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「いやあああああやめてくれ!!!!」


 人通り、車通りが殆どない舗装された山道、男が軽トラの運転席で頭を抱えて叫ぶ。だがその叫びは車自体から放つ轟音にかき消される。男のいる軽トラは、今とんでもない上からの圧力で潰れかかっていた。鉄製のルーフはベキベキと押しつぶされてドアはゆがんで隙間が開き、ガラスは既に割れて粉々になっている。上からの圧力でタイヤは破裂し、軽トラ全体が前へと傾いていた。そしてその光景を作り出している元凶は軽トラの目の前にいた。


「わりーな、オマエ好みじゃねーんだわ」


 人間、といっても軽トラの前面を覆いつくすような巨大な男が、そう車の中の男に向けてつぶやいた。軽トラの屋根が胸にも届かないような身長。その男が屋根に両手を置いて、とんでもないパワーで軽トラの運転席を押しつぶしているのだ。あっという間に車内の空間が半分以下になる。男はシートの足元に転がり、なんとか助かろうとするが、屋根は鉄でできているとは思えないほどたやすく潰れていく。シートの背もたれは一瞬で折れて中綿が飛び出し、ついに座面に屋根がくっついた。それでも屋根の上から押し潰す力は止まらない。


「うああああいだいいだいいだいぎゃっ」


 金属とプラスチックが砕ける音に肉が潰れるような音が一瞬交じった。男は軽トラのキャビンが荷台よりも低くつぶれると、ようやく手を離して体を起こす。そして大樹のような脚を上げ、40センチを超える巨大な足で軽トラを踏みつけた。すさまじい体重とパワーで既にぐちゃぐちゃの屋根は足の形に大きくへこむ。それを何度か繰り返すうちに荷台部分との接合部は砕け落ち、人が乗る部分だった場所は高さ50センチ程度の鉄の塊になった。残った荷台部分がなければそれが軽トラだったと判別するのも難しいだろう。


「よっと……」


 男はひょい、とその数百キロはある鉄塊を持ち上げると、残った荷台部分に落とす。そうして今度はそれらを一つにまとめるように荷台部分を力任せに押しつぶす。数分後にはもはやなにかもわからない、白い大きな鉄の塊が生まれていた。地面には潰れた時に漏れたであろうオイルやガソリンに混じって真っ赤な血もアスファルトを濡らしていた。


「ったく、邪魔しやがって……」


 大男はその鉄の塊をまたこともなげに持ち上げると、ぶん、と空にぶん投げた。宙を舞う数百キロの鉄塊は近くに広がる森林に落ちて大きな音を立て、近くの木々からは鳥が逃げるように飛んで行った。それを見届けもせず、大男は大きくため息をつく。


「あ~~、俺も早くコイビト欲しいな~~~!」



***



 先ほど簡単に軽トラを破壊した大男、岩淵丑雄は、「コイビト探し」をしていた。きっかけは彼が先輩と謳う朝霜の「コイビト」である綿矢だ。敬愛する先輩が同じ家に置いて、とてもとても大事にするその姿がなんだかうらやましくて、岩淵も同じように「コイビト」を作ることにしたのだ。

 コイビトを作るには何が必要か? と岩淵が考えた時、まず最初に思い付いたのが「モテる」ことだった。人間が好意的に思うような姿をすれば、それだけ人間が寄ってきやすくコイビトを探しやすいだろうと。そこまではまあ誰しもが100点をつけるわけではないが、おおむね正解であろう。だから岩淵はピアスをつけタトゥーを入れ、肉体を改造してガタイをさらに大きくした。おおむね不正解である。元々身長が2.5mあった岩淵である。そこにタトゥーやらピアスやらで飾り付け、さらにデカくなろうものなら、殆どの人間は岩淵を見ただけでおびえて逃げ出してしまうだろう。


「やっぱかっけー方がモテるよな!」


 巨大なガタイとサイボーグであるという特殊性ゆえに人間とその社会にあまりかかわって来なかった岩淵は、感覚が世間一般的な人間の感覚のものと若干ズレていた。サイボーグである岩淵の強靭な皮膚には人間用のタトゥーの針もピアッサーも刺さらない。だからそれらはガタイも含めて研究所でお願いして作ってもらった特注だ。朝霜と岩淵をサイボーグとして生み出した朝霜の父は「いいぞ!」と理由も聞かずに快諾したが、理由ぐらいは聞いておくべきだった。ただそこで岩淵が世間と自分の感覚が違うと気づいたとしても、岩淵は要望を変えなかっただろう。岩淵がモテたいのは「コイビト」を作るためであり、人間に好意的に見られたいわけではない。「コイビト」にさえしてしまえばいいのだから。そんなわけでヤクザだろうと見た瞬間裸足で逃げ出す姿になった岩淵は、コイビトに人気のスポットでコイビトを探すことにした。住宅街から少し離れた山の上の高台。周囲が一望できるうえに静かで、ムードもいいんだとか。そこならコイビトを探しやすいだろうと、岩淵は通りがかる車を手当たり次第に探していた。そしてまた、一台、車が山道を登ってきたところだった。




