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※いつもお世話になっております、屋根が高いと申します。

 高熱を出して魘されつつも、何とか更新せねばと途中になっていた原稿からサルベージしたお話がこちらとなります。

 明日はSkebの作品を更新、明後日からリクエスト消化に戻りますので、もうしばし完全復活まではお待ちいただけると幸いですm(__)m

 それはそれとして、かつてはギャグ扱いされていた筋肉女子という属性も、今はすっかり受け入れられた気がしますね。

 『ストリートファイター』シリーズのキャミィが筋肉娘の走りだと言われていますが、私は『ヴァリアブル・ジオ』の久保田の姐御や(VG2では百合婚EDがあって最高でした……)、父上が何故か輸入していた『マイティソー』に客演していたシーハルク辺りが目覚めだった気がします。

 皆さんはおススメの筋肉女子とかいますか? もしかしたら、その内にまた魅力的な女子がいれば参考にするかも知れません!





 ──夜羽廻烏子には、人には言えない秘密がある。


「(筋肉バッキバキのマッシヴなお姉さんをあんあん喘がせて嫁にしたい)」


 高校でも周囲は男の子にばかり夢中。時おり女の子が好きな同志に出会えても、好みのタイプを聞けば鶴のように細い女の子ばかり。

 中学生、下手すれば少し発育のいい小学生に間違われることのある外見も手伝い、この特殊な趣味について開示する機会は今まで無かったのだが……その日、烏子はとんでもないものを入手したことで、欲望のリミッターを外してしまうことになる。


「うーん、電話番号も一つも登録されてないし、メッセージの類もやってない。検索履歴もキレイに消しちゃってるし、SNSもやってないみたい。これじゃ、持ち主が誰かわかんないよぉ」


 高校からの帰り道、少し物足りないけれど、近所の女子プレロスの事務所へ応援にでも行って、筋肉女子成分を補充しようか悩んでいた烏子だったが、そんな彼女が拾ったのは持ち主不明の携帯端末。

 およそ通信機器として必要な情報が一つも登録されておらず、何処か不気味な印象を受けるそれには、一つだけアプリが登録されている以外に、持ち主を突き止められそうな情報はない。


「変なアプリじゃないよね……まあ、インストールしてる時点で自己責任ってことで」


 本当はこのまま警察に届けておしまいでもいいのだが、そこそこに好奇心を刺激された烏子は、その携帯アプリを起動してみる。

 これまでの無機質な箱という感じからは想像できない程、明るい音楽と色鮮やかな点滅が画面に乱舞し、烏子は表示された文字を読み取るのに少し苦労した。


「うわ、目がチカチカする……えぇと、『二次元の女の子キャラとレズセックスできるアプリ』……『二次元の女の子キャラとレズセックスできるアプリ』!?」


 思わず二回読み上げてしまった。

 画面の中では、金髪ツインテールの小学生くらいの女の子が『きひひ♥』とあまり性質のよくない笑みを浮かべて見せている。


『ようこそー、二次元の世界のいろんなお姉さんとレズセックスが出来ちゃうアプリだよー♥ あたしは案内人のチカ、チカちゃんって呼んでねぇ♥』

「(画面がチカチカするくらい派手だったからかなぁ)」

『読んで字の如く、このアプリを使えばアニメやゲームに出てくるお姉さんたちと、エッチなことが出来ちゃうんだよ♥ 相手の好感度は最初からMAX♥ エッチは主導してもらうことも、リードすることも出来ちゃうよ♥』

