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 文中の「◆」はページ更新を意味します。


~以下本編~



 ――ロイヤルメイド隊。



 彼女たちは俺の母港でもトップクラスの人数を誇る。



『メイド隊』という名前の通り、皆メイド服を着用していて、出撃の際もそのままだ。



奉仕は、まさに適材適所。

炊事・掃除・洗濯・警護・財政管理……ありとあらゆる分野に、それぞれ担当艦がおり、それをメイド長が統括するという形だ。



 また、各人の性格も色濃く、

“完璧”を体現したかのようなメイド長のベルファストをはじめ、一応の主人である俺を「害虫」と呼んだことのあるシェフィールド。

力仕事担当ゆえか、脳筋気味なケント。

何かにつけてサボろうとするサフォーク等々……。



 まさに十人十色――千差万別といえる。



 今や母港の中でも一大勢力な彼女たち――その中でも現状、最も所属する姉妹が多い艦船……。それがダイドー級である。



 そして、俺は今――――



「ご主人様、ダイドーを……ダイドーたちのことを捨てませんよね? 何があってもダイドーたちはご主人さまのメイドのままでいいんですよね!? ダイドーは今後も、この母港にいてもいいんですよね!!?」



「誇らしきご主人さま、シリアスからも重ねてお願い申し上げます。どうかこの未熟なシリアスたちを、今後も御身のお傍でお仕えすることを、お許しくださいませ」



「ど、どうどう……。とりあえず落ち着け……な?」



 そんなダイドー級のネームシップであるダイドー。そして、その姉妹であるシリアスに言い寄られて……というかもはや、縋られていた。



~ ~ ~ 



 ――事の発端は数日前に遡る。



 その日俺は、本部からの招集により一日母港を留守にしていた。だからといって、彼女たちの仕事がなくなることはない。



 彼女たちもそれがわかっているため、各々仕事に精をだしていた。そんな中……。



――パリン! ガッシァァン!! 



「あぁ、どうしましょう……。誇らしきご主人様が上司の方から頂いたという大切な壺や花瓶を割ってしまいました……。――誇らしきご主人様も、メイド長も不在の今……シリアスは一体誰にお詫びすればいいのでしょうか」



 ロイヤルメイド隊の荒事担当にして、ダイドー級八番艦のシリアス。

彼女が掃除を手伝っている際、ふとした拍子で――上の連中から半ば押しつけられた――壺を割ってしまったらしい。



 平時ならば、即刻俺――もしくは、メイド隊のトップであるベルに報告して指示を仰いでいた。

しかし、運悪くベルは俺の付き添いとして、不在だったためそれができなかった。



 困った彼女は、自身と同じダイドー級であり、長女でもあるダイドーに相談したらしいのだが……。



「そんな、どうすれば……。このままじゃ、ダイドー、ご主人様に捨てられてしまうかもしれません! ――――いえ、間違いなく捨てられます! それも、ダイドーだけじゃない。きっと……シリアスも、他の妹たちも……みんなまとめて、この母港から追い出されるに決まってます!!」



 ――妹からの相談を聞くやいなや、いつものように自分だけの世界に閉じこもり、被害妄想を膨らませたらしい。



 そして、シリアスはドジっ子だが、根は良くも悪くも真面目な性格のため、長女の言葉を“そのまま”受け止めてしまったのだ……。



~ ~ ~ 



「ご主人様お願いです……。どうか、シリアスを……ダイドーを、ご主人様のお傍においてください! ダイドーを、捨てないでください!!」



 藍色の大きな瞳に大量の涙を浮かべたダイドーが、薄水色の長髪を揺らしながら俺に切迫している。

ベルほどではないにしろ、メイド業務全般をそつなくこなせる彼女だが、執務室にある俺の机に思い切り両手を叩きおろし、身を乗り出した。



 ――――どうやら、今回の妄想は想像以上に深刻なようだ。



「――いや、だから落ち着けって。別に俺、お前たちを捨てるとかそんなヒドイこと一回も言ってないだろ?」



「ですが、誇らしきご主人様。貴方様とメイド長がご不在の間、シリアスが粗相をおかしたのは事実でございます」



 ダイドーの荒々しい呼吸が肌にかかるくらいに近づかれた俺は、なんとか背を反らして距離を取り、目の前の正気を失しているメイドを宥める。



 しかし、そんな俺の声に反論するように……ダイドーのすぐ後ろ。――机にはのっかかっていないものの、どこか暗い雰囲気と表情をしたシリアスが続ける。



「シェフィールドさんたちにご協力いただき、破片は全てメイド隊の方で回収・処理いたしましたが、不出来なメイドに何一つ懲罰を与えないまま事を収めるというのは、シリアスたちに愛想を尽かしたとしか……」



「やっぱり……。そうなんですねご主人様! いえ、そうに決まってます!! いや……!そんなの、絶対に嫌です!! 御主人様、お願いです! ダイドーを、シリアスを……私たちを捨てないでください!! これからはもっと、今まで以上にご奉仕させていただきますから!!!」



「わかった! わかったから、まずは俺の話を聞いてくれ!!」



 シリアスの一言は、ダイドーの不安を増幅させる燃料にしかならず、ダイドーは今にも声を上げて泣き出しそうだった。



(……こんな場面、他の艦船に見られたら、どんな誤解されるかわかったもんじゃないぞ)



 俺は必死にダイドーを落ち着かせていたが、脳裏にはオイゲンやアルバコア、綾波といったさらなる誤解を生み出しかねない艦船たちの顔がチラついていた。

特に、オイゲンは“事の全てを理解したうえで”悪ノリして事態を拡大させてくるに違いない。



「ご主人様。――今、ダイドーたち以外のこと考えてましたよね……?」



(――ギクッ!)



「やっぱり、そうなんですね。……やっぱり、ご主人様はもうとっくにダイドーたちを見捨てる算段をつけていたんですね……。もう代わりの子の目星もついていて、後はダイドーにいつそれを伝えるかを決めるだけなんですね! ぐすっ――そんな、ご主人ざまぁ……」



「ち、違う! いや、他の艦船たちのことを考えてたのは確かだが、それはお前たちをクビにするためとかそういうんじゃない!!」



 女の勘とでもいうのだろうか……。

見事に俺の思考を言い当てたダイドーは、さらなる不安と混乱の坩堝に嵌り、ついにはグズりはじめた。



 俺は慌てて弁明したが、時すでに遅し……。ダイドーには俺の声など、一言たりとも届いていなかった。



「――姉さん」



 それまで、その場を動かなかったシリアスが静かにグズり泣く長女のそばへと近寄った。



「ダイドー姉さん。もう、こうなった以上やむを得ません。ここはやはり――――」



 シリアスはダイドーの耳元でなにかを囁きはじめた。



 俺には彼女がなにを言っているのか少しも聞こえなかったが、みるみるうちにダイドーの瞳には光が戻り、多少の落ち着きを見せはじめた。



「おぉ、流石姉妹艦……。良くやった、シリアス。――助かった」



「――もったいないお言葉でございます、誇らしきご主人様」



 ダイドーになにかを囁き終えたシリアスは、俺と向き合ってからペコリと頭を下げた。



 だがしかし……



「それでは誇らしきご主人様。――不肖、このシリアスとダイドー姉さんが、いかに貴方様を信頼し、お慕い申し上げているか……。今からそれを、身をもって証明させていただきます」



「――より具体的に申しますと、誇らしきご主人様が普段からとても熱い視線を注がれているこのデカパイで、ご奉仕させていただきます」



「…………は?」



◆ ◆ ◆ ◆



ガッ、ズルッ。――ばるんっ♡ 



 下げていた頭を戻したシリアスは、そのまま全く淀みのない動きで胸元へと手をやり、そのまま勢いよく布を下げた。

俺の視界には突如――桃色のレース付きブラに包まれた――2つの大きなの膨らみが目の前に出現した。



「な、なな……シリアス! いきなりどうしたんだお前!!」



「驚かせてしまい申し訳ありません、誇らしきご主人様。ですが、これもシリアスをはじめとするダイドー級の艦船(メイド)たちが、引き続きご主人さまに仕えさせていただくために必要なこと。――ですので、どうかご容赦くださいませ」



 シリアスは出撃前と同じ凛とした顔のまま俺の言葉に返答した。

そのままこちらに近づくと、俺をベッドの上へと連れて行った。



 そして、慣れた手つきで俺のズボンのベルトを外し、イチモツを露出させた。



「どうやら、誇らしきご主人様は未だ準備ができていないようですね。ですがご安心ください。シリアス他ダイドー級は皆、誇らしきご主人様のお役に立つことだけが使命でございます」



「シリアスの言うとおりですご主人様! だからどうか、どうか……ダイドーたちを捨てるのだけは、やめてください!! ダイドーたちのおっぱいなら、好きに使っていいですから!」



 ダイドーも自身の存在を主張するように声を荒らげて俺の視線を集めると、すぐにメイド服を脱ぎ捨てた。



 ぽゆんっ♥ どぅゆ~ん……♥ たっぷぅん♥♥



 ダイドーの双房もシリアスに負けず劣らずの大きさだった。



 引っかかる服がなかったため、彼女ほど大きく揺れはしなかったが、その迫力は少しも損なっていなかった。



 髪色と似た淡い青色のブラに包まれたおっぱいと、同じく髪色とそっくりな桃色のブラ。

巨乳だからこその大きさを持った布地はそこにあるだけで、俺の視線と意識を釘付けにし、寝起きペニスをグングンと屹立させた。



「ご主人様……♥ あぁ、ご主人様の熱烈な視線がダイドーに、ダイドーのおっぱいに向けられています♥♥ ご主人様、気に入っていただけたんですよね♥ ダイドーは今、ご主人様に必要とされているんですよね……♥ そうなんですよね?♥」



「あ、あぁ……最高だ。ダイドー、シリアス」



「ご主人様ぁ……♥」



 ダイドー級に限らずとも艦船たちは巨乳の娘が多く、俺はそういう意味では見慣れている。

しかし、男のサガとでもいうのだろうか、いつ……何度見ても女性の胸部は男を見惚れさせる魔力を持っている。



 俺がこぼした素直な称賛の言葉に、ダイドーの真っ白な顔が、羞恥とは明らかに違う感情で朱に染まる。目は相変わらず潤んでいたが、その瞳に宿る煌めきは悲しみの情からくるものではなかった。



「――誇らしきご主人様。シリアスたちの卑しい身体にそのようなお言葉、欣幸の至りにございます。――ですが、これはまだ序の口でございます」



 わかりやすいくらいに感情を表に出している長女とはちがい、シリアスは少し笑みを浮かべながらも、慇懃とした態度を崩さなかった。

そしてすぐに、どこからか無色の液体が大量に入った透明のボトルを取り出し、谷間へそれを突っ込んだ。



ずっっ……っぷん♡



 ブラで寄せられた谷間に旗のように突き立ったそのボトルを、シリアスは力強く握りしめだした。



どぷっ♡ どぼぽぽ~~っっ!!♡



 中に入っていた液体が注がれる音は、ただの水では絶対に発生しない粘り気のある気泡音だった。

音が鳴れば鳴るほど、ボトルの底には空気が溜まっていく。谷間に埋まっている部分からは、水のりのように大きな空気の泡がゆっくりと浮上してくる。



 ちゅろぉ~~っぷん♡ ――たらぁ~~~……つっぷん♡♡



 数秒後、シリアスは突き立てていたボトルを谷間から引っこ抜いた。ボトル内の液体は半分ほど減っていて、注ぎ口からは重力と慣性によって漏れ出した液体が、上乳へと垂れ落ちていた。



「どうぞ、ダイドー姉さん」



 ボトルのノズルと自分の上乳との間にかかっていた粘液の糸が切れたのを確認したシリアスは、ボトルの蓋を閉めず隣にいた長女へと渡した。



「ありがとう、シリアス。――あの、ご主人様……ちゃんと、見ててくださいね♥」



それを受け取ったダイドーは、俺と目をしっかりと合わせた後……妹と同じように、そのボトルを逆さにして谷間に突っ込んだ。



ぼびゅぷぷぷ~~っ!♥ ぼぶびゅっ!!♥ ぶっ……!♥ ぶびゅぷるるぅ~~!!♥




 半分になった無色透明の粘液がみるみるうちになくなっていく。

シリアスの時よりもボトル内の空気が占める割合が増えたからか、その勢いは更に強く、聞こえる音も時折放屁のような下劣で卑猥な音が混じっている。



 やがて、ダイドーのおっぱいとそこに刻まれた深い谷間は、残っていたボトルの液体を全て飲み干してしまった。



――コン♥



 空になったボトルが、近くにある机の上にそっと置かれた。



 何の変哲もない音のはずが、俺にはそれがこれから行われるであろう情事の始まりを告げる合図(ゴング)にしか聞こえなかった。


 

