理想通りの納品をさせる方法（隙間 覗 篇） (Pixiv Fanbox)

はじめに

ここしばらくコミッションをいくつもいただいていて、とてもありがたいです。本当にありがとうございます。

複数の方から依頼を頂くと気付きますが、依頼文にはそれぞれ個性がありますね。

そこで今回は僕が「依頼文に書いておいてくれたら嬉しいこと」を紹介しようと思います。

この記事を参考にしていただければ、少なくとも「こんなの描いてくれなんて頼んでねえよ！！」ということにはならないかと思います。

もちろん、この記事通りの依頼文でないと請けないぞ、みたいなことはないので安心してご自身なりの文章でご依頼ください。

まとめ

忙しい方のために要約したものを先にお見せします。

これだけでも役立つかと思います。

【前提】

基本的に、

・依頼内容の難度と提示額から検討して、割に合わないと判断した場合。

・依頼内容の難度が自分の力量では表現できないものだった場合。

のみ、依頼を非承認。

【クオリティー】

「フルカラー希望」「モノクロ希望」「背景あり」等の、具体的な希望があれば明記。

【キャラクター】

キャラクターをイメージしやすくするため、"容姿"、"性格"、"口調"、"作中ポジション"、"関係性"などの詳細があるといい。

情報収集もコストなので、クライアントが事前に用意できるものは用意しておくとクオリティーにコストを割ける。

【差分】

「フルクオリティー希望」か「クオリティー優先」か「差分優先」かを明記。

【その他の細部】

衣装に希望があれば明記。

拘りの性癖がある場合は明記。

本文

【クオリティー】

僕は依頼内容の難度と提示額を照らし合わせて納品物のクオリティーを決めています。

「この依頼内容を達成するには〇〇くらいのコストが掛かるなあ、さて値段は？なるほど、この金額をいただけるならフルクオリティーで描けそうだ」

といった手順で検討をしています。

※"フルクオリティー"という言葉は『持てる力すべてを使って描いたクオリティー』として使用します。

そして、提示額が依頼文から見積もった必要コストを下回っていた場合、クオリティーを下げて納品することにしています。（自分の中で決めてある一定ライン以下のクオリティーのものは納品しません。大げさに言うと棒人間とか）

ざっくりとしたクオリティーの一覧としては、

・ラフな線画

・ラフな背景

・ラフな着色

・丁寧な線画

・丁寧な背景

・丁寧な着色

依頼内容の難度と提示額をもとに検討した際、この6項目の中から組み合わせることで納品することにしています。

依頼文に「フルカラー」「モノクロ」等の指定がない場合基本的にはフルカラーを優先していますが、僕は上記のように選択肢を複数用意しているので、明記していただけると嬉しいです。

例えば見積もった必要コストがフルクオリティー1枚相当額を大幅に下回っていて、フルカラーで納品出来ない場合はモノクロで描くことになるのですが、「フルカラーが欲しい。モノクロなら要らない」と思っているクライアントの方もいるかも知れません。

そういった方は特に「フルカラー希望」と明記していただけると、クライアントの方が損をすることもなくなると思います。（もちろん依頼内容の難度と提示額があわずフルカラーで描くことが出来ない場合は、モノクロで対応せずに、依頼そのものを辞退させていただきます）

【キャラクター】

ほとんどのクライアントの方がキャラクターデザインの確認ができるURLをご用意してくださるのでとても助かっています。ありがとうございます。

ですが、そのキャラクターについて、僕がクライアントと同じレベルの知識を有していることは稀ですので、設定画のようなシンプルな立ち絵の依頼であっても、キャラクターの"性格"なども情報として必要になってきます。

台詞がある場合は特に、"口調"や"作中ポジション"などが分かるものを用意していただけると嬉しいですね。

複数人の絡みがある場合は"関係性"も非常に重要です。

絵を描く前の情報収集作業も料金の内に入りますから、クライアント自身で用意できるものは用意しておいた方が、その分クオリティーの高いものが納品されるようになると思います。

台詞のあるなしに関わらず、キャラクターのポージングひとつとっても"性格"などの情報が重要になってくるので、「このキャラはこんな動きしないのに」というズレを起こさないためにも、キャラクター詳細はぜひとも明記ください。

【差分】

フルクオリティー1枚分に相当する提示額で差分を求められた場合、僕は『フルクオリティーを1枚描く』か『差分が描けるところまでクオリティーを落として差分も描く』の2択から選ぶことにしています。

・フルクオリティーで全ての差分が欲しい。

・差分を描く余力がないなら、フルクオリティーで描かれた、依頼のベースとして指定したイラストが1枚がいい。

・クオリティーを落してでも、求める差分は全て欲しい。

この中のどれかが分かるように、依頼文に「フルクオリティー希望」「クオリティー優先」か「差分優先」かの意思表示があると嬉しいです。（もちろん「フルクオリティー希望」で提示額が割に合わない場合は、クオリティーを下げて対応せずに、依頼そのものを辞退させていただきます。）

ちなみに過去頂いたコミッションで「可能なら○○な差分が欲しいです」という風に書いてくださっていたときは「クオリティ優先」と判断してそのように納品しました。

【その他の細部】

R18イラストの場合、『衣装』『陰毛』『射精』などの、性癖にかかわる描写について、明記していただけると嬉しいです。

たとえば依頼文のシーン説明が「性行為をしている姿を描いてください」のみだった場合、僕は全裸で描くことを優先します。（衣服を描くことは高コストの場合が多いので、全裸にすることで着色等にコストを割り当てたい）

『陰毛』や『射精』についても、明記されていない場合はパイパンで描きますし、射精させない場合が多いです。

クライアントご自身のフェチに関する要点は、僕としても「果たしてこの人はパイパン派なんだろうか」と悩むことになるので、理想がある場合は明記のほどお願いします。

おわりに

以上が今僕が思いつく限りの「依頼文に書いておいてくれたら嬉しいこと」でした。

skebにはおまかせという文化があったり、クリエイターとしても「全部決められたらつまらん」という人もいると思うので、あくまでもこれは僕、隙間 覗にのみ適用されるお話です。とはいえ僕もガチガチに固められた場合「この要求一点だけやりたくないなあ」と思って依頼を辞退することになるかも知れませんけどね。がはは。

ただ、【キャラクター】の項目でもお話したように、キャラクターの情報を調査するコストもそうですが、ざっくりとした依頼文だった場合、「どう描くか」のアイデア出しにもコストが発生します。「クライアントに考えさせる」ということを極力減らすことが出来れば、その分が作品のクオリティーに注がれるということです。

なので、やはり理想がある場合は出来る限り明記しておいた方が、クリエイターは「言われたままを描く」だけで済むので、請けやすくなると思います。

ということで、コミッションお待ちしております！

※くれぐれもこの記事を参考にして他のクリエイターさんに依頼をし、トラブルが発生したとしても、責任を転嫁なさらぬようお願いいたします。