厚塗りのすゝめ (Pixiv Fanbox)
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突然ですが、厚塗りはおすすめ。
というわけで厚塗りの考え方とか、どこに意識すんの?おまえはどうしてるの?ってことを具体的に書いていきます。意識とかブラシとか資料とか考え方です。
厚塗りしたいぞって方の一助になればいいなぁ。
※厚塗り講座というわけではなく、あくまで自分が思っていることや描いてる方法など個人的な考えだと思って一読して頂ければ嬉しいです!
でも実際自分で描く上で
①煩わしくない
これは線画と比べての話です。線画だと形をとるために納得する線を描いてctl+zで戻して描いて・・・というのを繰り返してしまいますし、線毎にレイヤーを分けまくるので作業量がめっちゃ多くなりがち。
厚塗りでしたらごりごり上から描きつつ、形はその都度整えながら、線の内側も同時に描けるのでストレスがないです(個人差あります)。
②色価の感覚が鋭くなる
厚塗りをやる際に白黒から描く人も、色から直接乗せて描く人も、絵の最初はそんなに色も形も意識していません。明暗の強弱というのを描いています。これはまたの名を色価(ヴァルール)といいます。
・・・難しい単語が出てきましたけど、写真や絵を見た時に明暗がイイ感じだなぁとか、この絵って写真みたいな影と光でイイなぁってそういう感覚の事だと思ってもらえばいいです!イイ絵ってモノクロにしてもイイ感じ!
厚塗りをやっていくと自然とこの感覚を人一倍制作物で表現することができるようになります。マジです。
③物を見るときの解像度があがる
これはある意味線画メインの方と厚塗りメインの方で違うといってもいいかもしれないです。例えば何気なく葉っぱを観察した時に、線画を描く方なら形(シェイプ)を、厚塗りの方なら葉っぱの表面(テクスチャ)を見てしまいます。これは、絵に描き起こすときにどっちを優先して表現するかっていう優先順位が作用しています!
そんで厚塗りっていうのは表面が表現できてしまえば割と形を取る能力も自然と磨かれていくので、「形を取る力」「面を描く力」も同時に磨かれていくと思っています。(持論です)
①難しい
厚塗りは簡単に重厚感ある絵を描いたり、鎧の反射や、空の雲の奥行など表現の幅が広いですが、広い故に奥深いというところがあります。おれもずっと難しいと思いながら描いています。自分のラフはまるで部屋の隅の縮れた髪の毛のようです。
②慣れるまで時間がかかる
これ。厚塗りをやめていく理由が大体これ・・・。とにかく慣れるまではうまくいかないことの方が多く、向いてないなぁって思っちゃってやめてしまいます。
他にもいろいろありますが良いとこ悪いとこは大体こんな感じだと思っています!
ざっくりまとめて描きましたが、個人的に厚塗りはやればやるだけ力が身につく画法という感じです。
なんならデッサンもいらないと思います!
理由は、デッサンというのはそもそも
形と色を明暗だけで正確に表現する力を磨くもの
なので、やってるうちに磨かれます。
3Dソフト出身の方も自然と身についているでしょうし、昨今PCで色から絵を描ける時代なので、デッサンをやるにしてもお絵かきソフト上でやるほうが圧倒的にお得です。
確かに基礎はとても大事ですが、あくまで入口に立っている方に今更デッサンを進めるなら、PCで絵描いちゃった方が一挙両得だよってことですね~
じゃあここからは具体的に自分が必要だなって思っているものや意識について書いていきます。
あくまで自分の絵のような一枚絵を描く場合どうしているのか、を書いていきますのでご了承ください!
これは厚塗りとかに限らずほかの作業でも必要って思っていることなので3Dや線画にも当てはまるかも。
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▼ソフト
線画にしても厚塗りにしてもソフトは必要で、ソフトによって得意な面もまちまちだと思います。ざっくり書きますけどおそらくネットで出てくる評判通りかも!
・フォトショップ:ブラシにクリスタのような線画補正はない(外部有料ソフトなどで補填可能)。ブラシのカスタマイズや色味補正がとてもイイ。特に色やコントラストに関する機能は厚塗りにおいてとても重要。
・クリスタ:線画にも厚塗りにもバランスよく使える万能の書きあじ。でも細かい部分や色味調整などはフォトショップに劣る。
大体メジャーなのはこの二つですが、他にあげるとしたらペインターなどがあります。特殊なブラシに特化したソフトで、これはこれでなれるのが大変でほかのソフトに移ったとき色々大変だなあと思っています。
ちなみに自分は全部触りましたが結局フォトショップに戻ってきています。まあ値段も正直変わらないし、厚塗りメインの方ならフォトショップになれておくのが後々良さそう!
