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【TS10年後合同創作裏話】


本日11月30日(木)0時より「TS10年後合同」が配信開始となりましたーーーーー!!!

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というわけで、この記事は私が何を考えていたとか、どんな作品に影響受けたとかを語る創作裏話となります(*’ω’*)

(ネタバレあるので、ぜひ合同誌を読んでからお楽しみください)


ちなみに別記事で、入れ替わる前の二人のお話を描いた3ページ漫画とサンプルで掲載しているところまでの作者のこだわりポイントを描いてます。

こちらは有料記事となってるので、私にカフェオレ一杯おごるよ~って方はぜひ読んでくださいm(__)m




では、作者の自己満足創作裏話開始します!(結構長いヨ。一番最後にこだわり解説漫画のサンプルあるヨ)


① なぜ10年後合同を作るに至ったか?

② 今回の作品ができるまで

③ 日記を元にした苦労話

④ 終わりに




① なぜ10年後合同を作るに至ったか?


去年、コミケ出展という長年の夢をかなえて、今年私がたてた目標は

「誰かと一緒に作品を作る」

でした。


コミケで出した「その石化は憑依と共に」を描いたときも、いろんな人に助けてもらえたから、支えてもらえたから描けていたと思っていて、本を作ることについて人と関わることでよりよい作品を作れるということを感じました。

ふだん家に引きこもってあまり人と会わない生活をしている私にとって、人と作品を作るってちょっとハードルの高いことではあったんですが、関わって作り上げることでこそ見える景色というかできあがる作品があるかなと今年の目標にしました。


2月にTSF作家の野良猫さんとお題交換でコラボした「にょたかれ」。

おもいがけず小説+漫画挿絵のコラボをすることになったどんちゃんさんとの「ワンピースナミ・ロビン蝋人形化」。

そして今回の「TS10年後合同」。

以前より、牧原アイちゃんと一緒に何か作りたいねという話はしていたんですが、どういうものにするかは漠然としたままでした。

そんな中6月下旬、アイちゃんとフォロワーさんが「入れ替わりは人生」というテーマでスペースをされているのを聞いて、こういう切り口でお話作れないかな?ということから「TS10年後合同」は始まりました。(当初は「TS●年後合同」でしたが)

テーマが決まったとき、最初に思ったのが佐竹五郎さんをお誘いできないかな?ということでした。佐竹さんの描くTS作品はTSが起きた「人」のこれまで積み上げてきたものや、その後積み上げたものに対する視点が秀逸で、とても好きな作家さんでした。今回のテーマにすごく素敵な作品描いてくれそうで一ファンとして見てみたいし、それに作家としてもぜひご一緒してみたいと思っていました。佐竹さんからは、以前私が描いたTSFビフォーアフターアンソロジーについての感想をいただいたことがあって、お誘いしたら受けてもらえるかも…という期待もあり、佐竹さんに緊張しながら連絡。快く応じてくださってすごく嬉しかったのを覚えています。

三人で合同を作成することが決まり、話しをする中でアイちゃんから「10年後」という提案が出て、今回のテーマが決定。私自身が主催(一応主催)ってあまりしたことなくて、いろいろ不手際ないようにしなきゃと心配していたのですが、佐竹さんはいろんなことを率先してとりしきってくれて、アイちゃんは私の足りない部分をフォローしてくれて、企画発足から今回の発行に至るまで終始いろんな面で支えてもらいました。作品について相談したり、途中段階を見せて感想もらったり…。私自身、今回のメンバーじゃなかったら、今回の作品を作り上げることができなかったと思っています。ぜひまたこのメンバーで別のテーマの合同誌を作ってみたいですね。


ちなみに、当初予定では一人最低8ページの、合計24ページ以上ということだったんですが、表紙もろもろ含めて93ページ以上になったというのは、やっぱりみんなの熱量のぶつけ合いによる相乗効果かもしれませんね!





② 今回の作品について


今回のテーマで何を描こうか考えたとき、当初思いついた候補はこんな感じでした。

・再会したら初恋の娘が女装男子になっていた話

・40代夫婦の入れ替わり話

・入れ替わり後、セッ●ス中だけ元に戻れる兄妹の話

・子どもの頃互いのパンツを交換して履いたら入れ替わった(それぞれの姿になった)経験が忘れらず10年後会った時パンツを交換をしようと持ちかける話

・男体化した元女の子が好意を寄せてくれた男子のために女に戻る話

・先生と元教え子JKの入れ替わり話(←今回)


最終的に今回の作品になった理由としては、一つは牧原アイさんと一緒に作るお話だから「先生」についての話を作りたいと思ったこと、あと去年のコミケ後、appleペンシルのペン先が折れて困っていたとき入れ替わり好きのフォロワーさんが誕生日にappleペンシルをプレゼントしてくださったので、今年はこの人にお礼できるような入れ替わり作品を作りたいと思ったからですかね(結果お口にある作品になったかは不安ですが💦)。


