ビワ姉の受難 (Pixiv Fanbox)
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北1番エリアのはずれ。
夜も更けた森林にビワは呼び出されていた。
呼び出し相手の女は笑みを浮かべ、スマホの画面をビワに見せつける。
『ごめんビワちゃん…足手まといになっちゃって…』
「タナカちゃんッ!!」
画面の向こうの彼女は集団で押さえつけられてはいるが、目立った傷などはなくホッと胸を撫で下ろす。
「タナカちゃんを解放して」
「…それはビワちゃん次第かな?」
女はにやにやと笑い、スッと頭上を指差す。
「まずはぁ、そこの木掴んでぶら下がって?」
ビワは無言で視線を上げ、つま先立ちになりながらも木を握る。
両手で掴めるほどの太さでありながらも、頑丈な木は軋む様子も見せず、彼女の全体重を軽々と支える。
「これでいいの?」
「…うん、んふふっ…♡
30分……手を離さずに我慢出来たら…2人とも解放してあげるぅ♡」
「こんな事して…何の意味があるの?
それに…つま先がついちゃってるからこんなの辛くもなんとも…」
I字にピンと伸ばされた身体に多少の窮屈感は感じるも、これが苦痛を伴うとは思えなかった。
「いいの、そっちの方が見たい顔が見れるから…
分かってると思うけど…
手、離したらあの子…処刑だから♡」
首にトントンと手刀を当てるジェスチャーに、無意識に両手の力が込められる。
「……ッ!
そういう事なら…殴られても蹴られても…この手は離さない、タナカちゃんは傷つけさせない」
「…うん…うん…♡…じゃあ始めるからぁ…♡
耐えて…絶対耐えてね……♡」
後ろからドスドスと足音が迫るのを感じる。
これから起こる苦痛に覚悟を決め、ぎゅっと強く身体に力を込め、叫んだ。
「…あなた達の好きになんてさせない!!」
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「だぁ━━━ッはははははははははぁッ!!!!!!」
ぐりっ♡ぐりぐり〜っ♡♡♡
ムニュムニュ……♡くにくにっ♡
「ひっ!!ひぃ━━━ッ!!ぶはぁッ!!だひゃはははははッ!!!あ゛ぁはははははッ!!」
そこにはあまりのくすぐったさに獣の雄叫びのような笑い声を上げ、失禁するビワの姿があった。
自由な足を必死に振り回し、身体中を駆け巡るくすぐったさを少しでも逃がそうとする。
「うわぁすっごぉ〜い♡
『くすぐる』、急所に当たりまくってるじゃ〜ん♡
やっちゃえやっちゃえ〜♡」
無骨な指が、腋と脇腹の1番くすぐったさを産むであろうポイントを捉えて逃がさない。
太い指が乱暴ながらも的確に腋と脇腹のツボを押さえ、脳の処理が間に合わないほどのくすぐったさを生み出す。
しかしそんな度を超えたくすぐりの中、彼女は手を離してはいなかった。
ぐりゅぐりゅぅ〜っ♡♡♡
「ずぁああぁははははははぁッ!!!!!
え゛ぁあはははぁ━━━ッ!!!あ゛ぁッ!!」
「全身の『ぼうぎょ』、限界まで下がってんのに
よくそんなざっこざこになっちゃった弱点晒してられるよね〜♡
……ほら、落ちちゃうよ?もういいの?お友達の事…諦めちゃう?」
「あ゛あ゛ぁああぁあぁッ!!!!!」
守ると誓った友人のため、大きく吠え緩みかけた手に力を込める。
しかしどれだけ心を震わそうとも、くすぐったさは止まることはない。
「がぁッははははははぁッ!!ヒッ!いぃひひひひィ━━━ッ!!はぁッ!!あぁハハハハぁッ!!!!」
彼女は皮肉にも、
自身の信念の強さに『拘束』されていた。
ぐっにゅぐっにゅぐっにゅ…♡
ゴヂョゴヂョ…ゴヂョゴヂョゴヂョッ♡
「がぁあぁはははははぁ━━━ッ!!!!
ぶひゅひゃはははッ!!ふごぁっ!!」じゅるっ…
悪意の指が、友情のために無抵抗になった腋と脇腹の上で自由に動き回る。
「あぁ…見たかったの…その顔…♡
鼻水とよだれでぐっちゃぐちゃ…♡」
とうに過ぎた、計測もされていない30分。
「がぁ━━━ッはははははぁあぁッ!!!!
お゛ッ!!ぶぉほほほほッ!!あ゛ぁッ!!!え゛はぁああ゛ぁははははは━━━━ッ!!!」
猟奇的なくすぐったさで思考が埋め尽くされた今、脳が身体に送れる信号は『絶対に手を離さない』のみ。
「だぁひゃハハハハハハハぁ━━━━ッ!!!」
「う゛ッ!!!ウ゛オ゛ォ゛ォオォォオオオォ━━━ッ!!!!」
夜が明けるまで、彼女の長い長い30分の闘いは続いた。