狐坂ワカモの慢心(機械姦) (Pixiv Fanbox)
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いつもご支援ありがとうございます。本日は先月有償リクで書いたワカモの機械姦になります。
依頼文に適したものになったのかはわかりませんが、NTR感を薄くとのことだったので機械姦に。ちなみに水着バージョンです……何か既視感あるな?
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「……はぁ。とんだ不覚を取りましたわ」
はぁぁ、と深々としたため息を吐く狐耳の少女。キヴォトス出身者特有のヘイローから彼女が何れかの学園生徒であることは推測可能かもしれない。が、生憎彼女はどの学園にも所属はしていない。
正確には停学中の身。銃を撃ち合うことが日常茶飯事のキヴォトス内で、停学に追い込まれるのはかなりの所業を積む必要がある……それもそのはずで、彼女は罪業をこれでもかと積み上げたキヴォトス特級の災厄。
狐坂ワカモ。矯正局を脱走した『七囚人』として有名な彼女は今――――妖艶な水着姿で磔にされていた。
「こんな体たらく……あの方に会わせる顔がありません」
大切な人を助けに侵入したところ、あの憎き誘拐犯たちの罠にかかって拘束。両手と両足に枷を嵌められ、X字状に手足を広げて無理やり立たされたような惨めな格好だ。力で引きちぎろうにも、ワカモの膂力でさえ枷と繋がるロープはビクともせず、彼女は扇情的に身体を揺らすだけで精一杯だった。
――――と、彼女の視点で語った事態の説明ではあるが、ワカモの思い込みによる誤解を解くと別のものになる。
まず、ワカモの拘束に彼女の考える『誘拐犯たち』は関わっていない。そもそも誘拐犯ではないので、純然たる誤解なのだ。
その上でワカモが拘束された理由は、彼女が忍び込んだリゾート施設の警備システムが偶然作動してしまったことが原因だった。
本来ならば別の人物、ワカモの大事な『先生』を誘拐したと彼女の視点で思われている者たちが正常に解除し、有効活用するはずだったリゾート防御システム。それがワカモの侵入と同時に作動してしまい、彼女を不法侵入者として確保した。
実際、ワカモは『先生』を彼女視点で救うためにリゾートに潜り込んだ侵入者で相違ないのだが、彼女からすればこの状況は不本意極まりないだろう。
服も仮面も夏の装いだというのに、無骨な部屋に無機質な拘束で恥を晒している。もし先生に見られたら憤死してしまうかもしれない。
「まあとにかく、早く抜け出してしまいましょう」
捕獲の際は不覚を取った。確かにワカモの力は凄まじいが、如何せん数百を超える警備ロボットは多勢に無勢。疲れも消費も知らない防衛システムに一時的とはいえ遅れを取り、こうして捕まってしまった。
が、彼女は連邦矯正局の施設を何度も脱獄している。たかが古い無機物の機械に拘束された程度、抜け出せない道理はなかった。
【リゾート内、許可サレテイナイ人員ノ、逮捕ヲ完了…………人格矯正プロトコル、起動シマス。対象ノ危険度ヲ、分析……危険度、最大。全カリキュラム、解禁。対象ノ矯正作業、開始シマス】
「……はい?」
ワカモに誤算があったとするなら、彼女が古臭いと言った防衛システムは彼女にとってとても目新しいモノであったこと、か。
機械アナウンスが流れ、ワカモにとっては意味不明な内容に彼女は一拍遅れて小首を傾げた。すると、アナウンス終了と同時に部屋の壁や床が続々と開き、中からアームのようなものが飛び出す。それは部屋の中央に拘束されたワカモの元に殺到し、彼女の豊満な乳房とムッチリと魅力的な太股の上部に添えられる。
アームの先端にはどこかで見たような電動マッサージ器が取り付けられていた。
「…………」
この防衛システムを作った研究者は必ず殺す。ワカモのような強者の殺意に満ち満ちた冷徹な視線に動きを乱さないのは、無機物ならではであろう。
