ふっと思い出した担当K氏と80%の法則の話 (Pixiv Fanbox)
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こんばんは、IAPOCです。
作業中にふと思い出した話がありましたので
こちらにまとめてみようと思いました。
深く考えず打ち込みますので読みづらい事もあるかと思いますが
ご了承ください。内容としては自身が漫画を描くときの向き合い方、心構えみたいな
お話です。
その前に、その教訓に至った経緯を軽く書かせていただきます。
以前私はとあるディスコードサーバーにおりました。
直近のコミケで声を掛けられた絵描きからのお誘いでした。
そこにはTwitterで言う神絵師が数多くおり、イラストを描く割合がほとんどを
しめておりました 。
漫画を描いている私のような立場のモノは少なく、イラストこそ強さだと言わんばかりの印象でした。
そんな折、自身が商業掲載の話が決まりました。一部メンバーも祝ってくれたことを覚えております。初めてのことにてんやわんやしながら描きあげ、雑誌に掲載された際、改めてメンバーに報告したところ、私を誘った絵描きから
「漫画なんて描く価値がない。今時売れないし描いても意味がない」
と言われてしまいました。その当時私は周りよりフォロワー数が少なく、その絵描きの言う評価が低い対象だったのかと思います。はたまた単純に悔しさによる僻みか詳細は分かりません。
いずれにしてもその絵描きは他のメンバーと一緒に休むことなく漫画を金にならない価値の薄いコンテンツとあざけり、CG集の方がよっぽど集金率がいいと語っておりました。
私はその態度に耐えられなくなり、逃げるように通話を切り、以降そのサーバーに参加することをやめました。
それから何日かして、担当K氏とネツレツな瞳の2話の打ち合わせをしているとき、
その時の経緯について話してしまいました。
迷惑が掛かると思いながらも、ため込んだ悔しさと自身の力不足によるふがいなさに耐えきれなかったためです。
K氏はひとしきり私の話を聞いた後、80%の法則という話をしてくれました。
とある作家が自分で作品を描こうと思った。制作意欲に溢れ100%の力で
作品を作り上げた。作った分の作品は全部売れた。
次に機会では時間が足らず80%の力で作品を作り上げた。
にも関わらず、作った作品は全部売れた。
更に次の機会、以前80%で売れたから今回もそれくらいでいいだろうと
更に80%の力で作品を作った。作った作品は全部売れた。
……
K氏はそんな話を私にしてくれました。最初はなんの話をしているのか
意図が汲めずにいました。
「同人でやる分にはこのやり方でも何も言われない。売れれば次は
ちょっと手抜いてもいいやとなるのが人間の性。けど、これを
繰り返していくと自分の力の上限値はどんどん下がっていく。下がり下がって
作品に目を向けられなくなった時、もう這い上がるだけの能力も残ってない」
他を乏しめることも勝手な持論を掲げることも否定しなかったK氏でしたが、
この言葉にはそれらに対する戒めのようなものを感じました。
「本人たちは同人活動にそういう気持ちでいるんだろうけど、POCさんにはそうなってほしくない。違うジャンルだし常に全力だと疲れるけど、尽くせるときにはその時の自分の100%で作品を作るように心がけていて欲しい。」
担当さんにこういわれた時、この言葉だけは肝に銘じないといけないと、彼らと同じになりたくはないとそう思い、自身の教訓としました。思い上がりですが、K氏に信用してもらっているような気がしました。
現在に至るまで、商業の原稿も、個人の依頼も、自分が好きに描く漫画も、
その時出来る一番を尽くせるよう努めています。もうだいぶ前の話ではありますが、自身の大切な漫画家としての在り方を形作ってくれています。
私は私なりに漫画を描くものとして、この教訓を忘れず今後も頑張っていく所存です。
長い文章にお付き合いいただきありがとうございました。
上限100%で作品に向き合っていこうと思います。
本日は担当K氏との80%の法則について書かせていただきました。
それではまた、IAPOCでした。
※その絵描きにはオチがありますが、書くのは憚られるのでコメントがあれば
書こうかと思います。