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こんにちは、ねこずし卓のアキエです!

こちら 『恐怖! 怪奇! 実録! 人喰い廃墟! に行ってみたw』についての記事です。新しく発売されましたTRPGサポート書籍『セッションデイズ 』 Vol.1に掲載されています。


▍はじめに


▼『セッションデイズ』とは

TRPG専門誌『Role&Roll』の編集部から新しく発売されたTRPGサポート書籍です。

TRPG用語集やシステム紹介、TRPGに関するコラムなど、TRPGを始めたばかりの人やこれから始めようと考えている人向けのコンテンツが充実しています。

同人TRPGシナリオやセッションで使える素材の紹介、書き下ろしシナリオの掲載もあるので、日頃からTRPGを遊んでいる人にもオススメです!


TRPGをさらに楽しむための情報やアイデアが詰まっている『セッションデイズ』。ぜひ手に取ってみてください。

Vol.1に掲載している「楽しく遊ぶワンポイント」というコラムにとても大事なことが書いてあるなと思ったので、ぜひ読んでほしいです。


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そんな『セッションデイズ』 Vol.1には、ねこずし卓作成のシナリオが掲載されています! 滅多にない貴重な経験なので、めちゃくちゃに緊張してシナリオ作成に挑みました。

テストプレイに参加してくれた皆様、アドバイスや校正のご協力をくださった編集部の皆様には心から感謝しています。


この記事ではシナリオ作成や、テストプレイの話を紹介しようと思います。

また、いくつかシナリオの遊び方について提案もしたいと思います。



以下、シナリオのネタバレが含まれます。













▍シナリオ作成について

シナリオの深堀というか、裏話程度の内容です。


⬛ テーマ・コンセプト

作成にあたって、どんなシナリオにするか骨組みとなるコンセプトを決める必要があります。編集の方からいくつか条件をいただき、絶対に守る条件として以下を掲げました。

・初心者から中級者向けで、複数人で遊べる

・明るい、お祭りっぽい、楽しい雰囲気

・HO(ハンドアウト)がある

・キャラクターロールプレイがたくさんできる

・たくさんダイスを振る


➡ 初心者から中級者向けで、複数人で遊べる

コンセプトというか、大前提のテーマだと思います。ロスト率も低いに設定。


➡ 明るい、お祭りっぽい、楽しい雰囲気

こちらもテーマだと思います。

ねこずし卓が作成したクトゥルフ神話TRPGシナリオ『ワンルーム・ディスコン』と同じ雰囲気のシナリオがいいと例を挙げていただきました。『ワンルーム・ディスコン』のジャンルとしてはご愉快ホラーシナリオです。

探索者にとっては笑えない状況だけど、プレイヤーは愉快にどんちゃか遊べるシチュエーションを作ろうを思いました。シナリオの後味もカラッとしているものが理想かなと。


➡ キャラクターロールプレイがたくさんできる

➡ たくさんダイスを振る

テーマを現実化するためのコンセプト部分だと思います。

私個人の考えですが、TRPGの楽しいポイントは「キャラクターロールプレイ」「探索」「ダイスロール」だと思っています。初心者プレイヤーでもキャラクターロールプレイがたくさんできるし、やりやすい。探索もしっかり。ダイスロールのドキドキ感や楽しさが伝わる(お祭りっぽい)シナリオにしたいと考えました。

特殊なダイスゲームが大好きなので、クライマックスにそういう処理を持ってこようと早い段階から考えていました。



最終的に、初心者のプレイヤーでも楽しく遊べれるようなシナリオになったんじゃないかと思っています。ただ、クライマックス処理が忙しいため、KPの難易度としては中級レベルだと思います……。



⬛ なぜ、オカルト系動画投稿しているグループなのか

シナリオ作成の話をいただいたのと同時期、ねこずし卓では廃墟探索に行くオカルト系YouTuberがブームでドハマりしていました。necozeからそういうシナリオを遊びたいと言われて、じゃあ作ろう!! といった感じで話が進んでいきました。

毎度そうなんですが、あまりにも不特定多数に楽しんでもらえるようにと考えると詰まってしまうので、見える範囲の身近な人間をターゲットユーザーにしています。necozeに楽しんでもらえるシナリオを作るぞ!