▼ブラシ
ブラシはとても大事です。ぬめっとしたブラシも、ざくっとしたブラシも確かにどっちも必要ですが、まず自分がメインで使っていくブラシを1つor2つ決めておくといいです。基準としては、線も描けて、塗りでも使うことが出来るブラシがいいです!
フォトショップの方は海外コンセプトアーティストのサイトなどからブラシをDLしてかたっぱしから試すのがおすすめです。白キャンパスに描きまくって描き味が一番いいのを探りましょう~!
なぜ1つか2つに決めるのかというと、いきなりたくさんのブラシがあったら切り替えも手間だし、煩わしく感じて手が止まってしまいます。
テクスチャブラシも面白いし便利ですが、使うポイントは大体最小限だと思います。
あれ?DLしても使わんぞこのブラシ・・・いる?これ。
▼資料
一番大事かも知れません。
厚塗りをする際は必ず資料を見つつ描いてください。絵を上達させるに於いて資料を見ながら描くというのは絶対に必要です!正直、絵のうまい方でも資料を見ずに複雑なディテールや構図を描く、というか絵を描くのは不可能に近いです・・・。
資料の集め方ですが、ピンタレストやgoogle画像検索などでお目当ての資料を漁っています。
とくにどちらも可能なら日本語より英語で調べたほうがいい感じの資料が出てきやすいです!それに加えてPureRefという、たくさん画像を貼り付けて並べたりするだけの無料ソフトを使っています。めっちゃ便利~!
次に資料を探すときの順番です。
例えばつるぷにケモの絵を描きたい!とします。
↓
・好きな絵描きさんの絵を集める!
これはトレース目的ではなく、自分が表現したい雰囲気の絵を近くに置くというのが重要なんです。細かい色味や線のテクスチャ、どこが重なっていい雰囲気だと自分は感じているのか・・・そういう要素を観察して意識するためです。
〇パクリはあかんで!
↓
・背景の資料を集める!
これも重要度が高いです。同じく雰囲気程度の資料ですが、重要視するところは特に色と光源です!
厚塗りというのは背景と一体感を出すことが一番完成度が高く見えます!
ところでハイライトとリムライトというものがあります。
こんな感じで、
ハイライトは面の光の反射の強いところ
リムライトは光源からの光が物に当たって物の輪郭が浮き出る光
という二つの光があります。
厚塗りではこの二つだけで空間に物を表現できるんです~!
背景の資料が重要なのはこの、光源とリムライトを決めるためなんですね。
ちなみに背景を凝らずにキャラクターだけ厚塗りで描く場合も、ぼんやりした環境光を適当においてその光のリムライトをつけるだけでも背景と一体感が出ますよ!
やってみよう!
▼構図
一口に構図といっても、いろんな種類があります。
三角形を作るように配置するとか、画面を9つのタイルに分割して真ん中のタイルの四辺に要素を置くとかあります。
もちろん大事なのですが、個人的に視線誘導が一番大事だと思ってます。具体的には絵をパッと見た時に眼が最初に見ちゃうとこです。要するに一番見ちゃう場所なので、そこの描き込みと情報量を増やしてあげればいいのです!
そしてそれは大抵、コントラスト(明暗の差)の激しい部分になります!
人間の眼は形を認識するために、明暗の差の激しい部分を優先的に見るようにできております。
つまりこの絵でいうと赤で囲んである3か所です。
少なくとも最初に絵を見た時この3か所のどこかに眼が最初にいきますよね!
逆にいうと見せたい部分の明暗の差を激しくしてやればいいのです!
これを意識して構図を組み立てられるともう完璧です。
▼厚塗り、キャラから描くか、外から描くか、(それとも同時か)
キャラ本体から描くか・・・背景から描くか・・・同時に少しずつ描くか。
これはかなり人によって分かれるやつです。
流派はいろいろありますが、自分は背景から描く派です。
何故かというと、色からキャンバスに置いて描いていくので、
先に光源や環境光が決まっていた方がキャラに色を乗せるときに困らない
という利点があります。
キャラに決まっているリムライトとハイライトをさっと乗せて、背景との一体感が出せているか確認できるので一枚絵を描く時とてもスムーズなんですね。
ただ、これは一例で、例えば、キャラメインで背景はぼんやりつける絵などには当てはまりません。
まだまだ描きたいことはいっぱいありますが、とりあえずこんな感じの意識をしながら普段絵を描いています。不慣れな文ですがここまで興味を持って読んでくれた方本当にありがとうございます。これを読んで一つでもいい意味で意識が変わった部分が
ありましたら幸いです!それではいい厚塗りライフを~~!
評判良かったらまたやりたいと思いますので、もっとこういう部分を詳しく書いてほしい!や、質問でもなんでもコメントありましたら是非!ありがとうございました!