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(English ver / 英語版はFAにて公開しています)

https://www.furaffinity.net/view/49968579/


宇宙船の端をビーム砲が掠め船体が大きく傾ぐ。

警告音が鳴り響くコクピットの中で、船長と数人の船員が緊張した面持ちで全方位に広がるモニタを睨んでいる。

「今のは警告だ。 次は直撃させる。 我々は危険生物が伝播することを防ぐためには容赦はしない。

すぐに航行を停止し降服しろ。 繰り返す…」

モニタに映る公務員は事務的な警告を繰り返す。

ここまでか。

船長は深くため息をついて、自分の腹のあたりをさすった。 何かが蠢く慣れた感覚と同時に悲しみが強く湧いてくる。

深く椅子にもたれかかったまま、左の肩口と脇腹から生えた、青灰色の金属質の触手を手足のように器用に動かし、航行速度を落としていく。


「みんな、ここまでよくやってくれた。 ありがとう」

船長はコクピットにいる数人のクルーを見回す。

それぞれ別種の宇宙種族だったが、その姿は同族から見ても奇妙な姿をしている。

みな一様に船長と同じ金属質の触手を1本、首の裏や胸の中央、背中や尻の上から等、身体のどこかからか生やしていたのだ。

青灰色の金属の触手の表面には規則的な模様での起伏が繰り返されていて、その触手の根本… 肉体と繋がっている箇所からは、金属の模様が周囲の皮膚に数センチ程広がっている。

クルー達は服に穴をあけたり、緩く服を着る等してその触手を出し空中に躍らせている。


異様ではあったが、船長の姿に比べればそれらはまだまともだ。

船長の種族は、地球でいうところの猫科の肉食獣が二本足で立った逞しい獣人の姿を連想させる。

だが全身を黒豹のような、艶のある厚い毛皮で覆われていたはずの身体は、今は半分以上が毛皮の代わりに青灰色の金属に覆われている。

それは硬質的な印象だが身動きするたびに滑らかに伸縮し、機械的な装甲ではなく生体的な皮膚を思わせる。

そう、船長の肉体は左腕の上下から生える触手を中心に生体金属化してしまっているのだ。


さらに船長は半身が金属となった裸体を晒していて、完全に金属化している太いペニスと睾丸を隠そうともしない。

だがクルー達はその異様な姿を疑問に思わない。 むしろ尊敬するような、『いつかこうなりたい』というような憧憬のこもった視線が送られる。


船長はその視線一つ一つに目を合わせていく。

「出来るだけの事はしよう… だが子供たちは逃がしてやらねば。

小型の生命維持カプセルに入れ、デブリに偽装し船外に放出するんだ。 ……彼らが生き残ることを祈ろう。」


船長は威厳を持った深い声でそう言うと、何故かおもむろにメタルペニスを左手でさすりはじめた。


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「一人でどうするかな…」

そう呟きながら、中肉中背の中年、オリバーはログハウスから外に出た。

林の中に通された散歩道をゆっくりとぶらついていく。


連休、オリバーは友人達に誘われてログハウス付きのキャンプ場に来ていた。

彼はアウトドア派ではなかったが、数週間ほとんど屋内にこもりきりの大仕事を終わらせたばかりで、日光と自然が恋しくなっていた。

ところが移動中、その友人達は次々に急用が出来てしまったと連絡が入った。

結局、オリバーだけが午前中に到着し、他の友人達が揃うのは夕方頃ということになってしまったのだ。


そうして何気なく森を散策していて、オリバーはそれに出会った。

繁みをかき分ける音に気付き振り向いて見たそれらは、4匹の青灰色の蛇のように思えた。

だがすぐにオリバーはその認識を改めた。

2m以上の長さのそれは生き物の頭のようなものがなく、先端も末端も細くとがっていて、最も太い中心部はビール缶ほどに太い。

つやつやとした皮膚は金属的な質感を思わせ、鱗ではなく代わりに何かの規則的な紋様が隆起していて、生き物というより人工的なケーブルを連想させる。

しかしそれは身をくねらせながらオリバーの方に迫ってきていたのだ。


奇妙な異形… 金属質の触手のようなものを前に危険を直感したオリバーの身体はすぐに反応し、身を翻し道を走り始めた。

(あれはなんだ!? 蛇じゃない!)