「誇らしきご主人様、もうしばらくお待ちくださいませ♡ まだ、最後の仕上げが残っておりますので……♡」



――にゅっちゅ♡ ぐっちゅっ♥ 



 シリアスたちは自分たちの胸を斜め下から支えるようにして持ち上げ、左右の房を上下に擦り合わせはじめた。



「あぁ……見てる♥ ご主人様がダイドーを見てます……♥ ご主人様の視線が……ダイドーに、ダイドーのおっぱいに……♥♥」



 何も言わず真剣な表情で乳をこねくり回しているシリアスと、明らかに興奮した様子で艶かしい吐息を混ぜながら谷間内の粘液を撹拌するダイドー。



ぎっちゅ♡♥ ぶぢゅ、どち、ぐにゅるる……っっ♥♡



 ダイドーもシリアスも、その肩にぶら下がっているバストは誰がどう見ても巨乳の部類に入る。

正確なサイズは分からないが、抜群のスタイルを持った娘が多いロイヤルメイド隊の中でも、トップクラスなのは確実だろう。



 そんなふくよかな乳毬が今、手を伸ばせば届く距離で、淫らで生々しい粘着質な水音を立てて形を変えている。



 谷間の上部や下乳からは、ネットリとした液体が泡立ちながら漏れ出ている。

それだけでなく、爆乳を支えているブラにもその液体が浸透し、濡れジミが大きな布地を、ぐちゅっ、ぐちゅあぁ……♡♥ と音をたてて侵食している。



「……誇らしきご主人様のおチンポ様も、準備ができたとお見受けいたします♡ 信号弾のように天を穿ち勃つそのお姿……大変立派でございます。誇らしきご主人様……♡」



「ご主人様のおちんぽ……スゴイ事になってます♥ ダイドー、お役に立ったんですよね?♥ ダイドーは、ちゃんとご主人様の興奮を……性欲を沸き立たせる事ができたんですよね!?♥♥ ――あぁ、ダイドー……今、とっても幸せです♥」



 すっかり勃起した俺のイチモツを見た二人が――胸を擦り合わせたまま――それぞれの感想を述べる。



 絶世のヨーロッパ美女が結集したメイド隊が、年中無休で奉仕してくれる。それだけでも、この世のどんな男よりも幸運なのは確実だ。



 それなのに、そんな彼女たちが自ら下着姿になり、俺の情欲を煽るためだけに、超高級風俗嬢も顔負けのドスケベすぎるストリップショーをしてくれている……。



 これ以上に、男にとって幸せなことがあるのだろうか――いや、ある訳がない。



「誇らしきご主人様、大変お待たせいたしました。――これより、本格的なご奉仕に移らせていただきます♡」



「ご主人様♥ その、ダイドー……精一杯頑張りますから、たくさん気持ちよくなってくださいね?♥ ――そして、どうか……ダイドーを、私たちを捨てないでください!!」



 ここまででも、十二分にエロい。

――だが、二人の言うとおり、これはあくまで“事前準備”。むしろ、本番はこれからだった。



 その証拠に、上半身にヌルヌルのコーティングを施したシリアスとダイドーが、ゆっくりとこちらに近づいてくる。



 滑りが増した四つのヌルパイは、彼女たちが歩くだけで、ヌチュ♥ ぷぅるん……♡ となにかを咀嚼するような音をたてながら揺れる。

振動で滴り落ちる粘液の雫は、まるで彼女たちがこぼすヨダレのようだった。



「それでは早速、誇らしきご主人様への本格的なご奉仕を始めさせていただきます♡ ――と、いいたいところですが、“コレ”をつけていては、誇らしきご主人様に100%のご奉仕をすることができません♡ ですので……♡♡」



「その、ご主人様……♥ もうちょっと、あと……ほんの数秒だけ待ってくださいますか♥? ダイドー……♥ スグに、ご主人様と、ご主人様のおチンポのお役に立ってみせますから♥♥!」



スッ――。ゴソッ、ゴソゴソ……。――プチッ♡ パチッ……ッッ♥



 ダイドーとシリアス……。二人が前に添えていた手が背中に回された。そして、なにか“枷”のようなものが外れる音がした。



ヌルッ、ぢゅちょっ、ポォ……♥♡ チュパッ♡♡ たら~~ぁぁ……♥♥



 二人が外した“枷”はブラのホックだった。



 音からでもわかるくらいにネバついた液体にまみれたメイドおっぱいは、留め具(ホック)が外れた程度ではカップ部分が外れなかった。



 その代わり、締めつけが弱まったからか、谷間や横乳などの隙間からは、大量の透明なヨダレが、ドボドボ♡♥ と音をたてて垂れ落ちていた。



「申し訳ありません、誇らしきご主人様♡ どうやら、シリアスたちが自らおっぱいに塗布しましたローションの量が多すぎたようで、ホックを外した程度では、ブラが落ちないようです……♡♡」



「ごめんなさい! ごめんなさいご主人様♥! ダイドー、すぐになんとかしますから!! だからどうか、もう少しだけダイドーたちに時間をください!!♥ ダイドーを、捨てないでください!!♥」



 ダイドーは慌てて、シリアスはどこかよそうと違っていた風な顔をして――胸に引っ付いているブラに手をかける。



 肩紐が少し動いただけで、ネッチョリとした粘ついた水音がカップ生地全体から鳴り、その内側に溜まっている粘液のしつこさを物語る。

そしてついに二人は、カップ生地の上の部分に親指を差し込み、そのままつまんでブラをおっぱいから取り外した。

 


ネッッ……チヨオォォォ~~♥♡♡♥ ヌヂョ、にゅぢょ……トッッロォォォ~~ッッ♥♥♡♡ 



 ブラの内側にはトリモチがついているようだった。



 カップ生地全体がそれまで包んでいた乳房とほんの数センチ離れただけで、その隙間にはいくつものテラついた橋がかかっているのが見えた。

神殿の柱のように太く、立派なそれは、隙間が広がるにつれ段々と長く細くなっていき、中心部分は重力によって弛みだした。



 やがてその橋はブラの内側かおっぱい……。どちらかに偏り、その表面で大きなため池となり、蝸牛のようなスピードで下へ下へと垂れ落ちていく。



(――――ゴクッ)



 至高の女体とそれに塗りたくられた粘液によって作られた、本物のソープにも負けない卑猥極まる光景。

まだ一回も射精していないはずなのに、目の前で繰り広げられている“煽情的”という言葉の見本ともいえる情景は、俺がこれまでにみたどんなAVのラストシーンでも到底敵わないと確信できるものだった。



もっわあぁ~~♡ ムワッ、むわわ~~っっ♥



 それだけではない。俺の性的興奮が高まり続けているように、ダイドーとシリアスもまた同じくらいに興奮しているのがわかった。

なぜなら、ブラが外されていくにつれ俺の小さな鼻孔には、とてつもなく強烈なニオイが津波のように押し寄せてきたからだ。



 本来は、クイーンエリザベスやイラストリアスなどといった、本物の女王やお嬢様などといった王族やその関係者に仕えるダイドーたち。

“ノブレス・オブリージュ”の精神。そして、現メイド長のベルの性格から考えると、身だしなみには主人以上に気を使っているに違いない。



 だが、目の前の王族専属(ロイヤル)メイド二人には、そんな高貴さや上品さなどは毛ほども存在しなかった。

――そこにいたのは、これから雄(俺)と共に、肉欲を満たすことだけしか頭にないただの雌(女)だった。



「――誇らしきご主人様。再三おまたせしてしまい、大変申し訳ございませんでした。ですが……♡ これより先は、心ゆくまでシリアスたちのご奉仕をご堪能くださいませ♡♡ ――そしてどうか、シリアスたちの処分について、ご再考をお願い致します……♡」



「ご主人様! ダイドー、ご主人様の仰ることならなんでもしますから!♥ だって! だって!! ダイドーはご主人様の……ご主人様だけの専属メイドですから♥♥! だから、だから……私をすてないでください!!」



 左からはローションでヌチャヌチャになったシリアスのおっぱいが……。

右からは同じくネチョネチョになっているダイドーのおっぱいが……。

それぞれ俺のイチモツを挟むようにして近づいてくる。



 王族専門メイドの超高級おっぱい。

大きさも、柔らかさも、ハリも、重さも……全てがトップレベルな四つの巨大な山峰が、刻一刻と迫ってくる。

そして、ついに――――



 にゅるっ♥ ぬチュ♡ ――むちゅううぅぅぅ……♡♥ 



「アッ……っぐぅ!」



 俺のイチモツは360度、全方位をヌルヌルのロイヤルおっぱいで囲まれた。



 これまでの、俺の性欲を駆り立てることしか考えてないストリップショーで全身に滞留していた肉欲。

それが、おっぱいに包まれた瞬間、高速鉄道よりも速いスピードで俺の体を駆け巡り、目の前の事象以外を考えられなくする。



 ただでさえ、サラサラでもちふわであろうシリアスとダイドーのおっぱい。

しかし、ローションボトルを半分づつ。――つまり丸々一本を費やし、更には、ブラで圧縮したまま激しく捏ね混ぜられたことで、その淫猥さは天井知らずに上昇していた。



 無論、そんな男のチンポを殺すためだけに特化した悪魔の乳から送られてくる快楽は尋常ではなく、俺の両手はベッドシーツを力いっぱいつかみ、新品同然だったそれに深く、複雑なシワを無数に刻む。

……そうでもしないと、正気を保っていられそうになかったからだ。



「あぁ、ご主人様……♥ ご主人様が、ダイドーのおっぱいで悶えてます……♥ 気持ちいんですね? ダイドーのローションまみれになった、ぬるぬるおっぱい……♥ 声にならないくらいに、気持ちいいんですよね!? ご主人さま♥♥」



「重桜には“目は口ほどにものを言う”という言葉があると、以前お聞きしたことがありますが、成程……。今の誇らしきご主人様の反応を見て、シリアスもその意味を完全に理解いたしました♡」



 俺の反応を見て、“自分たちがしていることが間違いではない”という確信を得た二人のドスケベ従者は、更に奉仕を続けた。

具体的には、ただ囲むだけだったヌチョヌチョおっぱいを上下に動かし、閉じ込めているペニスに擦らせはじめた。



――にゅちゅ♡ ぬりゅん!♥ ズリュッ、ぷにゅリュ……ぐちゅん♥♡ ――クッ、ちゅ……っッ♡♥



「……クッ! ウッ…………ハッ、ぁァァ……!!」



 送られてくる快感と多幸感が倍どころか、自乗式のように膨れ上がる。



 コンパスで描いたような見事な曲線が集合し、僅かに空いた隙間に俺のイチモツがスッポリと収まっている。まるではじめから、俺のソレをしまうためだけに作られたような乳ポケット。

そこで発射前のロケットのように屹立するペニスに、ヌルヌルの乳肌や薄桃色の乳輪……そして、コブのように固く隆起した乳首が擦れる。



 ダイドーとシリアスは、その隙間をなくそうとするように、ひっきりなしに乳房を動かしている。しかし、ローションの滑りが悪さを働き、にゅるん♥ ちゅるん♡ と、乳同士でも滑りあい、包囲網を崩してしまっている。



 そうして二人のコントロールを離れた乳房がどうなるかといえば、俺のイチモツに――まるで磁石のように吸い寄せられ――カリ首や亀頭の段差……裏筋などを、縦に、横に、斜めに……。不規則になぞりあげる。



 だが、ダイドーとシリアスは、まさかそんな副次効果が起きているなんて知る由もない。



「申し訳ありません、誇らしきご主人様♡ 先程塗ったローションはやはり過量過ぎたようで、んっ……♡ 完全には、誇らしきご主人様の、くっ……♡ おチンポ様をお包みすることができません……♡」