ワカモに電マを押し付ける三つのアーム。水着で大きさを主張する胸に、鮮やかな色に隠れた女性器。こけしのように丸い先端がグッと押し当てられ、巨乳がむにゅりと形を変えて秘部が水着の表面に僅かばかり浮かんだ瞬間、振動。
「はぁ、くだらない……」
ヴィィィィィと耳障りな振動音が響き渡り、ワカモの身体に強制的な震えが走る。特に豊満な胸などはプルプルと淫らに弾み、図らずもその大きさを主張している。
だが、電マを当てられた当人は冷めた口調と目でいる。普段見せている情熱的なまでの熱は、寒気がするほどくだらないプログラムになりを潜めていた。
(この間に手早く脱出を……)
興が削がれたとはこのことを言うのだろうか。もっとも、入力された基礎命令に従うだけのシステムに風情を求めたところで徒労に終わるだけのこと。
冷めた気分で拘束を解除する力を込めるワカモ。
「……んっ♥」
しかし、ワカモの意思に反して身体はピクッと痙攣し、握った指先は弛緩したように開かれる。機械を相手にこれ以上の言葉は無用だと考えて噤んだはずの口は、どこか甘さを感じさせる吐息を発した。
男に向けるものとは違う。敵に向けるものとも異なる。ワカモの異質な攻撃性に存在しない真の意味での快楽声。
「そんな、こと……っ♥」
振動がワカモの局部を襲う。乳房の先端から転がすように当て擦られ、股の弱い部分には強く押し付ける形で振動が加えられる。
激しい振動がワカモの中の何かをじわりじわりと昂らせ、下腹部辺りの熱が全身を駆け巡り脳髄へと上り詰める。
咄嗟にワカモが腰を引いた。手足を限界近くまで引かれている拘束姿勢でも、腰くらいは動かすことができる。
「ちっ……んんっ!♥」
だが、目敏いアームは彼女の腰の動きを見逃さず追いすがって電マを股に押し当てる。またワカモの甲高い吐息が歯の隙間から零れた。
股だけではない。僅かな身動ぎにも細やかな動きにより調整し、ワカモの乳房に当てた電マを外させない。それは1mm単位の調整が可能な機械だからできる芸当である。
ワカモの性感帯を彼女以上に把握し、知らぬ間に快感を蓄積させる。彼女が我慢強いといっても、身体は決して抗えない感覚に苛まれる。
「――――んん、んぁ!♥♥♥」
ピュッ♥
ともすれば裸より扇情的な水着の身体が跳ね上がった。食いしばった歯から嬌声が溢れ、どこからともなく水音が響いた。淡い色の水着に軽い染みが出来上がっていることから、それがワカモの膣分泌液であることは言い逃れできないものだ。
(ほんの、すこし……)
イッた。ワカモの思考が茹であがったように浮いて呆然となる。軽いものとはいえ、ワカモは機械が扱う電マ如きで絶頂を果たした。
それはワカモの身体が彼女の考えている以上に快感に弱いのか、変哲のない電マで弱処を的確かつ無慈悲に刺激し続ける機械が凄まじいのか。
「あっ♥♥」
ワカモが息を吐く一秒未満の隙間で振動が再開する。それが電マを押し付けられる矯正プログラム第一段階――――最後の休憩時間であった。
矯正プログラムの実行から、およそ一時間後。
「ふぅ、ふぅぅぅぅ……ん゛ん゛ぅ!?♥♥♥」
ビクッ♥ ピクピクッ♥ ビクンッ♥
ワカモの身体は相も変わらず磔されたように拘束され、脱出どころか猥りがましい身体を痙攣させることしかできていなかった。
全身から汗が吹き出した身体の一部分は、ねっとりとした液体が滴り落ちている。未だ電マが押し付けられた股間部分は、水を弾く衣類をものともせずに輝く糸を床に落下させていた。
真っ赤な顔で瞼を閉じ、機械如きに感じさせられる屈辱と羞恥を噛み殺す。乳房はほんのりではあるが、言い逃れできない先端の勃起を水着の生地に浮かべている。
一時間。ワカモは即座に脱出をするどころか、電マを当てられ続けて無様に感じ続けていた。
「ふぅっ、ふう゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛っ!♥♥♥♥」
先ほどより激しい反応。首の根を反らして獣のような唸り声を上げたワカモが、電マの振動で絶頂する。初めの軽イキとは比べ物にならない衝撃がワカモの身体を駆け抜け、頭が真っ白になって瞼の下が火花が散ったように明るくなる。