全力疾走をするとだんだんと距離が離れていくが、奇妙な4本の触手がオリバーの事を諦める気配はない。

道から外れ、林を抜け河原に出る。 河が浅く、狭くなっているところを見つけ走り抜けるが、触手達は水を泳ぎ追跡を続けてくる。

そうして十分程の逃走は続き、音を上げたのは運動不足のオリバーの身体だった。

息が詰まり、脚がもつれ転んでしまう。

触手達はすぐに追いつき、立ち上がろうともがくオリバーの背後でその内の一本が蛇のように鎌首をもたげ、尖った先端をオリバーの後頭部に突き刺した。

一瞬の激痛。 そして樹木が地に根を伸ばすように、触手の模様がオリバーの後頭部に広がり、何かが食い込んでくるのを感じる。

オリバーは悲鳴を上げる。 だが同時に奇妙なイメージが頭の中に湧いてくる。

砂漠で遭難し、数日間飲まず食わずで死にかけていたところ、ついに助けが来て水を与えられた。絶望からの救済、生き延びる喜び。

(なんだこれは!?)

オリバーは混乱した。 自分はそんな体験はしたことがない。

映画のワンシーンのようなものが一瞬で頭の中で再生されていた。

みしみしと後頭部が軋むような音がする。 触手はさらに深く刺さり、金属をさらに内外に拡げていく。

痛みはないが、頭の中を根が潜っていくひどい不快感がある。 なのに幸せな気持ちが湧いてきて、涙すら出てくる。

次に故郷から追放され、放浪していた旅人が安住の地にたどり着いた光景。

「やめろ、アッ、 頭の中に入ってくるな!」

オリバーは理解し始めていた。 これは触手から送られている原始的な感情やメッセージだ。

根を通じ、信号が送られる過程で、今までオリバーが見た映画やフィクションのイメージを参考に脳が勝手に翻訳しているのだ。

そうしてそれが触手からの信号だと理解できるのもまた、脳への侵食が進んでいるからに他ならない。


様子見をしていたような他の3本の触手も両肩の後ろと尻の上に突き刺さり、周囲に金属を感染させていく。

「はっ、 あ、 あが……」

冷たい金属が肉を侵食していく。 模様のように広がる金属の蔓だけではなく、オリバーの皮膚とその内部、血や筋肉、神経や骨が金属化していく。

ぼんやりとしたイメージが、断片的ではあるが具体的な言葉や明瞭な映像になっていく。

『研究で生まれた』『最後の生き残り』『悲しみ』『有機生命体への寄生』

SF映画に出てくるような宇宙船。 がっしりとした黒豹の獣人の姿をした船長は、半身が触手と同化し生体金属化している。

彼は何故か全裸で、大きなメタルペニスを片手で握っている。 だがその逞しい肢体にオリバーの心は鷲掴みにされてしまう。

オリバーは我慢できず大きな黒豹の身体に抱き着き、自分の身体をさすりつけた。

ふわふわとした毛皮は愛おしく、さらに大胆に胸元に昇り、生体金属化した半身にくっつく。

触手と融合し生体金属になった肉体はほのかに暖かく、自分の金属模様と船長の模様の溝が擦れ合い、しゃりしゃりと音をたてるとともに言いようのない幸福感が溢れる。

そう、彼は自分を生んでくれた愛する父親なのだ。 黒豹は大きな手でオリバーの全身をさすってくれる。

オリバーは一層喜び親の全身に絡みつくように……


「違う!! 僕の親は普通の人間だ!」

オリバーは叫んで首を振るが、その顔は金属に侵食されていなければ紅潮していただろう。

あれは触手たちの実際の過去の体験なのだろう。

だが既にイメージは自分が本当に体感したかのような実感を持ち始めていた。

必死に否定したかったがオリバーのペニスは硬くなっていた。 黒豹の船長の姿と、触れ合った感触が忘れられない。

素敵な父親だった。自分を大きくなるまで成長させてくれて、逃がしてくれた。


「……だからそうじゃない!」

オリバーは悲鳴を上げる。

ぼやけた現実の視界で、四つん這いになった自分の手足は青灰色の金属の模様に包まれ、その隙間、生の肉だった部分も金属に侵略されつつあり、そのうえ今までの自分の経験や人生までもが侵食されていきつつあったのだ。