「ごめんなさい! ごめんなさいご主人様♥ ダイドー頑張りますから……♥ んっ、っっ……んん、しょっ……♥ 必ず、ご主人様のおチンポを、ダイドーのおっぱいで……♥ 包んでみせますからっっ!! だから、どうか……ダイドーを、捨てないでください! ご主人様~~~♥♥!!」



 二人の脳内は“二人がかりでもご主人様のチンポをきちんとお包みできない”。この事実に支配され、それからくる焦燥感でいっぱいいっぱいなのだろう。



 そんな焦りに駆られた二人の動きは、必然的に更に激しく、より大胆になっていった。



 片方が手前にズリ動かせば、もう片方は奥を担当する……。片方が右乳を中心にしてズレば、もう片方は左乳を寄せて挟み込む。

まさに姉妹艦だからこそ可能な、息のあったコンビネーションパイズリは、今はもうほとんどみられなかった。



ぬぢゅっ♡ ぎゅちゅっ!♥ ぢゅぬっ……ねっっちゅ♡♥ ぎゅる、むにゅん!♥♥ ちゅりゅっ……るぅりゅん!!♡♡



 どちらか一方がサポートに回る事なく、双方が相手の分もまとめてズリ動かそうとする動き。――椅子取りゲームで一つの椅子を奪い合うように、少しでも俺のイチモツをパイズリに適したポジションを強奪するような……力強いパイズリ。



 ローションでベットベトの乳肉が、さらなる力を加えられて俺のイチモツによりかかる。反対側にある姉妹のおっぱいを押しのけるほどに深くイチモツを取り込んだデカヌルパイは、たとえ滑ったとしても、捉えたソレを離さずに、刺激を送ってくる。



 ほんの数十秒前までのパイズリには確かに存在した優しさや協調性は消え失せていた。



 今の彼女たちの双眸に満ちるのは、母が子に与えるような慈愛ではなく、メスがオスに向ける攻撃性のみ。



ぬるっ♡ ニッ♥ にゅっ……ちょっ♥♥ にゅぱっ♡♡ ねりゅっ、ぐにゅっ……ぎにゅにゅうぅぅ~~……♥♡♥♡



「誇らしきご主人様♡ なんだか、おチンポ様が……っ♡ プルプルと震えているとお見受け、んっ……ふっ、っく――いたします♡ もしかして、もう……お射精、される……んふぅ、のっ♡ ですか?♡」



「えっ……♥ そうなのですかご主人様!?♥ んっ、えいっ……っしょっ♥♥ もう、お精子が……んくぅ、ぅぅ……っ♥ 出てしまいそうなのですか?♥ ――まだ、ダイドーは……ご主人様のおチンポを、やっ、この……あんっ♥ お包みできていないのに……ぃっ♥」



 やはり、女性には男性にはない何かしらの予知機能がついているらしい。



 射精が近づいていることを悟ったシリアスたちは、更にパイズリの激しさを増し、言葉ではなく動きで自分たちが如何に有意的であるかを俺に訴えてくる。



 だが、彼女たちがそれに必死になればなるほどに、俺の射精欲は増々高まっていく。

シーツを爪が破きそうなほど手には力がこもり、足全体はピンと直立し、勝手に腰が浮き上がってしまう。



「誇らしきご主人様♡ ――どうか、どうか……もうしばらくご辛抱くださいませ……♡♡」



「ダメ!♥ 駄目ですご主人様♥♥ まだ、お射精なさらないでください!!♥ ダイドーはまだ、ご主人様のお役にたててません!!♥♥ 本当に、捨てられてしまいます!!♥」



 俺の動物的本能が射精へのカウントダウンを開始する中、シリアスとダイドーは必死に懇願して、そのカウントを止めるように俺に説得する。



 しかし、その言葉とは裏腹に、俺のイチモツを囲むヌッチョリデカデカおっぱいは、お互いを貪るように激しく揉み合い、中心にあるソレを嫐る。

その凌辱は欲望の奔流(カウントダウン)を更に加速させ、尿道にさらなる精子を装填させるだけだった。



 そして、興奮が臨界点を超えたことを告げるように、強烈な快感が全身を貫いた。



――びゅぐっ♡ びゅーーーっ♥ びゅぶるるるーーーーっ♡♥ びゅるるるっ♥ びゅぐりゅっ♥♥ ぶぴゅぴゅぴゅぶぷうぅぅ~~♥♡♥



 狭まる一方の四つの乳肉を押し退けて、白濁液が噴き上がる。

本当にロケットエンジンがついているような推進力を維持しながら、空中高く発射し、やがて重力によって、二人の……シリアスとダイドーのローションおっぱいに――ベチャベチャと音をたてて落下する。



「あっ、誇らしきご主人様……♡」



「そ――そんなぁ。ご主人様ぁ……♥」



 祈りむなしく射精されてしまった彼女たちは、眼前で噴き上がる白い液体が描く軌跡を嬉しさ半分、悲しさ半分といった声色で見届ける。



 しかし、乳房は依然としてイチモツを取り囲み続け、少しは大人しくなったが、まだ動きを完全には止めていない。

焼き切れそうな快楽中枢を優しく包み込むと同時に、精液によって更に粘りを増した質感で、周辺の筋肉を弛緩させる。



 乳肌とローション。

二重の膜を貫通するほどに熱くなった体温が、ズッシリとした重みと共に跳ね動く腰に浸透し、おまけの快楽を駆動する射精管に送る。



 頭がうまく働かない。脳機能の一部が次々に消失しているような感覚に陥る。



 助けを呼ぼうと目を動かせば、英国出身の美女二人が、ヌルヌルにテラついている巨大乳房で俺のイチモツを包んでいるという……AVや風俗でも絶対にお目にかかれない光景が広がっている。

おまけにそのドスケベエロメイドたちは、瞳に巨大なハートマークを浮かべ、恍惚な表情でこちらを見つめているのだ。



 それを目にしただけで、脳内には一瞬にしてピンク色の濃霧がかかり、冷静な思考がそのまま性欲に変換されてしまう。



「――誇らしきご主人様♡」



「ご主人様……♥」



 そんな状態では、二人の呼びかけにこたえることすらできない。



 だがそれはこの場において、悪手以外の何物でもない。

――なぜなら、この二人はまだ、“俺に捨てられてしまう”という勘違いを抱いたままなのだから……。



 ――ぬちゅううぅぅぅ~~~……♥♡



 目の前で噴射した精液で冷静さを取り戻したのか……それまで争っていたシリアスとダイドーの動きが、再びシンクロする。



 二人は互いに体を寄せ合うように体重を前にかける。

彼女たちの豊満なバストはほぼ正面から潰れあい、射精後で少し硬さを失ったペニスをその重厚すぎる乳肉で支え、圧迫する。



 ぶちゅっ♡ ぶちちっっ……♥ と、何かが押し潰されるような――ねちっこい弾け音が鳴る。その音を合図に二人は手を……指を絡め合わせ、前後左右に体を揺らす。

それは紛れもなく、二人の本能が導き出した――射精に導けるほど強くはないが、癖づけるには最適な――追い打ちパイズリだった。



「ご主人様……お願いです♥」



「どうか、シリアスたちダイドー級を――このまま、御身のお傍に……♡」



「「ご主人様専用のパイズリメイドとして、お仕えさせてください♥♡」」




――ずちゅっ♡♥ ずちゅっぱちゅっ♡♥ ぐちゅっ、ぐちゅちゅっぶちゅ……♥♡ たぱん……ぱんぱんっ、たっぱん♥♡


 

 ――――俺は子守唄の百倍優しく、甘い誘惑に首を縦に振り……射精した。



◆ ◆ ◆ ◆



 ダイドーとシリアスとの一件から数日が経過した。



 明らかに普通ではない過程を経たとはいえ、結果的に誤解を解くことに成功した俺は、二人に箝口令を敷いた。

二人はそれまでのゴタゴタが嘘のように、とても素直にそれを承諾し、部屋を後にした。



 俺は、そんな二人の様子に何処か一抹の不安を覚えながらも、日常に戻った。もちろん、他の艦船たちに悟られないようにするのを怠らない。



 ――――しかし、俺は失念していた。



「ふふっ♪ 甘いですよ、ご主人さま♥」



 ダイドー級には、“オイゲンと同等に”俺をイジろうとする艦船がいることを……。



~ ~ ~ 



「ご主人さま、シラとカリブディスです。失礼いたします」



 強くも弱くもない絶妙な力加減で執務室の扉が叩かれる。返事を返した数秒後、メイド服を着た二人の艦船が室内に入ってきた。



「ご主人さま、先月分の収支報告書を持ってまいりました」



 絹のように精細で長い白髪を、頭頂部にちょこんと乗ったブラックブリムと、可愛らしいフリルがついたリボンの二つで留めているメイド。

ダイドー他姉妹にはみられない十字形の特徴的な瞳孔に俺を捉えて離さないそのメイドが、一歩前に踏み出し、抱えていた書類を俺に差し出す。



「おう、ありがとう」



「ふふっ、いえ」



 彼女――シラはどこか妖しく、それでいてお淑やかな笑みを浮かべて引き下がる。

俺はすぐさま、渡された書類に目を通したが、シラが退室しないことに気づき、目線を彼女の方へと戻す。



「――どうかしたのか、シラ」



「そのお言葉、そのままお返しいたします。ご主人さま」



「ん? なに……どういうことだ?」



 シラは俺のきき返しにこたえる代わりにそっと横を――同じダイドー級の中でも特に仲がいい姉。カリブディスの方に目線を配った。



 その動きにつられて、俺も彼女の方を見やる。



「ご、ご主人さま……その、えっとぉ……」



 問題の彼女は、一見普段と変わりないように見えた。

しかし、よくよく見れば彼女の顔には、俺を心配するような表情が微かに浮かんでいた。



「ご主人さま……あの、その……。――カリブディスに、いえ……私たちに、なにか隠し事……されていませんか?」



「そんなことは…………ないぞ」



 カリブディスの問いかけを俺は即答で否定しようとした――が、脳裏にダイドーとシリアスとの睦事が早送りで再生され、言葉の間に不自然な間を設けてしまった。



 たとえ、目の前にいるのが駆逐艦の子たちであっても、今の返答ではごまかせないだろう。



「やっぱり……なにか、隠しておられるんですね?」



 当然、目の前にいる――超が何個もつくほどに――優秀なメイド二人には、ちゃんとした言葉を返すよりもそれが伝わっていた。



「ダメじゃないですか、ご主人さま♥ ご主人さまの為ならば、お風呂でも、おトイレでも、お布団の中でも、銃弾飛び交う戦場でも……。いつ、どこでも馳せ参じて、ご奉仕するカリブディスを悲しませては……♥ 彼女が如何に優秀なメイドなのか……お忘れになったのですか?」



 そんな事はない。二人には、公私を問わず世話になっている。



 戦闘では対空要員として。執務では、シラは財政管理やその他書類作成及び整理――カリブディスは、裁縫をはじめとした家事や家事全般で……。



 各々分野は違えど、彼女たちが優秀なメイドであることは、疑う余地もない。



「ご主人さま……どうか、ご事情を話してはいただけませんか?」



 今度はカリブディスが一歩前に踏み出し、少し潤みはじめている瞳で俺を見上げる。



「――わ、分かった……話すよ。実は、だなぁ……」



 カリブディスの少し潤んだ瞳に見つめられた俺は、白旗を揚げ、ダイドーとシリアスとの間にあった出来事を簡単に話す。



「そ、そんな事があったんですね。――んもぅ、ダイドーちゃんったら……」



「あらあら。シラとしたことが、そのような機会を見過ごしていたとは……もっと気を張らないといけませんね」



 話を聞き終えた二人は、驚きも……俺への侮蔑や幻滅を示すことはなかった。

カリブディスは事が大事になってしまった原因である長女の被害妄想に、シラはどこか含みをもった自戒の言葉をそれぞれ述べた。



「あ、あの、ご主人さま……それで、その……」



「ん? どうかしたのか、カリブディス」



 二人が執務室を訪れた真の狙いはおそらくこれだったのだろう。



 だが、話が終わってもカリブディスは、俺の前から立ち去ろうとはしなかった。それに気づいた俺がかけた声に対する返答は、思いがけない場所から返ってきた。



「ふふふっ……♥ もぅ、怒りますよご主人さま。いくらカリブディスがご主人さまに甘いからって、それ以上はヤリスギです……♥」



「うわっ! ――シ、シラ!? お前、いつの間に……!」



 突然背後から投げかけられた言葉に、俺は両肩を大きく跳ね上げて反応してしまった。

とっさに顔を離して、振り向いた――。そこにいたのは、つい先程までカリブディスの横にいたはずのシラだった。



「さぁ? いつでしょうね♥」



シワ一つない真っ白なシルクの手袋に包まれた、美しく華奢な指を口の前でたてて悪戯気に片目を閉じるシラ。

ただそれだけでも、絵画の題材になりそうなほど美しいものだった。



「――そんなことよりご主人さま。ダイドーやシリアスたちがそのお役目を担ったということは……。もちろん同じダイドー級のシラたちもまた同じと考えて問題ありませんよね?」



