メタルマスクわんTF(SS付き) (Pixiv Fanbox)
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絵は既にPixivやFAなどで公開していて、
英語で作っていたSSを日本語意訳化したものです。
English:https://www.furaffinity.net/view/28759352
翻译成中文:https://www.furaffinity.net/view/30948834/ (BlackMaple 翻译成了中文,谢谢你!)
彼が意識を取り戻すと、ベッドの硬さを最初に感じた。
そして目を開けるとその光景はぼやけていたが、少なくともここは彼の寝室ではないように見えた。
天井には何故か見知らぬマネキンのようなものがぼんやりと浮かんでいる。
目だけを動かして周囲を見ると、病院の手術室のように見える。
ベッドの周りには手術衣を着た三人の男たちいて、それぞれPCのようなものを操作していたり何かの準備をしているようだ。
一人はドクターと呼ばれ、他の二人は助手のようだった。
「うぅ…… ここはどこだ……?」
彼は弱々しく呟いた。体を起こそうとしていたが、手足の感覚が全くない。
交通事故にでも遭ったのか? と最初はそう思っていた。
だが、だんだんと視界がはっきりしてきて、頭上に浮かんでいるものを認識した。
「な、な…? なんだよ、これって、俺の身体……?」
頭上に設置されていたのは全身を映す大きな鏡だった。 その姿は、彼の記憶の中の自分の姿とはかけ離れていた。
彼は手術台の上に横たわっていた。全身の毛がなくなっていた。 そして、両腕と両足が無かった。
彼はパニックに陥り、叫びながら暴れようとしたが、左右に僅かに身体を揺らすことしかできなかった。
腕と脚の断面は滑らかで、最初から何もなかったかのように皮膚に覆われていた。
出血も痛みもなく、ただただ異常だった。
「ドクター!? 俺に何があったんだ!?」
彼はドクターと呼ばれていた人に向かって叫んだ。
ドクターは手で彼をなだめると、冷静な口調で答えた。
「きみは超人兵になるための契約をしたんだ。 だからここにいる。」
超人兵? 漫画やアニメのような……冗談のような言葉だった。
「俺はそんな… いや、何を言ってるんだ?」
彼は意識を失った前後の事をを思い出そうとしていた。
何か辛い事があって、バーに行ってひどく酔っ払ったような?
そこで誰かに話しかけられたような?
ジョークのような話?
思い出そうとするが、記憶には霞がかかったようにぼやけて上手く思い出せない。
そうしていると、助手の一人が透明な箱を近くに置くのが見えた。
箱の中には銀色の仮面のようなものが浮かんでいる。
それは耳を鋭く立て、がっしりとしたマズルを持つ犬科の仮面のように見えた。
目、鼻、口による凹凸はなく、色によるデザインもなく、鏡のように光に反射する銀一色のマスク。
それを見て何故かとても嫌な予感がして、彼は叫んだ。
「俺の手足はどうしたんだ!? お前らが切ったのか!?」
「心配しないでいい。 新しい手足は用意してあるから。」
落ち着いたドクターの答えに悪寒が走った。
今すぐにでも逃げ出したいと思っていたが、手足がない今どうしようもない。
「準備完了です」
「よし、じゃあすぐに始めよう」
彼は助けを求めて叫び続けたが、ドクターはそれが聞こえていないかのように彼を無視した。
スタッフが機械を操作すると、マニピュレーターのアームが箱の中のマスクを拾い上げた。
そして、マスクは彼の頭上まで持ち上げられ、ゆっくりと下ろされようとしていた。
