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犬居くんがその神社を見つけたのは本当にたまたまのことでした。 休日、スマホアプリの位置情報ゲームをしながら町を練り歩き、普段は入り込まない道を歩いているとその場所にあたったのです。 建物と建物の間に妙に艶のある、暗色の石だたみの広い道が現れ、その先に大きな黒い鳥居がでんとそびえていたのです。 「こんなところに神社なんてあったんだ」 犬居くんはひとりごち、黒い鳥居をしばし見つめていましたがゆっくりと石だたみの道を歩き始めました。 神社なら位置情報ゲームで何らかのランドマークになっているかも、という考えもあったのですが、何かに呼ばれているような感じもありました。 一見石だたみと見えたものはぶにぶにと弾力性があり、石ではなく人工物のように思えました。 そして鳥居もまた近づくと犬居くんの姿が反射して見えるほどに艶々としており、少し触れてみるととても滑らかな感触がありました。 境内はなかなかに広く、社務所や拝殿もある立派な神社のように思えましたが、それらも木製のように見えて表面がぬらぬらと光沢をもっているように見えました。 境内には人っ子一人おらず、社務所の受付も布で隠されているようでした。 「休日なのかな…」 静かで、異質な素材でできた神社の風景は犬居くんをたじろがせましたが、やがて犬居君はスマホを開きながら、近くにあった空の黒い台座に背をもたれさせました。 鳥居のすぐそばにある一対の台座は本来狛犬が鎮座するものですが、なぜかそこには何も載っていませんでした。 そのせいで犬居君はそれが台座だと気づかなかったのです。 「なんだこりゃ」 ゲーム画面で現在位置マップを表示すると、マップがあちこちをがくがくとすごいスピードで移動しながら、同時に犬居君の現在位置を示すアイコンもまたあちこちに飛び回っていました。  「位置情報がバグってるのかな…」 しばらくすれば落ち着くだろうと犬居君はスマホをいじっていました。 そのとき、犬居君が背を預けていた黒い、艶のある…石とは異なる素材がぐにゃりと波うち、その輪郭を変え始めました。 表面がぼこりと盛り上がり、不定形の触手のようなものが伸びていったのです。 背中の感触から何かが変だな、と犬居君が思ったときには手遅れでした。 幾本ものぬらぬらと輝く触手が犬居君の腕や胴体に巻き付いていったのです。  「ひゃっ!?」 犬居君が短く悲鳴を上げると、すかさずその開いた口にも触手が飛び込んできました。 触手は冷たく、油でも塗られたような滑らかさで、犬居君の口の中をねぶっていきます。 犬居君はそれを噛もうと歯を立てましたが、触手にはぶにゅぶにゅと柔らかく歯が沈み、そして強い弾力性でもって押し返されるだけです。 身体の方もじたばたともがいて触手から離れようとしますが、その素材は柔軟にぐにぐにと伸び、そしてところどころ硬く犬居君を逃しません。 そして台座の表面は液体のように波打つと、やがて犬居君の全身を台座の中に引きずり込んでいくのでした。 全身が冷たい泥の中にあり、そしてそれらの泥は生き物のようにところどころ固体になりながら犬居君の全身をなめ始めます。 それらは犬居君の着ていた服を溶かし、さらに犬居君の素肌に密着していきます。 「んぶっ、んむぅっ!!」 犬居君はおぞましさに悲鳴を上げたくなりましたが、口の中を埋め、舌に絡みつく触手がそれを許しません。 触手はは苦く、えぐみがあり、それは輪ゴムを口にしたときと近いような味でした。 息苦しさに犬居君は鼻で呼吸をしようとしました。 わずかにあった空間から呼吸ができましたが、すぐにゴムの不定形を吸い取るように鼻の奥まで入ってきます。 そして同時に犬居君の臍、耳の穴、そしてお尻の穴… あらゆる穴から不定形が侵入してきます。 「んんーーっ!! んっ!!」 じゅるじゅると冷たい不定形が体内に侵入していく感触に、反射的に喉が声を出そうとします。  それは気持ち悪さや痛みといったものによるものではありませんでした。 ゴムの不定形が入り込んだところから、 今まで感じたことのない奇妙な快感が犬居君を襲っていたのです。 「も゛も゛ぉーーっ!」 不定形は体外に出る事はなく、次々と犬居君の体内に注ぎ込まれていきます。 そしてその度に快感が犬居君の脳を突き抜けていきます。 犬居君の未精通のペニスは硬くなっていき、溶けかけたパンツをかきわけぐんと立ち上がり… さらにその先端の穴のも不定形が入り込んできます。 全身が言い知れぬ快楽と刺激にびくびくと痙攣します。 ですが、痙攣の理由はそれだけではありません。 ゴムの泥を注ぎ込まれた犬居君の肉体はだんだんと泥と同じ濃い暗色に染まり、ゴムと一体化を始めていたのです。 そして痙攣を繰り返し、時折大きく跳ね上がるとともに、その未発達の筋肉が成長していったのです。 「お゛っ、 お゛ぉっ」 くぐもった、しかし隠し切れない歓喜の声とともに、犬居君の肉体は脈打つようなリズムでずくん、ずくんと収縮と拡張を繰り返します。 ぎゅうっと全身の筋肉が絞られるように収縮すると、前より大きくばくんばくんとゴムと融合した筋肉が大きく膨らんでいくのです。 変化は表面的なものだけではありません。 犬居くんは体内に入り込んだゴムの不定形が全身を侵食していくのを感じ取っていました。 