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*公開から2ヶ月経過したため、通常プランで閲覧を可能にしました。


いつもご支援ありがとうございます。月初めの一発目はFateのネロちゃまでございます。上位プランは書ける時に書いてぶん投げる。モチベは生物の精神。

今回はいつものサーヴァントではなく生前でのエロになります。ローマ帝国の描写にガバがあっても流してください。さすがに詳しくない!


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 男の立場はローマという大国の中で決して高いものであるとは言えなかった。苦労も多く、幾度となく命の危機に瀕したこともあった。その果てに辿り着いたのが娼婦。女が男を、ではなく男が女を喜ばせる娼夫というわけだ。

 彼はそのことに不満があるわけではなかった。むしろ、今となっては有難いことだと感じている。何せ、彼を贔屓にする客はローマ帝国の中でも指折りであり比類する者が存在しないのだから。


「おぉ、よくぞ来たな。待っていたぞ」


 頭を垂れる男に少女はベッドの上で堂々と身体を反らしていた。その身体は布などで覆われておらず、どこまでも裸だった。芸術の大国であるローマにおいては飾り気のない裸に思えるが、少女のそれは全裸すら芸術品だ。

 それほど美しい少女だった。身長から幼さは見えるが、体躯の減り張りは実に素晴らしい。しかし本来ならそのような視線を向けることは罪だ。それもこれも男の立場と少女の寛容さ、目的があれば許されることなのだ。

 金髪翠眼の少女は満面の笑みを浮かべた――――――今日も彼は、少女の娼夫として働く。


「そなたには期待をしている。此度もこの身を楽しませてみるがよい」


 帝政ローマ第5代皇帝。彼女こそがローマ史における唯一無二の皇帝にして、後に『暴君』として名を馳せることになるネロ・クラウディウスなのだ。


 少女が暴君かどうかに彼は興味がなかった。そもそも彼は後の歴史を知りようがないからだ。彼の目には民に好かれ、民を愛する皇帝としか映っていない。

 そんなネロと男が顔を合わせたのは、さして昔というほどではない。ネロはローマ皇帝として職務に励みながら、多大な責務でストレスが溜まると娼婦を呼んでセックスに興じていた。

 彼女は美しいモノが好きだ。故に性交の対象に性別の是非を問うことをしなかった。そんなある日、彼はネロの寝室に呼ばれて奉仕を命じられた。緊張と興奮で頭がおかしくなりそうな中でも、必死にネロを楽しませたことを男はよく覚えていた。


『あっ♥ く、ぅ……き、貴様、なかなか上手い、ではない……か、あ、ぅお゛っ♥♥♥ う、余が……こんな声は、初めて……ンあ゛ぁッ!?♥♥♥♥』


 ――――その時に聞いたネロの嬌声は耳から離れるものではなかったからだ。

 その日以来、ネロは寝室に娼婦を呼ぶ際は必ず男を指名するようになった。知っての通り彼女は美しいモノを好むきらいがあり、その点でも男はそれなりに合格点だったのだろう。が、それだけで贔屓にされているわけではないことを彼はよく知っていた。

 寝室のベッドに上がることを許された男は、リラックスした様子のネロを背中から抱えるように抱く。そのまま乳房を掴むと、豊満で柔らかい感触とネロの嬌声が彼に伝わってきた。


「んん……あっ♥」


 歓喜と官能。まだ胸を揉んだだけであるにも関わらず、ネロは蕩けるような甘い声色で喘いでみせた。男はそのことに笑みを深めながら、本格的な愛撫を始めた。

 張りのある胸の全体を揉みしだきながら、乳首を指で弾くように掻く。色素の薄い乳首がみるみるうちに鋭く尖り、快感に悶える。


「はぁっ♥♥ あっあっあ♥ よい、よいぞ……もっと、余を楽しませよ♥」


 ネロは自身の敏感肌にご満悦だ。奉仕というよりは一方的に責め立てられている、という表現が正しく思えた。けれどネロが不満を持っている様子はない。

 なぜ男がネロに重宝されるのか――――それは一重に身体の相性が抜群だったからだ。

 それ以外に理由はなかった。男もその答え以外が正しいとは思えない。ネロのよがりようは他の女とは一線を画しており、この敏感な反応は彼女だからこそだ。同時に、ネロも男以外には調教された奴隷の如き反応はしない。


