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 ピンク髪にピンクのジャージ。  目立ちそうな外見だというのに、その圧倒的な陰のオーラによってどこか周囲の明度を下げて影に溶け込んでしまっているかのような少女が、暗い顔でライブハウスに入って行った。  ――もう何度もこのライブハウス「STARRY」には訪れているというのに、やはり扉を開けようとする度緊張してしまう。  ギターケースを背負っているのでギタリストアピールは出来ていると思うが、それが無ければきっと「オイオイ此処をどこだと思ってんだお嬢ちゃん? 喫茶店と間違えたのかぁ? ミルクなら家に帰ってママに淹れて貰いな!」と村の荒くれ者に怒鳴られていたことだろう。そんな人は見たこと無いが。  少女――後藤ひとりは、もちろん間違えて店を訪れたわけでは無い。  今日も最早日課となったライブの練習をしに、この店にバンドメンバーと集まりに来たのだ。  ライブ費用を捻出するためにこの店でバイトもしているのだが、今日は練習オンリーの日となっている。  店内を見回してみたが、まだ他のメンバーは集まってないようだ。  なら椅子に座って他のメンバーを待とうかと思っていると。 「ぼっち」  そう呼び掛けられ、ひとりは後方を振り向いた。  彼女をあだ名で呼ぶのは、ひとりと共に「結束バンド」を結成するメンバーの一人、山田リョウだった。  同性からも人気の高いミステリアスな雰囲気を漂わせるその少女はしかし、なぜかその辺で毟ってきたらしき草を握りしめて現れた。  ある意味ではそれもミステリアスだが、端正かつクールな見た目には余りにも似つかわしくなかった。まぁ、ひとりは草を持っている理由には心当たりがあるが。 「ぼっち、金貸して」 「…………」  登場していきなり金銭をせびってきたリョウに、ひとりは言葉を失った。  リョウは裕福な家庭に育ったらしいのだが、金遣いが荒く、慢性的に金欠に陥っているのだ。  そのため、こういう風に知り合いにお金をせびるが度々ある。  その手に持った野草も、金欠で食うものにも困った結果だろう。 「……あ、あの……まだ、先週の分も返して貰ってないです……」  とてもか細くではあるが、抗議の声を上げる。  その声はちゃんと聞こえているようだが、リョウは平然とした様子で手のひらを上に向けてこちらに伸ばしてくる。 「今度まとめて返すから。お願い」 「…………いや、その」  虹夏がいればこんな時はリョウを止めてくれるのだろうが、生憎ここには結束バンドのメンバーはひとりとリョウだけだ。  誰にも頼れない状態で屈してしまいそうになるが、ひとりとて成長していないわけでは無い。  このような時に毅然とした態度を取れるように、バンドやバイトで人間力を高めてきたのだ。 「幾らですか……」  まぁそれはそれとして少額で済むなら貸してしまった方が拒否するより楽である。  ひとりは財布を取り出し、手持ちを確認しようと手を動かした。 「5000円」 「……ゥッ」  ひとりのお小遣いから考えると少なくない金額に、財布を取り出す手が止まる。 「……あっ、そんなには、ちょっと……」 「頼むぼっち、お前しか頼れないんだ」 「いや……でも……」 「抜いてあげるから」 「何をですか!?」 「え、チンコだけど」 「平然と言った!」  顔色一つ変えず言い放ったリョウに、ひとりは顔面を前衛的なアート作品みたいに崩壊させて叫んだ。  普段から変わり者のリョウだが、基本的にいつも真顔なので言っていることが本気なのかどうか判断が難しい。 「スッキリさせてあげるからさ」 「いや……そんなこと言われても……」  スススと近づいてきて密着してくるリョウに、ひとりはバツが悪そうに顔を背けた。  リョウは密着したまま下半身に手を伸ばし、太腿辺りに手を添えてくる。 「ぼっちはさ、気持ちいいのキライ?」 「そ、そういうのじゃなくて……」  ひとりが言い淀むのを見て、添えられた手が怪しい手付きで太腿の付け根へ登っていく。 「ひぅっ!?」  手が股間へと伸びて、その中心にあるモノに触れると、ひとりはビクンと肩を跳ね上げさせた。  その反応を見て、リョウがニヤリと口角を上げる。 「ぼっちのここは、気持ちいいの好きみたいだけど?」  言って、ジャージの上から柔らかい感触に指が這わされる。 「や、やめ……」  さわさわと敏感な先端を撫でられると、ぴくんぴくんと腰が引けてしまう。  リョウは指を一本立て、指先でクリクリと亀頭を弄び始めた。 「あっ、やっ……はぅ」 「大きくなってきた」  ジャージを内側から押し上げ、ひとりの秘された部分が自己主張を始める。  カリ首の部分から先端に向けて、摘むように優しく擦られて、ひとりは心臓の鼓動が早くなるのを感じた。 「はっ……はっ……。リョウ、さん……っ」 「トイレ行こっか」  鈴口をカリカリと爪先で引っ掻かれながら、顔を朱色に染めて俯き、ひとりは小声で返事をした。 「…………はい」  女子トイレの個室の中で、リョウは便座に腰掛け、その前面にひとりを立たせた。  ひとりの下半身は、未だ興奮を抑えられずジャージの股間部に恥ずかしい三角形を作っている。 「さて、じゃあ下脱いで」 「え」 「どうしたの? 脱がないとしづらいでしょ?」 「……あっ、ハイ……」  それが当たり前のように言われて、素直に従ってしまう。  この状況で今更逃げる勇気は陰キャ少女には無かった。  躊躇いがちにジャージを下着ごと足首まで脱ぐと、勃起したふたなりチンポが個室内に晒される。  