 

***





 健太は恋人である宏夢を車に乗せてドライブに来ていた。愛車は白のコンパクトカー。人気のあるハイブリッド車で、中古だったがまだ走行距離も短く、山道でもスイスイと登る。


「ねえ、あそこじゃない?」


 助手席の宏夢が看板を指さす。平坦になった道の先に車が何台か停まれそうな駐車場があった。その駐車場のある場所が既に高台らしく、転落防止用の柵の向こうには絶景が広がっている。


「だな」


 健太は車をバックで止める。ギアをパーキングに入れると、レバーを握っている手の上に宏夢の手がかぶさってくる。健太のものより一回り小さなそれは、すり、すり、とねだるように健太の手の甲をこする。


「おい、宏夢……」

「いいじゃん、来る途中もすれ違う車なかったし、誰も来ないよ……」


 宏夢が身を乗り出して、運転席の健太に顔を近づける。互いの唇が今にも触れ合おうとするその、瞬間。宏夢はフロントガラスの外で何かが動くのを目の端で見た。


「えっ……」



 慌てて宏夢が助手席に座りなおす。そうして真正面からそれを見て、宏夢はまずクマかと思った。なぜならそれは人としてはあまりにもでかすぎるからだ。標識に頭が届きそうなほどの背丈。車と同じくらいありそうな身幅。だが、その様相は明らかに人のものだった。先ほどまでの雰囲気が車中で霧散する。宏夢は慌てた声で横の健太の方を向く。

 

「け、健太……やばいって」


 健太もそのやばさは感じ取っていて、無言で全ドアのロックを確認する。ギアをドライブに入れなおしていつでも車を出せる体勢を取った。男は大股でずんずんと近づいてくる。そして近づいてくるにつれ、車の中からでは顔が、上半身が見えなくなってくる。異様だった。男がボンネットの前まで近づいたとき、フロントガラスから見えたのはデニム生地に包まれた大木のように太い両太ももと異様なほど盛り上がる股間、ぴちぴちの黒のタンクトップに浮き出るボコボコの腹筋。それより上は見えない。下からのぞき込むようにすれば見えたかもしれないが、健太も宏夢も恐怖に震えそれどころではなかった。そしてそんなことをするまでもなく、目の前の男が車の前でしゃがみ込み、車内にいる二人をのぞき込むように目を細めた。


「ひっ!」


 弘夢が小さく悲鳴を上げる。車の中をのぞき込んできた男は非常に身体が大きいのに加え、その相貌がとてつもなくいかつかった。逆立てたギラッギラの金髪に耳には大小鮮やかなピアスがバチバチにつけられており、巨大なタンクトップを引き延ばすガタイから生えるぶっとい両腕には、肩まで伸びるトライバルのタトゥーがゴリゴリに掘られている。もはやヤンキーどころかヤクザ、ただでさえ街で見ようものなら即座に目を背け距離を取るような風貌なのに、その上異様にでかいのである。健太も弘夢も、何もないことを願いながら固まるしかなかった。しかし外から二人をのぞき込んでいた男は、二人の顔を見てにやっと笑った。


「へへっ……どっちもかわいいな」


 ガラスが震えるような低い声。二人がどうするか考えあぐねているうちに、外にいた男の方が行動に出た。立ち上がって弘夢のいる助手席側に回り込むともう一度腰を落とす。次の瞬間車が大きく揺れた。


「えっ! あっ……」

「おい嘘だろ!?」


 小型といえど1トンを超える車が大きく傾いた。男が弘夢のいる方の車のそこに手を差し入れて持ち上げているのだ。傾く車内に健太はハンドルにしがみつき、弘夢はシートベルトを握りしめる。ひっくり返されるかと思った矢先、二人が感じたのはぐらぐらと揺れ続ける妙な不安定感。外の景色はどう見ても数メートル高いところからのもので、先ほどの男の姿は見当たらない。


「ねえ……健太もしかしてこれ……」


 運転席の健太は反射的にギアを入れてアクセルを踏むが、車は進まずエンジンとタイヤの空回りする音が聞こえるだけだ。そのとき、エンジン音を突き抜けるような大きな声が車内に響いてくる。


「あははっ、意味ないっすよ。ちょっと移動するから我慢してくださいね」


 その声は、下から響いてきていた。二人はあり得ないと思いながらも確信する。さっきの男が、車をしたから持ち上げているのだ。飛び降りれるか、と考える暇もなく、車が大きく揺れて移動を始める。その先は――