触手を引き剥がしたかったが、手足は中に芯でも通されたかのように動かない。

「やめろ、やめてくれ…」

『申し訳ない』『自分たちも生存したい』『せめて素晴らしい母体に造り替える』

オリバーの全身が完全に金属で覆われ、体毛が完全に抜け落ちると共にその全身が大きく脈打ち始めた。

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オリバーは触手たちと深く繋がっていくのに従い、その生体を理解し始めていた。

触手は単体では弱く、有機生命体に寄生しなければエネルギーの摂取すらできず、2・3日で死んでしまう。

そのため、彼らは肉体的に拒否反応のない出ない宿主を探し、寄生し、宿主の肉体の一部となることでようやく生存ができる。

また宿主にとってもメリットはあり、肉体は強化され、触手を便利な外肢として操ることができるようになる。

そうして相性が良ければさらに融合は進み、宿主は『母体』となり、触手の子孫を産み育てることができるようになるのだ。

生まれたての触手は小さく、寄生先が無ければすぐに死んでしまう。 そのため寄生先が見つかるまでは母体の体内に戻り、時折外に出て身体を動かすことを繰り返すのだ。


オリバーの出会った触手たちは焦っていた。

彼らはもう母体に戻ることもできず、死は刻一刻と近づき、さらに全宇宙で彼らは最後の生き残りだったのだ。

最初に見つけた人間に取り付き、ある程度の拒否反応が出ても強引に寄生するつもりでさえいた。

だが最初に接続してみて気付いた。 地球人がそうなのか、オリバーという個体がそうなのか、幸か不幸か… ともかく彼の肉体と触手は最高の相性だったのだ。

彼らの父も相性は良かったが、それでも母体となるまで同化が進むのに1年かかったし、クルー達は2本目の触手を受け入れようとしたが肉体の方に拒否反応が起こってしまった。

しかしオリバーの肉体はすぐに融合を受け入れた。 一度に複数本の触手を増やしても全く問題なく、すぐに母体に出来るほどに。

最高だ。最高だ。最高の個体になれる。 最高の個体、最高の母体。

触手たちは歓喜した。  オリバー、君を最高の母体にするからね。


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4本の触手たちの細胞とより深く結びついていくに従い、オリバーの中で再生されるイメージはより強固に、はっきりとした過去の体験となって感じるまでになっていく。

自分は黒豹の獣人の父から生まれ、愛され、今になるまで大切に育てられたという実在しない思い出が次々に湧いてくる。

兄弟の触手と一緒に逞しい父の身体に何度も絡みついた。 その輪郭や触り心地すらはっきりと思い出せる。

それは子猫がじゃれあうような、触手達にとって他意のない原始的な遊びや運動だったが、オリバーには今の自分が黒豹を抱き、抱かれているように感じる。

これは現実ではないと否定したいのに、黒豹の父に絶対的な安心感を感じ、身体を求めてすがりついてしまう。

半分程が金属になった父の暖かい舌がジョンの身体を舐める。 ジョンは完全に金属化した舌を中空に伸ばし、幻影の父と舌を絡ませる。

触手たちにはなかったジョンの金属化したペニスは舌を動かすたびにどくどくと震え、大きさを増しながら潤滑油のように変質した先走りをこぼす。


そうして触手達の記憶とシンクロし、没頭していくに従いジョンの肉体と精神の抵抗はどんどん剥がれ落ちていき、さらに『理想の父』の姿はジョンの根底に刻みつけられていく。 ジョンの肉体が反応し変化していく。 

