさて……これから2時間……貴女には私達の“くすぐり調教”を受けて貰う事になるのだけど……」 「くすぐり調教? おかしいですね……これは忠誠を試す儀式の筈では?」 「勿論忠誠を試す儀式でもあるけれど……拘束された時点でその難易度はグゥ~~ンと下がっちゃうじゃない?」 「(難易度が下がるとか言って……まるでゲーム感覚じゃない!)」 「それじゃあ私もメイド達もただあなたを笑わせて終わりって言うつまらない儀式になってしまうわ……」 「(つまらない? 村の存亡がかかっている場でよく呑気な事が言えたものね……。私はこんなに恥ずかしい想いをさせられているというのに……)」 「どうせクリアされるんだったら、貴女にもくすぐりの“良さ”を味わってもらいながらクリアして貰いたいと思ってるの♥」 「……くすぐりの……“良さ”?」 「私達が日々行っている“くすぐりプレイ”が如何に性的興奮を生み、性的満足感を得られるに至るか……そこを理解してもらって私に忠誠を誓って貰った方が、嫌々誓って貰うより数倍良いなぁって思ったのよ」 「くすぐりが性的な興奮を生む? 冗談でしょう? そんな事あり得るはずが……」 「現に私は興奮するわ♥ くすぐられている貴女を見ても、メイド達にくすぐられても私は興奮してしまう……そう言うカラダになってしまってるの♥ いつの間にかね……」 「(それは生粋の変態だからそういう風に身体の構造がなってしまっただけなのでは?)」 「私は……貴女にも私と同じように感じて欲しいと思っているし、同じような考え方になって欲しいとも思っているわ♥」 「(それは……天地がひっくり返っても無理な話……。だって……くすぐりなんて私は出来る事ならされたくないとしか思えていないし、私は貴女の様な変態でもないのだから……)」 「あぁ、大丈夫♥ 貴女は別に何も無理に好きになろうとしなくて良いのよ? 私達が好きになるよう仕向けるだけだから……」 「(どうせ無理やり私に言わせたいに決まってる……。嫌がってる私に「好きって言え!」などと暴力的に強制するに決まってる)」 「貴女は安心して私達のくすぐりに身を委ねて頂戴? そしたら……二時間が経つ頃には新しい扉が開いている筈だから……」  私は相手が領主でなければ「馬鹿も休み休み言え」と汚い言葉で罵りを入れていたであろう。しかし相手は村の命運を握っているマリフォーヌ……その様な言葉を吐くわけにはいかない。  従順に忠誠を誓うフリをして、村の安全をまずは買う事から話を進めなくてはならない。  そのためにはこの忠誠の儀式をやり遂げなくてはならない。  彼女は「クリア出来て当たり前」などと宣ってはいるが、私が“ギブアップ”という言葉を言ってしまうと即座に儀式は終わってしまう。  その言葉だけは言わないと心に誓ってはいるが……この変態領主がどんな責め苦を私に強いて来るか分かったものではない。もしかしたら、くすぐり以外の拷問めいた所業を行ってくることも考えられる……例えば爪を剥いだり、焼き鏝を当てて来たり、針で身体を刺したり……そんな事もやりかねない……。目的を果たすためにはそのような暴力を使いかねない……だから油断など出来ないのだ……。 「さて、そうは言っても儀式の試練を与えなくちゃいけないのは勿論の話だから、最初の1時間は貴女にギブアップを言わせるために徹底的に責め立てるわよ? 覚悟は良いかしら?」 「…………は、はい……」  私は、これからどんな残酷な仕打ちが自分に襲うのかを不安視しながらも頭を縦に振って返事を返した。 「まぁ、覚悟が出来てようが出来ていなかろうが拘束されてるイリスちゃんに拒否権はないんだけどね? ウフフ♥」 「くっ……」  私の裸体を改めて軽く見回したマリフォーヌは、離れた位置のテーブルの横で姿勢正しく立っているメイドに向かって、頭を頷かせて合図らしきものを送った。するとそのメイドは手に持っていた小さな腕時計に目を落とし小声で「では、始めてください」とマリフォーヌに返した。   「さぁ、これからまずは1時間……イリスちゃんには地獄を味わって貰う事になるわ♥ ギブアップなんて勿論しないとは思うけど、本当に死にそうだと思ったら村を犠牲にしてその言葉を発しなさい? そしたら、この地獄は止めてあげるから……」  マリフォーヌはその様に零すと、突然身に着けていたドレスやら靴やら靴下やらを脱ぎ始め下着の格好になり始めた。 