「え、あっ」

「うわああああああああああああ!!!!」


 くるりと反転した車は、一瞬浮き上がった後柵を越えて崖下へと落ちていった。強烈な浮遊感とフロントガラスの向こうで下がっていく景色。続けてくる衝撃に健太と弘夢は本気で死を覚悟したが、意外にもシートベルトが強く食い込むぐらいの衝撃で落下は止まる。その後地面に下ろされた振動。死の恐怖を味わい立ての二人ははっ、はっと荒い息が続いたままだ。


「あっ、びっくりしました? いや~、上は邪魔入るんで」


 再び男がフロントガラスからのぞき込んでくる。大きな目玉が二人を品定めするようにぎょろぎょろと動き、そして弘夢の方で止まった。


「そっちのおにーさん、かわいいっすね! 出てきてもっとよく顔見せてくれないっすか?」


 ニカっという擬音がつきそうな笑顔でそう言われるが、弘夢としては獣に目をつけられたのとそう変わらない心境だった。シートベルトを握りしめたまま、カタカタと弘夢は震えている。おーい、聞いてます? と外から男がゴンゴンとガラスを割れそうな強さで叩くが、当たり前のように逆効果だった。


「もー、だったら引っ張り出しちゃうっすね」


 業を煮やした男は、ずん、ずんと思い足音を立てながら助手席側に寄るとしゃがみ込む。それでも頭は車より高い位置にあった。弘夢はドアを確認する。ロックはまだかかっている。男が、ドアガラスに手を伸ばす。ガラスの半分以上を覆ってしまいそうなほど、大きな手だった。そしてその指先がガラスに触れると、人間が本気で殴ってもそうそう割れないはずの強化ガラスが、いともたやすくひび割れ、男の手が車内に侵入してくる。


「ぎゃああああああああああああ!!!」


 弘夢の叫び声が車内に満ちる。男の手は中に入るとそのままドア部分をつかむ。プラスチック部分をミシミシと言わせながらドアと一緒に車ごと揺れ、次の瞬間すさまじい音を立てて助手席のドアがロックごとぶち壊され開き、そのまま蝶番部分まで引きちぎられて泣き別れになる。ドアは男の背後に投げ捨てられ、男と二人を隔てる物がなくなる。弘夢も健太もパニック状態だった。


「痛い! やだっ! やだ!」

「はいはい。……ちっ、シートベルト邪魔だな」


  男は弘夢の腕を、その大きな手で前腕をまるごとつかんで引っ張り出そうとしたものの、シートベルトが引っかかる。男はいったん手を離し、シートベルトのピラーを指でつまんで破壊する。垂れてシートベルトが緩むと、男は再び弘夢の腕をつかんで車から引っ張り出す。


「健太っ! やだっ!」

「弘夢!」


 弘夢は健太に手を伸ばし、健太はその腕を必死に引っ張ったがものすごい力にあっという間に弘夢は車の外に引きずり出される。


「ん~やっぱりかわいいな~」


 引きずり出され腕一本で吊り下げられた弘夢は、その男の姿を見て改めて絶望する。弘夢の前腕をすっぽりつかみきってしまうほど大きな手。そこから続く腕は弘夢の脚どころか胴体ほども太く、上腕二頭筋と三頭筋がひしめくようにボコボコと盛り上がっている。繋がる肩はボウリングの球でも入っているかのように丸っと膨れ上がっており、人二人分はありそうな大胸筋はタンクトップの生地をビッチビチに引き伸ばしていて、汗で張り付いた生地から下を向く乳首の形が浮き上がっている。キュッと締まった腹筋もそれは胸に比べればという話で、汗で張り付く腹筋はぼっこぼこに盛り上がっているのがはっきりわかる。丈夫そうなデニムも人一人ありそうな太さの太腿を覆うには心もとない。そして股間部分は異様に盛り上がっていて今にもファスナーを弾き飛ばしそうだった。宏夢が暴れても腕を微動だにさせない男は、そのまま上から下まで宏夢を舐めるように眺める。そしてぐっと腕を引き寄せて宏夢を顔に近づけた。むあっとした汗の匂いを宏夢は思いっきり吸い込んでしまう。


「ひっ!」

「まずは自己紹介っすね、俺、岩淵って言います。おにーさんは?」


 岩淵の生暖かい息を感じるほどの近さ。吊り下げられてプラプラ揺らされて、それでいい笑顔で自己紹介されても言葉と行動がちぐはぐすぎて宏夢は何が何だかわからない。ただカチカチと歯を震わせていると、下に放った車の方から震えた声が飛ぶ。


「宏夢っ! ……おいっ! 宏夢を放せ!」


 それは車の中にいる健太の声だった。引きずり出された宏夢を追って外に出ようとしたものの、目の前のありえない状況に手が震えてシートベルトすら外せない。岩淵はちらっと健太の方を一瞥すると、片足を持ち上げて、運転席あたりのボンネットに踵を入れる。ズガン! というすさまじい音とともに中から叫び声が聞こえた。