「…………」



 言葉に詰まった俺は再び、シラから距離を取ろうとした。



 がしかし……。時既に遅く、俺の体はシラによってガッチリと掴まれていた。



◆ ◆ ◆ ◆



――――むにゅ♥ もにゅううぅぅ~~♥♥



「ふふふっ……♥ ――どこへ向かわれるのですか、ご主人さま」



 背後に立つシラが羽交い締めをするように俺を拘束する。ダイドーたちに負けないくらいの巨大なバストが、俺に強く押し当てられ、背筋を塗りつぶす。


 

「ご主人さま……♥ もう既に何度かお伝えしてきましたが、シラたちはご主人さま専用(だけ)のメイドなんですよ♥ 出撃や執務のお手伝いはもちろんのこと。家事、炊事、洗濯、掃除、愚痴のこぼし相手、寝かしつけ……。無論、下のお世話も、喜んでさせていただきます♥」



 俺の背中に体を――眼を見張るほどのサイズを誇る巨乳を押し当てながら、シラは言葉を続ける。

耳元に顔を近づけ、純白な見た目通りの澄み切った心地よい声が、耳から侵入して俺の脳を弄る。



「ご主人さま、ご覧ください、目の前にいるカリブディスを……♥」



 まるで操られているかのように、俺の視線は目の前にいるカリブディスへと集まる。



「シラの姉妹兼友人にして、文字通り“いつでもどこでも馳せ参じる”優秀なロイヤルメイドの彼女♥ 彼女もシラと同じく、身も心も……全てご主人さまにご奉仕するためだけに存在しているのです♥ あの美しい毛並みをしたふわふわな髪も、子猫のような愛くるしい声も……♥」



「――そしてもちろん、あのふくよかに実った柔らかいおっぱいも……そレを包む服に刻まれた由緒正しいメイドの正装にあるまじき、ドスケベ(淫乱)なスリット(ズリ穴)も……♥ 全てご主人さま“だけ”がお好きに使うことが出来るんですよ……♥」



 耳のすぐ側で囁かれるシラの言葉に……。頬を赤らめながらも身を隠そうとしないカリブディスの姿に――否応なしに興奮が高められる。



 ダイドーたちの時はそのまま押し切られてしまったため、なんとか理性と自我を強く保とうとする。……が、シラはそんな内心を見透かしていたかのように、攻めの手を緩めなかった。



「ご存知ですか、ご主人さま♥ カリブディスのおっぱいは、シラたちダイドー級の中で、一番柔らかいんですよ……♥」



 このまま、果てまで導けてしまいそうなほど妖艶なウィスパーボイスが、耳から脳への道のりを擽る。同時に、胸板上に添えられた――白いシルクの手袋に包まれた細指が、筆先で撫でるように動きはじめた。



「ご主人さまもご存知だとは思いますが、シラは同じダイドー級の中でも、彼女――カリブディスと仲がいいんです。ですので、日々のご奉仕はもちろん、プライベートでも何かと交流があります。――例えばぁ、そう……二人で一緒の湯船に浸かることもありますね」



 サラッ♥ サラサラサラッ……♥


 もみっ♥ もみゅ、ぐむにゅ……っっ♥



 胸側からは白手袋越しの華奢な五指……背中からは押しつけられている二つのたわわに実った果実。これらによる愛撫が、シラの言葉で脳内に広がる想像に、強烈な具体性を持たせている。



 シラは間違いなく、それが狙いでこれらの行為をやっているのだろう。



 しかし、普通に生きていてはまずお目にかかれないレベルの超絶美女メイドに誘惑されているという事実に、どうしても興奮を抑えきれない。

――現に股間は、『早く出せ!』と俺に囃し立てているように、激しく脈動していた。



「カリブディスって、シラも見惚れてしまいそうなほどに綺麗なのはもちろん……♥ とーーっても、甘い匂いがするんですよ?♥ パンケーキのように甘く、花畑にいるようなとてもいい匂いが……っ♥ ご主人さまも耳かきなどで、一度は味わった事があるかと思いますが、裸の彼女を前にして匂うそれはもはや……“格別”の一言に尽きます♥」



 間違いなく、俺の股間の状態に気づいているであろうシラ。



 だが、彼女はこんな初っ端でそれを指摘するような――単純な性格ではない事は誰よりも俺自身が知っている。



 その予想通り、シラは何も言わずに、細い五指を下腹部から鳩尾、そして胸へとゆっくり上昇させ――反対に背中に押し当てた胸は、肩甲骨から背骨……腰へと降下させていく。



 その表情は笑ってはいたが、その笑顔の中には――悪戯(イタズラ)を考えているイジメっ子と、主が自分の思うがままに動いている事に対する光悦が共存していた。

そしてまだ、最上級メイドによる、焚き付け(ささやき)は続く。



「私(わたくし)シラも、時々カリブディスにボディクリーム等を借りることがあるのですが……同じ匂いはしないのです♥ 彼女と同じ分量、同じ塗り方をしても、その蕩けそうなほど甘い匂いはカリブディスだけが放つんです……♥ それはつまり、あの子が……あの子のカラダが、敬愛するご主人さまのためだけに、淫らに成長したということです♥」



 シラはメイドとしての奉仕技術だけでなく、俺の……男の情欲を煽ることも超一流だった。



 シラはただ、体を擦り寄せて耳元で囁いているだけなのだ。しかし、それによって俺の内側で燃え盛る情欲の大きさはAVをみた時に匹敵する。



 サンプル動画のように際どい水着をつけているわけでもなく、放たれる言葉も『淫語』と呼ばれるものはほとんどない。普段と何一つ変わらない貞淑さを持ち合わせたまま、俺だけに向けて紡がれる言葉上の性交(ピロートーク)。



「ふふっ、ご主人さま?♥ なんだか、先程からお体のほうが少し熱くなられてますよ……どうかされましたか?♥♥ ――なぁんて、流石にこれはワザとらしすぎますね♥ でも、あとほんの少し我慢してくださいねご主人さま♥ まだ、一番大切なことをお伝えしていませんので……♥」



ふーっっ……♥


ゾワッ♥ ゾワゾワ……ゾワワッ♥♥



 体に纏わりはじめていた熱を吹き消すように耳の奥にむけ息が吹きかけられる。しかしその息吹は、熱を冷ますどころかマグマのように煮え滾らせることしかできなかった。



「……あらっ、シラとしたことが♥」



 などと、とぼけてみせるシラ。彼女にとって俺の情緒を操ることなど、造作もない事なのだろう。

……実際、今この瞬間におけるそれは、ビー玉のように弄ばれる玩具に成り下がっていた。



「ご、ご主人……さま♡」



 それまで黙秘を続けていたカリブディスが声を上げた。



 いつの間にかシラの反対側――俺を挟むようにして前に立っていた彼女と目が合う。

普段の――どこか天然さが入り混じった温和な表情とは違い、彼女の顔は今の俺の写し鏡のように、赤く紅潮していた。



「そ、そのぉ……♡ よろしければカリブディスのおっぱい――お、お使いになります……か?」



くぱぁ♡



 目の前でカリブディスが胸を……正しくは、胸部に空いたスリットを広げた。さすがに、羞恥が拭いきれないのか言葉は詰まっていたが、開かれたソコは、確かに俺に差し出すように大きく入り口を広げていた。



むぱぁ~~っ♡♡



 視線が、嗅覚が、意識が、肉欲が……。俺の全てが開かれたスリット(ズリ穴)に集中する。



 恥ずかしさ故か、それとも指程度では開通できないほど大きいのか……。開放された扉の向こう側は何処までも、もっちりとした丸い肉毬が埋め尽くしていた。



 シラの言葉に触発され、開いた瞬間から鼻呼吸が激しくなり、噂の甘い芳香を取り入れようとする。

依然として、背中に当てられっぱなしのシラのおっぱい。それも十分に柔らかいが、それを凌駕する軟度をもつカリブディスの乳に、想像が無限に広がる。



「ご主人さま……失礼、いたします」



 カリブディスかシラか――はたまた二人ともか……。その言葉だけが耳に残り、あっという間にズボンがパンツと一緒に脱がされた。姉たちとは違うやり方ではあるが、あの時と同じくらいに煽られた性欲は、チンポをガッチガチに勃起させるのには十分だった。



「これが……ご主人さまの……♡」


「まぁ♥ とても立派ですよ、ご主人さ・ま♥」



 この二人も姉たちと同様、俺に対する侮蔑の言葉を言わない。



 カリブディスはどこか驚愕と見惚れたような口調……。シラは、少しばかり誂うような口ぶりだったが、二人の言葉には間違いなく俺に対する絶対の忠誠と溢れんばかりの愛が込められていた。



「んっ、しょ……っと♡」



 カリブディスが両腕を下乳に潜り込ませ、ギン勃つ亀頭の先にスリット(ズリ穴)を持ってくる。俺のチンポはまるで犬のように、それに強く反応しビクビクと暴れ動く。

そのせいで、時折乳肉と亀頭が触れあい、ふにゅ……♡と形を変えながら姉妹一の柔らかさの片鱗を味わわせてくる。

 


ズッ……プ♡ ぷっ、ぷぷぷにゅ~っっ……♡♡



 指が離れたことで少し閉じて狭くなった乳部屋に、ゆっくりと時間をかけて魔羅が入り込んでいく。モチモチの乳肉がガチガチの肉棒に掻き分けられ、揉み潰すように竿に吸着する。



 シラに体を抑え込まれ、少しも逃げ場がない状態のまま……刻一刻と食されていく自分の性器(ちんぽ)。突き進んでも、突き進んでも……どこまで行っても終わりの見えない乳穴洞窟を堪能する。



「はい、全部挿入(はい)りましたよご主人さま♥ シラたちダイドー級の中でも最も柔らかいパイズリは、いかがですか?♥ ――なんて、さすがに愚問すぎたようですね♥♥ ご主人さま、今……まるで泣きじゃくる子供のように切ないお顔をなさっていますよ……ふふっ♥」



 カリブディスの乳マンコは俺のガチ勃起ちんぽをいとも簡単に収納した。乳内は絶妙な力加減による締めつけと、湯たんぽのような温もり。そして、シラのお墨付きでもある――綿菓子のようにフワフワでもっちりとした厚い乳肉……。この三つだけが存在する夢の空間だった。



「ご主人さまの……とっても熱いっ♡ えっと、こういう時は……なんて言えばいいかなシラちゃん」



「ありのまま、カリブディスが思ったことを言えばいいと思います……♥」



 しかし、カリブディスは俺の性器(ちんぽ)をズッポリと収めているのにもかかわらず、普段と変わらない様子で――俺の後ろにいるシラと会話を交わす。



 確かに彼女はシラのように、変になにかを企てたるような性格ではない。

だとしても、事ここに至って普段通りの様子を見せられるのは、どんな反応よりも堪える。



 ――だが、そんな考えがいかに浅はかだったのかを、俺はすぐに知ることとなった。



「そう……なの? え~っと、それじゃあ」



「――い、いらっしゃいませ。ご主人さま……♡」



ビキッ! ビキビキビキッ……ッッ!!