彼は顔を背けようとしたが、首がしびれて動かず、
そのうちにマスクの裏側から液体のようなものが垂れてきた。
しかし、それは水滴ではなかった。
マスクの裏側から銀色の細いつるが何本も生えてきて、彼の顔に向かって落ち始め
蛇のようにうねりながら、彼の顔に着地した。
「ひっ…」
氷のように冷たい感触に彼は悲鳴を上げた。
口の上に冷たい金属の雫が零れてきて、ぱたぱたとつるが連続して彼の顔に落ちてきた。
するとそれらは極小の細い金属のつるとなって毛穴皮膚の下に入り込んでくる。
最初に無数の氷の針でチクチクと刺されるような感触だったが、痛みはすぐに間にか消えていた。
細い銀色の棘が神経に触れ、痛覚神経を侵食し無効化していったのだ。
無数のつるが蠢きながら鼻や耳の穴に侵入していく。
彼は強く瞼を閉じていたが、銀のつるが器用に隙間から入り込んでが無理矢理眼球を包んでいく。
視界は暗くなり、無数の金属触手が頭の中を這ってくる感触に悶えた。
「やめろ、やめてくれ! うああっ!」
悲鳴を上げてしまうと、大量のつるが一度に口の中に侵入してくる。
それらは舌や咥内に突き刺さり、冷感ともともに痺れが走り、それ以上話すことができなくなる。
そして、ゆっくりと降ろされていたマスクの本体が彼の顔に被せられたとき、さらに圧倒的な浸食が始まった。
金属の面と顔が触れた途端、皮膚と金属が溶け合い混ざっていく。
痛覚は既に失われていたが、無数の触手が頭の中をうごめき、細胞を侵食していく感覚ははっきりと感じていた。
骨や肉や脳が全て金属と混ざり融合を果たすと、次に首に伝染していく。
頭部から無数のケーブルを差し込まれたように、銀色に化した血管が太く大きく盛り上がり胴体に向かっていく。
まるで銀の蛇だ。 体中を這い回り絡みあいながら人間の肉を侵食し金属細胞へと変化さえていく。
筋繊維は金属と融合していき、同時に太く膨張していく。
全身が心臓になったかのようにばくんばくんと伸縮を繰り返すが、
一度縮み、膨らむと前よりも明らかに太く逞しくなっている。
首が太くなり、肩幅がめきめきと拡がっていくのを感じる。
貧相だった胸筋はボディビルダーのように逞しく盛り上がっていくが、さらに限界を超えて成長していく。
そして同時に、彼の感覚にも変化が起きていた。
失われた視界の中で、突然強烈な光が明滅した。
パソコンのファンから竜巻のような轟音が突然聞こえ、さらに三人の男の胸に直接耳を当てたように心臓の鼓動を聞いた。
全身が舌になったかのように、金属とディープキスをするようなえぐい味を感じた。
室内の素材、プラスチック、人の汗の匂いを強烈に知覚した。
そして今までに経験したことのない圧倒的な快感。
暴走するように鋭敏になっていく彼の五感は、全身の細胞が金属細胞に犯されているそれぞれ一つ一つの感触を感じ取っていた。
そして各部の筋肉が膨らんでいくとともに、力強いエネルギーが湧き上がってくる強烈な全能感に襲われる。
彼の体は強力な筋肉を持った巨大な金属の塊と化していたが、
奇妙な金属細胞により造られたそれは以前よりも柔軟性が増しているように見えた。
彼は快感に全身で痙攣させながら、強靭な背骨を逸らせ手術台の上でアーチを描いた。
ペニスは既にぎんぎんに勃起しており、何度も射精を繰り返していた。
そして金属の侵食はペニスを犯していき、より太く、長く、頑丈に育っていく。
彼の睾丸はどくどくと膨らみ、シワのない銀色の砲丸になった。
そして最後にペニスは人間の精液の代りに銀色の液体を噴出し始めた。