「ぎっ……脚……脚が挟まっ……!」


 黙らせるのと閉じ込めるのを同時にやった岩淵はすぐに宏夢の方に視線を戻す。


「ヒロムっていうんすね~名前もかわいい~」

「ひっ……助け……」

「俺もこういうコイビト欲しかったんだよな~」


 宏夢がへっ、という前に、岩淵は宏夢の腰を抱き、頭を押さえて口づけをした。びっくりした宏夢は一瞬固まったものの、すぐ正気を取り戻して岩淵から離れようとする。


「ん~~!!! ん~~~~!!!」


 しかし宏夢が岩淵の分厚い肩でどんなに手を突っ張っても、一ミリも岩淵から離れられない。頭を抑える手もまるで壁のように後頭部に立ちはだかっていて頭を動かすことすらできなかった。その岩淵のキスもとんでもないものだった。巨大な舌がぬるりと入ってきて、その舌が上あごも下あごも舌とは思えない力で蹂躙していく。あまりの力強さに強引に顎が開き、ミシミシとはずれかけるほどだった。肺がひっくり返るほどの吸引力に宏夢は岩淵を殴る蹴るするが、岩淵は意にも介さない。反射で岩淵の舌を噛もうともしたが、極厚のゴムのようで逆に宏夢の歯が折れそうになる。宏夢の気が遠くなりかけたとき、ようやく岩淵が口を離した。


「げほっ、ぐほ……」

「ん~……いいもんなんすかね~……これ」


 すでに涙と鼻水、それから岩淵の涎で顔中ドロドロになっている宏夢と裏腹に、首をかしげて不満げな岩淵は宏夢をぽいと車に放る。


「かはっ! げほっ……」


ボンネットにしたたかに背中を打ち付けた宏夢は思いっきりせき込んだ。ぬっと上に影が差して、見ると岩淵が上からのぞき込んでいる。


「ひっ……」

「逃げんなって」


 転がってボンネットから降りようとする宏夢を、腕を車に押し付けるようにして岩淵がとどめた。が、その押し付ける強さは人間には強すぎた。


「ぎゃあああああ!!」

「あっ、やべっ」


 腕の骨がボキボキボキッ! と砕けながら一瞬にしてボンネットにめり込んだ。岩淵は慌てて手を離したものの宏夢の左前腕はもう腕というよりも肉塊になっており、関節部分の骨が潰れた箇所から突き出ている。激痛でのたうち回る宏夢を今度はつぶれないように片手で押さえながら、岩淵はポリポリと頭を掻いた。


「あ~~まずったな~、大切に使うつもりだったのに……」


 さすがに岩淵にもこの腕が元に戻ることがないことはわかっていた。いまだ血がぶしゅぶしゅと湧き出る腕の断面と、涙と鼻水で汚れた顔を見ていると、ずぐん、と岩淵の股間がうずいていく。岩淵は少しだけ悩んだ。ちら、とひび割れたフロントガラスの向こうにいるもう一人に視線をやる。


「んー………いっか。まだ、いるし」


 岩淵は宏夢の服を乱暴に破り捨てていく。もちろん身体がちぎれないよう最低限の配慮はしてだ。そうして宏夢を素っ裸にすると、今度は自分の服を脱いでいく。既に引き延ばされまくっているタンクトップを破らないように気を付けて脱ぐと服の上からでも隆々としていた筋肉があらわになる。傷一つない巨大な大胸筋にレンガのように盛り上がる腹筋。浅黒い皮膚も相まってまさに獣というべき様相だった。続いて岩淵は股間を撫でまわしながらゆっくりとボクサーパンツごとデニムを下げていく。頭髪と同じ金色のギャランドゥが顔をのぞかせ、硬そうな陰毛が姿を見せる。それと同時に、信じられないほど太い竿が見え始める。まだ萎えているはずなのに、既にコーヒー缶のような太さである。そしてデニムをずるずると下げていっても先が見えない長さ。そろそろ太腿の半分に達する、というところでようやくカリが引っ掛かり、そのまま下ろすと、引っ掛かりが外れてぶるん、とその巨大なチンコが全貌を現した。まだ半勃ちだというのに既に20センチはゆうに越えていそうな太さ。太い血管がツタのようにまとわりつき、ぶっとい腿の間でぶらぶらと重々しく揺れている。それを目の前で見せられた宏夢は、一瞬だけ痛みを忘れ呆けてしまった。


「さて、と」


 服を脱ぎ捨てた岩淵は宏夢の腰をつかむとぐるんと上下を反転させる。脚はフロントガラスにかけられて上半身はボンネットに乗ったまま宏夢は涙がにじむ目で逆さに岩淵を見上げる。