「フフフ……貴女だけ恥ずかしい格好を強いるのはフェアじゃないものね♥ だから私も……貴女の前で同じ格好になってあげる♥」  下着姿になったマリフォーヌは、そこから更にその下着にも手を掛け何のためらいもなくそれらの衣類を完全に脱ぎ捨てメイド達に拾わせた。  蝋燭の光に照らされたマリフォーヌの裸体は、そこが地下室であるかも忘れてしまう程見事で……私は、彼女が服を脱いで同じ格好になった驚きよりも、その見事な裸体に同性ながら惹きつけられる想いを脳内に宿らせる事となる。  真珠の様に白い肌……  胸の膨らみはマシュマロの様に柔らかそうで厚みもある。  腰はしっかりと括れており無駄な贅肉はない。  金色の髪がその腰まで流れていてより一層の神秘さを醸し出している。  脚もスラリと細く長い。普段はドレスの中に隠れていて見る事も叶わないが、その脚の美しさは世の女性が羨むほどに整っていて見るだけでも妖艶さが漂ってくる。  流石は帝国一の美女だと絶賛される彼女の身体だ……ただの農夫である私とはまるで格が違う。  私のように毎日泥にまみれて日焼けもし放題な身体とは訳が違う。  きっと日々の手入れなんかもしっかり行ってきたのであろう……  舞踏会や……偉い人たちの食事会などに出ても恥ずかしくないスタイルを保ってきたに違いない。  私なんかと比べても境遇や器が違うのだから仕方が無いのだけど……これほどまでに帝国の女性の身体は煌びやかなのかと驚いてしまう。  村で畑仕事ばかりしている田舎者の私とは段違いの差を見せつけられているようで……悔しい。 「フフ♥ やっぱり……ああいうゴテゴテした衣装が有ると折角のプレイが台無しですものね♥」  マリフォーヌはその様に零すと、早速と言わんばかりに私が拘束されている石ベッドへ登ってこようと片足をベッドの端に掛け始める。  片足を掛けた格好は一瞬であったが、その一瞬……マリフォーヌの股間は私に見せつけるように堂々と開かれて私の目に更なる衝撃を与える事となった。  股間を覆い隠すように生えた毛がしっとりと濡れていたのだ。  その年でお漏らしとかそういう事をしたわけでもないだろうから……あれはきっと何かに興奮して漏れ出てきたエッチなアレだ……  目に見えて毛が濡れていた所を見るに相当興奮していた事が伺えたけど……アレが何に興奮して濡らした跡なのかは想像すら出来ない。  何かを期待した跡なのか……それともこういうシチュエーションに興奮しただけなのか……まさか私の裸を見て興奮を……?  いやいや、そんな筈はない。こんなご立派な身体を持っている彼女が……私のこんなケアも何もしていない身体に欲情する筈が……   「よいしょっと♥ ちょっと濡れちゃってるけど……許してね? 見て分かったと思うけど……私……もう……貴女を見て興奮が抑えきれていないの♥」  そう言って私の腰の上に仁王立ちになって自分の恥部である筈の股間を私に見せつけるマリフォーヌ。彼女の顔は赤く火照っていて目も怪しく潤んでいるように見える。  やはり恥部はしっかりと濡れているのが確認出来て、なんなら新しい雫が内太腿に少し垂れているのも見受けられる。  彼女は“私を見て興奮が抑えきれない”と語ったが……それは本当の事だろうか?  こんな日焼けと日焼けしてない肌が混在したようなカラダを見て完璧ボディを持つ彼女が興奮などするものだろうか?  私がそのような疑問を思い浮かべていると、マリフォーヌは私の股間に跨る格好から徐々に腰を屈め座りの姿勢に体勢を変えようとし始める。  ゆっくりと腰を落とし……私の股間に自分の股間を合わせるかのように狙いを定め、最後には体重が全てそこに乗る様に私の恥部の上に完全に座り込む格好になってしまった。 「ひっっ!? ちょ! そんなっ!?」  同性同士なのだから恥ずかしがるような事では無いのかもしれないが……片や欲情して興奮してる彼女の股間と、このシチュエーションに若干引き気味になっている私の股間が彼女が座った事で貝合わせの様になっている状況に私はどういう声を上げて良いか分からず、顔を真っ赤に染めて目を白黒させる他なかった。 「ハァハァ♥ ウフフ……貝合わせ……シちゃった♥」  戸惑いを隠せない私に対して、この行為を楽しんでいる風にしか見えないマリフォーヌのいやらしい顔……私はこの顔に嫌悪感を感じ彼女を振り払おうと腕に力を込めてしまった。 ――ガチャ! ガチャガチャ!!  反射的に嫌がる仕草を取ろうとした私だが、手首に巻かれた枷は頑丈であり石ベッドに直接ボルトで固定された枷が動く事はまずない。