変化の間、強烈なノイズ音が部屋に響きっぱなしになっていた。
彼の口は、口のないマスクと融合した際消失していたが、
頭部全体が目に見えない程小さく震え、全体がスピーカーのようになってノイズ音の嬌声を上げていたのだ。
やがて、人間の細胞が全て失われる頃には、金属細胞に犯される凶悪な快楽は静まっていった。
突然、耳元で叫ばれたような大声が聞こえた。それはアシスタントの声だった。
「90%変換完了です。 感覚機能は問題なく移行しているようですね。 これから自動調整が入るはずです。」
彼の五感は休息に変化していった。
明滅していた視界は突如光が絞られたように暗くなり、
カメラのように周囲の景色のズームインとズームアウトを繰り返していく。
あたりが虹色に変化し、モノクロになったり、高精細な映像が次々と切り替わっていく。
他の感覚も似たようなもので、それらは調整されたようであったが、
人間の五感よりもはるかに鋭くなっているようだった。
「加工終了です。」
助手の声は普通の音量で聞いた。
肉体の変化は収まっても、彼の意識は強烈な快感の残滓の中を漂っていた。
天井の鏡に映る自分の姿を夢の中を漂っているような意識の中で見ていた。
頭部は完全に目も鼻も口もない、金属製の犬の頭部に造り替わっていた。
尖った耳は穴がなく、角やアンテナのように見える。
肉体は金属の巨像になっていた。
ペニスは巨体に相応しい大きな柱となり、天井に向けて勃起し、睾丸も砲弾のように成長していた。
彼の新しい肉体は呼吸を必要としていなかった。
心臓も別の何かに置き換わったのか鼓動もなく、身体は微動だにしていない。
鏡に映るその巨像は、芸術品のようにも見えた。
飛躍的に発達した視力は、その筋肉が溢れるように盛り上がった肉体にミクロンサイズ程の傷も余分な凹凸もないことを理解させた。
ぼんやりとした頭で、彼はそのメタルボディをとても美しい、と感じていた。
もし目がまだ残っていたらうっとりとした表情を浮かべていたかもしれない。
彼のペニスがわずかな興奮を敏感に受け取り小さく震えた。
それを見た助手の一人がわずかに狼狽したのを知覚する。
その助手を観察しようとしたとき、新しい五感がそれを補助した。
彼の頭部が動かないまま、見えない視界カメラが身体の表面を滑るような感覚で、視界だけが横に移動し助手を見る。
その助手は緊張していて、体温が下がっているようだった。
僅かな冷や汗の匂いと、意識して聴き取った心音は早く、恐怖と緊張を感じられる。
この助手が改造手術に参加したのは初めてなのかもしれない。
彼は次にドクターに興味を移した。 医者にカメラが移動しズームする。
ドクターは冷静沈着に振る舞っているように見えたが、ほんの僅かに唇が微笑み緩んでいる。
そしてドクターの心拍は興奮を感じさせ……
何よりもスラックスと下着の中でペニスが勃起し僅かに先走りを漏らす匂いを感じていた。
その匂いは彼の嗅覚をゆさぶり、メタルペニスを揺らした。
だが彼の意識はそれで急速に覚醒し、それに興味を持ったことが途端に恥ずかしくなり、
頭を大きく横に振った。
『何考えてんだ、この… 変態ドクター!!』
叫んでから電子音声になった自分の声に驚いた。その声は元々の自分の声とは全く違っていた。
電子音の声は深く、獣のような唸りの響きが混ざっている。 だが不思議と聞き取りやすい声だった。
「彼の精神にも異常はなさそうだな。 次の段階に進もう。」
ドクターは冷静に言った。 怒りに身体が震え、どうにか飛び掛かろうとして身体をひねる。
それを見てドクターは軽くため息をついて言った。
「背筋をまっすぐにして、静止するんだ。」