臓器がゴムの不定形に塗りつぶされ、血管や骨や神経もまた置き換わっていきます。 いつの間にか犬居くんは呼吸を停止していましたが、既にそれは必要のないものとなっていました。 犬居君は全身の細胞一つ一つが冷たいゴムに犯されていくような感覚と快感にさらに身をよじります。 幼いサイズのペニスもまた限界を超えて膨張し、よくわらからないもののそこから快感をぶちまけたいという欲求が犬居君を襲います。 ですがそのペニスの穴もまたふさがれており、抑圧されたエネルギーはさらにペニスを太く膨らませていきます。 絶え間なく続く変化とそれに伴う快楽の中、暗いゴムの泥の中で犬居君は衝動のまま喘ぎ、身を躍らせることしかできませんでした。 ======================================= 暗闇の中、全身を襲う何かがいつの間にか収まっていることに、犬居くんはしばらく気が付きませんでした。 犬居くんを包むゴムの不定形はいつしか最初の乱暴さをひそめ、犬居君の裸体をゆるゆると撫でるだけになっていました。 全身に挿入されていた触手もひっこめられ、最後の一本だけが犬居君の口に入れられていましたが、むしろ犬居君がそれを求めおしゃぶりのように口の中でもてあそんでいたのです。 冷たいゴムの泥の中は心地よく、いつまでもその中にいたい気持ちはありましたが、そういうわけにもいきません。 犬居くんはおしゃぶりを外すと、泥の中でぐっと伸びをしました。  全身にエネルギーがみなぎり、ぎゅむぎゅむと張りのある音が鳴ります。 そして指の先が外の空間に出たような気がしました。 外から見た台座は何事もなかったように元の長方体の形をしていましたが、再びその台座のてっぺんがぐにゃりと波打つとそこから犬居くんの鋭い爪の生えたまるっこい手と、額のツノが生えてきました。 やがてずぶずぶとその全身が台座から這い出し、犬居君は台座の上で四つん這いになると身体をぶるぶると左右に振りました。 「ふぅーー…」 犬居くんは黒々とした大きな瞳を開き、きょろきょろとあたりを見回し自分が外に出れたことを確認しました。 ですが、最後に背筋の中を何かがぞくぞくと走り抜ける感覚が走り、身を震わせると大きくまるまるとしたお尻の間から、ずりゅんと薄青い光沢を放つ雲のような尻尾が生えてきました。 「わふんっ!」 犬居くんの太く、先の細くなった大きなペニスから先走りがしたたり落ちます。 そうして、犬居くんは奇妙な尻尾を見て、透明なゴムのにおいのする粘液を漏らしながら濡れ輝く黒い大きなペニスを見て、 そしてそれらを持つ暗色のゴムで出来た、筋骨隆々となた自分の肉体を見て…  「なんだこりゃ!?」 と大きく声を上げたのでした。 「これって、狛犬? 狛犬ってやつなの?」 つやつやとした台座は鏡のように犬居くんの姿を反射します。 顎は大きくせり出し、がっしりとして牙が生え、先端には犬のように大きな黒く輝く鼻がついています。 目は大きく、作り物のような光沢をもつ黒い眼球に、白く縁どられた瞳孔が奇妙に輝いています。 髪の毛は溶けて固まったのか、毛のような塊のような青白い雲のようなたてがみになっていて、身体のあちこちからもそれが生えふわふわと揺れ動いています。 4本指になって、肉球と鋭い爪の生えた大きな黒い手で筋肉で盛り上がった暗色の肉体に触れると、液体を撫でたようにその表面を滑ります。 「わう…」 それだけで、言い知れぬ快感がじんじんと肌の上を走り、ペニスがぴくりと反応します。 それは確かに自分自身の肉体であるという触感を持っていました。 犬居くんは、年齢に似つかわしくなく大きく膨らんだ黒い大胸筋を爪の先でつんつんとつつきます。 そしてだんだん力を込めると、ずぶずぶと指は大胸筋に柔らかくめり込んでいき、そして力強い弾力で押し返されました。 「あふっ! あううっ」 犬居くんは全身を撫で、ぐにぐにと揉みながら実感していきます。 尿をもらすような勢いでどぷどぷと先走りを溢れさせる黒いペニス、全身の肉、そしてふわふわした鬣。 犬居くんの人間としての肉と血で構成された肉体は既に失われ、その全身は台座、そして神社を構成する物質と同じ、ラバーで出来ていたのです。 「そうだ、オレ、ラバー狛犬になったんだ… そんで、このラバー神社を護って…?」 犬居くんは自分で言った言葉に自分でびっくりしました。 ですが、今まで存在しなかった知識や意思が、ふと思い出したかのように犬居くんの頭の中に湧いてきます。 よくわからない粘液の出るペニスを何故か乱暴にさすりたくなっていましたが、それはいけないことだ、という意識が犬居くんにそれを許しません。 「どうなってんだ、うう、ちんちんが、なんでこんな…」 犬居くんはしばらく欲求の行き先を持て余し、自分の肉体を撫でたり台座に擦り付けたりしていました。 ですがさらにペニスがじんじんと疼くだけで何もできません。 「そうだ、相棒、相棒を探さなくちゃ…」 バランスを崩しどちゃ、と台座の上から落下しましたが、今のラバー狛犬の肉体に痛覚はありません。 欲求でうずく全身にこらえるように立ち上がると犬居くんはふらふらと神社を後にしたのでした。

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