悪夢再び (Pixiv Fanbox)
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あれは3年前の夏の話。
私は毎晩のように見る悪夢に悩まされていました。
内容は毎回同じ、気が付くと見たこともない廃病院にいるのです。見た感じ戦時中(第二次世界大戦)あるいはそれよりも前かと思うくらい古い廃病院です。
そして始まる場所も毎回同じで真っ暗な手術室から。部屋の外に出て細い廊下を曲がっていくと正面玄関があって、毎回そこから脱出して夢が覚めます。
まぁこれだけだったら、ちょっと怖いくらいの夢ですよね。
問題はこの部屋の隅に血塗れの着物を着た男が立っているのです。初めて見た時は夢の中とは言え心臓が止まるかと思いました。何故ならこの男左半身がほぼ無いんです。腕も無いし勿論足もない。破れた着物からは臓物が垂れ下がっていて、どうやって立っているのか意味が分からないのです。
そんな見るからにヤバい奴なんですが、不思議と何もしてこないんですね。
だから毎回しゃがんで極力視界に入らないようにして、静かに手術室を出て廊下を走り抜け正面玄関から出て、夢が覚めていました。
そしてこの悪夢を見始めて3日ほどたった日の事。その日は内容が違ったんです。突然男が前に倒れたんですよ。まぁ左半身が無いので自然なことかもしれないですけど。べちゃっ!と嫌な音を立てて倒れた次の瞬間、男がこっちに向かって這い寄ってきたんです。右手と右足だけで匍匐前進するような感じで。
充血しきって白目と黒目の区別のつかない様な目でこっちを睨み、人か獣か分からない低い唸り声をあげながら。
あまりの恐怖で腰を抜かしそうになったんですが、たぶんここでへばってたら死ぬだろうと瞬時に判断して部屋を飛び出し、正面玄関まで一気に走り抜けました。転がるように外へ出て、足がもつれて転倒したところで目が覚めました。
無事逃げ切れたことに安堵する一方、夢の内容が変化していることの恐怖が勝り、その日は再び眠ることができませんでした。
この日を境にこの悪夢はさらに拍車がかかっていきました。日に日に男の這いずりスピードが上がってきたのです。
最初は軽く走る程度で良かったんですが、7日目くらいになると全力疾走でもちょっと危ないレベルまで速くなってきました。
そして9日目。意を決して全力疾走し正面玄関手前まで来た時でした。床に落ちていた包帯を踏んでバランスを崩した時、男に左足首を掴まれたのです。もの凄い力で引っ張られ床に叩きつけられましたが、この時は恐怖が痛みを凌駕しました。
玄関扉の溝のところに指をひっかけ、右足で思いっきり何度も男の腕を蹴り、握り手が弛んだ隙に這いずるようにして脱出することができました。
目が覚めた時、バケツで水でもぶちまけたのかと思うほど布団が濡れていて、左足首には火傷をした時の様な痛みが残っていました。
もしあそこで気絶していたら…と思うと今でも寒気と鳥肌が止まりません…。
…というのは私の作り話です。
は?しょーもな!って思いましたか?実は問題はここからなのです。
この記事は2日ほど前から隙間時間に少しずつ書き始めたのですが、その日の夜から
これと全く同じ悪夢を見るようになってしまったのです。
正直死ぬほど怖いのですが、万が一の時のためにこれを書き残すことにしました。
この先もしも男から逃げ切れなかったら…
私のpixivやFANBOXの更新が完全に止まった時は…
まぁそういう事かもしれません…。