ちなみにこの時点では10年後に奥さんと再会する物語ではなかったので、今回のメンバーだから夫婦の絡む話にしたかったけど断念するかという気持ちがありました。


ちょっと話は戻って、そもそも「先生と元教え子JKの入れ替わり話」を思い付いた背景ですが、今回のテーマを扱う上で考えていたのが、「10年後」にどういうオチをもってくるかということでした。

10年後合同ではあるけど、10年後をメインにした物語と言うより、10年と言う過程を描いて、その上で10年後こうなりましたよという構成にしたいというか。


あと、10年と言う数字をうまく使いたいって気持ちがあって、10年経ったら元の自分の年齢に達するとか、学生にとっての10年と大人にとっての10年の感じ方に差があるとか、今回に盛り込まれた部分で言うと、16歳で入れ替わって18歳の時に子どもができていると26歳のときには既に子どもは小学校入学しているとか…ですかね。


今回の原案が思いついたのは、7月14日~15日に東京に行ったときでした。いろいろネタに煮詰まっている中、諸々タイミングが重なって急遽東京に行くことに。(たまたまそのタイミングでTSF関係のオフ会もあってたみたいで近くにいるって考えるとちょっと面白かったです)

日常から離れてぼーっとしながら考えてたときに、最近JKといろいろお話することがあったから何か生かせないかな?というところを起点に、ベタに先生と入れ替わるとかどうだろうってところから話が膨らんでいきました。

当初の原案では、入れ替わりを戻るためにセッ●スを提案した元先生に対して、既に入れ替わりを受けれいている元JKが妻との間に子どもがいることを伝え、元先生も今の身体を受けいれて生きるべきと諭して、憤慨した先生が7年後(入れ替わってから10年後)に二人の子どもの童貞を奪って子どもとの入れ替わりを試みるという復讐のお話で、今回のお話から考えるとかなりダークですね(笑)


この原案をブラッシュアップする上で、

未来を見ている(受けれいている)元JKと過去を見ている(受け入れていない)元先生の対比という物語もいいけど、二人とも同じ方向(元に戻りたい)を見ているのにすれ違わせることができないか?という点と、第三者の奥さんをうまく絡めることができないかという点を考えました。

最初の点を考えた時に意識していたのが、君嶋彼方さんの「君の顔では泣けない」ですね。話は飛びますが、私が最初にこの本を読んだときに「あ、もう私TSF作品は描けないかも」って思いました。

女体化や入れ替わりなどTSFについて、いろんな人がいろんな考えをX(Twitter)上で流しているのを見て、自分の考えていることをしっかり言葉に出せる人ってうらやましいなと思ってました。私が私自身の考えてることや思いを文章で外に発信するのがすごく苦手で、発信出来ている人はしっかり自分の中に軸を持っているってことだし、それについて深く考えているし、発信することで他の人とともつながって、より考えが深まっているし。(今回の文章は、いい作品描いたって興奮状態だからこそ書けてますね(笑))私自身いろいろ考えていることあるけど文章にできないから、せめていつか作品として昇華させたいって気持ちが常日頃ありました。

そんなもやもやを抱える中で「君の顔では泣けない」を読んだとき、入れ替わりやTSFについて私が悩んでいることの答えが全部…というか(プロの方なので当たり前なのですが)それ以上に深く深く考えて書いてあって、これを読んでしまったら今後私がどんな作品を描こうと私自身が私の考えを陳腐に感じてしまうのではないかと思ってしまいました。

そんな中で描くことになった「TS10年後合同」、ビフォーアフター作品のテイストほめてもらえたし、今回のメンバーだから人間ドラマみたいな作品描きたいとは思いつつ、「君の顔では泣けない」のことが意識にちらついていたので、二人とも同じ方向(元に戻りたい)を見ていて、すれ違わせる形を模索しました。

そんな中で一つのカギになったのが「先生」という職業でした。

知り合いに「先生」もいることもあってから、「先生」という職業についてあれこれ思うことは以前からありました。「先生」は生徒によって「先生」になる部分があると思っていて、「先生」という職業はそのキャリアがその個人の人格形成に影響を与えると思っています(どのキャリアもそうではありますが)。先生という職業の大変なところに、学級経営を基本的には一人で行わなければならないことがあると思います。それは先生になりたての人もベテランの人も。学級の方向を一人で決めなければならなかったり、一人で保護者の対応もしなければないこともあったり…。そういう環境が、先生を一人で抱え込みがちな気質にしてしまう部分があるのではないか?今回の話では、そんな「先生」が元教え子という頼られる立場と入れ替わったことで、自分がなんとかしなければという思いが強くなっている中で自分自身のアイデンティティを見失うことから、同じ方向を見ていたけれどもすれ違うという構図を作る形となりました。