『うるさい!!』
もちろん彼はドクターの命令に従うつもりはなかった……
のだが、すっと身体を捻るのをやめて、背筋を伸ばして静止してしまった。
『なんだ…? どうなってるんだ?』
助手が持ってきたのは、青いゲル状の物質が膜を張った金属のリングを5つ。
そして、助手は4つのリングを、失った手足の付け根に装着していった。。
彼はそこから電気ショックのような刺激を受けた。 リングは融合し、
青いゲルが勢いよく増殖し、長く太く盛り上がり、タコの触手のようにぐねぐねと蠢き始め、
やがてごつい腕と脚の形に変形していった。
「身体を横寝にしなさい」
ドクターがそう言うと、新しいゲル状の腕が勝手に動き身体が横寝の体勢になる。
青いゲルは確かに自分の手足になっているという感触があった。しかし、ドクターの言うことに何故か従ってしまう。
助手は大きく膨らんだ丸みを帯びた金属の尻の根本あたりににリングを埋める。
そこから青いゲルの獣の尻尾が伸びてきた。
「これがきみの新しい手足だ…… よし、自由に動くことを許可する」
ドクターがそう言うと、彼は自分の身体のコントロールが戻ってきたのを感じた。
呆気にとられつつも、ごく自然に新しい両腕を使って上半身を起こし、半透明の大きなゲル状の手を握り、開いた。
天井に腕を伸ばそうとするとゲル状の肉が長く伸び、触手のように変形しながら天井の鏡に触れた。
ベッドから腰を下ろし、かつての彼の胴体ほどの太さがあるゲル状の筋肉質の脚で床に立つ。
視界はずいぶんと高くなっていて、彼は250cmだ、一瞬で自分の身長を把握していた。
奇妙なゲル状の手足ではあったが、自由に動く手足が戻ってきたというのは彼をわずかに安心させた。
そして彼はついに、自分の体を触れることができたのだ。
メタルボディは力強く、頑丈で、そしてとても敏感だった。
軽く自分に触れただけで心地よく、自分をもっと撫でてみたいという欲望にかられる。
しかし、彼はそれに耐えなければならなかった。
こんな身体にされ、しかしそれに魅力を感じるということを認めるわけにはいかなかった。
「新しい肉体には満足してくれたようだね?」
ドクターの言い方にはわずかに挑発的な響きがあった。
彼は片腕を触手にして伸ばし、医師に巻き付けて軽々と宙に持ち上げた。
『満足だと!? オレはこんな… 金属のモンスターじゃない!! 人間に戻せ!!』
助手の二人は動揺していたが、ドクターは冷静に言った。
「私を降ろしなさい。 きみは怒っているように見せているだけで、実際は新しい肉体を気に入っている。
怒ってみせるのは人間の常識というやつに囚われてとりあえずやっているだけだ。」
『なんだと! 俺は……?』
彼は叫んだが、その両腕がまたも勝手に動き、紳士的にやさしくドクターを床に降ろしていた。
ドクターは襟をただしながら丁寧に言った。
「私は技術者ではあるが、立場としてはきみの上官にあたる。
きみの身体は私の命令に逆らうことはできないようになっている。
そしてきみの名前は今からシグマ3だ。 昔の名前は忘れてくれ」
それを聞いた彼の頭は痙攣した。
シグマ3という名前が、彼の精神の奥深くに刻み込まれようとしていた。しかし、彼は必死に抵抗した。
『俺はシグマ3なんて名前じゃあない!! 俺に命令するな!』
ドクターは軽くうなずいた。
「ふむ、やはり今までの人生で、精神に深く刻まれたものを変換するのは簡単ではないな…。
ならば、心の抵抗の方を緩めようか。」
ドクターはなるべく抑揚を出さないように言い、あくまで冷静を装う演技をしていたが、