 ――天然とは時に、何よりも恐ろしい凶器になるものだ。



 赤子を抱くように自分の胸を支え、こちらの様子をうかがうような上目遣いで今の言葉を口にしたカリブディス。メイド服とベルト……。二つの拘束をもってしても、抑えきれないほどのボリューミーな柔乳の持ち主は、自分の言動が如何に男性器(ペニス)に響くものなのかを理解していなかった。



「――きゃっ!♡ ご主人さま、どうされたんですか!? おっぱいの中で、ものすごい暴れて……♡」



「まぁ……♥」



 何かしらの化学反応のように乳内で俺のチンポが激しくのたうち回り、暴れる。カリブディスは訳も分からないまま、その衝動を抑え込もうと――右手で左乳を、左手で右乳を挟むように――力を込める。



もにゅ♡ んにゅうぅぅ~~~……♡



 となれば当然、乳内に埋(うず)もったチンポにかかる乳圧も増大する。トロもちの乳肉は吸い付きを更に増し、とろけるような甘さを持った抱擁で肉棒を饗す。



「ご主人さま♥ そのお顔ですと、既に限界ギリギリかと推察しますが……まだ射精なさらないでくださいね♥ だって、今射(だ)されては、せっかく勇気を振り絞ったカリブディスが、あまりにもかわいそうじゃないですか……♥」



 俺と同等。――いや、それ以上に唆り興奮気味な声でシラが囁く。



 その声はカリブディスにも聞こえていたが、彼女はそれに含まれていた意味を理解することができなかったらしく、頭の上にクエスチョンマークを浮かべていそうな顔をしている。



「さぁ、ご主人さま……♥ お辛いとは思いますが、ここは我慢なさってください♥ 心配いりません、ご主人さま。シラも、微力ながら“お手伝い”させていただきますから……♥♥」



ギュウウゥーーッッ♥ 



 シラの白磁のように白く、美しい細腕による体の拘束が少し強まった。元々、胸と腕に挟まれ身動きが取りづらかったが、ついに腕一本マトモに動かせなくなってしまった。



――さわっ♥ サササーーッッ♥♥ カリッ、カリカリッッ……♥ クリッ、クリリ……♥



 シラの宝石のような十指が、制服の上から俺の胸――乳首の周辺を爪立てて弄リはじめた。痛みはないが、手袋越しでも確かな引っ掛かりを感じる程度の長さに整えられた爪による手伝い(ダメ押し)。



 爪の触感を教えるようなソフトタッチから始まり、乳首を中心とした半径数センチを囲むように旋回し、ある時は突起に吸い寄せられるようにギリギリまでを爪撫(つまな)でる。



 そして、カリブディスのふわふわ縦パイズリによって、隆起した乳首を誂うように、可愛がるように――。指を一本ずつ、何度も繰り返して……鍵盤を叩くかのごとく弾く。



「シッ……!! ――ラッ、アァ゛ァーー!!」



「はい、ご主人さま♥ そう叫ばれずとも、シラは最後までここにいますよ……ご安心ください♥」



 腹の底から喉のすぐそこまで込み上がっていたみっともない喘ぎ声。それをなんとか封殺できた俺は、首だけを動かして背後にいる魔女(シラ)をみやる。

しかし、彼女はなんとも涼しい顔をしたまま、いけしゃあしゃあと呆けるだけで、指の動きを止めようとはしなかった。



「ご、ご主人さま……? だ、大丈夫……ですか? カリブディスのおっぱい……気持ち良くないのでしょうか?」



「いいえ、カリブディス。むしろその逆です♪ ご主人さまは今、アナタのパイズリに必死になって堪えておられるんです♥ さっきの声はそう……あまりにも気持ち良すぎて、ついシラに助けを求めただけ……♥♥ 本当、“お仕えし甲斐”のあるご主人さま♥」



「そ、そう……なの? シラちゃん?」



「えぇ♥ だからカリブディスはこのままご奉仕(パイズリ)を続けてください。……ご主人さまもますますお喜びになると思いますのでっ♥」



 急変した俺の様子に怪訝と不安が入り混じった表情を浮かべたカリブディス。だが、シラの口車にうまくのせられ、それらは一瞬にして消え去った。



「――それではご主人さま。その、はじめ……ますね♡ 我慢できなかったら、いつでも射精してください……♡♡」



むにゅ♡ るぷゅんっ♡  たぽんっ、たぽっ……♡♡ 



 開始の宣言をしたカリブディスは、腕ではなく手のひら全体で乳を支え、谷間に挟んでいる肉杭を柔乳で揉み搾りはじめた。



 シラが『姉妹一』と公言するほどに柔らかい乳マンコへの挿入……背中に押し当てられているシラのボリューム満点な釣鐘型おっぱい。

そして、依然として続けられている乳首とその周辺をカリカリと引っ掻き、時折ツン!♥ と爪弾かれる快感。



 これらだけで既に限界ギリギリまで追い込まれていたというのに、まだ性感が上乗せされる。



 尿道口から漏れ出ているカウパーと、微かに乳肌に染み出している汗が潤滑液の役目を果たし、滑りが良くなった縦穴おっぱいマンコ。



 そこで味わう快感は、ダイドーたちによるWパイズリとはまた違った極上の快楽。正面から挿入していることで、敏感な亀頭がひっきりなしにカリブディスの柔乳肉にぶつかり、すぐ下にある包皮も丸ごと引き伸ばされる。



「んっ♡ やさ~しく、傷つけないように、痛くしないように気をつけながら……んんっ♡♡」



 長女たちのパイズリは、いうなれば肉食獣の暴食。俺のチンポを奪い合うようにズリあい、少しでもはやく精液という名の安心を得ようとしていた。

しかし、カリブディスのパイズリはそれとは対照的にどこまでも優しく、あまあまだった。



 肉棒を先端から乳内に迎え入れる時も、逆に引き抜いていくときも……。一貫して痛みが一切生じない速度と力加減での摩擦がチンポを襲う。

ピラニアのように貪り尽くすのではなく、ティッシュで包むような甘い抱擁。包茎の子供のちんちんを剥く時のように、極限まで痛覚や刺激をゼロにしたパイズリ。



「えっと、ご主人さまはシラちゃんに捕まって動けないからっ♡ カリブディスが、んっ……しょっ♡ 動いてっ♡ あげないと……んっ♡ ですよね♡ えいっ、えい……っっ♡」



 カリブディスは懸命に上半身を揺らし、自らピストン運動を生じさせてくれている。モッチモチのおっぱいと先走りでヌルついたチンポとの摩擦は――乳房そのものを動かさずとも――筆舌に尽くしがたいほどに気持ち良く、精嚢に溜められた精液を更に濃厚で粘ついたものへと進化させていく。



 だが……。



「ご主人さま、どうかされましたか?♥ 先程から、大変可愛らし――いえ。とても苦しそうなお顔をされていますが……♥」



 内心で燻るもどかしさを見透かしたように、またシラが背後から囁き、乳首周辺をイジりはじめる。



ソワッ♥ ソワソワ……ッ♥♥ クリ、クュリ……カリリッッ♥



 皮下の筋繊維をほんの少し凹ませる程度に強めた力で鳩尾の辺りからジワジワと乳首に向けて北上し、そのまま一度乳首を弾きながら通過する。

そして――まるで忘れ物でもしたかのように――再度乳首へと戻り、子供の頭を撫でくちゃにするように、コリコリ♥ と上から圧し潰し撫でる。



「大丈夫ですよご主人さま♥ シラはご主人さまとロイヤルメイドに関することなら、全て知っています♥♥ なので、ご主人さまは何も隠さず、何も恥ずかしがらず……全てをそのまま打ち明けくださいませ……♥」

 


クリュリ……ッ♥♥ コリコリ……♥ ゾワゾワッ……♥♥ カリカリ……カリィ~~ッッ♥♥



 シラは俺の――俺からの言葉を引き出すように指の動きを活発化させる。カリブディスの激あま縦パイズリに埋もれていた、多少のこそばゆさと甘い痺れを伴った快感が徐々に強くなり、脳天で弾け染み渡る。



 シラの指が乳輪を撫ぜ、乳首を扱き上げる度に腰が跳ねそうになるほどの快楽が電流となって背筋を駆け巡る。



 だが、決して射精(だ)せない。



 射精欲が臨界点を突破するギリギリになると、決まってシラは胸から指を離し、カリブディスの柔乳が宥めるようにチンポを包む。

乳房を動かす事なく、ただユラユラと上半身を動かすだけの極甘パイズリでは、臨界点の手前を維持することはできても、その最後の一線を超えることはできない。



「――ご主人さま♥ もうそろそろ射精されたいのではないですか?♥♥ 『今のままでも十分気持ちいいけど、このまま生殺しされそうで怖い』――このようなことを考えておられるのではありませんか?♥」



「……ぁ……ぅ……」



「ふふっ、そのような可愛らしい鳴き声……シラ初めてお聞きしました♥ ですが、どうやらシラの推察通りのようですね?♥♥ ――でしたら、万事このシラにお任せください♥ 今すぐ射精へと導いて差し上げます♥」



 シラの声には、すっかり隠しきれないほどの愉悦が込められていた。だがしかし、今の俺にその事を指摘できるほどの余裕は――なかった。



「カリブディス。ご主人さま、もうそろそろ射精されます♥ 準備はできていますか?」



「えっ、あっ……♡  射精(だす)んですね、ご主人さま♡ どうぞ♡♡ カリブディス……最後までちゃんとおっぱいで包み込んであげますから♡」



むっにゅうぅぅ~~♡ むにゅっ♡ もにゅ、むにぃ……っっ♡



 シラからの予告を受けたカリブディスは、少しばかり腕に込める力を増し、乳圧を高めた。これで俺は身体だけでなく性器すらも固定され、発射される精の行き先は完全に決定づけられた。



「それではご主人さま♥ 僭越ながら、このシラが最後にとっておきの情報をお伝えいたします♥ ――お耳、更に失礼いたしますね……♥♥」



 カリブディスが射精を受け止める準備として、乳圧を高めたまま、にゅり♡ にゅる♡と縦パイズリを続けている。そんな状況下で、シラがさらに身を乗り出し、耳元に口を――ほぼゼロ距離まで近づけた。



『――今、ご主人さまのおチンポを包んでいるカリブディスのおっぱい……♥ シラたちダイドー級だけでなく、ロイヤルメイドの中でもトップの柔らかさを誇るふわふわマシュマロおっぱい……♥♥ そのサイズは98.2センチのFカップです♥』



――――どぷっ♡ びゅぐ♡ びゅくるるぅっっ~~~♡ とぷっ♡ とぷとぷぷ……っ♡♡ 



「わっ……♡♡ ご主人さまのおチンポっ♡ ビクビクってして……すっごい勢いでザーメン出てる……♡♡」



 シラの囁きは、永遠にこえられないとすら思っていた最後の一線を、あっさりと飛び越えさせた。カリブディスのおっぱいに対し、垂直に突っ込んでいる俺のチンポは、ドクドク♡ と音をたてて溜めに溜めた精液を吐き出している。



「どうぞ♡ お伝えした通り、カリブディスは最後まで包み込んであげますから……♡ 全部出しきってくださいね~♡♡」



どぷっどぷどぷ……♡♡ びゅく……びゅくく……♡♡



 チンポが脈動する度に、眉間の奥では火花が散り、腰から下の力と生気が奪われ続けているような感覚に陥る。

しかし、それだけの勢いで射精しているのにもかかわらず、カリブディスは――彼女のおっぱいマンコは……俺のムスコを捉えたまま離さない。



 長女たちのように追い打ちをかけることはせず、ただただパイ生地のように射精チンポを包み込み、精の放出が終わるまで受け止める受容極振りのパイズリ。



 何かと俺に甘い子が多いロイヤルメイド隊の中でも、トップクラスに甘やかし、ダメにすることに長けたカリブディス。

そんな彼女の性格が如実に現れた甘々縦パイズリは、当たり前だが途轍もなく気持ちよく、先日のWパイズリに匹敵する幸福感を俺にもたらしてくれる。



「あっ……ふふっ♡ ――おチンポ♡ やっと大人しくなりましたね、ご主人さま♪♡ 本当はあともう少し、おっぱいでご主人さまのおチンポを包んでてあげたいんですけれど……♡ さすがにそれだと、シラちゃんを仲間外れにしちゃうみたいでイヤなので交代です♡」