「ひっ……!」


 逆光の中ギラリと光る鋭い目に宏夢は小さく悲鳴を上げる。岩淵は地面に膝をつくと、宏夢を挟むようにして両腕をボンネットに乗せた。宏夢はすっぽりと岩淵の体躯に覆われてしまう。岩淵から流れる汗とともに、凝縮された体臭が宏夢のもとへと落ちてくる。数百キロはある岩淵の体重がかかりボンネットはベキベキと音を立てながら歪み、車自体が大きく傾く。車が傾き身体がずり落ち、頭がボンネットのふちから落ちて反る。そして宏夢の目の前にあるのは、既に自らの顔よりでかい巨大なチンコ。汗とアンモニアが混じった匂いがむわりと宏夢の鼻孔を刺激する。もがいて頭だけでも離れようとするが、その前に岩淵が軽く腰を突き出した。甘勃ちのチンコがぐむ、と宏夢の顔に押し付けられる。


「む……んぐ……!」


 金色の陰毛がチクチクと顔に刺さる。えづくような匂いに顔を動かそうとするも、ぎっちりと肉が詰まった重い竿がそれを許さない。むしろ次第にむくむくと大きくなり、勃ちあがろうとしていくチンコが顔を圧迫していく。チンコが顔を押しつぶす前に岩淵は腰を引いて拓夢をチンコから解放してやる。ぶるんと勃ち上がったチンコは、まだ半勃ちなのか腹筋に張り付くことなく、前かがみの岩淵の体勢もあってちょうど水平あたりで揺れている。逆さになった拓夢の視界には、小さなりんごほどもありそうなどす黒い亀頭が鈴口から我慢汁を垂らしているのが見える。


「もったいないし、お前で一回抜くわ」


 岩淵のこん棒のような巨根がゆっくりと拓夢に迫る。拓夢が顔を動かす間もなくその亀頭は拓夢の口に触れた。とっさに拓夢は口を閉じたものの、半勃起の状態ですら岩のような硬さを持つ岩淵の巨根がアゴを外し、歯をバキベキとへし折る。


「っ~~!!!!!!」


 想像を絶する激痛に拓夢は叫ぼうとしたが叫べなかった。口の中は既に岩淵の亀頭で埋まっており、その先端は喉奥に達していた。声どころか呼吸もままならず、拓夢の目からあふれた涙が逆向きにこぼれる。


「おっ……いいじゃん……」


 そんな拓夢の様子などつゆ知らず、岩淵はぐ~っと腰を押し付けていく。子供の腕ほどもありそうな太さの竿が喉を押し開いて進んでいく。拓夢の首にはカリの形をくっきりと浮かんでいた。当然気道はふさがれており、窒息寸前の拓夢は足をバタバタさせているが、岩淵はそれを軽く抑え込む。食道を破裂寸前まで広げながら、亀頭が鎖骨に達したところでようやく岩淵の挿入が止まる。岩淵は上を見上げながら小さく息を吐く。


「あ~~~……やっぱ生のオナホは……キくな……!!」

「っ!?」


 突然、中からさらに喉を押し広げられるような衝撃に酸欠状態の拓夢が目を剥く。それだけでなく鎖骨に達した亀頭がさらに先へと進みピキ、ペキと近くの関節が外れていく。岩淵のチンコがさらに膨れているのだ。しばらく腰をゆすりながらその感覚を楽しんでいた岩淵だが、ついに快楽の我慢に限界が来る。


「~~~ダメだ! 行くぞ、オラっ!!」


 めぎゃ、と手を置いていたボンネットを指が貫く。一度腰を引いた岩淵は、そのまま勢いよく腰を打ちつけた。ゆっくりと挿れていた先ほどとは違い、亀頭は顎を砕き食道を引きちぎって進む。竿の根元が裂けきった口に届いても岩淵の腰は止まらない。そのまま拓夢の頭蓋が紙風船のように破裂して、フロントグリルに腰が当たって大きく車が揺れる。


ズドン! ズドン! ズドン!


 車に打ち付ける大きな音の間に、肉の潰れる水音が挟まる。頭蓋を砕ききっても岩淵の腰振りは止まらず、むしろ頭が無くなったことで竿はさらに先まで蹂躙していた。もう首も無くなり肩が砕けているところだが、拓夢の体の膨れ具合からして既に臍まで亀頭の先は達している。肋骨どころか内臓もすべてぐちゃぐちゃにしながら、岩淵は生オナホの温かさに興奮して腰を打ち続ける。ギッシギッシと揺れるボンネットはもちろん、岩淵に打ち続けられたフロントグリルは中心に向かってもはや修復不可能なほどに大きくへこんでいた。