彼の知覚はドクターが興奮していることを彼に教えた。
「左手で自分の肉体を愛撫して、右手でオナニーを始めるんだ」
彼は予想外の命令にショックを受けた。だが身体も手足も全く躊躇することなく自動的にそれを始めた。
自らのメタルマッスルの隆起をゲルの左手で擦り始める。それだけで、彼の敏感なメタルスキンは強烈な快感を与えた。
『うぅ、 うぐううぅっ……』
それぞれの獣のような指は、すぐに触手のように変形し、さまざまな箇所を撫で始めた。
彼はとろけそうになる快感に抵抗したかったが、興奮を制御することは出来なかった。
勃起したまま固まっている巨大なメタルペニスはその刺激に従順に反応しぐうんと持ち上がっていく。
そしてジェルの右手が興奮に震える擦った。その指は蠱惑的に変形し、
睾丸から太く長いペニスの先端までに巻き付き、最初はゆっくり丁寧に、
そしてだんだんとハードに攻め始める。
それを見つめながらドクターは我慢できずに仏頂面を崩し小さく笑った。
「私の命令はシンプルなものだったが…… 君は自分でもっと楽しくやろうとしているみたいじゃないか?」
『違う! グァア… アウ、やめろ… やめてくれ! 気持ちよくなんかないっ……』
彼の精神は抵抗を続けていた。 ペニスはちろちろと銀色の液体をこぼし始めたが、
それは人間にとっても先走りのようなものだった。
「いいね、君の精神抵抗力はなかなか高いらしい… それなら左腕を自分の尻穴に挿入してもらおうか」
彼はあんまりな博士の言葉に小さく悲鳴をあげた。そしてもちろん左腕は太い触手にその形を変えると、
つるつると尻の上を滑りながらその谷間に入り込んでいく。
彼の内臓や排泄機能は全て必要なくなり、失われていた。
だが、それでも存在する尻の穴は快楽を得るための機能に変換されていた。
『アグッ!! グオオオォォ!! オウッ、オオオオッ!!』
一瞬にして限界を超え、獣のような咆哮が上がった。
激しい銀色の奔流がメタルペニスから噴出し壁に叩きつけられる。
立て続けに。 何度も。
ゲル状の尻尾が豪快に揺れる。
「自由に行動していいぞ」
ドクターはそう言ったが、彼の動きは止まらなかった。
左腕は乱暴に尻穴を犯し、右腕は銀色の粘液をまとったペニスをむちゃくちゃにしごいている。
電子音声は言葉にならない欲情と興奮に塗れた音になって部屋中に響いた。
メタルペニスは萎える様子もなく、睾丸はナノマシンを生成し続けそれを次々に放出していった。
十数発と立て続けに出しても彼は疲れを見せなかった。
それどころか、出すことに全身にエネルギーに満ち溢れていくように感じる。
「きみの新しい肉体は、生物の精神エネルギーを変換して動力にしている。
そして最も強力で、尽きる事のないものが性欲だ。
きみにとっての食べ物は、これからはエロティシズム、エクスタシー、快感になるというわけだ。
精神的なストレスを和らげる効果もあるし、とても合理的だとは思わないか?」
『食べ物…?』
快感の嵐の中思考が攪拌される中、彼はどうにかその単語を聴き取り、ほとんど反射的に呟いた。
悦びに身を躍らせながら射精するごとに、同時に不可知のエネルギーで体内に満たされていくのを感じる。
しかし、人間だった頃の感覚に例えるならば、まだ空腹だった。
ぐるると喉を鳴らしながら、再び銀色の液体を放った。
それはもう止まらない快感を享受するだけの金属の獣だった。
「今日からきみの名はシグマ3だ」
『俺の名前…?』
それは違う名前のはずなのに、頭の中から消え去っていく。
『シグマ3……?』
「そう きみの名前だ。 きみは超人兵に選ばれたことが嬉しいだろう?