「んあっ♥♥ はぁ、あぁぁっ♥♥♥ 良い、来る……この時だけは、忘れられる♥♥ そなたの愛撫は、心地がよい……♥」


 彼女は母との決別以来、持病で頭痛を抱えてしまっていた。しかし、情事の最中はその頭痛を忘れられるほど気持ちよくなれる。言葉の端々にネロはそのことを零したことも男は知っている。

 ネロからすれば願ってもないことだ。日々の不平不満を解消するためのセックスで、頭痛を忘れられるほどの甘美な官能を味わえる。気持ちいいだけで終わらないセックスに、ネロが病みつきになって男を重宝するのは必然だった。


「あぁぁ、あぁっ♥♥ よい、よいぞ、そのまま余を……ん、はぁぁぁぁ♥♥♥」


 一方、男からすればネロを喜ばせ続けるのは簡単だ。彼からすれば赤子の首を捻るより容易く、この女をイかせることができるのだから。

 今も乳房と乳首を手で弄るだけで彼女は頬を赤らめ、悦びに歪んだ顔で果てようとしている――――それをさり気なく引き伸ばし、遠ざけた。


「……ん、んん……あ……?♥ う、うむ、続けよ……♥」


 気持ちいいが寂しげで、果てると勘違いした自分の嬌声に恥ずかしがるようにネロは顔を逸らした。

 男は何事もないように手を動かした。意図して絶頂を遠ざけたことには、まだ気づかれていない。

 連日ネロの身体を愛撫し、男は誰より皇帝少女の女体に通ずる者になった。それを利用して貶める、などということは考えていない。

 一介の娼夫に出来ることなどたかが知れている。今の地位もネロの寵愛があればこそであり、彼女を排斥する意味がない。ネロはそういったことを内心では好んでいないことも把握している。

 それ故に男の野心はシンプルだった。ネロが自分の手とペニスにご執心なのは火を見るより明らかだ。彼からしても、ネロの身体と容姿は魅力的だった。


 もしもの話だが――――そんなネロを従えることができたなら、どうなるだろう。


 夢物語だ。が、決して不可能ではないと男はほくそ笑む。反乱の意志はなく、ただネロを従えたいというだけのこと。

 籠絡だ。快楽に耽るネロを従えることができるのなら、男はローマ帝国にありえない歴史を刻むことになる。それ以上に、この愛らしい少女皇帝が自分の思うがままに振る舞う姿を見てみたかった。

 既に仕込みは重々。男の愛撫だけで〝奴隷のように〟感じるネロ・クラウディウスという少女に、今日という日を以て彼は好機だと認識した。


「はぁ、はぁ……はうっ♥♥ うぅ……そ、そなた、今日は意地が悪い……な、なんでもないぞ♥ は、はやく余をたのしませよっ♥」


 胸だけでイけるほど敏感なネロが達することができない。一度目は気のせいだと思っても、二度三度同じことが続けば猜疑心が生まれる。しかし、ネロはここぞという場面で恥ずかしがって直接的な懇願をしない。

 如何に寛容で素直な少女だと言えど、胸でイけないからもっと激しくしてくれと直接告げるのは浅ましい。けれど、曖昧な言葉に反してネロの身体は正直だった。

 無意識なのだろうが、ネロの下丘は全くの無防備だ。両足をみっともなく開き、ベッドの布地に淫汁を滴らせている。男は満を持して、ネロの恥部を指で掻き分けるように弄った。