 大量の精液でドロドロになったブラウスとおっぱいで俺のペニスを包んだまま、カリブディスがいつも通りの包容力のある朗らかな笑顔を浮かべ、こちらを見つめる。



 そしてゆっくりと、上半身を引いていき、長らく捕まえていたチンポをその谷間から引き抜いていく。



「心配いりませんよ、ご主人さま♡」



 俺の考えていたことが分かるのか、カリブディスが続ける。



「私(わたし)、カリブディスもダイドーちゃんやシラちゃんと同じ……ご主人さま専用のパイズリメイドですからっ♡♡ またシテ欲しくなったら、いつでもお声をかけてくださいね……♡♡ 私、楽しみにしてますから♡♪」



 その言葉が終わるとほぼ同時に、カリブディスのFカップおっぱいからチンポが開放された。久しぶりに外気に触れたチンポは絵の具を塗りたくったように真っ白で、亀頭の先や裏筋からは精液の汁がポタポタと垂れ落ちていた。

切っ先と谷間の間には――誰一人渡ることができないが、世界中のどんな大橋よりも魅惑的な、白濁色をした一本の橋(ザーメンブリッジ)が架かっている。



 それはまるで、俺のチンポが『カリブディスのもっちりふわふわおっぱいから離れたくない』と駄々をこねているようでもあった。



「ふふっ♥ お射精、お疲れ様でしたご主人さま♥♥ シラたちロイヤルメイドの主に相応しい力強く(みっともなく)、可愛らしい(たくましい)吐精でございましたよ……♥♥ では、次はシラの番でございます」



 橋がぷっつん♡ と音をたてて崩落したのを見届けたシラが声をかける。



「生憎、シラのおっぱいはカリブディス程柔らかいものではありませんが……。それでも、ご主人さまに同じくらいご満足いただけるよう“誠心誠意”パイズリご奉仕させていただきます……♥」



 シラは俺の上半身の拘束を解き、谷間の精子を拭き取っているカリブディスに変わって眼前に立った。そして、まるでダンスにでも誘うよう家のように、俺の手を優しく取り、ベッドへと誘う。



「――あ、そういえばご主人さま……♥ ご奉仕の前に、一つ大切なことをお伝えしておきます♥」



「――これからご主人さまのおチンポ様を可愛がらせて(イジメて)さしあげるシラのおっぱいですが……♥ 99センチの“ギリギリ”Fカップでございます♥ ――どうか、ご主人さまの御手で、シラのおっぱいを100センチ(Gカップ)に成長させてくださいませ♥♥」



 シラがメイド服をはだけさせる前に言ったその言葉で、俺の股間は――つい今しがた射精したのが嘘のように――ビキビキにいきり勃った。



◆ ◆ ◆ ◆



「ご主人さま♥ 子犬のように愛くるしい顔をされずとも、すぐにパイズリして差し上げますよ……♥ ――幸い、カリブディスのお陰で潤滑液(ローション)を塗布する必要もないようですので……っ♥♥」



 シラはまるで子供を見つめるような優しい目で俺を――俺のチンポを見下ろしていた。

ベッドの上に俺をそっと寝かせ、自分は股座の間に正座し、腰を膝の上に載せる。



 射精直後だというのに、少しも萎れることなく屹立している陰茎。

竿全体は精液の残り汁で白くベタついていて、一定の間隔を保ちながらビクビクと震えている。その振動のせいで、先走り汁が混ざり粘り気が落ちた精液カスが、シラのメイド服に飛び散りシミを形成してしまっている。



「――常日頃、ご主人さまの熱視線がよくシラの胸に注がれていたのは承知しておりましたが……♥ よもや、これほどまでの肉欲を抱いていただけていたとは♥♥ ご主人さま専用の一メイドとして、大変嬉しく思います♥」



 シラがまるで見せつけるかのようにメイド服を脱いでいく。

映画のワンシーンに使えそうなその動作は、妖艶さと同時に言葉を失いそうになるほどの美しさがあった。



 ――やがて、服の大半がはだけ、ついにその膨らみの全体像と、それを包むメイドがつけていたとは思えないドスケベ下着(ランジェリー)が目の前に現れた。

カップ部分には薔薇の刺繍が施された黒色のブラは、やはりと言うべきか――彼女の頭よりも大きな果実を支えていた。



「メイドの下着姿など……姉さまたちで見慣れているはずなのに……♥ そのように凝視しては、浮気を疑われてしまいますよ? ご主人さま――♥♥」



 ホックを外すため背中に両手を回したシラが、一旦その手を止めて、そう呟く。その言葉は、表面上は俺の節操の無さを戒めるものだったが、その口調は“仕方なのない人”といったふうな――許容だけが込められた優しいものだった。



「――ですが、今ここにいるのはご主人さまとシラ。そして、カリブディスの三人だけ♥ では、この事実はシラたちだけの秘密にしておきましょう♥ よろしいですね? ご主人さま……っ♥」



 その提案にコクリと首を縦に振る。それを見届けたシラは、ふふっ♥ と軽く笑った後、止めていた腕の動きを再開した。



――――パチッ♥ 



 何度聴いても興奮を煽られる拘束の解除音が耳をつついた。

つなぎ目が解かれ、肩紐から腕が抜けた黒色の蠱惑的で大人びたドスケベランジェリーは、まるで椿のように、ファサリ……♥と落ちていった。



ぼろんっ♥ ……っゆん♥ ゆっさ、ゆっさ……どったぷうぅぅん♥♥



「――な、なっっが……」



 それがシラの――100センチ目前のほぼGカップバストをみた、俺の実直な感想だった。



 つい先程までチンポを包んでいたカリブディスのおっぱいが真円に近い丸形だとするならば、シラのそれは楕円――。教科書に乗っていても何らふしぎではない、見事なまでの釣鐘型おっぱいだった。

 片方だけでも俺の頭以上のサイズを誇り、根本から先っぽ(乳首)までの白くなだらかなバストラインは、一メートルが如何に長いものであるかを再認識させた。



一切の拘束が解かれたというのに、双房の間には海溝のように深く、長い溝が形成されている。



 そんな間違いなく至宝レベルの美巨乳が、俺の精液とカウパーでドロドロに穢れた肉棒に差し出され、今まさに挟もうとしている。

その事実に俺は、どうしようもなく興奮してしまう。



「ふふ♥ シラのおっぱい、お気に召したようで何よりですご主人さま……♥ では早速――と言いたいところですが、最後にもう一つ――とても重要な質問をしてもよろしいでしょうか?」

 


 出鼻を挫かれた俺は、半ば恨みや苛立ちを込めた視線でシラを睥睨する。しかし、目の前のイタズラ好きなメイドは、眉一つ動かさずに続けた。



「――ご主人さま♥ “挟み(ズリ)方”はどちらがよろしいでしょうか?」



「――――っっ!!」



 その一言だけで、俺の恨みや苛立ちは嘘のように消え去った。

だが同時に……『このメイドはどこまで俺の劣情を煽れば気が済むんだろう』という恐怖や畏怖に似た感情も少し抱いた。



「やはり、“パイズリ”という行為は“挟射”とも書きますのでやはり、左右から閉じ込めるようにして挟むのが良いでしょうか……♥」



――たっぱあぁぁ~~っっ♥



 その言葉と共に、目の前で予行演習(デモンストレーション)が行われる。ほぼ一メートルの長さを持つ“長”巨乳が左右から鷲掴みにされ、深い溝の奥が公開される。



もっわぁ……♥ 



 そんな擬音が俺の視界には見えた気がした。――それくらい濃厚な淫臭が鼻を突く。

俺がカリブディスの縦パイズリを堪能する前から、ずっと背中に押し当てられ、潰されていた長乳。それは風呂上がりのように蒸れていて、ただ大きく左右に分かたれただけで――燻製された特製フェロモンが撒き散らされたのだ。



「ご主人さま♥ よろしければ、姉さま。――ダイドーとシリアスには、どのようにしてパイズリされたのか……教えていただけますか?♥」



「――やはり、このように“挟まれた”のでしょうか?」



ぱっっっ――――っぷん!!♥ もみゅっ♥ むぅみゆゅ……っ♥♥



 警告も宣言もなしに、肉棒がいきなりシラの長乳に挟まれた。



「ぐっ……!? うっ、ぅっ……」



 今まで感じた全ての尿意や射精感……。その全てをブッチギリで凌駕する程に、竿の根本から大きな奔流が逆上するのを感じた。

――だが、すんでのところでそれを封じることに成功し、シラが最も悦ぶ事態(挿乳直後に射精)は避けることができた。



「――♥♥ あぁ、ご主人さま……なんと可愛らしいお姿♥ カリブディスも、ダイドーも、シリアスも……♥♥ シラ以外の子は皆、こんなにも愛くるしい(弱々しい)ご主人さまのご尊顔を目にしていたのですね♥」



 ギリリッ……。と、歯を食いしばり、勝手に浮上する腰を押し留めるようにシーツを掴む俺。

一方のシラは、誰がどうみても分かるほどに恍惚に満ちた歓喜の表情を浮かべていた。



 しかし、一度軽い咳を挟んで元の表情へとはや戻りすると、肉棒を挟み続けたまま推測を並べはじめた。



「二人ともあの性格ですから、このように自らすすんでパイズリご奉仕してきたのではありませんか?♥ 特にダイドー姉さまは、ご主人さまに捨てられるくらいなら、命を捨て兼ねませんので……。“文字通り”懸命にご奉仕(パイズリ)していそうですね♥♥」



 流石は実の姉妹というべきか――。シラのたてた推測はほぼ事実を言い当てていた。

しかし、俺はそんな事に、長い間意識を向けられるほどの余裕はなかった。



ずにゅっ♥ もんにゅ……っっ♥♥ ぐむっ♥ ねぬにゅ……♥



 粘土をこねくり回すように、メートルサイズのロングおっぱいが“揉み動かされている”。

完全にみっちりと飲み込まれた肉棒は、まるで洗濯機の中に閉じ込められたかのように――上下左右前後あらゆる方向から乳肉に殴られ、寄りかかられ、嫐られ……快楽という快楽を叩きつけられる。



 歯茎からギシシッと音が鳴る程に強く食いしばり、難便の時以上に括約筋に力を入れる。



 だが、目の前で変幻自在に動く腕と同じくらいの長さをした白美巨乳。その切っ先でじっとこちらを見つめながら、かわいく……そして淫靡に誘惑する白桃色の乳首。

Wパイズリの景色とはまた違った最高に卑猥な光景。一人の成熟した――それも極上の女体を独占しているんだという現実に、他に類を見ないほど幸福感と充足感……そして支配欲が満たされ、力んだそばから力が抜けていく。



「うっ……くぅっ! ふっ、――うぅぅ……」



 力が入っては抜け、入っては抜けを繰り返す。

シラの乳は不規則にうごめいているはずなのに、どういうわけか決まって俺が力んだ直後に快感の塊をぶつけてくる。

そのせいで、せっかく我慢できている射精欲求がジワジワと――階段を一段ずつ昇るように、尿管内で高ぶっていく。



「しかし、二人がかりの場合だと……このように挟むのは難しいですよね♥」



 不意にチンポが生物のように蠢く乳獄から開放された。



 シラの性格を考慮すればありえないことではなかったが、さっきまでの俺にそんな余裕などあるわけもなく、俺は拍子抜けた声を出してしまった。



「あら? いかがなさいましたか、ご主人さま♥ 私はまだ、“もう一つの選択肢”をあげておりませんよ? ふふふっ♥♥」



 その言葉と歪に曲がった口角。そして、ニタァ……♥ と細まった瞼をみて、俺はここまでの一連の出来事が全てシラの目論見通りだということを悟った。



 しかし、もはや俺に言い返す気力はなく、早くもう一つの選択肢(別のズリ方)を教えて欲しいという気持ちしかわかなかった。



「『二人同時にされた』というご主人さまのお言葉もありますし、やはり――コチラでしょうか……♥」



にゅっぷ♥ ぷゅる♥ ふゅるん……♥♥



 シラの言葉を信じるのなら、彼女の乳肉はカリブディスのそれよりも柔軟性が低い……らしい。だが、俺にはその違いが全く分からなかった。



 それほどまでに柔らかい乳肉と、多少湿ってはいるものの――十分にサラサラとした乳肌が亀頭の先端部分。

すっかり水たまりを形成していた鈴口に触れ、その水を根こそぎ掻っ攫う。



「あら、ご主人さまの先走りがついてしまいました♥ 途中で中断されたの、それほど悲しかったのですか?♥♥」



 カリブディスにも匹敵するほどの母性に満ち満ちた、甘く優しい声で話しかけてくる。しかし、その言葉には明らかに“含み”があった。



 ――先程のお試しパイズリは、いわばこのための布石だったのだろう。



 人の感覚だけでは判別できないほどに柔らかい軟肉と、圧倒的な体積だからこそ実現できた強い乳圧でチンポ全体を包み込み、射精をすぐそこまで近づける。

鈴口や括約筋がバカになり、根本から先端まで一本の線が通った頃合いを見計らい、おっぱいの揺りかごを遠ざけ、最後の言葉を導き出そうとしているのだ……。



「ほら、ご主人さま♥ もう、私が考えている“もう一つの選択肢”が何か……おわかりですよね?♥♥ なら、はやく……答えを言ってください♥♥ そうすればシラもスッキリとした心持ちで、ご主人様にこの身を捧げる事ができますから……っ♥」



