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「ケルベル! 大丈夫かッ!?」

「……ま、すたー……?」

「よかった……気が付いた……」


屋敷の外で目を醒ますケルベル。

自分もボロボロだが、マスターの少年もあちこち服が破けていてケガをしている。

「この屋敷……やっぱりおかしいとは思ってたけど……まさかケルベルまでこんな」

「ごめんな、マスター……変な部屋でワナにはまって……」

「僕らもペガと一緒に離れの部屋で閉じ込められたんだ。そこで攻撃されて……」

通信や召喚が阻害され、危うかったが、ペガの機転でどうにか脱出できたのだという。

当のペガは満身創痍で、今は顕現できないほど消耗しているらしい。


だが、どうやらこの状況、屋敷の外にいる間は攻撃もされないでいることも含めて――

「多分、この屋敷そのものが魔獣化してる…んだと思う」

建物に擬態してるだけなら外に出た獲物を追撃することもできるはずなのに、それがない。

「それなら、俺が外から全部燃やし尽くしてやるッ」


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マスターの消耗も相当激しく、ケルベルの力を解放すると、他の召喚獣や魔法はしばらく使えない。

それでもこのまま屋敷を放っておくわけにはいかない。

この大きさの建物の魔獣を燃やすにはケルベルの解放された力が必要だった。


ケルベルは封印を解かれ、単身武家屋敷に挑むこととなる。


「さっきはよくもやってくれたな! 火事にならねえように手加減してそんしたぜ!」

『ぐへへへへ……ようやく正体に気付いたのかよ。さっきはうまく逃げられたが、エサの方から戻ってくるとは殊勝じゃねえか』

「てめえがたてものの魔獣なら手加減はしない! くらえッ!!」

力を込めて突き出したケルベルの手に煽られるように、盛る炎が駆け抜けて武家屋敷の魔獣へ放たれる。


――が、見えない壁のようなものに突き当たり、炎が届かない。


「な、なんだ!?」

『ケッ、俺様がここから動けねえからといって別に丸焦げにされるのをはいそうですかって黙って待ってるとでも思ったのか?』

遠距離からの攻撃を防ぐ結界術。

自身がこの場所を動けないことを術の代償に、距離に比例してその防御力を上げていく防壁の術だった。

「それなら、おれが直接炎を叩きこんでやるまでだッ!」

『おうおう、エサが吠えるじゃねえか。やれるもんならやってみろよ』

「ほえづらかくのはどっちか見せてやるぜ」


売り言葉に買い言葉。

だが、どの道距離を詰めて直接戦わなければ炎を届かせることは難しいのだ。

ケルベルはその場から跳躍し、炎の力を込めて屋敷の屋根へ殴り掛かる。

「くらええええええ!!」

『ぐおあああ!?』

炎の力を直接叩き込めば、木造建築が元となっている魔獣だ、ダメージは大きい。

だが、一撃で燃やし尽くせるほど魔獣の力も甘くはなかった。

『調子にのるなよ犬ころめ!!さっきは食い損ねたが今度こそそのエネルギー、体ごといただいてやるぞ』

途端に、足場にした屋根が口を開け、ケルベルを飲み込もうと牙をむく。

「しまった!?(こいつ、外側からも食いつけるのか)」
















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(*・ω・)、

というわけで後編でした。

部屋の中で戦っても勝てないわけですね~

屋敷そのものが今回の相手だったようです。(まあこの後も勝てるのかどうかはご想像にお任せするとして)


前編に引き続き、状態異常のガス攻撃を駆使する相手にケルベル君が翻弄されるところを描きたくて~

ちっちゃいケルベル君もおっきいケルベル君も、ガスでくらくらさせたい~~~

という願望でした!はい。バステ寄りの性癖( ˘ω˘ )



本文中に出てくる召喚獣ペガくんやら、マスターの少年やらの出番はあるのだろうか……

ペガくんはペガサスモチーフだけどデザインは出来てないよ(*・ω・)

すぐ出せる召喚獣は白のフェリルくんと紫のニビスくんとかがいます



最近ちょいと描きたいものがファンタジー寄りのネタが多くて闘技場に出せない……

とはいえ、ラフとか下書きしてるものはあるので地下闘技場ネタもやりたいですー


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