「んはぁぁぁぁぁぁぁっ♥♥♥」


 指を挿入れられただけとは思えない過剰な反応だった。ネロの美貌が天を仰ぎ、愛液が吹き出して裸身が痙攣する。危うくイキそうになったネロに男は目を丸くした。男でさえ想像だにしなかった。その鋭敏な身体は、多少の焦らしと秘部への挿入だけで絶頂できる。抱かれ続けた娼婦でも少しはマシな感度をしているだろう。

 これは何が何でも手に入れたい。そして、この感度なら計画を早められる。男はネロの熱が引くのを待ち、際どいラインを見極めながら彼女の膣を愛撫した。


「ん、あっ!♥♥♥ んん……、ぅ♥♥ お゛っ!?♥♥♥ お゛ぉ、おおおぉぉぉぉ……っ!?♥♥♥」


 膣の浅い部分を指でカリカリと擦られる。そこがネロのマンコが最も敏感な部分、Gスポットだ。ネロからすればわけがわからないだろうが、男からすれば彼女の弱所は手に取るようにわかる。

 甲高い声色の種類が、腹の底からひり出すような品性の欠けたものへと変わる。ネロの美声が織り成す美しいオホ声を甘美な報酬にした男の指は、さらに鋭さを増して淫乱皇帝を責め立てた。

 だがイかせない。ネロにとっては最大最高の官能を味わいながら、決して頂点に達してイくことができない、天国と地獄の両方に身体を浸しているようなものであろう。


「う゛おっ!?♥♥♥ おっおっお♥♥ ふ、ぐ……んああぁぁぁぁぁ♥♥♥ な、なぜ、なぜ余を果てさせぬ♥♥ そ、そなた、なにが望みだ!?♥」


 当然ながらネロは寸止めに気づく。気づいていても、彼女には何も出来なかった。彼を与える側にしたのはネロで、与えられる側に甘んじたのは彼女の意思だ。

 彼はネロの言葉には答えず愛撫を継続した。それは『この身を楽しませてみるがよい』という皇帝の勅命を愚直に守ったものだ。


「ンんっ♥♥ わ、わかった♥ そなたに好きな物を与えよう……名声、名誉、資産、なんでもよい♥ 余が全てを叶えてやるぞ♥ だから、余をはやく……うぁぁぁぁ♥♥♥」


 男が欲しいものは直接的な地位などではない。満足いく地位に彼はついているからだ。

 皇帝ネロを手玉に取る立場の娼夫。今生でこれほど面白い立場には巡り会えまい。彼は未だネロの言葉を聞かず寸止め愛撫を引き続き行う。


「うぅぅぅぅぅ……性悪な男め!♥ ん、おぉっ♥♥♥ そなたの……肉棒♥ 余の恥に挿入れよ♥ 今すぐに!♥ 皇帝の命であるぞ!♥」


 その言葉を引き出して男の指はようやく止まった――――が、すぐに手マンを再開した。


「ほお゛ぉぉぉぉ!?♥♥♥」


 一瞬の油断から不意を衝かれたネロが身体を反り返し、マン汁を吹き出して唸るような嬌声を上げた。

 まさか皇帝の命を無視してまで寸止め愛撫を続けるとは思わなかったのだろう。ネロの目は上擦り、鼻の下は大きく伸び、皇帝としても少女としても恥ずかしい顔を晒してしまった。

 その上で男は要求を伝えた。先の言葉は下賎な身分の己には理解ができない。だから代わりにこの言葉を、と。


「……な!?♥ よ、余にそのような言葉を謳えというのか!?♥ な、ならぬ、ならぬぞ!♥ 多少の無礼は許すが、余を謀ることは、この狼藉はゆるされ――――ん゛っお゛ぉ!?♥♥♥」