また、動画投稿の活動している探索者にすることで、以下のような効果が得られるのではないかと思いました。

・役割という形でハンドアウトを設定しやすい。

・動画撮影・配信を意識することで探索がスムーズにできるのではないか。

・視聴者を意識することでロールプレイもしやすいのではないだろうか。

・生還すること以外の目標を掲げやすいのではないだろうか(バズるなど)。


また、グループ名を決めたりハンドルネームを決めたりと、キャラクターメイクも楽しめると考えました! キャラクターメイクもTRPGの楽しいポイントですよね。


そんな感じで、シナリオ作りがスタートしました。




⬛ シナリオ構想

どんなシナリオを作ろうとしているのか、編集の方に共有するためにもシナリオ概要を準備する必要がありました。

概要ができるまでのメモを数枚、簡単な解説付きで紹介しようと思います。


メモ❶

どんな内容のシナリオにするか掘り下げているメモですね。

役割ハンドアウトはキャラメイクの指標だけではなく、各々できることに違いがあるという特別感も出したいと考えていました。どんなギミックを入れるのか、シナリオ背景の方向性もざっくりメモしています。

この段階では秘匿ハンドアウトがあるシナリオにしようとしていたようです。皆さんご存知の通り、結果的に秘匿は無しなります。


メモ❷

初期のハンドアウト内容です。現在のハンドアウト順番と違います。

4人用だったようで、「霊媒師」という役割があったようです。現在でいうコメンテーター的な役割だったのだろうと思います。

ハンドアウトの詳細を考えているメモです。

この段階で2人目のパーソナリティを設定する必要性がないと気づき、PL人数は3人用で決定しました。その後、霊媒師がコメンテーターに変化していったのだと思います。

メモの頭に「秘匿」と表題的なものがありますが、全くそれっぽいことを書けていません。全く秘匿の内容を考えることができなかったので、やりたいことと結びつかないと分かりました。



メモ❸

こちらは全体の流れの初期メモです。こんな感じになるかなってのを出しています。

メモはざっくりとしていたり省略していますが、廃墟は2箇所行くと決めていたようです(RP練習メインの廃墟と、配信を行う廃墟)。エンディング欄、どんなことがあっても、焼肉を食べれば円満に終わった感が出るだろうという安直な考えが現れています。

「もしくは、全員ロスト」は、誰か1人が欠けるくらいなら全員ロストの方がいいだろうという思想からです。結果的にまとめてロストするようなギミックにはしませんでした。

メモ❸

いろいろと省略しているのですが、今までの内容を元に概要は以下のようにまとまりました。

ちょっとした違いはありますが、だいたいは現在の概要通りです。

私は「専門家のふりをする探索者」を見るのがとても大好きなので、絶対そういう役割のハンドアウトを入れたくて仕方なかったのです。本能に従いました。

シナリオの内容(特徴)もしっかり設定しています。これを編集の方に提出し、GOサインをいただきました。

どういう状況?

編集の方に確認してもらう際、そっと消したのだと思います。



その後はもりもりシナリオを作り、テストプレイを繰り返して、紆余曲折しながら出てくる情報やクライマックス処理ルールの調節していきました。(全部丁寧に説明すると長くなってしまうので省略します)




⬛ 他、裏話


▼シナリオ名

キャッチーでシナリオの雰囲気が伝わるようなタイトルにしました。動画タイトルをイメージしています。単芝をつけていいのかどうなのかソワソワしていたのですが、編集の方からOKいただきました!


▼登録者数3D100人

こう……変にリアリティのある数字にするのはなんだかぁと思っていたところ、高生紳士さんにダイスで決めるのはどうだろうとアイデアくださり、ありがたく採用させていただきました! ありがとう高生さん!!


▼廃民家の背景

シナリオ本文にも書いているのですが、ラヴクラフトの小説『魔女の家の夢』をオマージュしています。毛むくじゃらの化け物はブラウン・ジェンキンです。暗黒の男はギルマンにしたように、HO3に署名をさせようとしていました。

廃屋の解体後、跡地から人骨が見つかるかもしれません。


▼登場する神話生物のボツ案

緑の神、緑の神の子が登場する案も考えていたようです。ウサギの着ぐるみを来た殺人鬼の噂がある廃墟に行くとメモされていました。怖すぎる。


▼NPCの名前

浦方 つとむ、結構好評で嬉しいです。彼の名前はそのまま「裏方を務(努)める」という由来です。元々「宇田川 内助(うたがわ ないすけ)」という名前でした。「疑わないでほしい」という意味を込めていたのですが、逆に怪しい! と言われたので今の名前になりました。


▼作業のお供

描写を書く作業をしているとき、テンションを上げるためによく音楽を聴いています。人喰い廃墟では、ピノキオピーさんの『おばけのウケねらい』を繰り返し聴いていました! クリエーターの曲っぽく感じていて、作成中の段階から人喰い廃墟の探索者たちに重ねていました。




▍テストプレイの話

チャコタの撃退方法や廃墟からの脱出方法、エンディングは千差万別でした。

どのセッションも楽しかったのですが、配信のエンディングが特徴的だったセッションを3卓紹介させていただきます。


⬛ 大炎上で終わった卓

シナリオラスト、エンディングの同接数増加チャレンジ。

HO2 ファンブル! 女装がバレる!!