だから私が力を込めても腕は万歳の格好から崩す事は出来ず虚しく金属が石ベッドに擦れる音を鳴り響かせることしか出来なかった。 「ダメよぉ? 手を降ろそうなんて試みようとしちゃあ……無駄だって分かっているでしょう? どんなに暴れたって枷が外れる事は決してないの。私にこういう事をされても……決して……ね♥」  股間同士を合わせるように座ったマリフォーヌは、私の暴れっぷりを見てクスクスと笑って見せゆっくりと身体を前に被せ始める。  股間は合わせたまま……上半身だけを前に倒すような格好になり、私の顔を上から覗き込む。 「ま、マリフォーヌ様? そ、その手で……な、な、なにを……するつもりですか?」  覆いかぶさってくる彼女の手は何かを示唆するかのようにワキワキと指を蠢かせている。  それが何を示唆しているのか分からない私ではないのだが……不安が先行していた私の口はついそのような言葉を彼女に投げかけてしまう。 「アハァ♥ 分かっている癖にィ~♪ もうとっくに開始の合図は出ているのよ? コレをやらない訳にはいかないじゃな~い♥」  マリフォーヌの指が私の腕の付け根付近を狙って降りて来る。  その指の動きを見せられると、私は次に送られてくるであろう刺激が 予測出来てしまい下腹から勝手にゾクゾクした寒気が込み上げて来てしまう。 「や、やめ……触らないで……下さい。その手で……私に……」  私がどんなに嫌がっても、その手はお構いなしに私の“弱点”へと降下していく。  もう指先が触れてしまいそうだ……  ヒクヒクと刺激に怯えているかのように震えている……私の……ワキに…… 「ギブアップする? 今だったら……まだ苦しまずに終わらせる事も出来るわよ?」 「し、しません! その言葉は……死んでも……口から出すわけには……」 「そう? だったら……」  ワキに触れる寸前まで降りて来たマリフォーヌの指が、一瞬時が止まったかのように動きを止める。しかしその止まった時間は息を呑んで吐くほどのほんの一瞬であり、次の瞬間には…… 「そ~~れ、死ぬほど笑わてやるゾ~っ♥♥ コチョコチョコチョコチョコチョ~!」  その掛け声と共に再び動き始めた全ての指。そして彼女が口にした擬音を指先達に実際に奏でさせるかのようにワキにそれらが一斉に着地し、私のワキの窪みを爪の先で引っ掻きつつ掻き毟るかのようくすぐりを始めた。 「ぶっっっはっっ!? ちょほ~~~っはははははははははははははははははははははははは、領主様ぁぁっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっは、そんな、いきなり激しいぃぃひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひ、そんなに激しくされたらぁっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっは」 「どう? どう?? 実際に私の指でくすぐられる感触は? くすぐったいでしょ! とってもくすぐったくて勝手に笑いが込み上げてきちゃうでしょ? ね?」 「ぐはっっははははははははははははははは、ひぃひぃ! くすぐったい! くすぐったいですぅぅ領主様ぁぁははははははははははははははははははは、ワキだめぇぇへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへ、えへへへへへへへへへへへへへ、はひ、はひぃぃ!!」 「ほらほら……また暴れようとしてる♥ 無駄だって言ったでしょ? 腕は絶対に降ろせないの♥ イリスちゃんは私にくすぐられても何の抵抗も出来ないし、何ならもっとくすぐって下さいって言わんばかりに万歳をし続けるしかないの♥ これが貴女の望んだ“拘束しての忠誠の儀式”よ。これを儀式にしようと言い出したのは貴女なんだから……責任もって最後までやり遂げなさい?」 「あがっっははははははははははははははは、ヒャ~ッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハ、くすぐったぁぁっはっはっはっはっはっはっはっは、ワキくすぐったいぃぃひひひひひひひひひひひひひひ、だは~~っはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっは」 「どんなに足搔いても私の手からは逃げられないわよぉ? ほら、もっと下品に笑って私の事を楽しませなさい! ほら! もっと笑うの! コチョコチョコチョコチョコチョ~~♥♥」  ここからマリフォーヌのくすぐりが一段と激しさを増す。  