 ネロの裸身が一段と強く跳ねた。冷めやらぬ興奮に乳首の抓りも添えてやり、官能から逃げられず、されど果てることもできない地獄を味わわせる。


「ふおっ、おぉぉぉぉぉぉ……っ♥♥ わ、わかった♥ 言う、言うから、余を離せ♥ こ、これ以上、されたら、頭がおかしくなってしまう!♥」


 快楽で頭痛を紛らわせるはずが、その快楽が辛いものだと感じる。民を愛する皇帝ではあれど、刹那の美しさを燃やす彼女に永遠とも思える寸止めは耐えられなかったようだ。

 男の手を離れたネロは、ベッドの上で股を開いた。膝裏を手で支えるM字開脚のポーズは、ネロがネロとして屈服した姿勢そのものだ。

 全身に汗をかき、余裕がない発情した面に金髪を貼り付け、何より股を洪水のように濡らしたマンコを見せつけながらネロは声を発した。


「そ、そなたの肉棒を……余の……わ、私のおまんこに挿入れてください♥」


 耳まで朱色に染めた羞恥の言葉は、プライドを折られた少女のものだった。皇帝ネロとしての言葉ではなく、彼に与えられる快楽を欲しがって屈した雌のものだ。

 皇帝と娼夫ではなく、雄と雌であれば遠慮はいらない。男はネロに覆い被さると、その逸物をずぶ濡れマンコに挿入した。


「ん゛ほお゛ぉぉぉぉぉぉぉッ!!?♥♥♥♥ イ、イグゥゥゥゥゥゥゥゥゥ〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッ!!♥♥♥♥♥」


 プシュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥッ!♥♥


 それは寸止めの威力を物語る品性の欠片も感じられない絶頂だった。

 人払いを済ませているとはいえ、ネロからすれば恥以外の何物でもない野太いイキ声。ベッドの生地を掴んで堪えようとするも、ネロの美貌は舌出し仰け反りアクメ顔へと固定される。

 陰裂の尿道からはイキ潮が吹き上がり、全身が喘ぐようにビクンビクンと絶頂痙攣を繰り返す。挿入だけでイッたネロは「ほっ♥ おほっ♥」と言葉にならない声で余韻に浸っていた。


 ドチュンッ!♥


「ン゛お゛ぉぉぉっ!?♥♥♥♥」


 そんなアクメ顔のネロに男はピストンを始めた。そう、セックスは始まったばかりなのだ。

 ネロが男のペニスと相性が良いように、男もネロのマンコと相性が良い。これなら何度でもヤり尽くせる。屈服した彼女に心を整える暇さえ与えずに、彼はひたすらピストンを行った。


「ん゛お゛っ♥♥ ン゛ほぉ゛♥♥♥ い゛ぉ゛!!♥♥♥ は、はっ♥ は、激し、ぅ゛お゛っ♥♥♥ よ、よい、もうよい!♥ 余は満足したっ♥♥ さ、さがれ……さもなくば……イグゥ!?♥♥♥♥」


 ドチュッ!♥ ドチュッ!!♥ ドチュンッッッ!!♥♥


 早くイかせろと言っておきながら、セックスすればもういいと拒否をする我儘放題の皇帝に仕置きのペニスを喰らわせる。

 武勲、名声でネロに敵う者はいないかもしれない。だが雄と雌の交尾であれば、男はネロを容易く捩じ伏せられる。彼はネロの細い脚をしっかりと掴み、亀頭で子宮口を幾度となく穿つ。雄と雌、その埋められない原初の格差を薔薇の皇帝に教えるように。