HO3 ファンブル! バビ肉の中身が映ってしまう!!

HO1 失敗! 浦方が画面に映ってしまう!!


コメント

「誰?」

「画面に知らないやつしか映ってない」

「おっさんしかいねぇじゃねぇか!」

「なにこれ」


放送事故三連発、大炎上の大団円で終わりました。



⬛ なぜか仲間割れをした卓

まだ廃墟内にいるHO3を見捨てて、車で逃げていくHO1.2.浦方。HO3は二度目の忌まわしき狩人召喚を行い、狩人の背に乗って、先に逃げた3人を追いかける。


狩人に乗って迫ってくるHO3

全力リアクションするHO2

その様子を撮影するHO1


そして配信は終了。

衝撃的なラストに、配信は大盛り上がりでした。



⬛ 忌まわしき狩人の背に乗って脱出して、大けがした卓

HO3が呼び出した狩人の背に乗り、全員で廃墟の二階から脱出しました。

そのままエンディング撮影へ。


狩人の背の上で、すごく良い感じのコメントをするHO2と、HO3。

しかし、同接数増加チャレンジ でHO3 ファンブルを出してしまいます。狩人の従属時間がそのタイミングで切れてしまいました(ファンブル処理)。

宙に投げ出され、地上に落ちていく4人。地上に落ちて大けがをしたところをHO1がバッチリ撮影して、配信は終了しました。


せっかくなので、HO1に何人登録者数が増えたか1D45(最終同接数の半分の数値)をロールしてもらったら、1万人でした。(このHO1、最初に振る1D100でも1を出してました)



ラストのダイスロールが悪い結果だったとしても、仲間割れをしても、大けがをしても、みんなで笑って終わるセッションでした。皆さんもセッションもそんな感じで笑って終わるようなものになりますように。




▍遊び方の提案

いろいろな提案です。


⬛ 登録者数3D100万人

中途半端な数字になることが多いです。中途半端な登録者数なのに記念配信?となってしまうと思うので、いい感じの理由付け案を提案します。


●キリのいい数字まで待てず記念配信をし始めた

シンプル。私はこの理由が好きです。


●記念配信を「キリのいい登録者数を目指すための配信」ということにする

例えば196~199万人だったら「200万人を目指すぞ! ライブ配信!」にするとかです。耐久配信のようなイメージですかね。


●記念配信を計画しているうちに、登録者数が増えていってしまった

「150万人になったから記念配信をしよう!」と計画しているうちに151万人、152万人と増えていって、キリのいい数字ではなくなった。



⬛ 裏方NPC

キャラクターメイクが大好き! 特別感を出したい!という場合、「浦方 つとむ」をオリジナルNPCに差し替えて遊ぶのもいいと思います!



⬛ 記念配信後、登録者数何人増えてかな?

エンディング後、登録者数が何人増えたか、最終同接者数の半分の数値で出すと楽しいです。

例:最終同接数が100万だった場合、1D50万人登録者数が増える。



⬛ クライマックス処理


●移動について

移動の説明項目に

「【移動】しないのであれば、【アクション】を2回連続で行うことが可能」

とありますが、同じように

「【アクション】をしないのであれば、【移動】を2回連続で行うことが可能」

という処理をしてもいいです! 耐久力が削られてしまった場合、とにかくチャコタから距離を離したいと思うことでしょう。ぜひ命を優先してほしいです。



●チャコタの撃退方法、脱出方法について

「無いよりは有った方がいいだろう」という考え方で、処理例をたくさん書いています。これらは必ず守らなければならないルールではなく、目安や判断基準として参考にするものだと考えていただけたら嬉しいです。


つまり、書いてある通りにしなくて構いません。シナリオに書かれている技能ではなく、PLに提案された技能でロールしていいです。その場で思い付いた、シナリオに書いていない処理方法をしていいです。ライブ感のあるセッションを楽しんでください。

もちろん、書いてある通りにしていただいて全く問題ありません! クライマックス処理は大変なので、やり易いように遊んでもらえたら嬉しいです。その思いを込めて、上記のように書かせていただきました。

ただ、探索者にとってあまりにも不利なるような改変はしないように注意してくださいね。



処理方法やシナリオの雰囲気を掴みたい方は、ねこずし卓のYouTubeチャンネルでセッション配信をしているので、そちらを視聴して参考にしてみてください!




▍最後に

長くなりましたが、記事を読んでくださりありがとうございました。

みなさまのセッションが楽しい時間になりますように!



ねこずし卓 アキエ




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