私の腋窩を引っ掻くだけの動きをしていた指は、肌を揉む様な動きを始めたり爪先だけで皮膚の表皮をこそぐようなくすぐり方を織り交ぜ責め立て始める。  私はその変化のついた彼女のくすぐりに対応する事が出来ず、彼女の望んだとおりの下品な笑い声を彼女達の前で上げさせられる事となる。 「ギャ~~~ッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハ!! うはひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ、アヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャ!! ひぃぃっっひひひひひひひひひひひひひひひひ、や、やめっっへへへへへへへくすぐったい! それくすぐったいぃぃひひひひひひひひひひひひひ、ィヒッヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒ、んひゃへへへへへへへへへへへへへへへへへへ!!」  彼女の細指がワキの肌に触れる度に私の身体は拒否反応を示すようにビクンビクンと勝手に痙攣を始める。さっきまでの忠誠の儀式であれば間違いなく腕を降ろしてこのくすぐったさから逃れるためにワキを庇っていただろう……しかし、今の私は腕を拘束されている為にその“ワキを庇う”という動作を行う事が出来ない。  くすぐったくて仕方がないから、どうにかしてワキを守ろうと手に力を込めて腕を下げようと試みるが、手首に巻かれた枷は私のそんな小さな抵抗すら行わせる意識はないらしく……私のワキを無防備な状態のまま維持させる。  そんな無防備なワキをマリフォーヌは私に気を遣う事も遠慮する事もなくくすぐって私の事を無理やり笑わせようと仕向けて来る。  笑いたいとは一ミリも思っていないのに、彼女の指が私のワキを搔き乱せば笑わずには居られなくなる。  自分の意思が無視されて、笑いという感情を無理やりに絞り出されているような感覚に陥った私は、その行為に怒りを感じながらも強制される笑いの刺激に屈服するように出したくもない笑いを顔に表出させてしまう。  何と悪趣味で底意地の悪い責めだろうか……  彼女の言葉通り……笑いたくもない女性を無理やり笑わせてそれを性的な悦びに転じさせているというのなら、それ以上に悪趣味な性癖など有りやしないとさえ思えてしまう。  裸に剥かれ、羞恥を煽るような格好で拘束された挙句、この様に子供が転げるような馬鹿笑いを強制される苦痛……  これが私の怒りの琴線に触れない筈がない。  例え領主であったとしても、このような悪趣味は即刻辞めさせるべきだ……と、私の心の芯は怒鳴り散らしている…… 「わはぁ~~っはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっは、うぁははははははははははははははははははははははははははは、えひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃへへへへへへへへへへへへへへへへ、くはははははははははははははははぃひ、くひぃ! クヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャ、ふへひひひひひひひひひひひひひひひひ……」  しかしながら当の私はそんな怒りの感情を持ちつつも笑ってしまっている。  本当は怒りをぶちまけたいという欲求を強く持っているのだけど…… 「おほ~っほひゃはっっはははははははははははははははは、くへひっっひひひひひひひひひひひひひひ、ニャハハハハハハハハハハハハハハ、そこダメ! そこは触らないれぇへへへへへへへへへへへへへへへへへ!!」  その感情を持てば持つほどに可笑しさが込み上げてきて、尚一層笑いの衝動が強くなって口からはだらしない涎と笑いが吐き出され続けてしまう。  本当は怒りたいのに!  不満をぶつけたいのに!  恥ずかしさを訴えかけたいと思っているのに!! 「ココかしらぁ? ココが弱いって言ってるの? ワキの窪みの……この膨らんだトコ? ココが弱いのね? それじゃあ集中的にくすぐったげるぅ♥ ほ~れ、指先でぇ~コチョコチョコチョコチョコチョコチョ~♥」 「あひゃ! イヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャ、へはははははははははははははははははははははははは、ダメだってばぁぁ!! 