「そ、そんな文明の利器がこの世にあっていいの!?」


 とはいえ、盛り上がりかけたところで烏子は落ち着く。

 恐らくこれは創作アプリの類で、二次元キャラの創作テキストとか読める、いわゆる“夢小説”なんかと同じシステムのものなのだろう。

 法外な課金を請求されたり、解釈違いなキャラをお出しされてキレることになったりが目に浮かぶ……烏子にとって、期待は常に裏切られるものだ。


『それじゃあ、最初に望みのキャラクターの一番のアピールポイントを入力してね? アタシだったら、メスガキって感じかなぁ? キャハハハハッ♥』

「自分で分かってるんだ……ふーん、じゃあ挑戦してやろうじゃない。き・ん・に・く、と」


 欲望のままに己の推し属性を打ち込む烏子。

 直後、チカは画面の脇に避難して、大量のキャラ名が表示された。


「……!?!? そ、相当マニアックなキャラや、最新のキャラまで、筋肉爆盛り美女ばかりピックアップしてる……ほ、本気なの、このアプリ? え、えぇと……それじゃあ」


 この段階ではまだ若干の罪悪感がある為、烏子は『デストロ246』の佐倉南天を探す。レズビアンの筋肉美女ならば、レズセックスを見ても罪悪感が薄いと思ったからだ。


「あれ……南天いない。結構、この界隈だとメジャーな方のキャラなのに」

『言い忘れてたけれど、原作でレズだったり、彼女がいる女の子は呼び出せないから気を付けてねぇ』

「なに、その謎のこだわり。まあ、わかるけどさぁ……えっと、それじゃあ」


 探していた“さ”行から上に移動し、パッと目に付いたキャラをクリックする烏子。

 彼女はまるで自分の疑問に答えるようにチカがタイミングよく返答したことも、女の子を“呼び出す”という意味深な表現をしていることも、疑問には思っていない。


『毎度ありー♥ それじゃあ、さっそく派遣するから、家に居れてあげてね?』

「え、なに、どういう意味? まさかここからウィルスとか流し込まれるんじゃ……」


 ──インターホンが鳴った。

 烏子は母と姉と三人暮らしだが、母はパートで姉はバイト、この時間には烏子しか家にいない。

 ぽんと端末をベッドに放り出すと、烏子は「はーい」と答えて慌てて一階に降り、ボタンを押して来訪者の確認をした。


「どちら様です……か……?」

『はいッ! お呼び立てに応じて主将ミズキ、到着しました!』


 頭一つ抜けた高身長、八頭身にも及びそうな抜群のスタイル、そして何よりも印象的な、鍛え抜かれて引き締まったしなやかな肢体。

 服の間からは見事なシックスパックが覗き、陸上選手に似たユニフォームを着用している。抉い切れ込みの入った下穿きには、アルファベットでMZKの文字。

 首からかけた三種類のメダルも、スポーツシューズや両手のリストバンドも、長くボリュームのある茶に近い金髪はシュシュで一つにまとめているのも、何もかも。

 完全に烏子が軽い気持ちでクリックした主将ミズキ……リメイク版『ワンパンマン』に登場する、B級女性ヒーローに間違いなかった。

 何よりも烏子が「イタズラ?」とか「コスプレした変質者?」とか考えなかったのは、彼女があまりにも主将ミズキだからだ。

 どんなにそれが精巧であっても、いわゆる不気味の谷現象というのだろうか、コスプレイヤーはアニメキャラには見えないし、逆にアニメキャラが立体化したら頭や眼球がデカ過ぎて奇怪に感じるはずだ。

 なのに、それが無い。三次元空間に存在しているのに、コミックの中のミズキとまったく印象が変わらない。

 筋肉は盛れば盛るほど良い……そんな信念を持つ烏子にとって、二次元の筋肉女子が現実以上に食指の働く存在であり、だからこそ見間違うはずが無かった。


『すいませーん、中に入れてもらってもいいですかー? 自分、容貌に応えないとチカ監督に怒れるんですけどー』

「あ、はい、どぞ」


 促されるままに玄関を開けると、やはりミズキにしか見えないミズキが定義正しく一礼してから家に入ってきた。

 ご近所さんに見られていないか不安になったが、どうやら外に人気はなさそうだ。


「えっ……マジもんのキャプテン・ミズキ? 『ワンパンマン』の? B級ヒーローの?」

「そうでスよ。今日はよろしくお願いします、烏子先輩っ!」

「ま、待って、何で私の名前知ってるの!?」

「チカ監督から聞かされたんですけど? 名字の方が良かったですか?」


 慌てて烏子は自室に戻り、携帯端末を持ち上げるが、そこには『本日の起動時間は終了しました、無念』という文字が表示されるばかりで、アプリはもう開かなくなっている。

 ……烏子とてオタク、それも特殊な性嗜好の持ち主。故に、素養としては知っている。アニメキャラとセックスができるアプリという概念。風俗嬢として派遣されてくるのだったり、奴隷として召喚したりなど細部は異なるが、まさかまさか本当に現実で遭遇することになろうとは。


「へぇ、ここが先輩の部屋なんですか。皆さん、いい筋肉してますね!」

「わぁっ!? つ、ついてきたの!?」

「はい。だって、セックスすると聞いてるんで」


 烏子の部屋の中は、アニメやゲームの筋肉女子のポスターやグッズで満載だ。

 見られたことが恥ずかしく、部屋にごく普通に入ってきたミズキを怒りかけたが、よく考えたらむしろ気を使ってくれての行動である。

 かといって、烏子は完全にアプリの効用を誤解していた……というか見くびっていた為、まったく心の準備ができていない。

 端末に飛びついたせいで寝台の上に乗ってしまっている烏子の隣、ミズキがぎしっと大きな軋みの音と共に座る。なんか、ものすごく健康的な汗の匂いがして、くっそエッチだった。