余談ですが、アイデンティティってこういうTSF作品の中で切っても切り離せない気がしています。私がこのあたりを考えているとき、いつも根底にあるのはマズローの欲求階層説な気がします。心理学系のお話って作品について考える時にいろいろ参考にできるので楽しいなーと思ってたりします。

さて先生の深堀をした上で次に問題となったのが、元JKです。入れ替わりを受け入れて前に進もうとするキャラクターから、ちゃんと元に戻る気があるけど奥さんとは関係を持ってしまうというキャラクターにかわったことで、どんな性格の子だったらそういう行為に至るかをかなり考えました。当初自分に自信のない子だったり、クラスになじめない子だったりも考えたんですが、そういう子だと入れ替わった後先生としてやっていくのは厳しいのではないかと…。そんな中たまたま見ていた「推しの子」に登場した黒川あかねさんを見て、「一生懸命で真面目な子」はハマるなと思い、現在の性格になりました。(キャラデザだけ先行していたけど、たまたま黒川あかねさんに似てたので、そのままのデザインになりました)

ちなみに元JKが入れ替わって先生をできるのか…ということについて、先生をやっている知り合い数人と話しながらいろいろ考えた結果、一学期の間に元先生がしっかり学級経営してクラス集団の形成ができてる+私立小学校で児童が安定してかつ一部教科担当制をひている+夏休みに勉強した&夏休み空けは運動会があって集団形成イベントかつ他の先生も携わる+母校であるのあわせ技でどうにかならないかと…

最後はむしろ先生以外の仕事の方が難しいって結論に落ち着いたり。

元々適性も高かったということで。

今回の作品全体のこだわり…というか私が好きな傾向として、「入れ替わり」等TSイベント以外は現実的でありたいということだったので、この点はかなり考えました。


話の流れが、同じ方向を向いているのに二人がすれ違う流れになったので、当然のごとく息子の童貞を奪う流れは却下(誰だよ、そんなダークなストーリー考えたやつ←)。そう考えた時にスポットがあたったのが、第三者である奥さんでした。

先に述べたように、描く内容を考えていた時に、今回のメンバーだから夫婦の話描いてみたかったという気持ちがあったため、10年後は奥さんがメインになる物語にするのはどうだろう?というところから、身近な人はやはり気付いているのではないかという考えを煮詰めて今回の物語の流れを形成。私の中で、どうせ描くなら、いったんお話が終わったと勘違いするくらい、違う空気間を流したいという気持ちと、先に書いた10年後に「オチ」を持ってきたいというところから、あえてあまり説明しないまま進行する物語の構成にしました。また、元先生の感情が最後にわかるように、かつインパクト大きくしたかったので、漫画描くときのセオリー的な感情描写や、フリをして次のページで回収してみたいな流れをせず、静かに展開するお話を作りました。


この最終章については、奥さんが実は全部知っていたというパターンも考えたり、オチについてももっと明るいオチを考えたりしたのですが、煮詰めながら序盤中盤を描いている中で「影」を使って「アイデンティティ」のゆらぎを表現する方向性になったことから、最後は影が伸びる演出となりました。


他のオチ候補

・奥さんは全部を知っていて、全てを抱え込まず私を頼ってくれてよかったのにと思いながら帰るパターン。

・妻と息子が夕食の話(煮込みハンバーグ)をしていて、入れ替わったことでの味覚の違いに思いをはせつつ、その味を思い出すパターン

・若い男性教師にデートに誘われるパターン

・他の先生に保護者対応など頼りっぱなしになって申し訳ないと言われて、「私も先生ですから」と返すパターン


影の演出については当初は考えてなくて、もともと入れていた演出としては先生とJKの足の距離間や向いている方向性で、二人の距離感やすれ違いを描こうと思っていたんですが、先に述べたお互い同じ方向を向いてすれ違うという形となったため、足の演出がなくなった結果、影の演出が生まれました。ちなみに足の演出の名残が歯ブラシやストローだったり、キスが足元だけだったりに残ってます(※この辺は別記事で詳しく)。また、当初元JKと別れた後につぶやく言葉は「俺は誰なんだ?」ではなく「一人ぼっちだ」だったんですが、話大きな筋が「先生」という職業だった人のアイデンティティのゆらぎとなったことで変更になってます。


あと今回…というか私の作品の傾向でもあるんですが、結構対比構造を多用しています。セリフ上での対比としては「俺の顔でそんな表情するなよ」とか、描写での対比としては時間経過のシーンとか(朝の着替えと朝の悶えている描写/外でのティッシュ配りされている様と外での電車/学校で友達と焦りながら話す様子と教室でぽつんとしている様子/先生として元JKに教えているシーンと元JKがしっかり先生をしているシーン)。私の中でセンター試験の現代文みたいなイメージです(文章の中に設問と類似箇所があるみたいな)。