「お゛っ♥ お゛っお゛っお゛っ♥♥♥ ん゛お゛ぉ〜〜〜〜〜〜〜ッ!!♥♥♥♥ イグッ、イグッ、イグッ♥♥♥♥ イグーーーーッ!!?♥♥♥♥」


 ――――男はネロの声が潰えるまでピストンを止めることはなかった。


「……っ♥♥♥ っっ〜〜〜〜♥♥♥♥」


 一突きで果てるピストン運動にやがてネロの意識は失われ、ベッドの上で白目を剥いて舌根を覗かせる哀れな雌豚の姿が残された。

 マンコからは中出しされたザーメンが溢れ、膀胱が緩んで零れた失禁の跡が白い布地に黄色い染みを作っている。彼の薔薇の皇帝は、娼夫に屈して失禁アクメをキメた。

 それはネロが堕落する始まりの光景に過ぎない。奴隷娼婦の如き姿を晒す皇帝に肉棒を滾らせた男は、白目アヘ顔のネロをそのまま抱き続けるだった。




 その後も男の生活は変わることはなかった。ローマに住まい、従順に振る舞い、皇帝の名によって毎夜のように呼び出される。


「か、勘違いするでないぞ! あれは、あのような余は一度だけだ! 二度はしない! そなたは余を楽しませればそれで良いのだ!」


 変わったと言えばネロの方だ。彼女はあの日のことを恥として封じようと必死だった。

 まさか一介の娼夫如きに懇願し、イキ狂わされ、小便を垂れて気絶しましたと触れて回るわけにはいかない。さりとてこのようなことで極刑に処しては己が滑稽すぎる。何より彼女の頭痛を止められるのが男しかいない以上、ネロは彼をどうすることもできなかった。

 快楽の味を知った皇帝は尚さら頭痛に耐えることができない。だから皇帝として見栄を張り、男に命じる態度を取る。


「う、ぅぅぅ……お、おまんこに、肉棒を、挿入れてください……♥♥」


 そして、無様に堕ちる。四つん這いになって、芸術的なヒップラインを男に向け、その肉を震わせてネロはセックスを懇願する。

 彼女がいくら見栄を張ろうと、身体は既に堕ちているのだ。ネロが快楽を求める以上は堕落から逃れられず、日に日に弱くなる性感で焦らしに耐えられるはずもなかった。

 意地を張って皇帝としての立場を取れば、即座に焦らしが待っている。快感の寸止めを受ければ、ネロは屈する他なかった。


 寸止めで済む日はまだいい。男は意地の悪いことに、ネロが少しでも反抗的な態度を取るとその日のセックスをお預けにした。娼夫として許されざる行為だが、ネロは反抗することはできない。


「……お、ねがいします♥ 私のおまんこに肉棒……おちんぽを挿入れてくださいっ!♥♥」


 すると次の日、ネロは呼び出した男に向かって平伏した。いつもとは真逆の立場になり、ネロは皇帝としてあるまじき全裸の平伏を披露したのだ。

 全身全霊、人が屈する際に最も単純で恥ずかしい土下座。それを選んでまでネロは彼のモノが恋しく、渇望した。

 その瞬間が続くならまだしも、焦らされたまま彼から離れたネロは彼に会うまでイクことしか考えられなかった。煌びやかな男装のドレスを愛液でびちゃびちゃにして、隠れて自慰行為に及んで、全く満足できずに彼へ土下座をした。


 その日からまた、ネロは変わった。いつの間にか男にネロが命じるのではなく、男がネロに命じる立場になっていた。

 逆転した立場でネロは娼夫に媚びた。彼を迎えるなり土下座をした。如何に今日の自分が我慢をして、彼を待ち望んだかを丁寧に伝えた。

 男が命じれば丁寧な言葉遣いで対応し、男が命じれば腰を振って踊り、男が命じれば自らの尻を叩いて卑猥な音楽を奏でた。


 ネロ・クラウディウスという薔薇の皇帝は、一介の娼夫に全てを支配された。雌の皇帝である彼女は、快楽のために媚びへつらうことをいつの間にか当たり前だと思うようになっていた。

 日々従順になるネロに男の態度と要求も大きくなっていった。初めは自分といる時間を増やすこと。次第に空いた時間の全てを捧げること。さらにはネロを効率よく従えるため己の地位を都合の良いものに引き上げること。