 寓話や神話に登場する淫魔とはまさに、こんな風に人を誘惑し堕落させるのだろう――――。



 そんな確信を抱きながら、俺は……俺の脳は敗北宣言(おねだり)の言葉を紡ぎ、口や喉の筋肉はそれを発声する為に動き出そうとしていた。



 だが――――。



「もぅ、ダメですよシラちゃん! そんなふうにしては、ご主人さまがかわいそうです!!」



 口が開き、声とともに空気の塊が飛び出そうになったその瞬間――。俺の頭上からもう一人の女声が響き、頭をサッと柔らかい何かが支えた。



「あらら、カリブディス……♥ ご主人さまの精液は、拭き終わったのですか?」



 俺の言葉を寸前で遮ったのはカリブディスだった。



 彼女はいつの間にかベッドの上。俺の頭側に正座していて、自分の膝の上に俺の頭を載せた――つまり膝枕をしていた。

先程俺の頭を支えた柔らかい物体の正体は、彼女の両手だったのだろう。



「えっ? そ、それはまだ……完全じゃないけれど――。って、誤魔化さないでよシラちゃん! これ以上ご主人さまをイジメるなら、私本当に怒るからね!」



「ふふっ♪ それは嫌ですね。――では、ご主人さま……♥ お答えはまた今度、じっくりと聞かせていただきます♥」



「また今度って……。――んもぅ、シラちゃんったら、なんでご主人さまに“だけ”そんなイジワルしちゃうの?」



「ふふっ♥ シラも貴女と同じ、ご主人さま専属のメイドだからです♪」



 シラとカリブディス。同じロイヤルメイドにして、ダイドー級の中でも特に仲がいい二人の間で、なんとも仲睦まじい会話が繰り広げられる。



 しかし、俺はその会話よりも視界に浮かぶ二つの大きな丘に釘付けだった。



ぷるん♡ ぷゆっ……ふるるっ♡♡



 たまの耳かきなどで、膝枕をされたことはあるが、それとは何もかもが天地ほどの違いがある。



 日傘のように、部屋の光を遮る丸々とした大きな膨らみが、呼吸に合わせてかすかに揺れ動いている。

 精液を拭き取るのに使用したであろうウェットティッシュの名残りか……暗い陰(かげ)の中でも微かに煌めきを帯びているそれは、まさに新鮮で瑞々しい桃のよう。



 ふわぁ……♡ ふわっ、ふわわ……っ♡♡



 そしてなにより――縦パイズリ(さきほど)は、大きく息を吸わなければ感じ取れなかったカリブディスの生まれ持った甘い匂いが、今度はハッキリと……より濃厚に感じられた。



 シラはこれを『パンケーキのように甘い』と称していたが、そんな生易しいレベルではなかった。


 砂糖や蜂蜜、果汁といったこの世にある“甘み”を、一つの鍋で煮詰めたような超極甘な匂い。目の前にお菓子の家でできた住宅街があるような……砂糖の砂浜に立ち、砂糖水でできた海を前にしているような――そんな極上の甘さが嗅覚に、そして脳に――ラッシュのように連続して殴りかかってくる。



 それほどまでに極上で甘美な体臭を嗅がされては、当然――。股間の方にも、とんでもない快楽信号が送られ、射精寸前……すんでのところで踏みとどまっているペニスは過敏に反応してしまう。

そんな予測可能だが、回避は不可能な反応に真っ先に気づくのはもちろん……



「おや? ――ご主人さま……♥ まさか、カリブディスの匂いだけで射精されるおつもりですか? せっかく、シラがおふざけなしでパイズリご奉仕しようとしていましたのに……♥」



 結果的に、俺はシラにまた一つ、弄ぶための材料(おもちゃ)を自ら与えてしまった。



 カリブディスのおっぱいに遮られ、全ては見えなかったが――彼女は予想通りというべきか。親の顔と同じ数は見た小悪魔的(いつもの)笑顔を浮かべていた。

四芒星の形をした瞳孔は、まるで本物の星のように――じっとコチラの顔を見下ろしていることだろう。



「――そ・れ・と・も♥ 今度はシラに言わせたいのですか?♥♥ 先程。分不相応にも、シラがご主人さまにそう仕向けた意趣返しとして、シラのこの口から……ご主人さまの射精寸前やせ我慢チンポに向かって媚びへつらえと……そう仰りたいのですね♥♥」



 これまで散々俺を弄び、情緒を好き放題操ってきたシラから再度――悪魔のような囁きが投げかけられる。



 カリブディスのおかげとはいえ、一応の窮地は脱した安心感。人間として当たり前に抱く反抗心……。

そして、“自分は主人であり、シラはそれに仕えるメイドである”というプライド(矜持)。

 それらの感情が複雑に絡み合い、混沌を成す。無意識に横隔膜の辺りに力が入り、気管を強い“何か”が、グググと押し上がっていく。



「そうだ、シ――――わぅぷっ」



 ほぼ何にも遮られることなく、直通で口外へと飛び出した強い言葉が強制的に遮られた。



「いけません、ご主人さま。ご主人さまがそうやって反応するから、シラちゃんが勢いづいちゃうんですよぉ?♡ ご主人さまは大人しく、シラちゃんパイズリで気持ちよくなってください! ――その代わり、カリブディスのおっぱいを好きにしていいですから……♡ ね?♡♡」



 物理的に口を塞いだふわっふわの肉まんの正体は、顔のすぐ上に浮いていたカリブディスのふわもちおっぱいだった。

シラほど長くはないが、ほぼ同じサイズを持つそのFカップバストは、簡単に俺の顔全体を覆い、最高級のドスケベ顔パックとなった。



「あら残念、これもバレていましたか……さすがシラの一番の親友ですね♥ ――では、万策尽きた(十分楽しめた)ことですし、パイズリご奉仕……♥ はじめさせていただきます、ご主人さま♥♥」



「共に100センチ近いサイズを持つ――巨乳ロイヤルメイド二人による、膝上パイズリ&おっぱいマスクハーレム♥ 存分にご堪能くださいませ……♥♥」



ぱっっ――――っくん!!♥♥ ずにゅっ♥ ズリっ♥ ぐゅっちゅ……♥♥


もわっ♡ むっっ……わあぁぁ♡♡ ふみっ、むみみっ――♡♡ ふわわっ♡♡



「――――――――ッッ!!?!?!!」



 快楽によって込み上げた悲鳴が、乳壁によって跳ね返り体内で爆発する。



 ついに本腰をいれたシラのパイズリ。耳、鼻、口……顔の穴という穴から侵入する激甘なドスケベおっぱいフェロモン。

 この二つの性感は、一瞬で脳と肺をピンク色に染めあげ……それによって心臓が一際大きく鼓動し、腰がうち跳ねようとする。



 しかし、シラのながながズッシリおっぱいに腰を、顔はカリブディスの極濃甘々しっとりトロトロおっぱいにそれぞれ押し留められ、ブリッジをしているような体勢になってしまう。



「ご主人さま♥ バネのように体を弾ませて……一体、どこに行くおつもりですか♥ 待ちに待ったシラのパイズリはぁ、まだまだ始まったばかりですよ?♥♥」



「きゃっ!♡ スゴイですご主人さま……♡ カリブディスのおっぱいを、顔だけで持ち上げるなんて♡♡ 私もシラちゃんに負けないよう、精一杯ご奉仕させていただきますね♡」



ずにゅっ♥ もにゅん♡ ぬにゅんっ……♡ ぬちゅっ♥ ぎっっちゅ♥♥ ずりゅずりゅ――ッ♥♥ ぱふっ、パフ……ッ♡♡



 上半身と下半身――頭と腰から挟むようにして俺を捕えるおっぱい牢獄。シラとカリブディスというタイプの違うおっぱい看守長(メイド)は、それぞれ違った快楽拷問を俺に仕掛けてくる。



 シラはその長すぎる乳をふんだんに使った、狭窄特化の超密着パイズリ。



 どれだけ腰が浮き上がろうと……どれだけチンポが激しくビクつこうとも――決して乳圧を緩めず、乳肉監獄の中から脱獄させてくれない。

泣き叫ぶ赤子の口を塞いで、無理やり黙らせているような暴力的な乳肉奉仕(パイズリ)は、有無を言わせる余裕すら与えないほどに気持ちいい。



 対するカリブディスは、どこまでも優しく、どこまでも甘い――俺の脳と神経を蕩けさせる事に特化した最強に甘い質感と匂いをもった美巨乳による顔面圧迫(ぱふぱふ)。



 シラの手加減なし全力パイズリから送られてくる痛覚にも似た快楽を中和し、緊張で強ばる身体をほぐし、マッサージオイルのようにトロついた心地いい快楽を染み込ませていく。



 ――片や、超圧縮の乳圧をぶつけてくるメートルサイズ目前の極長おっぱい。――片や、数いるロイヤルメイドの中でトップの柔軟性を持ち、市販のどんな果物よりも甘いフェロモンを放つマシュマロおっぱい。



 そんな極上中の極上のおっぱいを持った、ドスケベロイヤルメイド。

彼女たちを侍らせ、至極の果実を独占しているという事実と幸福は、どんな媚薬や精力剤よりも俺のチンポを滾らせ、射精欲を臨界点よりもはるか上の境地へと誘った。



「ご主人さまのおチンポ♥ シラのおっぱいの中でビクビクと震えだしてますよ……♥ んっ、んっ……♥ ふふっ♥♥ そろそろ、しゃ・せ・い――♥ されるのですね?♥♥」



「いよいよ射精されるんですねご主人さま!♡ どうぞ、そのままシラちゃんのおっぱいに射(だ)しちゃってください♡♡ カリブディスにしていただけたように、シラちゃんのとっても綺麗なおっぱいを、ご主人さまの特濃精液でた~っぷりマーキングしてあげてください!♡♡」



「――んんっ♥ ご主人さまったら、今のカリブディスの言葉で、またおチンポが一層固く大きくなりましたよ……♥♥ なるほど――それがご主人さまのご要望でしたら、シラは喜んで叶えてさしあげます」



「――どうぞ、シラのご主人さま専用おチンポケースを……♥ ご主人さまの手で育乳されることを望んでいる、はしたないドスケベメイドの長乳を……存分に染め上げてくださいませ♥♥」



 シラはここにきて、ドスケベな淫語の数々を並べ立てて俺の性欲をさらに煽る。



――じゅっちゅっ♥! じゅちゅちゅ……!!♥♥ ぎっぢゅ!♥ ぐゅにっじゅっっ♥♥!! ずりゅっ♥! ぐんにゅりゅ……っっ♥!