【第一フェーズ、終了シマス】
「っ……は、ぁぁぁぁぁ……」
その絶頂を境目にして、ワカモはようやく電マの快感地獄から解放された。
快感が地獄なのかという定義が問われるであろうが、望まない快楽の強制付与など地獄以外の何物でもない。絶頂の連続に脳の神経が焼き切られるかと思えるほどだ。
あのワカモをして拷問であると認めざるを得ない快楽責め。しかし、さすがは七囚人の中で最も凶暴で危険だと言われるだけはある。一時間電マ漬けにされたというのに、ワカモはギロリと虚空を睨みつけて怒りを顕にした。
「覚えて、いなさい! このような、くだらないもの、一つ残らず破壊して差し上げますわ!」
拭うことの出来ない涎を伴っての絶叫だったが、ワカモの形相によって涎は逆に迫力を与えている。もしも彼女を捕まえた者が人間だったのなら、その怒り心頭の顔と怒声に慄いたことだろう。
【プロトコル、継続。第二フェーズ、開始シマス】
しかしながら何の因果か、ワカモを奇跡的に捕獲した者は有機物ではなく無機物。彼女の怒りを恐れることはない。彼女の力を頼ることもしない。
ただ狐坂ワカモという少女の身体に絶対的な快感による矯正を促す。それが〝プロトコル〟という決められた機能であるが故に、躊躇いや遠慮というものを持たない。
先端の電マを全く別のものに換装したアームがワカモに迫る。それを見た彼女は怒気を灯した瞳を怯えた様子に変えた。
「そ、それは……!」
張り型、という名称が一番言葉を濁したものだ。具体的に呼称するのなら、男性器を模したバイブディルド。
より具体的にするなら、ワカモの処女性を失わせるえげつないイボの付いた竿の反り返り、角張ったカリ首、子宮を叩く巨大な亀頭を兼ね備えたシリコン製の性玩具である。
「やめ、やめなさい! く、くるな!!」
いつもの丁寧な言葉遣いを捨て、必死の形相で張り型を拒否するワカモ。腰もアームを追い払うように振られるが、大きさと形が優れた尻が水着から零れていやらしく揺れ、度重なる絶頂で染み付いた愛液が散る様は、本人の意図はどうあれ誘っているようにしか見えない。
「や、やめて……あ゛っ、あ゛ぁぁぁ……お゛あ゛っ♥♥ あ゛ぁぁぁぁーーーーっ!♥♥♥」
誘い姿の怯え腰を逃さぬようロックオンしたアームは、生地を横に退かして顕になったワカモの膣口を一気に貫いた。
サイズ感から入るはずがないと思われた張り型だったが、散々と解されたワカモの膣は完全に強引な挿入にも応えてしまう。秘部が焼けるように熱くなり、ズブズブと無遠慮に沈む棒にワカモが目を剥いて叫びを上げた。
「はぁ゛……は、あ゛ぁぁぁ……あ、あぁぁぁぁぁぁ!!」
入り切った。亀頭が子宮口と接着したタイミングで侵入は止まり、煮え滾る屈辱に涙を流したワカモは官能とは異なる唸り声を響かせた。
膣の圧迫感と熱は疑いようもない。ワカモは大切なものを奪われてしまった。このような冷たい機械風情に、致命的な油断をして不覚を取り、処女を失った。あまつさえ失った痛みをまるで感じず快楽を叫んだことは、ワカモの人生で一番の屈辱だ。
「ゆる、さない……許しませんわ……殺す、殺す、殺す……!」
屈辱の更新が続く中、ワカモの怒りの頂点も常に新たなものになっていく。だがもう一つ、ワカモを生まれ変わらせる新しいものが与えられる。
「ひゃあっ!?」
処女喪失の怒りが霧散したかのような可愛らしい悲鳴が上がった。
ちょうど、ワカモの〝尻穴〟が暴き立てられ、絶頂で鋭敏になっていた彼女のそれは空気の擽ったさに悲鳴を漏らしたのだ。
水着が少しズレただけで顕になったワカモのアナル。皺の中心でキュッと窄んだ極小の穴は、色合いが実に鮮やかでとても尻穴とは思えない美しさだ。
そんな尻穴を目掛けて、細いとはいえイボの付いたバイブが差し迫っているなど、誰も信じられないのではないだろうか。
「ま、まさか……ち、違います。そこは違うところ……」