「あっ、あっ……イグッ!!!!!」


 岩淵の手がボンネットを貫き、サスペンションが限界まで下がる。拓夢の上半身を中から蹂躙していた巨大な竿からすさまじい量の精液が放出される。あまりの勢いに精液が打ち付けられたところが膨らんで中からも見えるほどだ。既にぐちゃぐちゃの体内で血と精液が混じりながら注がれていき、腕の断面から桃色の液体があふれ出る。数十秒に及ぶ射精の後、はあー……、と長く息を吐いた岩淵がゆっくりとそのチンコを引き抜く。内臓の破片をまとわりつかせながらぬらぬらと輝く亀頭を引き抜くと、栓が抜かれたように鎖骨があった場所から血と入り混じった精液が溢れだした。岩淵はぶんぶんと竿を振って血を飛ばす。とんでもない量の精液を出したのにもかかわらず、岩淵のチンコはまだ緩やかに勃ちあがっていた。


「ん~……やっぱ脆いな……」


 岩淵が眼下の惨状を見る。猟奇殺人犯だってここまではしないだろう。ボンネットの上に横たわる死体には腕と頭がなく、それどころか首や鎖骨はまるで押しつぶされたかのようになくなっており、それらがあった場所からはどぷどぷと桃色の液体が溢れだしている。腹などは一見綺麗に見えるが薄皮一枚隔てた内部は巨大な肉棒にかき回されぐちゃぐちゃになっている。唯一無事だったのは太腿ぐらいであろう。脛部分は岩淵の重機のようなパワーで握られて骨ごと圧搾されていた。生死など言うまでもない。岩淵は使い捨てた人間からはもう興味を失っており、その目線は車の中にいるもう一人に向けられた。


「ひっ……」

「なあ、名前なんて言うんだ?」


 そのガタイにそぐわない晴れの日のような笑みで岩淵は語りかけたが、先ほどの惨劇を特等席で見せられた上に顔も体も返り血で血まみれである。健太は土気をとうに越した顔色で涙をぼろぼろ流しながら口を必死に手で押さえている。抑えていないと胃の内容物から悲鳴まで、あらゆるものを吐きそうだったのだ。一向に返事をしない健太に岩淵は首をひねるが、腰を上げるとすぐに運転席側のピラーに手を伸ばした。いまだ岩淵は車の前にいるが、その長い腕は軽く屈むだけで簡単にピラーに届く。残ったフロントガラスをまるで薄紙のように貫きながら逆手でピラーに触れると、めぎゃ、と何の抵抗もないかのようにピラーを握りつぶす。


「~~~っ!!」

「ま、いいや、出て来いよ」


 岩淵はそのまま残ったピラーごと車の屋根をめくりあげた。強烈なパワーに浮きそうになる車を岩淵は逆の腕で抑える。まるで折り紙のように簡単に屋根がはがされていくが、金属が折れ曲がりプラスチックが砕ける音はひどく重々しい。べきゃめきゃばきゃ、とあっという間に車本体と泣き別れになった屋根はぽい、と横に捨てられる。無残にもオープンカーとなった車内から血まみれの岩淵を見て健太は発狂しそうになる。もがいて逃げようにも脚が挟まれていて動けない。


「あ、そっかそっか」


 岩淵は巨大な手をダッシュボードにかけるとそのまま手前に引いた。車本体が引きずられながらダッシュボードは無残に砕け散り、勢いでボンネット部と運転席の隙間が空く。脚が解放されたことで健太は動けるようになったが、その前に岩淵がシートベルトを引きちぎり、健太の肩を両手でつかんで持ち上げた。もちろん岩淵にとっては優しく、だが健太にとってはベアハッグを受けているかのような強力な締め付けだ。


「いだ……いだい……!!」

「……ああ、思い出した。お前ケンタって呼ばれてたな。あはは、さっきのやつは間違って壊しちゃったからオナホにしたけど、お前は大事にするからな?」


 岩淵がにか、と太陽のように笑うが、ケンタは氷水に浸かったかのように震えている。ついさっきまで助手席にいた拓夢の凄惨な死体がそこにあるのだ。岩淵はそれに構わず一方的に口づけをし、健太を窒息させかけながら口内を長く太い舌で嬲りまくる。ひとしきり満足すると、くるっと車に背を向けて、ちょうど運転席と助手席の間に向けて勢いよくケツを下ろした。


 グシャメギャバキバキ、と岩淵の数百キロに及ぶ質量で車がプレスされていく。ガラスや金属の破片も散乱していたが、岩淵の肌には傷一つつかず、むしろ車の方が負けて壊れていく。脚を一度上げ、勢いよく下ろすととんでもないパワーを持った太腿でボンネットが中のエンジンごとぺしゃんこに押し潰される。上にあった人間の死体はもう判別がつく形ではない。ぎゅっと抱かれている健太は無事だったが、ギチギチに詰まった肉の圧力に圧搾される恐怖でいっぱいだった。


「じゃ~、服ぬぐか!」


 優しく、優しくといった手つきだが、健太からすればショベルカーでなでられているかのような恐怖。普通のシャツのボタンをはずすなどという器用なことが岩淵のぶっとい指でできるわけもなく、襟を摘まんでブチブチとボタンを引きちぎる。ズボンは何とか剥ぎ取り健太を一糸まとわぬ姿にすると、岩淵は健太を膝に乗せた。健太の尻にチクチクとした陰毛が触れる。膝に乗っているのにもかかわらず、健太からは目の前のほとんどを覆う豊満な大胸筋しか見えない。上からは岩淵の荒い鼻息が吹き下ろしていた。