「どうします? 私がリードしましょうか? そういうことした記憶とか全然ないんですけど、なんかできるんですよね。チカ監督が何かしてくれてるのかも知れないです」


 少しだけ困ったように笑う筋肉美女の傍ら、烏子はこのままミズキに組み伏せられて処女喪失もアリだなと一瞬考える。


「(待って、落ち着いて、烏子……最後かも知れない。このアプリは、もう明日以降は機動しないかも知れない。つまり、筋肉女子とセックスするチャンスは今回が最後になるかも知れない……それでいいの、私!? 悔い残していいの!?)」


 この段になり、完全に開き直った烏子だが、それでも一応、ミズキに確認してみる。


「えっと、ミズキ、さんは……」

「ミズキって呼び捨てでいいです、先輩!」

「そういえば、貴女って自分よりも小柄なギアスパーも先輩呼びしてたもんね……じゃあ、ミズキ。私とセックス、しても平気?」


 ミズキの顔が、みるみる内に赤くなって俯いた。ぱたぱたと掌でウェアを引っ張って風を送り、視線をよそによりながらちらちらとこちらを確認して……小さく「……ッス」とミズキは首を縦に振った。

 その可愛い反応に、烏子の理性は完全崩壊した。


「そ、それじゃあ……って、やってよ」

「えぇ!? そ、それはちょっと、マニアックっていうか……」

「いいでしょ、ミズキ、いいでしょ? してくれなきゃ、続きやらないよ」


 ミズキの逞しい体に身を寄せながら、太腿を撫で回して宣告すると、マッシブなヒーローは烏子の要求に応えて、ベッドから立ち上がって正面へと移動した。

 そうして、烏子によく見える様にとへこ♥ とガニ股になって高度を下げると、高々と……しかし、少し上ずった声で宣誓した。


「だ、第一種目……ま、マンズリっ……♥」


 ぐいっとズラされたミズキの秘所は、髪の毛と同じ色の陰毛がふっさりと生い茂っており、烏子よりも彼女が年上の成熟した女性だと伝えてくる。

 そんな相手が……ヒーローと言う命を懸けて他人の為に戦う美女が、烏子の命令でバキバキの腹筋をヘコ♥ ヘコ♥ ムキッ♥ ムキッ♥ と凹凸させながら、両手を使って自分の秘所を弄っている。

 どうやらミズキは膣内派らしく、右手でぐちゅぐちゅと膣の中を優しくかき混ぜながら、左手で時おりクリを触るというスタイルだった。全身から汗が吹き出し、部屋の中の湿度が増したような気がする。


「はっ……♥ あっ、あっ……♥ あはぁっ……んんっ♥ んふぅっ……♥」

「どんな気持ちか実況してよ、ミズキ♥ 私に見られながらのエッチなマンズリ♥ オ・ナ・ニ・ー♥ 恥ずかしい?」

「は、恥ずかしい、です……♥ か、烏子先輩に見られてると……いつもの、倍はか、感じてぇ……んひっ♥ ご、ごめんなさい、お部屋の中よごします……♥」

「ダメ、許さない……あとでいっぱいお仕置きするから、好きなだけマン汁噴いて?」


 甘酸っぱい匂いのする愛液が、ミズキの股からぷしゅっ♥ ぷしゃぁっ♥ と、まるで失禁のような勢いで飛び出した。自慰くらいは知っているが、潮噴きをキメたことのない烏子は、そのスケベな姿にますます興奮していく。


「何を想像してオナッてるかも教えて♥ 言え♥」

「せ、先輩に……んっ、ひっ……♥ わ、私の胸とか、あそことか……さ、触ってもらって、可愛がってもらうの妄想して……んふぅぅっ♥ マン汁、噴いてますぅっ……♥」

「流石は体育会系、上からの命令は何でも聞いてくれちゃうんだ……♥ こんな風に、実際に触られたらどうなっちゃうのかなぁ♥」


 烏子は遠慮と言うものを一切感じさせない手つきでもって、ミズキの胸を乱暴に掴む。筋肉の上に纏われた脂肪の鎧……それは柔らかく烏子の手を受け入れ、ミズキの中に“入った”感覚と共に、彼女は喉を見せながらのぞけぞって「すいませんっ♥ イクっ♥ イキまずぅぅぅっ♥」とキチンと断ってから絶頂した。