 彼女は全て従った。でなければ、ご褒美の快楽を与えて貰えないからだ――――そして真夜中、ネロが手がけたローマの宮殿に裸の女が現れた。


「よ、余にこのようなことをさせるとは……余を誰と心得る♥ 余こそはローマ第5代皇帝であるぞ♥ それを、それを……こ、このような、奴隷のように……っ♥」


 じゃらりと鎖で引かれた女は、言葉とは裏腹に満更でもない歪んだ微笑みを浮かべていた。

 美しい裸に無骨な鉄の首輪を取り付けられ、両手は同じ素材の枷で後ろに縛られている。さながら処刑場に連れて行かれる敗者か、あるいはネロの言う通り奴隷であろう。

 寝室のみならず、人を引かせた宮殿まで遊びの舞台にし、ネロを奴隷に見立てて連れ回す。不敬罪では済まない所業だが、彼の目は調教した奴隷を引き連れ輝いていた。

 ネロは彼が命じれば何でもする奴隷だ。このように裸で鎖を繋いで宮殿を歩かせても、彼女は不満どころか興奮した様子を見せている。立派なマゾ奴隷になったネロに向かって、男は宮殿のド真ん中で命令した。


 ここで股を開いて漏らせ、と。


「ふ、ふふ……そなた、わかっているのか?♥ 余は第5代皇帝、ネロ・クラウディウス……このような場で粗相をするなど――――おしっこ、出るっ!!♥♥♥」


 じょろろっ、じょぼぼぼぼぼぼぼぼぼ♥


 抵抗は言葉だけだ。両脚はガッツリおっぴろげられ、ネロの股間から真っ黄色のアーチが宮殿の床に勢いよく飛び散った。夜中の間に放置され続ければ、この場所には皇帝の小便臭がたっぷり染み込むことだろう。


「あ、あはははは、ふははははははっ♥♥ 余は、余は、皇帝♥ この身こそは至高にして至宝……なのに、なぜ、余は……♥」


 けれど、気持ちいいだろう――――安心していい。裸で宮殿を彷徨くような変態を、ローマ第5代皇帝と思う人間は誰もいない。


「……あっ♥」


 皇帝でいるより、一匹の雌でいることを選んだのはネロだ。


「そうだ♥ 余は、私は――――そなたの奴隷か♥♥」


 どうしてそんなことに気づかなかったのだろう。快楽を与えてもらう立場のネロは、名実共に奴隷だった。

 浅ましく媚へつらい、頭を垂れる真性の雌豚奴隷。それを知った少女の笑みは、それはそれはいやらしく卑猥で淫乱なものであった。



 第5代皇帝が婚姻の儀式を執り行う。何の脈絡もなくローマに喧伝された告知は、皇帝がまた何かを披露する場になるだろうと思われたようだ。

 自らを『楽神アポロンに匹敵する芸術家』と称するネロが建設した劇場で、彼女は招いた者たちを歓迎した。


「皆の者、余の婚姻の儀によくぞ集まってくれた――――うむ、結婚式だな♥」


 だが、民の予想に反してネロは本当に花嫁の姿をして現れた。

 純白の花嫁衣裳。しかし、彼女のそれは単なる花嫁の装束ではなかった。

 全身をぴっちりと覆う扇情的なスーツに、戒めの錠の着いた『束縛の花嫁衣裳』。男も女もネロのエロティックな姿にゴクリと生唾を呑み込む。下手な裸などより余程情欲を誘う。

 それは姿だけでなく、ネロの妙に荒い息も影響しているのだろう。束縛の花嫁が見据える先には――――まるで皇帝のように中央の椅子へと座った男がいた。


「余が愛する民たちよ♥ 見るがいい♥ これが……余の生き様だ♥」


 花嫁は束縛の衣裳に誂られたチャックを指で摘むと、それを一気に股間の下へと引きずり下ろす。男に見せつけるように、固唾を飲んで見守る民に見せつけるように素肌を晒したのだ。