(俺も……俺も拓夢みたいに……)


 ガタガタと震える健太とは裏腹に、岩淵はそれを見下ろして舌なめずりをする。岩淵からすれば小枝のように細い腕をなぞり、指で突き破れそうな薄い腹を撫でる。まるで肉食獣を刺激しないがごとく、健太は必死に息を殺して震えていた。が、それも数分持たなかった。健太の尻あたりにあるものが持ち上がるように動いた。尻に感じる生暖かい感触に健太はすぐに思い当たる。そのままぐぐっ、ぐぐっ、と、成人男性の体重をものともせず、健太の尻の下にあるものは健太を持ち上げていく。が、ある角度になったところで健太はそこから滑り落ち、岩淵の下腹部に落ちた。同時に、腰に打ち付ける、肉の棒の感触。上からへへっ、と声がした。


「一発だけじゃやっぱ治まんねえよな……」


 健太の背中に触れているのは、まごうことなく岩淵のチンコだった。尻たぶを越え腰を越え、それはもはや背中の中ほどまで届くサイズ。恐怖に震える健太の腰を岩淵は片手でつかみひょいと持ち上げる。


「ひぃっ!! た、助け……」

「だーいじょうぶだって。優しくすっから」


 そういうと岩淵は反対の手を健太のケツにやり、その穴に人差し指を突っ込んだ。


「ひぎっ……!!」

「まずは慣らしてやんねえとなんだよな……」


 とはいうものの身長2.5mの巨体の岩淵の指は相応に太く、それだけで一般的な人間のチンコほども太い。健太は大きく息を吐いて内部をぐりぐりといじる指に耐える。


「ひっ……あっ……」

「お、結構いけそうじゃん?」


 30秒もたたないうちに岩淵が人差し指をずぶりと穴に追加する。肛門が限界まで開かれて、ぶち…と尻の切れる感触に健太が小さく悲鳴を漏らす。


「いた……!! 切れ……!」

「ん~…………もうちょっとか?」


 健太の悲鳴も構わず、岩淵は穴の周囲をなぞったり、指を開いたりして健太の肛門を拡張していく。だが、岩淵の巨根は指の二、三本とは比べ物にならない太さを持つ。受け入れるには相当な才能と努力、時間が必要になるが、岩淵とそのチンコはそれを待てそうになかった。岩淵は指を肛門から抜くと、両手で健太の腰をつかんで視線を合わせる。


「……ま、十分慣らしたよな」

「い、いや……無理……っ!?」


 健太の尻に熱い亀頭が触れる。もはや完全に勃起しきった岩淵の亀頭は握りこぶしほどの大きさになっていた。どぷどぷと溢れるカウパーがぐじゅりぐじゅりと健太の尻たぶに塗りつけられていく。健太もさすがに手足をばたつかせるが、がっちりと腰を岩淵に掴まれていてどうしようもない。


「た、助け……」

「大丈夫だって」


 岩淵が顔を近づけて言い聞かせるように囁く。片手で腰を持ち、もう片方は尻を持つように下がり、ぐいっと尻たぶがひろげられ、その中心が亀頭に当てられる。健太はもう処刑されるような心境だった。ガタガタと震え涙を流しながら目をつぶり、歯を食いしばっている。そんな健太の姿を見て、岩淵のチンコがさらにずぐんと揺れた。


「……優しくすっから……ちょっと、壊しちまうかもしれねえけど」

「ひぎっ……!!!」


 とんでもない力で健太の体が引き下ろされ、メリメリメリッ! と、鉄柱のような巨根が健太のアナルを押し広げていく。もはや尻たぶ半分ほどもありそうな亀頭がぐいっ、ぐいっと健太の中に入ろうとする。そのアナルは限界までミチミチと広がっているが、到底その巨大な亀頭が入るサイズではなかった。岩淵はチッと舌打ちすると、健太の尻をつかみなおして、強引に自らの亀頭に向かって押し下げた。


「ひがっ、ああああああああああああ!!!」


 ブチブチブチッ!!! と健太の尻の穴が裂け、強引に亀頭が中へと侵入する。焼けるような激痛に健太は悲鳴を上げるが、岩淵は構わずゆっくりとチンコを押し進めていく。関節が外れ、直腸がパンッパンに広がり、一番太いカリの部分がミヂミヂ裂け目を広げながら健太のナカへと入っていく。結合部からはぼたぼたと血のしずくが滴り竿をつたって流れていった。


