最近の読書#43 (Pixiv Fanbox)
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みなさんどうもです!さかいです!
今回も僕が最近読んだ本の紹介をしていきたいと思います!
例によって個人の感想なのでご了承ください…!
では、どうぞ~!
・春、死なん(紗倉まな)
AV女優として有名な紗倉まなさんの小説。
ちなみに紗倉さんの出演作は見たことない。
内容は「春、死なん」と「ははばなれ」という二つの短編が収録されている。
「老人の性」や「家族」、「母親の性」といったセンシティブな題材を情緒豊かに表現されていて、ああ、こういう世界もあるんだろうな、と思わされた。
純文っぽい作品を読むと「人によって世界の見え方は本当に千差万別なんだな」と感じ、世の中を見るのにこういう視点もあるんだな、と新しい気付きを得られた気がする。
紗倉さんの世界の見え方を知りたい方におすすめの一冊。
・名探偵のいけにえ(白井智之)
ミステリ小説。
1978年、探偵の大塒は助手の有森りり子がアメリカへ出向いた後、帰国予定日を過ぎても帰ってこないことに不安を覚える。
彼女の安否を確認するために彼女の後を追い、アメリカ経由でガイアナ共和国のジョーデンタウンへと向かう。
しかしそこは、外界と隔離された新興宗教のコミューンであった――というストーリー。
いわゆる本格ミステリの系譜で、ロジックパズルを楽しむことができる骨太な推理小説。
実際にガイアナで起きたカルト宗教の事件をモデルにしていて、そういった部分も好奇心を刺激される。
様々な視点から事件の真相を多面的に推理、そして二転三転するどんでん返しと、最後まで物語の終着点が読めないのも面白かった。
あと昨今のエンタメではキャラクターの個性や魅力を前面に出す作品が多いと感じる中、主要っぽそうな登場人物もわりとサクッと死んだりするのがなかなか衝撃的だった。
人は見たいものを見て、信じたいものを信じる。
本作は宗教がテーマの話だったけれど、SNSとかでもワリとこういう人ってよく見かけるので、自戒も込めて視野を広く、是々非々でモノを見るようにしていきたいなと思った。
事実は一つしかないが、真実はそれぞれの心の数だけある。
・自省録(マルクス・アウレーリウス)
ローマ皇帝であり哲学者でもあったマルクス・アウレリウスが自身の考えを書き留めた哲学書。
非常にストイックで高潔な精神性が説かれていて、これをすべて持ち合わせていたら聖人と呼ばれるんだろうなぁ…と、今の自分を顧みて思ったりもした。
目標に向けて邁進し自らを律し正すことこそが、人間の証明なのかもしれない。
人生というミッションの為に、理性的な魂を宿していこう。
・変な家(雨穴)
Youtuberやライターとしても活動されている著者のホラーミステリー作品。
近年の話題作ということで読んでみた。
筆者が知人から一軒家を買う相談を受け、そしてついに理想の物件を見つけたと報告を受ける。
しかし家の間取りを注意深く観察すると、どうにも奇妙な点が見えてきて――といったお話。
全体的にだいぶ文字が開いた文章で、ページ数もそれほど多くなく、なにより家の間取りや図にページを割かれており、普段本を読まない人でもかなり読みやすい工夫がされている。
逆に言うと、重厚なミステリにどっぷり漬かりたい、といった人は少しライトな印象を受けるかもしれない。
しかし必要な情報を簡素に小気味よく提示してくれる文章はリーダビリティが高く、読者を離脱させず読み進めさせる洗練されたものを感じさせる。
物語としても何とも言えない不気味さを常に纏っていて、ラストもミステリー的なオチで締めるところも非常によくまとまっているな、と感じた。
小説というよりSS的な感じで構えず気軽に読めるところは現代の娯楽っぽいなぁと感じ「ネット時代、動画時代の読書体験とはこういう形もあるんだな」と学ばせてもらうと同時に楽しませてもらった。
軽めの読書で面白いお話が読みたい方に。
・競馬の世界史(本村凌二)
以前読んだ本『馬の世界史』と同じ著者による、競馬の歴史を解説した本。
馬の世界史で少し触れられていたアラブ馬の繁栄からサラブレットの誕生、イギリス競馬の隆盛から三大始祖やエクリプスに至るまで、ウマ娘でざっくり知っていた知識を補完するような形で体系的に知ることができる。
そして日本競馬についても横浜居留地のイギリス人から発祥し根岸競馬場でのレース開催、そして日清・日露戦争を経て品種改良と軍馬生産を目的とした官民一体の馬匹事業の名目で発展してきた歴史を知ることができ、非常に興味深かった。
後半、近代競馬の章になるとウマ娘にも登場する競走馬たちがたくさん紹介されているので、ウマ娘というコンテンツから競馬に興味をもった人は一読してみるのも面白いかもしれない。
以上になります!
今回もお付き合いいただき、ありがとうございました!
なにかの参考になれるなら幸いです!
それでは!