私、ワキのそこ、本当駄目なんですってぇぇへへへへへへへへへへへへへへへへへ、くひぃぃっっ!!」 「駄目って言われたら、も~っとやりたくなっちゃうのがいじめっ子の心理よねぇ♥ ほぉら、もっと笑っちゃえ~♥ こちょこちょこちょこちょ~~♥♥」 「だギャ~~~ッハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ、うはひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ、いへひひひひひひひひひひひひっひひひひひひひひひひひひひひひひひ、やめてって言ってるのにぃィひひひひひひひひひひひひ!! そこはホントに弱いって言ってるのにぃぃひひひひひひひひひひひ!! ハギャ~~ッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハ!! うはははははははは」 「ほらほらほらぁ! こんな風に休みなく笑わされ続けると段々笑うのがしんどくなって来るでしょ?」 「はひっっひっひっひっひっひっひっひっひっひっひっひっひ、しんどい! しんどいれすぅぅふふふふふふふふふふふ!! 笑うのしんどい!! しんどいぃぃひひひひひひひひひひひひひひひひひ」 「笑っている間は肺の中の酸素が常に吐き出される状態を強いられるから、中々呼吸が出来なくて苦しいでしょ♥ 肺が酸欠になっちゃって苦しさを感じてきてるでしょ?」 「は、は、はひ! はひぃ! 苦ひぃ! 苦ひぃぃっひひひひひひひひひひひひひひひ!! 息が上手くできなくてへへへへへへへ、苦ひぃ!! 苦ひいれすぅぅふふふふふふふふ、ンハハハハハハハハハハハハハハハハハ、かっはははははははははははははははははは!!」」 「でしょ? それが“くすぐり責め”の本来の姿なのよ? さっきまでの“愛撫”程度の責めとは訳が違うの」 「ひゃは、ひゃははははは! もう、もうやめでっ! ホントに息出来ないっっひひひひひひひひひひひひひひひ!! ホントに苦しいですからぁぁ!」 「身動き取れないよう拘束された女性をひたすらくすぐり続けて笑わせ責めにする……それがくすぐりの刑と呼んでる……うちのお仕置き方法よ。コレを30分も続けられればどんなメイドもすぐに従順になって立場を弁えるようになるわ♥ だけど貴女はこれから1時間もの間この仕置きを受け続ける事になる。果たしてそれだけ長い時間くすぐりに晒されて……正気を保つ事は出来るのかしら? 貴女がどれだけ私の期待に応えてくれるか楽しみでならないわぁ~♥」 「ニャ~~ッハハハハハハハハハハハハハハハ、うひゃはははははははははははは、無理ですぅぅふふふふふふふふふふふふ!! そんなの絶対無理ぃぃひひひひひひひひひひひひひひひひひ!!」 「本当に無理なら……何を言えば分かっているわよね? あの言葉を発すればすぐに解放してあげるわよぉ?」  あの言葉……それは“ギブアップ”という5文字の簡単な言葉……  しかしそれを口に出すと村は……私の村は…… 「はひひひひひひ、ダメッっへへへへへへ言えない!! それだけは……絶対にぃひひひひひひひひひひひひ言っちゃいけないっひひひひひひひひひひひひひ!!」 「そうそう……そうよね? その意気よ♥ 2時間の儀式の内1時間を耐え切りさえすれば、私は忠誠を誓ったとみなして貴女をパートナーとして迎え入れてあげるわ♥」 「マリフォーヌ様? 忠誠の儀式の約束の時間は2時間の予定では?」 「そう。残りの1時間は耐えきったご褒美を彼女に与えてあげる予定よ? 2時間って言ったのはそのご褒美タイムも込みの時間に設定してあるの♥」 「成程……ご褒美ですか。それはイリス様もさぞお悦びになられる事でしょう……」 「だけど、1時間も耐えれないようじゃその先の“快感”を味わう資格すらないと判断するわ。そんな根性無しに私のパートナーなんて勤まる訳が無いんですもの……」 「では、そろそろ本格的な責めを……我々も?」 「そうね、ぼちぼちワキにも飽きた頃合いでしょうし……貴女達も待つだけじゃ面白くないでしょう? イリスちゃんに新しい刺激を与える為にも……そろそろ交代してあげましょうか?」 「……我々はマリフォーヌ様のご命令通りに動くだけです。