 同時に乳圧をさらに高めたまま、左右の長乳を上下に何度も動かし、挟んでいる肉棒を削り取る交錯パイズリをはじめた。

――トドメを刺しに来たのは火を見るよりも明らかだった。



 直接見なくても、チンポから感じる乳肉がズリ動く感触で、それがどれだけ速いスピードで動かされているのかが分かる。

始めたての頃よりも明らかに、乳肉の塊が腰に打ち付けられる音のBPMが早くなっている。



 それだけ迅速なズリでは多少技巧が乱雑になってもおかしくはないはずなのに……そこは超絶有能軍団(ロイヤルメイド)。彼女の搾殺パイズリは亀頭やカリ首、裏筋などの弱点という弱点への責めを決して緩めない。



ガバッ――――!! もみゅっ♡ もぬゅっ……♡ ふむみゅっっ♡



「あんっ♪♡ ご主人さま……♡ そっ、ん、な……いきなり揉まれたら、びっくりしちゃいますよぉ♡♡ ――大丈夫です♡ 私は最後までお側にいますから……♡ だから、安心しておっぱいモミモミして、精子をぴゅっぴゅしてください♡♡」



 藁にもすがるような思いで、俺の手が掴んだのはカリブディスのあまトロおっぱいだった。



 揉めば揉むほど……力を込めれば込めるほど――手指をずぷずぷ♡ と呑み込んでいき、お返しにケーキの何十倍も甘いおっぱいフェロモンを放出するカリブディスの甘やかしおっぱい。

 汗と体温でじんわりと温まったそれは、スチームサウナに匹敵するほど顔全体の筋肉を緩ませ、最後に残っているほんの僅かな抵抗力すらも内側から削いでいく。



「ご主人さま♥ これ以上の抵抗(我慢)は身体に毒ですよ?♥ だから、もう……射精なさってください♥♥ ――聡明なご主人さまなら、もうおわかりのはずですっ♥ パイズリ(コレ)をご所望である以上、シラたちには決して敵わないということを……♥♥」



「ご主人さま♡ 何も恥ずかしがることなんてないですよ~♡ さっき私とのパイズリでしたみたいに……ダイドーちゃんやシリアスちゃんのときにしたみたいに……♡ 気持ちよくなったら、遠慮なくお精子をぴゅっぴゅ~♡ ぴゅるるるうぅぅ~~♡ って、していいんですよ♡ だって、これが最後じゃないんですから♡ 今後、ご主人さまが望まれれば……いつでもどこでも、何度でも……カリブディスたちダイドー級がご主人様の大好きなおっぱいで、い~~っぱい甘やかして、おチンポぬきぬきしてあげますからね~~♡」



 シラも、カリブディスも……。今日聞いた声の中で、一番甘く、優しく、母性に満ち溢れた声で俺に語りかける。

それが、今の俺にとって。――いや、射精を直前にした、独特の寂寥感に苛まれている雄が最も望み、最も効果的な“奉仕”だと知っているからだ。



――ずぢゅっ!♥ ぶぢゅじゅずっ!!♥ ずぎゅっ♥ にずず……っっ!!♥♥


――ぱふっ♡ もにゅっふ……♡ ふわっ♡ ぬむゅ、たぷ♡ たぷぷぅん……っ♡



 下から聞こえる淫靡な水音と肉塊が打ち付けられる音。脳に直接届けられる人を殺せそうなほどの甘さを持ったできたてホヤホヤフェロモン。

それらが身体を支配していくに連れ、チンポの根本には破裂しそうなほど大量に精液と血液が集まる。



 大地震でも発生したかのような強烈な振動が俺の身体を貫き、亀頭が音をたてて膨らんだ次の瞬間――――。



ぶびゅるうぅ~~っっっ!!♥♡ どぶっ♥ ぼぶびゅぷ……っ!♡♡ ぐっ――ぶびゅるぶぶぴゅう~~ぅぅっ♥♥♡



 二回目とは思えないほどの大量射精が始まった。

スーパーボールのように腰が大きく跳ね、それに引っ張られるように大量のダマ精液がシラの乳内へと注がれる。



「んっ、やっ……すごい臭いです♥ ――やはり、少々焦らせすぎたようですね……♥♥」



「ご主人さま……すごい量でてますね~♡ もしかして私、シラちゃんのイジワル……止めない方が良かったですか?」



「いいえ。そんな事はありませんよ、カリブディス♥ ご主人さまがこれだけ射精されているのは、貴女が私の暴走を止め、ご主人さまを忠し、自ら考えて行動した結果です♪」



「まぁ……♡ そうなのですか、ご主人さま?」



 心なしか、顔面にのっかっているおっぱいの重みが増した気がする。――おそらく、カリブディスが腰を曲げ、うつむいたかなにかしたのだろう。



 だが、そんなことよりも、俺は溜まりに溜まっていた精液を放出するのに必死で、彼女の言葉など聞こえてすらいなかった。



「――どうやら、ご主人さまはまだ射精の快感からお戻りになられていないようですね♥ シラとしては、今のこのなんとも愛くるしいご主人さまのお姿を、カメラにでも収めておきたいですが……♥♥ カリブディスはどうします?」



「私はさっきご主人さまに言った通り、ご主人さまが満足されるまで、このままでいます♡ ――それに、私が動かなかったらシラちゃんも、ご主人さまの表情がわからないから困っちゃうでしょ♪」



「ふふっ♪ 相変わらず、貴女は私にだけは厳しいですね。シラはこんなにも優しいのに――。どうしてかおわかりになりますか? ご主人さま……♥」



 ――白髪のメイドが投げかけた問いかけに、返事は返ってこなかった。



 しかし、彼女たちは共に、絶対不変の忠誠を誓った主人が、自分の乳下で赤ん坊以上に甘えているその姿にを一瞥した。

そして、互いに互いへと視線を戻し、まるで少女のような軽やかな笑い声をあげた。



◆ ◆ ◆ ◆



 ダイドー・シリアスによる、勘違いを発端としたパイズリ天国(地獄)。それは俺の意思とは関係なく――本当に業務の一つになってしまった。



 例えば起床時――。



「ご主人様! ダイドーはちゃんとお役に立てていますか!?♥ ダイドーのパイズリは、ご主人様を気持ち良くできていますか!!?♥♥ ――ダイドーは、今日もご主人様のメイドのままでいていいんですよね!!♥♥」



 ずちゅっ♥ にゅっちゅっ♥ ずりゅりゅ……っ♥♥



 悪夢か何かを見て被害妄想に駆られたダイドーが、寝ている間に俺の部屋に侵入し、目が覚めるまで延々とパイズリを続けていたり……。



 例えば食後――。



「誇らしきご主人様。――どうぞシリアスのことは気にせず、限界まで射精なさってください。このシリアス……。誇らしきご主人様の午後からの業務が少しでも捗るよう、誠心誠意パイズリご奉仕させていただきます」



ぐにゅっ♡ むにゅるっ♡♡ にゅるずっ♡ ぐにゅっ……♡



 食事を終えて執務室に戻ると、ローションを片手に持ったシリアスが待機していて、せっかく充填したエネルギーを根こそぎパイズリで奪われたり……。



 例えば、風呂上がり――。



「さぁ、ご主人さま。今日こそはシラのおっぱいをGカップ100センチに育てきってくださいませ♥♥  女性の乳房は異性に揉まれることで成長すると申しますから……あぁん♥ ふふっ、そうです……♥ そのように、力いっぱい揉みしだいて、シラのおっぱいを次のステージへと導いてくださいませ♥♥」



ずぷっ♥ ずぷぷぷぷうぅぅ……♥♥ ぐにゅっ♥! ずにゅっ♥!! ずりゅっ♥!!



 風呂から寝室へ戻ると、当然のように待ち構えていたシラが俺ごとベッドへと倒れ、半強制的に馬乗りパイズリを強いられ、せっかく流した汗がまたぶり返したり……。



 例えば、たまの休日――。



「ご主人さま~♡ 今日は執務がお休みですので、全てカリブディスにお任せあれ♪ いつもは止められちゃってますけど、今日は思う存分甘やかしパイズリしてあげます♡♡ “また”とぷとぷうぅぅ~~♡ って、おもらし射精――たぁ~~っくさんさせてあげますね♪♡」

 


ずっっ…………っぷううぅぅ~~♡ たぱっ♡ たぱっ♡ むにゅっ♡ もにゅん♡♡ ふわわぁ~~っっ♡♡



 窓を開け、優しく頬を撫でる潮風と心地よい日光に癒やされていたら……。わざわざ胸だけを露出させた特製のパイズリ(ドスケベ)衣装を身にまとったカリブディスがやってきて、日向ぼっことは違う理由で眠るまで、延々と甘々パイズリをされたり……。



 とにかく、彼女たちが色んな理由で所構わずパイズリをしてくる。



 そのせいで俺は今――。



「指揮官様。また随分と顔色が悪くなっておられますが……大丈夫ですか? はい、これ――体温計です。とりあえずはいつも通り、検温から始めますね」



「あぁ、悪いな。――ハーマイオニー」



 最近の俺は、母港内の保健室の常連になってしまった。



 俺の健康状態について最も詳しいのは、母港の医療長でもあるヴェスタルだが、二番目に詳しいのはロイヤルメイドの一角にして、ダイドー級軽巡洋艦の一人。ハーマイオニーだ。

だがヴェスタルはその責務上、俺以上に多忙なため、専ら彼女が俺の専属看護師になっている。



 余談だが、彼女はどうやら形から入るタイプらしく、わざわざナース服の衣装を身にまとって看病してくれる。

彼女のメイド服はシラとは対照的に黒を基調としたゴシック風ドレスなのだが、まさに『白衣の天使』と呼ぶに相応しい彼女のコスプレ姿は、そそられるものがある。



「いいえ、指揮官様が気に病む事はありませんよ。ハーマイオニーは指揮官様の体調管理がお仕事ですから」



「ははっ、そうだったな」



 ハーマイオニーは何かと我が強い他のメイドやダイドー級に比べて、とてつもなく大人しい。



 というのも、彼女はメイド長であるベルファストに強い憧れを持っていて、彼女のような完璧なメイドを目指している。

そのため、同じダイドー級であっても、彼女だけは唯一……俺にパイズリをしようとはしてこない。



 そういう訳で、ハーマイオニーと過ごすこの一時は、今の俺にとって心休まる数少ない時間となっていた。



「――時に、指揮官様。最近、ダイドーちゃんたちの指揮官様を見る目つきが変わった気がするのですが……心当たりなどはおありですか?」



「んっ、グッ……エ゛ゴホォ゛! グエェッホ!! ――い、いや……特にない、な! ――まぁ、ダイドーたちはなんというか……癖が強いから、そう見えるだけなんじゃないか?」



「ふふっ。――お忘れですか、指揮官様。ハーマイオニーもその“癖が強い”ダイドー級なんですよ?」



「あっ、いや! 違う……! 誤解しないでくれ、ハーマイオニー!! 今のは別にお前を忘れてたとか、侮辱したとかそういうわけじゃなくて……」



「ふふふっ♪ はい、もちろん分かってますよ。それに、指揮官様に指摘されなくても、姉さんたちの“強烈さ”は十分理解していますから♪」



――ピピピッ! ピピピッ! ピピピッ!



「――からかわれるのは、シラだけで十分だ。ハーマイオニー……」



「えぇ、重々承知しています。――申し訳ありません、指揮官様」



 目標であるベルファストに似たのか、それとも他の誰か(シラ)に似たのか……。ハーマイオニーは軽く俺で遊んでから、俺の脇に挟んである体温計を取るために近寄ってくる。



 姉妹たちとは違い、肌の露出がほとんどないメイド服姿ならともかく、余裕のない看護服に身を包んでいるからか……。彼女たちに引けを取らない大きさのバストが腕に触れる。



 うなじの辺りからは消毒液の匂いと共に、強くはないがたしかにその存在を主張する艶やかな香りが鼻腔を擽る。



「あのですね、指揮官様」



「――ん、どうした?」



 ハーマイオニーが体温計を取らずに、前に俯いた状態のまま俺に小声で話しかける。



「ハーマイオニー、実はもう一つあるんです。 指揮官様に謝らなければいけないこと……♡」



「な、なんだ急に……」



「ハーマイオニー……知っているんです♡ ダイドーちゃんたちの指揮官様に対する眼差しが変わった理由も――指揮官様がどうして頻繁に体調を崩されているのかも……全部♡」



「…………マジでか?」



「はい、大マジです♡♡ それにホラ……♡」



 ハーマイオニーは俺に見せつけるかのようなスローモーションで、脇に挿してあった体温計を引き抜いた。



「んもう、ダメじゃないですかぁ指揮官様♡ 体温を測るときは、何があっても安静にしないと……♡♡」



 そう言って見せてきた数センチの液晶画面。そこに表示されていたのはデジタル数字の3に似た、『E』というエラーを意味する英字だった。



「――こうなっては仕方ないですね♡ “御主人様”専属看護師のハーマイオニーが、直々に体温を測ってあげます――――♡♡」



 ――――こうして俺は、数少ない憩いの時間もパイズリ搾精の時間に変えられてしまったのだった。

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