最後に今回の作品を描く上で影響を受けた作品を…。

・「君の顔では泣けない」…前述のとおり

・「推しの子」…元JKのモデル。あと、恋愛バラエティ編でアクアがカナとキャッチボールしながら、精神が高校生にひっぱられると語っているシーン。

・「魔導祖師」…魏無羨と江澄の関係性で二人がすれ違うさまや二人の丁度いい距離感があるという点。

・「プラネテス」…描いているときは意識してなかったけど、執筆後久しぶりにアニメ観てたら影響受けている気がした。

・「ハチミツとクローバー」…たまたま無料期間があったので久しぶりに一気読み。どこの描写が…っていうより、モノを生むという苦労に共感しつつ読んだ(詳しくは③で)

・「キノの旅」…これもどこの描写がってわけじゃないけど、「たまには、自分の最高の実力を出すべきだ。そうしないと、知らない間に腕はにぶるものさ.」というセリフに、いつも全力を出していないわけではないけど、これまで培った考え方や全ての力を注ぎ込んだ作品を作ることで、もっと高みを目指すことがえきるはず!と心に言い聞かせながらしんどい時期耐えてた(詳しくは③で)あと、今回の合同は全員が最高の実力を出した合同誌にしたいと思っていた。

・siroさんの作品…どの作品に影響をとかではなく、siroさんの描く作品のキャラクターはどれも表情がいきいきしていて、それだけで感情が伝わるので、私もそんな絵を描きたいって思いながら描いてました。

・牧原アイちゃん…作品もさることながら入れ替わりに関する考えはいつもすごいなーと思っていたので。あと今回の合同でアイちゃんが描いた作品については、同じ入れ替わりと言うこともあって方向性が被らないように意識はしてました。




③ 日記を元にした苦労話


だいぶ長くなってますが皆さんついてきてますか?(笑)むしろ作者の自己満足をここまで読んでいただき本当にありがとうございます。

ここからは②と少し重複する私の苦労話を語りたいと思います。


この作品、原案作って練り直して線画ができるまで(7/16~10/15)は作るのむちゃくちゃしんどかったです(笑)


おおよその製作スケジュールは以下のとおり

7/14~15:東京旅行で原案思いつく

~7/30:プロット・セリフ(仮)作成完了

~8/27:ネーム第一弾完成

~10/9:ネーム変更&ペン入れ完了

10/15→合同メンバーに見せて感想もらう

~11/7:色塗り・セリフ調整

~11/14:毎日のように読み直して全ページの調整

11/14→納品


本当はちょくちょく進捗載せて、人からモチベーションもらいたかったんですが、内容が内容なので先入観ない感想が欲しくて、ずっと引きこもって描いてました。10/15に合同の他のメンバーに見せるまでは、「本当にこれ面白いのかな?」ってずっと不安だったし、予定よりもページ数も増えるし。

キャラクターのセリフや動きを考える時、私は自分がもしその立場だったら?ってことを想像して、そのキャラクターを自分の中に落とし込むようにした上で考えてるんですが、今回のお話がしんどかったので、考えているとしんどくなったり…。

あと、今回みたいな人間ドラマ描くときって私自身の体験から原案を練っていくので、自分と向き合う作業しなきゃだし、作品を通じた自己開示だから、これで受け入れられなかったら自分が受け入れられないみたいな感覚になると思うと不安だったり。


なので、10/15に佐竹さんとアイちゃんに見せて、いい反応をもらったときすごくほっとしました。

こういうところで、合同で他に支えてくれるメンバーがいてくれて本当によかったなって思っています。


それ以降の作業は、よりクオリティをあげていく!って意識でできたので大変ではあったけど楽しく描くことができました。一度完成したら、少し時間おいて見返して、気になるところを描き直して…。本当に〆切の最後の最後まで自分の納得いくものを作る努力をしたって思ってますし、それだけ頑張ったものが無事に配信出来ていまはほっとしてます。


作品を作るってすごくしんどい作業だけど、でもちゃんと私が生きている感じがするので、これからも作っていきたいですね。



④ おわりに


皆さん長々といるこのひとりごとにお付き合いいただきありがとうございました。

そしてお手に取っていただき本当にありがとうございました。皆さんに読んでいただけることで私の苦労が報われますし、今後への活力になると思ってます。


冒頭でも紹介しましたが、物語で描けなかったこの二人の入れ替わり前のお話と、今回の漫画の作者のこだわりポイントをこちらの記事で描いてますので、よければこちらも読んでみてください。


こだわりポイントこんな風に書いてます↓



それではまた次回の作品で(^_-)-☆ いるこ


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