暖房などないトイレの室温が、その皮膚をひんやりと冷ましていく。 「う、うぅ……」  羞恥で死にたくなりながら、服の胸元を握りしめてぷるぷると震える。 「おぉう、でっけぇ」  眼の前にそびえ立つひとりのふたなりチンポを、リョウは興味深そうに観察していた。 「ふぅん、これがぼっちのチンポかぁ」 「あ、あんまり見ないでください……」 「見ないと気持ちよくしてあげられないでしょ」  リョウは充分それを眺めてから、「さてと」と呟いて、履いていた靴を脱ぎ始めた。  そのまま靴下も脱いでしまい、素脚になる。 「え……リョウさん? 何してるんですか……?」 「何って、準備だけど」 「何の……? ……ウオぅっ!?」  疑問に思っていると、突如下半身に鈍い衝撃が走った。  リョウが足でひとりのペニスを、ぐいっと押すように踏みつけてきたのだ。 「んおぉ…っ、リョウ、さ……っ」 「なに? もしかして、手とか口でしてもらえると思った?」  真顔で言いながら、リョウはぞんざいにペニスを踏んづける。 「ひぐぅ……っ、そ、そんな……」  恥ずかしさで頭が一杯で、どんな風にされるのかまで考えてはいなかったが、流石にこんなことは予想出来ていなかった。  そもそも、アソコを足で弄るという発想自体がひとりには無い。  だから、完全にこれは未知の感覚だった。 「足で踏まれるのは嫌?」 「や、やですぅ……」 「でもまたデカくなってきてるじゃん」  リョウは鼻で笑いながら、足の指を使って勃起チンポを弄ぶ。  足の親指と人差し指で亀頭を挟み、ぐりぐりと先端も揉むように刺激してくる。  そんな風にされると、ひとりの意思に反してペニスには熱いモノが込み上げてくるのだった。 「へぇ、ぼっちは脚で踏まれても感じるんだ? もしかして変態だったの?」 「ち、違っ……へ、変態なんかじゃ……」 「違わないよね?」 「……んぐうぅ!?」  竿の根本を踵で強く押され、息がつまるような鈍痛が下腹部を襲う。 「違わないよね?」 「……は、ハイ」  半ば無理矢理に弄ばれているというのに、ペニスはガチガチに勃起したまま痛みも快感も受け入れている。  本当に自分は変態になってしまったのかもしれないと思いながら、ひとりは腰を悶えさせて亀頭から先走りを垂れ流した。 「んおっ、お、おおぉぉ……🖤」  今度は竿が両足で挟まれ、左右の足裏で上下に擦り上げられる。  手で扱くのとは違ったゴリゴリとした感触に、快感が頭へ響く。 「ふぎぃ……っ、ダ、ダメぇ……これダメ……っ🖤」 「イキそう? いいよ、出しな」  ひとりの蕩けた顔を見て、リョウが更にペニスを追い詰めてくる。  暴力的な快感が脳を支配して、ただ陰茎の中に溜まった欲望を吐き出すことしか考えられなくなる。 「でっ、も……、ほんとに、もうっ、出る……っ🖤」 「イクとこ見ててあげる。だから、イって?」  射精を命令しながら、リョウは竿全体を足裏で包むようにしてぐちゃぐちゃに揉みまくった。 「ぐおっ🖤 おっ、おっ🖤」 「イけ」  冷ややかな視線を浴びせられながら、勃起チンポが根本から絞り上げるように扱かれる。 「イけ」 「お……ほおぉぉ🖤 イ……イク……イ、グうぅぅぅぅっっ🖤🖤」  遂に堪えきれなくなり、ひとりはふたなりチンポの先端から白いザーメンを勢いよく射精した。   自分の下半身に溜まっていた熱い液体が、詮を開けてビュルルルっ、と吹き出ていく感覚。 「んおおぉぉ……🖤 ホッ🖤 ホオオォぉぉ……🖤🖤」  ひとりはだらしのないアヘ顔になって、トイレのドアに背を預けながら射精の快感に震えていた。 「……うわ、ねちょねちょする」  吐精したザーメンは、真っ直ぐリョウの方へ飛び、その華奢な素脚を汚す。 「ご、ごめ……んな……ひゃい……」  ぜぇぜぇと息が荒くなり、謝罪もままならない。  リョウはさして気にした風もなく、平然とトイレットペーパーを千切って脚を拭いていた。 (うぅ……なんでこんなことに……)  こんな恥ずかしい思いをして、お金も貸さなければならないなんて、とんだ災難だ。  まぁ、確かにめちゃくちゃ気持ちよくはあったのだが。  だからといって、こんなことはもうこれっきりにして欲しい。  ひとりは一刻も早くこの場から立ち去りたかった。 「あっ、あの……じゃあ、これでもう……終わりですよね……」  お金を渡すのは後でもいいだろう。  さっさと退散しようと、トイレのドアに手を伸ばす。  だが。 「待って」 「ふひぃっ🖤!?」  射精したばかりのふたなりチンポが、また足先でぐにっと踏まれ、情けない声が出た。  何をするんですかと視線を送ると、リョウはこちらの目をジッと見つめて続けた。 「ぼっち、安心して。私も鬼じゃない。一発抜いただけで5000円なんて取らないよ」 「え……」  一瞬お金を借りるのはやめてくれるのかと思ったが――違う。 「1発5000円は高すぎるよね。だから、1000円にまけてあげる」 「え……それは、貸すのは1000円だけでいいんですか……?」  そう聞くと、リョウは「ううん」と首を横に振った。 「5000円分は続けるよ。だから――あと4回だね」  その答えを聞いて、身体が一気に重くなったように感じた。  ひとりは肩を落として愕然とし、空虚な瞳で壁を眺めた。 (――終わったー)  リョウは本気だ。  どうやらこの地獄はまだまだ続くようだった。

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