さしものワカモも考えたくないと見える。人の常識外が自身の常識であるワカモでも、そこの穴を使うなど信じるわけにはいかない。
顔色が見たこともないくらい青ざめる。肉厚な尻臀がプルプルと震えている。そんな狐のお尻目掛けて、細いバイブは勢いよく飛び出した。
ヌプッ♥
「お゛っ♥」
グルンと瞳がひっくり返り、白目を剥きかけた上擦り目になる。
ヌプッ、ズププッ、ヌプププッ、ズプンッッ!♥
「お゛ぉぉ……おっ♥ おっおっお……オホーッ!!♥♥♥」
見事な喉声が響く。張り型に怯えるように引いていた腰が、今度は背を反って突き出される。両手が自由だったのなら、尻をみっともなく抑えてのたうち回っていたに違いない。
細いとはいえ極小サイズの穴に挿入されれば、自ずと広がりを見せることになる。ワカモの美しいアナルにしっかりとセッティングがなされ、彼女が舌を出してピクピクと悶える間に最後の玩具が取り付けられた。
「ひぐっ!♥」
甲高い悲鳴と共に、乳房を包む水着の一部分がプックラと膨らみを見せた。まるで乳輪が巨大化したような印象を抱かせるそれは、乳首に嵌められた金属のリングだ。
秘部、肛門、乳首とおかしな玩具をセッティングされたワカモ――――矯正第二フェーズの本格的な実行は、その瞬間に始まった。
「ん゛ッぎひィ゛ィィィィィィィィィィィ!?♥♥♥♥」
ピンッとワカモの爪先が鋭く尖り、股から水飛沫が吹き上がった。
身体の局部に狙いを定めて取り付けられた淫具が、一斉に作動して彼女の思考を一気に絶頂へと到達させた。目は完全に剥き上がり、口は半開きになって声を抑えるだけの機能を喪失する。
「あっあっあんっ♥♥ お゛ぉぉぉ……はぁぁぁぁぁぁぁぁっ!♥♥♥♥ おほっ、んっ、あ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛っ!!♥♥♥♥」
ドチュッ♥ ドチュッ♥ ドチュンッッ!♥
そうなると、子宮を突き穿つピストンにワカモの声はケダモノじみたものへと自然と染まってしまった。
無数のイボが膣壁を抉るように擦り上げる。ピストンで出し入れされ、頂点に到達した際にはワカモも腹肉に張り型がくっきりと浮かぶほど奥へ、さらに奥へと押し込まれる。その度にワカモは嬌声を上げながら愛液を吹き出す。
「お゛っお゛っ♥♥♥ う゛ぉ゛ぉ゛お゛♥♥ け、けずっ、削れるっ♥♥ おしりっ、削れてしまいますわ♥♥ あ゛っお゛♥♥ おぉほぉぉぉぉ〜〜〜〜〜〜♥♥♥♥ おひりぃぃぃぃぃっ!!♥♥♥♥」
尻穴の方は細いバイブがドリルのように回転し、入口から直腸をこそぎ落とすように刺激する。こちらはイボの回転が膣とは別の快感をもたらし、野太い喜悦の声をひり出させていた。
こうなるとワカモに妖艶な美貌など残されておらず、穴をピストンと回転で責め立てられた彼女の面は、鼻の下がだらしなく伸びて鼻水と涎と涙が止まらない下品な蕩け顔に成り果てている。
「お゛っひょっ♥♥ やべっ、乳首、そんな……ふ、震えて……あ゛あ゛ぁぁぁーーーーッ!!♥♥♥♥」
乳首リングの振動が加わる。声が一段と大きく響いて歯止めが効かなくなる。
これでもワカモは耐えている方だ。マンコとアナルと乳首を同時に責め立てられて、まだ正気を保っていられること自体が恐ろしい。
人間の身体は継続的な快感を耐え抜けるようにできていない。ましてそれが、快感の代償に強烈な体力を要求する絶頂であれば尚のこと。
バチンッ、ヂヂヂヂッとワカモのヘイローがノイズを走らせ乱れる。絶頂の繰り返しに思考が混濁し、連続的に行われる失神と覚醒に異常をきたしている証拠だ。
【第二フェーズ進行中……終了時間マデ、残リ、十一時間五十六分三十二秒】
――――だが、ワカモに意識の喪失など許されない。
機械は利口だ。身体の限界を本人以上に理解し、精神が破綻するまでプランを実行できる。そこに情けと容赦という感情がないばかりか、対象への尊厳や人権をないものとして扱える。
