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 冷たい風が吹き抜ける大通り。世話しなく過ぎていく人々。

イルミネーションが街を彩るクリスマス。一人のサラリーマンが足早に駆けていく。


「どんっ!!」

「痛てぇな!!!どこ見てやがる!!」


「申し訳ありません!よそ見をしてました!」


 丁寧に謝るサラリーマンに対し、威圧的に迫る男。


「んあぁ!!そんな安い謝罪で俺が許すわけないだろうが!」

「教育してやるよ。ちょっとこっち来いや。」


 抵抗するサラリーマンを、ビルの合間に無理やり引きずり込む。抵抗むなしく一方的に殴られ続けた。しかし、その悲痛な声は、雑踏にかき消された。


    〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇


ガチャ。


 乱暴にドアが開いた。


「いらっしゃいませ。お待ちして、、?」

「おわぁ!暖ったけぇ!!マジでこんなところがあるのかよっ!」


「貴方、誰ですか?なぜその招待状を持っているのです!!答えなさい!」

「俺か?俺は弓削孝道さまだ!」

「で、これか?リーマンに優しきしてやったら、泣きながらくれたんだよ。」

弓削はニヤニヤしながら答える。

「そういうお前はだれなんだよ。」

「俺は、このFXC(fighting Xmas club)の主催ライリーといいます。」


 ライリーは小さくため息をつくと、

「その招待状を持っている以上、挑戦をすることができます。俺に勝つことが出来れば、あなたが望むプレゼントを獲得することが出来ます。」

「もちろん挑戦しなくても結構ですし、負けてもペナルティはありません。ただし、試合において反則などの行為は一切認められません!破れば制裁を受けていただきます!」

「どうしますか?」

 弓削は、間髪入れずに挑戦すると即答した。


弓削は渡された衣装に着替え戻ってくるや、ライリーの衣装を見て笑い出す。

「だっせぇ!なんだよ。そのふざけた格好はよぉ。」

「これは俺たち、FXCのユニフォームです。」

 ライリーが少しむっとした表情を浮かべたが、弓削にリングに上がるよう促すと、ルールを告げた。

・1ラウンド 3分。4ラウンドを行う

・ダウンは無制限。KOもしくはギブアップで勝敗を決する。

・ボクシングルールで行う。掴み、足技、ひじなどの打撃の禁止。

「はっ!結構いい身体してるじゃねえか。せいぜい楽しませてもらうぜ。」

ニタニタと口角をあげて笑う弓削に、ライリーは冷たい視線を送る。


 試合開始のベルが鳴り響くと、互いに猛然と接近する。

試合は弓削が思った以上に善戦し、五分五分の試合展開で3ラウンドまで進んだ。

 しかし、弓削が大人しくしているわけがなかった。ライリーが踏み込んだ瞬間、キラリと弓削の眼が怪しく光ると、ライリーのつま先を踏みつけた!

驚いたライリーは一瞬、パンチのタイミングがズレたのを見計らって、弓削がストレートをライリーの顔面に叩き込んだ!

 ダウンはしなかったが、さすがのライリーも防御が遅れ、鼻を打ちぬかれ、鼻血がにじんだ。

 ひるんだスキを突いて、追い打ちとばかりに弓削は左フックを打ち込むそぶりでそのまま頬にひじを打ち据えた!

 ライリーはこれには堪らず後ろに倒れ込んだ。

ニヤニヤした顔でのぞき込み、挑発の言葉を投げかけてくる。


 すかさず立ち上がるも、度重なる反則行為に対し、怒りに肩を震わせながら、目を見開いて弓削を一括した!弓削もこれには驚き身じろぎした。


「貴様!いい加減にしろよ!ひじ打ち!足ふみに、脚に膝蹴り!後頭部への殴打。ローブローまで狙いやがって!あれほど反則は禁止していると言っただろうが!!!」


「あまつさえ、招待客を暴行したうえ、チケットまで奪いやがった!」

 怒り心頭、口調を荒げ、弓削を𠮟責した。

「もう、貴様は許さん!規定に準じ、制裁を開始する!!」

「へぇ~そいつは面白れぇ。やってみやがれ。」

相変わらず口角を上げ、ニタニタと笑いながら言い放つ。


 4ラウンド開始のベルとともに、勢いを増したライリーが弓削に襲い掛かる!

そのスピードは今までのラウンドとは比べ物にならなかった。

 カウンターとばかりにパンチを繰りだせば、あっさりかわされ、次々に被弾していく。あっという間に弓削の顔は赤みを帯び、鼻から血が溢れてきた。

 ライリーの上下の打ちわけに翻弄され、頭を揺さぶられ、ガードが上がれば重いえぐるような一撃が腹を直撃した。

 ここまでわずか1分半、3度ダウンさせられるも、弓削は持ち前の卑屈さもあり、立ち上がってくる。だが、次第に足が止まりリング中央で棒立ちとなってしまう。

 なんとか腕を上げているがもはやガードなどできる余力も残っていない。

そして、ライリーが低く沈み込むと、

「お前は許さない!!絶対にな!!」

「これが!俺からの!!!クリスマス!プレゼントだぁーー!」

雄たけびをあげると、ライリーの拳が弓削の腹を貫いた!

ごずん!!

 叩きつけるような重い音が響くと、ライリーの拳は深々と弓削の腹を潰していた。弓削の喉奥から押し殺すようなうめき声が漏れてくる。

 くの字に曲がった身体が小刻みに震えると、マウスピースがこぼれ落ちる。大きく跳ねるとゴボッと口からあふれてきた。

 ライリーが拳を引くと、弓削はそのまま前のめりに倒れ込み、小さくうめき声を出しながらビクッ、ビクッっと痙攣して果てた。


 ライリーは苦々しい表情を浮かべ、弓削を見下ろした。

静かにリングを降りると、グローブを外し、ひとつ甲高く手を叩くと、明かりを落とした。

    ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 弓削が目を覚ますと、路地の奥に横たわっていた。身体中痛みが走り、腹に鈍痛が残る。しかし、それがなぜか思い出せなかった。  おわり

    ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 ここまで読み進めていただきありがとうございました。挿絵は即興で作ったので粗が目立ちますが目をつむってくださいませ(n*´ω`*n)

 ライリー vs 弓削のクリスマスの一戦如何だったでしょうか?弓削の下衆さが出ていたでしょうか?やっぱり文章を作るのは難しいですね。

 結果のイラストありきのお話で、拙いところばかりで読みにくかったかと思いますが、コメントなど頂けたら、最高のクリスマスプレゼントになります(●´ω`●)


最後に、普通のリングバージョンとボディブローイラストの大きいサイズも作ってみたのでおいておきます!



ご支援いただいている方、感想、コメント、いいね♡いただける方。いつも励みになっています!今年もたくさん見ていただきありがとうございました!

 これからも色んなイラストを描いていけたらと思います。

 2022年も残りわずか!風邪など引かぬよう乗り切りましょう!それでは

                                  ウォーター

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