「ほら、ちょっと裂けちまったけど、カリまで入ったぞ」

「ぎっ……あっ……」


 健太にはもう岩淵の言葉を聞く余裕もなかった。ただ痛みを逃がすために細く細く息を吐く。既に健太はいっぱいいっぱいだが、まだ亀頭が入っただけ。丸々残っている竿の部分は今か今かとそのナカを待ち焦がれている。ぼろぼろと涙を流して祈る健太の視線は今ちょうど岩淵と同じあたりだ。その泣き顔を見て岩淵のチンコにまたずぐんと血液が送られる。


「ひぐっ……やめ……おねが……」

「ん~……まだいけるか……?」


 ぐりぐりと健太の腰を動かしながら岩淵はその巨砲をナカへと押し進める。裂ける激痛と身体の中を巨大な異物が満たしていく感覚に健太の精神は何度も飛びそうになる。やっと全体の半分が入ろうというところで、ごぽっと健太が血を吐いた。巨大な肉棒でナカをかき回されて、健太の内臓はもうズタズタだったのだ。それを見て結構優しく扱ったのにな、と岩淵は小さくため息をつく。


(は~……これももうダメだな……)


 コイビト探しって難しーな、と岩淵は健太の腰を握りなおす。先ほどまでとは比較にならないパワーに健太はえづき、また血を口からほとばしらせる。先に肉体が限界に達した健太だが、ゆっくりじっくり焦らしながらチンコを押し進めていた岩淵も、もう限界だった。


「ごめんな! 今回はもう我慢できないから諦めて?」

「ひぁっ……!!」


 そういうと岩淵はその車すら軽く押しつぶせる腕力で、いともたやすく健太の体を押し下げた。ベギベギブチミヂと骨が砕け肉が裂け内臓が潰れ、健太は絶叫する間もなく気絶する。その薄い腹にはぼっこりと岩淵の亀頭の形が浮き上がっており、今にも皮膚を突き破らんばかりだ。岩淵は両手でズコズコと健太を上下させる。激しい動きに気絶した健太の頭はガクガクと揺れる。強烈なピストンでもはや内臓はミンチになっていた。激しく打ち付けられるたび健太の尻は皮膚が裂け肉が露出し、血と肉片が飛び散っていく。


「あ~~……イイ、ぜ……!!!」


 岩淵が腰を握る手に力がこもり、腰はあざどころか破れて血肉が見える。ドパン、ドパンといった音とともに健太の尻が潰れ骨盤が砕け、人間が原形をとどめなくなっていく。下敷きになっている車が断末魔のように甲高い音を上げる。


「っ………クッ!!!」


 岩淵は健太を根元まで深く突き刺すと、大きな両手でぎゅっと健太を絞めつけた。胴体がぐちゅりと潰れながらもチンコを刺激し、ブシュッッ!!! ブシュッッ!!! ととんでもない勢いの射精が健太の中で暴れまわり、ぐちゃぐちゃの体内を満たしていく。健太の腹はボコっと膨れ上がり、行き場のない精液は血と混じりながら口や鼻からあふれ出ていた。たっぷりと余韻に浸りながら岩淵は大きく息を吐く。


「……ふーー……」


 すでに肉袋と化した男から、岩淵は自身のチンコを抜く。引っ掛かったカリがずぽっと抜けた瞬間、どばどばどばと赤と白が混じったものが穴だった場所から溢れだす。岩淵はそれをその辺に投げ捨てて立ち上がり、ぐっと伸びをする。


「あ~~……コイビト探しって難しーな……」


 先輩がうらやましくて探し始めたコイビトだが、もう何人も我慢できずに壊してしまっている。規格外のガタイとパワーとチンコを持ち、なのに朝霜と違い手加減しないから当然といえば当然である。だが特に岩淵は落ち込む様子を見せなかった。近くにあった川で返り血と精液を洗い流すと、惨状に戻って脱ぎ捨てていた服をパンツから履く。と、その時上から声がして岩淵は上を向いた。


「えっ、車落ちてね?」

「てか血だらけじゃん」

「あっ、でも人がいる!」


 転落防止用の柵から乗り出して、崖下を覗いている男が二人。岩淵はニヤッと口角を上げると、ぐぐっと身体をしゃがみこませて勢いよく地面を蹴る。大地にクレーターを作りながら飛び上がった岩淵はあっという間に覗き込んでいる二人を飛び越え、駐車場のアスファルトを砕きながら着地した。ドガン! という音に振り返る二人は、どちらも若い男だった。ずし、ずし、と近づく、青いボクサーパンツだけを履いた、クマよりもでかい大男に、二人は逃げることもできずにへたり込んでしまう。岩淵の巨大な足が二人の足元で止まり、二人は涙目で岩淵を見上げる。逆光気味の中、水か汗か雫を垂らし、既にパンツの中のものを膨張させている鼻息荒い岩淵は二人を見下ろして――


「えへへ、お兄サンたち……めっちゃ可愛いスね!」


 岩淵の「コイビト探し」は、続く。





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