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【いつもきれいにご利用いただきありがとうございます】 大抵の人にとってこの文言は、 「駅やコンビニのトイレでよく見かけるなぁ」程度の認識でしかないだろう。 しかし僕は、この言葉を毎日のように彼女に捧げている。 何故かというと…彼女の趣味が少しばかり偏っていて、 そして僕はいつもそれに付き合っているからだ。 僕はそういう趣味が無いから 毎回すごく辛い思いをしてしまうのだけれど。 彼女が自分の変わった趣味を引け目に感じてしまうのは きっともっと悲しいだろうと思う。 それに、僕が苦しそうにするほど、 彼女は嬉しそうな、切なそうな、気持ちよさそうなー そんな表情をするのだ。 僕はどちらかと言えば潔癖で、 本当は、いかに大好きな彼女から出たものであろうと 触りたくもないのが本音なのだけど、 とはいえ彼女のあの表情が僕はたまらなく愛おしいので 今日も彼女の言われるがままに、 目の前に出されたものを自分の胃に押し込めるのだ。 ========================= 【いつもきれいにご利用いただきありがとうございます】 トイレの張り紙に書かれてそうな一文だが、 わたしにとってこの言葉はとても特別な意味を持つ。 わたしには誰にも話せなかった秘密がある。 自分にとって大切なものを、自分の汚穢でドロドロに 汚す妄想に耽っては自分を慰めている…という癖だ。 それは「普通」からはあまりにもかけ離れていて、 わたし自身目をそむけたくなるほど汚らわしいものだった。 こんな欲望を誰かに受け入れてもらえる筈が無い。 一生誰にも明かさず、そのまま死んでいこう。 そういう風に思っていた。 思っていたはずなのに。 わたしは彼を誰よりも好きだった。愛していた。 一緒にいるのが幸せだった。そして、 彼もわたしのことを好いていただろう。 だけれど。 想いが募れば募るほど、苦しくなった。 「わたしは普段、あなたのことを汚す妄想でオナニーしているの」 なんて言ったら、嫌われるだろうか。拒絶されるだろうか。 下品で頭のおかしい女と思われるだろうか。 わたしが彼のことを好きになればなるほど。 一緒に過ごす時間が積もるほど。 「彼のことを汚したい」わたしの欲望は膨れ上がっていった。 そしてある時。わたしはとんでもないことをしてしまう。 彼に薬を盛って、事に及んだのだ。 その時はもう自分を止められなかった。 ずっと妄想していたことをする気持ちよさと背徳と。 抵抗のできない彼をいたぶり、はずかしめ、ふみにじり、けがした。 肛門から便が放り出されるたびに、何度も。何度も。イった。 自分の便の悪臭も、抵抗しようとかすかに身を捩る抵抗も。 全てがわたしの快感になった。 しかし、すぐに後悔がやってきた。 嫌われる。 嫌われる嫌われる嫌われる嫌われる嫌われる。 大好きだからしたいのに。 やったら嫌われることもわかっているのに。 なんでこんな変な性癖を持って生まれてしまったのだろう。 好きな人に喜んでもらえることをして、それが気持ちいい。 そういう当たり前の感覚が欲しかった。 もしそうだったら、お互いに喜ばせあって。ずっと一緒にいられるのに。 どうしてわたしは好きな人へ嫌われるようなことをしたがるんだろう? わけがわからない。 ただ、気づいた時にはそうだったとしか言いようがない。 彼に便の付着した尻を向けながら、頬を涙が伝っていた。 もう二度としないから。 嫌わないでください。 あんなひどいことをしてどれだけ厚かましいんだろう? 自分でもわかっている。 けれど、それでも、嫌われたくなかったから、 そう言うしかなかった。 死にたい。消えてなくなりたい。恥ずかしい。 傷つけてしまった。いかないで。 でも。 彼は気持ち悪がるでもなく、怒るでもなく、悲しむでもなく。 ただ、泣く私を見て頭を撫でてくれたのだ。 当然、黴菌の塊を口にした後でその顔はひどくやつれていたのだけど。

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