「あ、ああ…」

オリバーの金属細胞が爆発するように増殖し、締まり、新しい筋肉として編み上げられる。

全身を震わせる度に身体のどこかで筋肉が大きく成長し、同時に味わったことのない快楽が体内を駆け抜けていく。

力がみなぎってくる。 なんでもできるという全能感が溢れてくる。 さらに成長するメタルペニスが銀色の液体金属を吹き出す。

尻が大きく膨らみ、その上からは完全に一体化し、尻尾のようになった太い触手がうねる。

両肩と後頭部から生えた触手も歓喜にくねり、時折絡み合い、抱き合うようなフィードバックをオリバーに与える。

指を振って風を切るのがわかるように、触手がそれ以上に鋭敏な感覚で空気を切るのを感じる。


「フグッ、ぐるるるる…」

思い出の中の船長と同じ、恍惚に満ちた獣のように喉を鳴らす。

ジョンの頭部もまた変形を始めていた。 人間の形状をしていた頭部は細胞の増殖とともに歪み、形を変えて別の形状を作り出す。

手足もまた変化していき、獣と人を混ぜたような分厚くなった掌で自分の顔を撫でる。 その形状は敬愛する黒豹の父とうり二つのものだ。

オリバーはもうショックを受けなかった。 むしろこうなるのが彼の望みだとでも言うように、愛おしそうに両手でそのかたちを愛撫する。


四つん這いになっていたジョンはゆっくりと立ち上がり、自分の身体を見下ろした。

メタル筋肉の塊のようになった肉体はまだ伸縮を繰り返しながら、美しい光沢を躍らせている。

その蠱惑的な肢体を、4本の触手を手足のように動かしさする。

「あぁ、すご…」

金属模様の溝同士が擦れ合いしゃりしゃりと音がなると、そこが性感帯にでもなったかのようなえも言えぬ性的快感が走り、股間の剛直は尽きる事なく

液体金属を噴出した。

初めて肉体と繋がった触手たちもオリバーからフィードバックされる初めての性的快感に没頭していく。


そうしてしばらく目を閉じて絶頂の余韻に浸りながら、変化する筋肉が落ち着き適度に締まっていくのを感じ、 ゆっくりと目を開けて、液体金属の水たまりを鏡がわりにして、オリバーは新しい自分の身体を見下ろした。


「これが僕か…」

青灰色の金属で出来たマッシブな豹獣人は眼球だけが白い金属の球体になっていてオリバーを見返してくる。

全身の筋肉は融合が深い分、彼らの父親よりもバンプアップしていた。

「最初に君らから逃げようとしていたのが馬鹿みたいだ。 こんなに素晴らしい身体になれるなんて…」

ジョンはうっとりと逞しい金属の肢体を眺め、模様に沿って爪を這わせた。  

嫌悪感はすっかり消え失せ、尊敬する父親が本来到達するはずだった、完成した母体になれたということにたまらない誇らしさと悦びが溢れてくる。

後頭部と、両肩の肩甲骨、尻尾のように伸びた4本の触手からは祝福の感情が伝わってきて、

オリバーはそれらをくねらせながら1本づつ撫でていったが、その動きはやがてヒートアップし乱暴なものになっていく。

まだ半身が生身だった父親とは違い、完全に生体金属として融合を果たしたオリバーの身体は痛みや疲れを知らず、欲求を無制限に受け入れらる。


そうして無限に性欲を発散させ続けることが完成された母体の役割でもある。

太陽光が今の彼の新しいエネルギー源であり、全身でそれを浴び、大きな金属の睾丸の中で液体金属が生成されるとともに、新しい生命が誕生する。


尻の穴に触手を突っ込み、ごりごりと前後させ凹凸の一つ一つから人間では発狂するような快楽を受けるとともに獣のように吠え、 メタルペニスは壊れた噴水のように液体金属を噴き上げる。

やがてその中で一際強い刺激が走り、ペニスが内側からもこりと盛り上がる。

「ンッ、オグアアっ」

ペニスの中を太い何かが通過していく刺激にオリバーは嬌声を漏らした。

大量の液体金属とともに噴き出た固形物… 金属質のヒルのようなものが、地面に出来た液体金属の水たまりを泳いでいる。

人間から見れば奇妙なクリーチャーだが、オリバーはそれを愛おしそうに両の分厚い掌ですくい上げると、触手で軽くその背を撫でる。

金属のヒル… 触手の幼体、オリバーの子供は機敏に動きオリバーの身体の上を這いまわっていた。


しばらくは母体に寄り添い元気にしていたヒルだったが、やがて不安気に震えだす。

オリバーもそれを察して、下半身を起こして尻の穴を見せると、ヒルはつるつるとその中に入っていった。

「ンク、クゥゥ…」

自分で挿れるのとは違う、生き物の優しい蠕動を尻の穴で感じオリバーは鳴いた。


体内に出来た養育所のような器官の中で、元気を取り戻し動き回る子供の存在を感じながら、オリバーは愛おしそうに自分の腹のあたりをさする。

触手の兄弟たちも子供の誕生を喜び、かわるがわるオリバーをさすってくる。

さて、次だ。

夕方に友人達が来るまでに、人数分の子供を産まないと。

オリバーは舌なめずりをしながら、再び触手をくねらせ始めた…。


(めでたしめでたし)

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またやってしまいました。 しかも短くまとまらなかった…




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Comments

マヨ中

最高ですね💕 自分も宿主になりたいです💕 拒否反応が出ないと良いなぁ💕