「胸触られただけで、イッちゃったんだ? あんなにおマ〇コくにゅくにゅしてもあんまりイケなかったのに♥ ミズキの体、私と相性良すぎじゃないかなぁ♥」

「あっ、あっ……せ、先輩、近すぎ……♥ あ、汗臭いから、もうちょっと距離を……♥」

「うるさぁい♥ 汗臭いのは筋肉娘の美徳じゃろがい♥」


 どこの方言か分からない言葉を吐きながら、烏子はミズキの体に抱き着いて再びベッドの傍らに戻し、そのフェロモン激臭の腋に顔を埋めながら、部屋を汚した罰を与えるべく押し倒した。

 自分よりも遥かに体躯の大きなミズキが目を潤ませて無抵抗に準じ、怪人をヘッドロックで粉砕したこともある腋が烏子の好きにされている。支配欲と全能感が満たされていく。


「んっ……くっさ♥ 甘臭ぁ♥ ミズキの腋、淫乱雌の匂いがプンプンする♥ そうやって他のヒーローとか誘ってるんでしょう♥ 女怪人だってこっそり腋出して誘ってるんでしょう♥ どうなんだ、エロ女♥」

「そ、そんなこと、してませんっ……♥ ん、あぁぁっ……腋、舐められるだけでぇぇ……あっ、あぁぁっ♥ せ、先輩が、本当に初めてですぅぅっ……♥ んおぉぉぉぉっ♥」


 腋を舐められて、腹筋の溝を指でなぞられているだけでイク姿に、烏子の興奮は止まらなくなっていく。

 もっともっと、この娘を完全に自分のモノにしたいという欲求が走り出す。


「ぴちゃっ、じゅるるるっ♥ それじゃあ、腋マ〇コは私専用ね♥ 裏切ったら二度とエッチしてあげないから♥ はむっ、かりっ……♥」

「あはぁぁぁぁっ♥ はい、はいっ♥ 自分の腋は、烏子先輩専用の、お、おマ〇コです♥」

「本当に先輩を悦ばすのが上手ね、あなたは……それじゃあ、イッてみようか♥」


 先までミズキ自身が触れていた場所。彼女のもっともデリケートな部分に、烏子の指が沈み込む。

 ミズキが「はほっ♥」と呻いて速攻でイッたことは驚きだった……自分の指だと、結構時間がかかっていたのに。


「私の指専用マ〇コになっちゃうね、ミズキぃ……♥ 私のモノになれ、ミズキ♥ こうやっていっぱい腋舐めして……じゅるるるっ♥ おマ〇コ毎日可愛がってあげるから♥ 私の筋肉嫁になれぇぇっ♥」

「はひぃぃぃぃぃっ♥ わ、分かりましたぁぁぁぁぁっ♥ あっ、あっ、あぁぁぁっ♥ 主将ミズキ♥ 烏子先輩のお嫁さんになりますぅぅぅぅぅっ♥」


 その宣言を引き出した瞬間、放り出していた携帯端末が「条件1をアンロックしました」と表示したことに、ミズキの腋に顔を埋めてご満悦の烏子は気づかない。

 小学生にも間違われる自分が、バキバキ筋肉女子のお姉さんを、何でも言うこと聞いてくれる嫁にした……その充足感で少女はいっぱいであり……ベッドで寄り添うように眠るミズキが、いつまで経っても消えたり帰ったりする様子が無いことに、烏子はかなりの時間気付かなかった。


「だって、自分はもう、烏子先輩のお嫁さんですから……♥」


 逞しい腹筋を擦り付けるように抱き着いてくるミズキの言葉に、烏子は母親や姉にバレたらどうしようと考えるよりも先に「これって、筋肉女子ハーレム作れるじゃん」と欲望に忠実なことを考えていた。



──続く




主人公

※夜羽廻烏子(よばわり からす)

・高校生。筋肉女子フェチをこじらせたヤベー奴。見た目は下手すると小学生女児と間違うほど幼いのだが、中身は完全にエロ同人誌の竿役みたいな思考をしている。よく名前を「鳥子」と間違われる。

・黒髪姫カットの小柄なお嬢さんという、外見的には完全に勝ち組なものを有している。見た目が可愛くなければ限りなくアウトな存在だが、見た目が可愛い女の子様なのですべて許されるのだ。

・ある日、アプリ一つしか入っていない携帯端末を拾ったことから、二次元キャラクターを好感度MAXで呼び出せるようになり、望みの筋肉女子たちのレズハーレムを築くために動き始める。ちなみに、最近のイチオシは『ストリートファイター6』のマリーザ。

・その苗字といい、アプリ内の案内役のキャラの名前と言い、何処かで某メスガキを彷彿させる要素があるのだが……?

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