「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッ!♥♥♥ あ゛っ、ア゛ァ゛ッ!♥♥ ィう゛ぅあ゛……はぁ、が、ぎ……お゛っ♥♥♥ お゛お゛お゛お゛お゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛ッッ!!?♥♥♥♥♥」
第二フェーズ、絶え間ない絶頂の時間。秘部を子宮から膣壁まで残らず刺激され、アナルを入口から直腸まで削るように開発され、乳首を鋭敏にするピンポイントの振動――――全て同時に休みなく。イキ狂うワカモの濁声が虚しいまでに響き続けた。
【第二フェーズ、終了シマス】
そのアナウンスがワカモの鼓膜を震わせた瞬間、十時間を超える振動音が遂に鳴り止んだ。
一瞬の静寂が訪れる。蒸気を発するほど汗を全身から流し、蜜壷から淫らな汁を飛ばし続けたワカモは、半開きの口と目でゆらりと顔を上げた。
「ぁ゛……ぅぉ゛♥♥」
目の焦点が合っておらず、化粧も大半が落ちて全く違う印象を抱かせた。舌根はだらんと垂れ、鼻の下は力なく伸び切っている。そのアヘ顔の持ち主がワカモだと告げられ、信じられる者は到底いないだろう。
時折喉の奥から枯れた吐息をひり出し、戒められた手足をガクガクと痙攣させる姿に正気の色は見られない。イキ続けて頭がおかしくなったのか、身を引き裂くような快感に観念したのか。
【第三フェーズ、開始シマス】
「ひ……」
彼女がその答えを口にする前に、幸か不幸か矯正の継続をアナウンスが告げた。殺意が篭った初めの頃の視線とは打って代わり、頬を引きつらせたワカモの目は蕩けた涙目に恐怖の感情を抱いていた。
無慈悲で容赦のない責め苦は確実にワカモの精神を弱らせ、追い込んでいる。次は何をされるのか。次はどんな快感を味わうことになるのか。人間がプログラムしたはずの人格矯正装置は、行使するのが機械というだけで全く予測できなくなる。
「あっ♥ あ……あぁ……あぁぁんっ♥♥」
嬌声が響く。まだ気力が残っていたのか、それともバイブがもたらす快感が先に比べて低威力だからか、ワカモの嬌声は高く甘いものだった。
それでも屈辱であることに変わりはない。機械に感じさせられ、官能の声を上げる。彼女は己の力に自信を持ち、実際にあらゆる場面を暴力で捩じ伏せてきたからこそ、快楽という手段で調教される現状を許容できない。
これでは躾だ。人格矯正という名に偽りはなく、生意気な女を徹底的な雌ペットに教育するプログラムだ。
「ふっ、ぅぅぅぅ……あ、あぁぁぁっ♥♥」
それを本能的に理解していても、ワカモの身体は快楽の絶頂を堰き止められない。初めの絶頂を許容すべきではなかった。快楽が弱いうちに拘束を引き千切るべきだった。
いくつもの後悔がワカモの脳裏を過る。気づけば何のためにリゾートで水着を着たのかも忘れていた。ただイキたくない。ただただ絶頂したくない。身体が天に昇って砕けてしまいそうな感覚にジワジワと苛まれ、ワカモはギュッと目を瞑って爪先を立たせた。
「イッ♥♥♥ く、うぅぅぅ…………?」
――――それはワカモに初めて訪れた疑念の声色だった。
絶頂〝し損ねた〟ワカモは目をパチクリと開いた。足の裏を見せるイキ慣れたみっともないポーズで固まり、困惑を顕にしている。
イキ損ねた。なのに、快感が消えたわけではない。身体の中で蟠っているような気持ちの悪い感覚は、もどかしさ。
「ぅお゛♥♥ おっおっおっほぉぉぉぉ〜〜〜〜♥♥♥」
もどかしい感覚が一時的にでも解消される。すっかり開いた尻穴の中で回転するイボバイブ。ワカモが寄り目になって窄めた口から汚声を吐き出し、再び絶頂の波がワカモを襲う。
「ひぃ!? ど、どうして……ひぎぃぃ!♥♥」
だが、イケない。イケないのに、快感は次から次へと投入されてくる。マンコ、アナル、乳首。マンコ、アナル、乳首。繰り返し繰り返し繰り返し。もどかしいもどかしいもどかしい。
「ふぅぅぅぅぅ! ぐ、ふっ、ひぁぁぁ……っ!!」
寸止め。絶頂という最高に気持ちのいい瞬間だけを取り上げられ、ワカモは涙目で下唇を噛み締める。