 ムワァ♥♥♥♥


「ふおおおっ♥♥♥ 見よ、このだらしのない身体を♥♥ 美しい余の身体が、こんなにもいやらしく……あの者の手で、変えられてしまった♥♥」


 一瞬にして官能の臭気が劇場を包み込んだ。彼女の淫臭はそれほど凄まじいものだった。

 束縛の衣裳は花嫁のものでありながら、一種の貞操帯としての役割を果たすものでもあった。婚姻を執り行うと決めてから一週間、ネロは毎日のように貪っていたセックスをこの装束を着て束縛した。

 辛く苦しかった。だが彼女は耐えた。ネロの開発された身体は嗅ぐだけで雄を滾らせる臭気を全身の汗から滲ませ、股間の体液は伸びた金の陰毛に光沢を与え、毛先から無数に滴っている。

 ネロは笑っていた。妖艶に凄絶に、民の前で発情した身体を晒す恥を、ようやく気持ちよくなれるのだと笑っていた。


 花嫁の衣裳でネロはケツを突き出した。みっともないガニ股になり、屈服した証である頭の後ろで両手を組む腋見せポーズを描く。ぴっちりと張り付いた純白の衣裳に汗が滲み、股だけではなく腋の下まで毛の跡を深々と見せつけている。

 構うまいとネロは宣言した。


「余は!♥ 第5代皇帝・ネロ・クラウディウス・カエサル・アウグストゥス・ゲルマニクスとして、一匹の雌奴隷として♥ おちんぽのためのおまんことして、余が正夫の奴隷妻なることをここに誓う!♥♥」


 一刻も早く彼のチンポを貪るため、ガニ股腋見せ屈服ポーズで声を張り上げた。


「この素晴らしい快楽を教えてくれた夫に感謝を♥ 余は余として、私として♥ おちんぽに全てを捧げる♥ 生涯をかけておちんぽに尽くし、おちんぽをしゃぶり、マンコを振っておちんぽに媚びて、奴隷妻として尽くすことをここに宣言する!♥」


 早く欲しい。早く欲しい。早く欲しい。民がどんな顔をしているかなどに興味はなかった。彼女はヘコヘコと腰を振って両脚を動かし、ガニ股のまま男の股座にマン汁を垂れ流した。


「余はネロ・クラウディウス――――この方とおちんぽ様の終身名誉奴隷妻だ!♥♥」


 ドッッッッッチュンッッ!!!!♥♥♥♥


「ん゛ッお゛っほほほぉぉぉぉぉぉぉぉぉオオオオオオオオオオオオオ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッッッ!!!!♥♥♥♥♥♥」


 ケダモノの声が響いた。ケダモノの腰振りが水音を奏でた。雌は雄のペニスを獣のように貪った。


 娼夫を迎え入れた奴隷妻ネロ・クラウディウスの記録はこの歴史に残されていない。バビロンの妖婦――――その声は獣の如く下品で、けれど誰よりペニスを滾らせた奴隷娼婦のようだった。その言い伝えだけがどこかに残されている。


Comments

ミテイル

もう最初から最後まで全編通してエロエロでした!この話を書いてくださって、本当にありがとうございました…。 たまたま1人の娼夫と相性バツグンだっただけでその末にバビロンの妖婦呼ばわりされたネロのありさまが、可愛そうで可愛かったです。彼女が束縛の花嫁衣装を着てからの描写が肉棒以外頭に無い感じが強くて素敵でした。奴隷妻最高です。

いかじゅん

こちらこそリクエストありがとうございました! 生前ネタは初めてでしたが上手いことエロいのが書けていたなら幸いです。淫らに堕ちて他のことが心底どうでもよくなった皇帝……良いですよねぇ