新しい肉体に改造されて良かっただろう?」
『そうだ、この身体は…… 最高だ……』
「きみは誇り高い兵士になる。 国家のために努力することがきみの喜びです」
『そうだ、俺は……』
「よし、 敬礼!」
『ああ、ドクター!』
ドクターが言うと、すぐにオナニーをキャンセルして、まっすぐにドクターに敬礼した。
彫像のように止まった金属製の巨体の前にドクターが立ち、つま先立ちでその首に金色の首輪をつける。
その首輪には「Sigma-3」と刻まれていた。
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シグマ3は目を覚ました。
彼は監視位置で直立しながら静止していた。
何も知らない人が見れば、奇妙なゲル状の手足を持った金属製の犬の獣人像のように見えただろう。
しかし、股間には金属製のペニスが誇らしげに屹立し、先走りをこぼしていた。
待機中にはよく夢を見る。 しかしセンサーに何かが引っかかったので急速に意識が目覚めたのだ。
それはシグマ隊の別メンバーが近づいてきた音だった。
やがてシグマ3と同じ、ゲル状の手足を持つ筋肉質な金属の巨体がやってきた。
シグマ3とはまるで瓜二つだったが、首輪に刻まれた名前だけが違っていた。
『ああ、ドクター…… いや、シグマ8。 パトロールは終わったのか?』
シグマ8にも表情というものはなかったが、少し驚いたような身振りをした。
『随分懐かしい呼ばれ方だね… 118年ぶりだよ』
『いや、すまない。 俺が改造されたときの夢を見てつい。』
『そうだった、あの頃は君の上官だったな。 ……シグマ3、すぐにマスターベーションをするんだ!』
シグマ8に電子音声で命令され、一瞬シグマ3はたじろいた。 が。
『今はもう対等だろ? それに仕事中だ。』
『あと残り二分だろ。 すぐにシグマ11が交代に来る。 一緒に夕食をとろう』
そして、監視の仕事を変わり、二体は自由時間になった。
とある建物の裏に回り、壁にカモフラージュされた秘密のエレベータを作動させた。
二体はすぐにエレベーターの中で肉体的な接触を始めた。
金属の筋肉の山を揉ませ、口のないマズル動詞をさすりあわせ、
ゲル状の腕が多数の触手となって互いに絡み合う。
これが彼らの前菜だった。
本当はすぐにでもメインを食べたいところだったが、
エレベーターや人目のある場所では緊急時以外は禁止されていた。
そして、シグマ隊の秘密のバラックにエレベーターが到着すると、
二人は絡み合いながらロビーに出て、近くの大きなソファに倒れ込んだ。
彼らはしばらくじゃれあっていたが、シグマ8が上になって提案した。
『され、ついでにパトロールデータの送信もしようか。』
『無線通信は?』
『傍受される危険があるからね』
基地内ではそんな可能性は無きに等しかったが、反論する気はなかった。
シグマ3は有線での通信も大好きだった。
8は3の背中を抱き寄せると、先走りで濡れていた金属製の柱をシグマ3の尻穴に突っ込んでいく。
シグマ3の尻穴は柔軟に変形し柱を飲み込んでいった。
二人の巨像から流れる電子音が快楽に混ざりあい溶けていった。
そして、銀色の液体が噴出すると同時に、シグマ3にパトロールデータが送信された。
シグマ3は快感に喘ぎながら、データはマルチタスクで高速再生されていく。
世界大戦後の灰色の世界で、シグマ8は生き残った人類を探し保護すべく旅に出る。
途中で危険なミュータントやウォーロボットと遭遇した。
シグマ隊にとってそれは危険のうちには入らなかった。
だが何故かシグマ8は何度か敵に隙を見せ、わざと銃撃されているようだった。
金属の肉体がそれを弾きつつも、強い衝撃が快感になって全身を貫く。
そしてその快感はシグマ3にもフィードバックを与えた。
獣のような咆哮をあげ、どぷどぷと銀色の液体をソファにまき散らす。
『グオッ!! オオオッ!! アッ!! オホッ!! おッ!お前!!
ワッ、わざと尻とチンコで銃弾を受けたのか!?』
『ああ、エネルギーを供給しながら戦うのは合理的だろう?』
『正直に言えっ!』
『銃弾にファックされるのは最高だな!』
『お前は…… ガアアァッ!! おまッ!! 変態ドクターめ!!』
彼はデータのフィードバックとシグマ8に同時に犯された。
いつまでも飽きの来ない快感の味に、彼の細胞がエネルギーに満たされていく。
エレベーターの音が鳴り、他の自由時間シグマ隊の面々が現れてくる。
そして彼らは本格的な夕食に入っていった。