さっきまで絶頂が痛いと感じていたのに、今は絶頂できないことが痛い。押し寄せる絶頂の波に防壁を立てられ、そこから何層の津波を重ねても壁は崩落せず脳にエクスタシーが届かない。
イケないことが辛い。絶頂がないだけで頭がおかしくなる。イキたい、イキたい、イキたい、イカせろと脳が叫んでうるさい。そんなことを一時間も続けられ、ワカモの身体に露骨な変調が見え始めた。
「はぁー♥ はぁー♥ ふぅぅーっ!♥♥ ふっ、あ゛っ♥ こ、この……う゛ぅ゛♥♥」
くびれた腰がイキたいイキたいとヘコッ♥ ヘコッ♥ ヘコッ♥ と淫らに揺れ始める。張り型と秘部の結合部から汁が飛び散り、誘い腰の卑猥さに拍車をかけていた。
身体を黙らせたいのに、機械に一矢報いたいと思っているのに口は脳が蕩けたように喘ぎ以外を引き出せない。もうどうにかなりそうだ。けれどイキたい、イキたくない。どちらも嫌だとワカモの思考が矛盾を孕み始めた。
【第三フェーズ進行中……一時間ガ経過シマシタ。対象ノ人格矯正、進捗ヲ確認シマス】
と、ワカモの感情と堪えきれないもどかしさを見透かしたように防衛システムが声を発し、彼女の目の前に床から現れたモニタを設置した。
拘束だけでなく、イク寸前で止められて自分の意思から外れた動きを行う身体。唯一言うことを聞く頭部を動かし、蕩けた目でモニタを眺めるワカモ。
「な……わ、わたくしに、そのような下劣な言葉を……!」
そこに映し出されていた文字列に対し、ワカモは正気をぶり返したように怒気を込めた叫びを上げた。
言えるはずがない言葉。人格矯正の進捗とはそういうことか、と歯噛みをする。言わない、言うわけがないと半ば反射的にそっぽを向いたワカモだったが、モニタの中央に数字が点灯し、彼女の眼前で一秒刻みで減らされていった。
「っ!」
六十、五十、四十――――刻一刻と減っていく一分間の猶予。矯正が始まってからワカモにとって最大の休憩時間であり、まるで生きた心地がしない非人道的な尋問じみた時間だった。
そのカウントダウンの意味は、これまで調教を受けてきたなら誰にでもわかるものだ。その数字がゼロを刻む前に〝言え〟ということ。そうすれば望むものが得られる。
ただしそれは望まないものでもある。この一時間の経験がなければ、ワカモは間違いなく言葉を最後まで噤んでいたことだろう。ならば彼女の迷いとは何か。
『イ゛がぜでぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ッ!!♥♥』
「!?」
それを彼女に変わって如実に語る声が壁を突きぬけてくる。
『ごめんなざいっ!♥ ごべんなざい゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛!♥♥ ひあ゛ぁぁぁぁぁぁ!♥ イキたい、イグッ、イがぜでぇ!♥ 私が悪かったからぁ、もうイ゛ぎだいの゛ぉぉぉぉぉぉ!♥♥♥ む゛り゛ぃ゛♥♥ 一日も゛ぉ゛、だえ゛ら゛れ゛な゛い゛ィ゛ィ゛ィィィィィィィィィーーーーーッ!♥♥♥』
それが誰かまではわからない。聞き覚えがあるとすれば、あの一目で敵だと理解ができた〝狼〟であるのかもしれない。
相手が誰なのかは肝心ではない。ワカモはその情けない叫びを笑うことができなかった。いつものように仮面を被り、嘲笑を浮かべてみせることなどできなかった。
何故ならそれは、狐坂ワカモが十秒後に体感する未来の姿かもしれないのだから。
九、八、七、六、五、四――――カチカチと歯を鳴らしたワカモの口が、大きく開いた。
「オマンコォ、イクーッ!!♥」
その時、ワカモの口から飛び出したのは信じられないほど下品で卑猥で低俗な言葉。実質的な敗北宣言だった。
「オマンコイクー!♥ オマンコイクー!♥ オマンコイクー!♥」
歌を歌うように卑猥な単語を組み合わせてワカモが叫ぶ。
それはモニタに表示されていた通りの【合言葉】だ。快楽に屈したからではない。ワカモは泣きそうな顔を朱色で染めながら声を発している。