そうされたいのであれば……ご命令を……」 「何よぉ~それじゃあ私だけが悪者みたいじゃない? ホントは目の前にこんなに綺麗な足の裏があるのにくすぐらせて貰えなくてじれったく感じていたんでしょう?」 「……それは……まぁ、その通りではありますが……」 「ほらぁ! 貴女達だってくすぐりたいと思っていたんでしょ? それを私の命令に従ってるだけみたいな言い草しちゃってさぁ……」 「マリフォーヌ様ぁ! わ、私は早く彼女の足の裏……くすぐってみたいと思ってました! だ、だから早くご命令を!」 「こら、エニファ! マリフォーヌ様にそんなはしたない事を……」 「フフフ、素直でよろしい♥ エニファはそんな風に思っていたみたいだけど? シス……あなたはどうなの? こんな無防備な足の裏を見せられて……その気になったりはしないの?」 「うぅ……ですから……私は……マリフォーヌ様の命令通りに……」 「……で? 本心は?」 「うぅ……」 「私がなんで貴女達をイリスちゃんの足の裏が目の前に見えるそこに立たせたと思っているか分かる?」 「……い、いえ……」 何よぉとぼけちゃって……貴女達が“足裏好き”だって知っているからに決まっているでしょ? だから敢えて彼女のみならず私の足の裏も見せつける格好で座っていたのよ? それくらい私の性格を知っている貴女なら分かっていたでしょうに……」 「そ、それは……その……」 「貴女とエニファは無類の足の裏好きのメイド♥ まぁ、私がそんな風になるよう調教しちゃったから……そうなったのは当然なんだけどね?」 「うぅ……マリフォーヌ様ぁ……」 「そんなに恥ずかしがらなくて良いのに~♥ シスは本当に真面目ねぇ~?」 「私が真面目など……とんでもない事です……」 「そう? 仕事もプライベートも真面目だと思うのだけど?」 「いえ……だって現に……今……私は、今にも暴れてしまいそうになっている性欲を……我慢するのに必死なのですから……」 「フフフ……それをそう見せないのが貴女の可愛らしい所よね?」 「私は……不真面目極まり有りません。なにせ……忠誠を誓ったマリフォーヌ様の足裏を見ながらも……別のソレに目移りなどをしてしまったのですから……」 「別のソレって……何の事かしらぁ?」 「それは……この……」 「……この?」 「触ればマリフォーヌ様以上に下品な笑い方を見せてくれそうな……イリス様の足裏に興味を惹かれてしまっているからです……」 「クックック♥ 貴女も素直でいい子ね? それでこそ私付きのメイド……」 「私も……早く……触りたくてウズウズしています。マリフォーヌ様……どうか私達にご命令を……」 「マリフォーヌ様ぁ! 私も! 私も早くくすぐりたいです!! マリフォーヌ様以外の人の足の裏をくすぐるの初めてですからとっても楽しみなんです♪」 「フフ……分かったわ。貴女達の気持ちはよぉ~く分かった♥ だから命令を出してあげる……」  その言葉を境として、ワキをくすぐっていたマリフォーヌの手は止まった。  そしてその手をゆっくり引いていき私のワキから完全に距離を置くよう離していった。  しかし座り姿勢はそのままで、私の股間の上に体重を掛け続けているのも変わらない。しかし、顔だけは好色な眼差しを残したまま私の顔を見下ろしたままでいる。  私はくすぐりの刺激が止まったことでようやく自分の呼吸が行えるようになり、ここぞとばかりに口を広げて必死に酸素を肺に取り込む動作を繰り返した。  酸欠が続いていた分……この自分の意思通りに酸素が吸えるという当たり前の行為が、何か特別な褒賞を与えられたかのような嬉しさを纏い、ただの呼吸に有り難みさえも感じられるようになってしまった。  自分の思い通りに呼吸が出来る幸せ……  私は今までの人生でそのような事を思った事など皆無であり……このような経験をしなければ一生感じる事もなかっただろうと悟りの様なものを浮かべる。  しかし、このほんの僅かに与えられた“自由”は彼女の号令と共に再び剥奪され彼女達の意のままに弄ばれる事となる。  この……子供の様に活発そうな見た目をしたメイドのエニファというメイドと……  大人しく真面目で従順そうに見えるシスというメイドの二人によって…… 「それじゃあ、お預けは解禁よ♥ 二人とも? イリスちゃんの足の裏を好きなだけこしょぐって笑わせて差し上げなさい♥」 「はぁ~~~い♪ 待ってましたぁ~♪」 「…………はい……。仰せのままに……♥」

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