「お゛ぉぉぉぉっ!?♥♥♥♥ オマンコイクーッ!!♥♥♥♥♥」
一時間ぶりの絶頂がワカモの脳髄を焼き、真っ白になった思考が無意識に言葉を音に乗せて解き放つ。
休む暇はない。マンコで絶頂した後はアナル――――猶予時間は十秒。
「ひぃ! あ、あ、アナルイクー!♥ アナルイクー、アナルイクー、アナルイクー!!♥」
あまりにも間抜けすぎるワードの連発にワカモは滂沱のような涙を流す。けれど、止めてはいけない。
「んほぉぉぉぉぉぉ♥♥♥♥ アナルイクーッ!!♥♥♥♥♥」
次は乳首――――猶予時間は三秒。
「チクビイクー!♥ チクビイクー!♥ チクビイクー!!♥」
やがてワカモは気づくだろう。指定された瞬間に言葉を発することができなければ、隣の誰かと同じ未来を辿ると。
ワカモはイキたくない。でも、イカなければ死んでしまう。一時間で気が狂いそうになった寸止めを味わったら、もう心が完全に壊れてしまう。
「あ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛っ♥♥ オマンコ、イグッ!!♥♥♥♥ いやぁぁぁぁぁ、チクビイクー!♥♥♥♥ うひょほ!♥ アナルイクーッ!♥♥♥♥」
――――でもやっぱりイキたくない。イキすぎて、気持ちよすぎて頭が壊れてしまいそうだ。
イキたくない。イキたい。どちらの願いを叶えても、ワカモにとっては苦しい。頭がかち割れて、身体が千切れて、ワカモがワカモでなくなる。
いっそ、快楽を受け入れられたら楽になる。それが叶わないくらい激しい絶頂感が彼女を襲っている。心が止めようと思っているのに、身体が寸止めを恐れて下品な言葉を口走る。
「オマンコイクー!♥ アナルイクー!♥ チクビイクー!♥ ――――もう、堪忍してくださいぃぃぃぃぃぃぃぃ!!♥♥♥♥」
隣の彼女はワカモの未来の姿だったかもしれないと言ったが、少々勘違いをさせたかもしれない。
ワカモは隣の狼の未来の姿だったかもしれない。泣き叫んで許しを乞うワカモの姿は、別の選択をした結果に間違いない。
下品語録を叫ぶ合間に許して、堪忍して、従いますから。快楽から逃れようと必死に哀願するワカモは非常に愛らしい。快感と恐怖が綯い交ぜになったワカモの顔は、見る者が見ればさぞ美しいのだろう。
【第三フェーズ、終了シマス。――――第四フェーズ、開始シマス】
もっとも、機械が感じることはない。どれだけ同情的な涙顔であろうと、どれだけ嗜虐心を煽る表情であろうと、そもそもワカモがどれだけ美しくどれだけ愛らしくどれだけ妖艶かなど、全く関係がない。
「やだっ、いやですわ! お願いします! ゆるしてくださ――――んぼぉ!?」
ワカモの美貌が無骨な呼吸マスクの裏に隠れる。彼女の身体が十数時間ぶりに動くことが許された。自由に、とはとても言えたものではないが。
アームに組み付かれた彼女の身体は、ポコポコと泡立った浴槽へと導かれる。水着がベトベトして汚れていることだけを注視するなら、ちょうどいい水中バケーションになるかもしれない。
それが劇薬のみで構成された媚薬プールでなければの話では、あるだろうけれど。
「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッ!!?!?♥♥♥♥♥♥」
ドボンとプールに落ちたワカモが暴れる。細い手をどこかへ伸ばし、むっちりと扇情的な太股を揺らして、媚薬が身体中に染み込む絶望的な環境からの脱出を図る。その抵抗がまだ余裕があると見られたのか、ワカモの身体は無情にもプールの底に引きずり込まれていく。
妖艶な水着を纏った狐娘。彼女の夏は終わらない。終わることはないのかもしれない――――永遠に。
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警備システムなんだと思ってるのか案件。最近またシロコ書きたいなぁとか思ってるんですよね。やっぱり催眠洗脳……何かネタがあればいいんですが何とも。人格排泄でもいいかな何て思ってる。