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以前Plusプラン以上の方限定でやった「1130(いい竿の日)小説お題アンケート」でもらったお題で書いたお話です。







「こちらお部屋のカギになります」


 ホテルのフロントスタッフが木製のカウンターの上にルームキーを差し出す。金属製の鍵一つにオレンジ色の透明な四角柱がくっついていて、その一面には「503」と彫られている。そのルームキーを、オレンジのキーホルダーが見えなくなるほどでかい手が覆い、掴んだ。


「どうも」


 チャリ、と音を鳴らしながらキーを掴んだ拳は、そのまま鍵など握りつぶしてしまえそうな屈強で、そこから続く腕も筋肉が隆々としており、着ているポロシャツの袖をぴちぴちに引き延ばしている。腕だけではない。その先にある肩は布地の上からでもわかるぐらいにまるっと膨らんでいて、広い肩幅のせいで袖はずいぶん短くなっている。何より目立つのは相対するスタッフの目の前にばんっと広がる大胸筋で、ボタンを開けてもなおきついのか布地をいっぱいに引き伸ばしており、胸の下にはくっきりと影ができている。太い首に連なる頭は男性の平均的な身長より頭一つ分上にあり、スタッフはそれを見上げて何とか笑みを浮かべるも、驚きと動揺が隠しきれない。それを察してか男はその男性スタッフを見下ろすとにやっと口角を上げ、フロントの向かいにあるエレベーターへと歩き出した。





「……っと」


 少し低い位置にあるノブを回してドアを押し開け、栄一は屈みながら503号室の中に入った。薄暗い部屋の中から手探りでライトのスイッチを探して廊下の照明をつける。狭い廊下に肩をぶつけながら廊下の先へと進む。格安ホテルより少し値段の高いダブルの部屋だが、縦にも横にもでかい栄一には多少ましな程度だ。ボストンを床に置くと、栄一はぐっと伸びをした。筋肉がゴリゴリとついた肉体が押し合うように盛り上がり、引っ張りに耐え切れないポロシャツからプチプチと繊維がちぎれる音がする。息を吸って膨らんだ胸は布地を押し上げ、今にも真ん中から裂けそうなほど引き延ばしている。幸いにも栄一が大きく息を吐いたことでシャツは千切れることはなかったが、頻繁に繊維がちぎれる音が響くそのシャツの寿命が長くないことは栄一もよく知っている。そして栄一にとってそれは喜びでもあった。


「んー……またでかくなったかな……」


 栄一は右手で反対の腕をさする。軽く曲げた左腕に盛り上がる力こぶは栄一の大きな手でも覆いきれないほどでかい。栄一は子供の頃から大きかった。小六の時点で身長は180㎝を越え、中学の時には先生を含めても学校で一番大きくなった。高校から始めたラグビーをきっかけに筋トレに目覚めて、今ではジムで体を鍛えぬく日々。身長は193㎝、体重は110㎏を超える巨漢だ。栄一は左腕にした腕時計を見る。無骨な時計はもうすぐ午後4時を指し示そうとしている。


「とりあえず風呂でも入るか……」


 栄一は入口横にあるユニットバスのドアを開けると、かがみこんで中に入る。股間より下の洗面台とこの値段にしては広めのバスタブがあるが、栄一はそれらには目もくれず、藤製の籠にかけられていたタオルとバスタオルを掴んだ。栄一はホテルを取る時は必ず大浴場があるホテルを予約することにしている。栄一の巨体ではユニットバスは狭すぎるからだ。あとは持ってきたボストンバッグから着替えを持ち出し、ルームキーを手に取って栄一は大浴場へと向かった。



***



 「男」とかかれた暖簾を大きく屈んで潜ると、まだ早い時間なのに多くのスリッパが乱雑に散らばっている。それなりに混んでいることを悟って栄一の気分は少し高揚する。栄一はホテルに入った時から履きっぱなしのスニーカーを脱ぐ。部屋に備え付けのスリッパはあったが、31㎝ある栄一の足は市販のスリッパにはおさまらない。ルームウェアも同じ理由で部屋に置きっぱなしだ。脱衣所はそこそこ広く、壁の二面にそって脱衣籠の置かれた棚が設置され、二人ほどがその前で服を脱いでいるところだった。そのうちの二十代のサラリーマン風の男が人の気配に気づいて振り返り、大男である栄一を見て目を剥く。栄一はそんな視線を心地よく受けながら、その男から一つ籠をとばした箇所に陣取った。隣からのちらちらとした視線に気づかないふりをしながら、一番上の籠に手をかけてスマホやなんやらを適当に放り込む。栄一は太い腕をクロスさせてポロシャツの裾を掴み、ゆっくりと引き上げていく。まずあらわになるのは無駄な贅肉など一切ない締まった腰だ。腹筋は横からでも凹凸が見えるほど一つ一つが盛り上がっており、女性の指ぐらいなら飲み込んでしまえそうなほどの溝を作っている。みぞおちまで裾を引き上げると、巨大な大胸筋と広背筋にポロシャツが引っ掛かる。ポロシャツを破かないようになんとかポロシャツを脱いだ栄一の体はすさまじかった。


「すげぇ……」


 もはやちら見の体裁すらとれていない隣の男が無意識に声を漏らす。ぱんぱんに張り詰めた大胸筋にグレープフルーツでも入っているかのようなでかい肩。発達した広背筋のおかげで閉じれない腕はその男の太腿ぐらいありそうな太さで、呼吸に合わせて波打つ腹筋はもはや恐怖さえ感じさせる。横の男の視線を存分に浴びながらかごにポロシャツを突っ込んだ栄一は、そのままジーンズに手をかける。カチャカチャとベルトを外して、ジーンズとパンツをまとめて一気に引き下げた。


「……」


 隣の男の息が止まる。重々しく現れた栄一のモノは、とんでもない大きさだった。まだ勃ってもいないのに、平均的な男の勃起サイズを超えている。栄一がジーンズから片方ずつ脚を抜くたびに栄一のモノはゆっさゆっさと大きく揺れる。当然のごとくズル剥けなそれは太い血管を張り巡らせた黒い竿を持ち、その先には大きく張り出したカリと亀頭がある。皮余りもなくまっすぐ垂れ下がり、大きな亀頭を持つそれは、ただでかいだけではなくまるで神が作ったかのように美しかった。


(はは……呆然と見てやがる)


 栄一は自身の股間を見やる男を横目に内心でにやける。このチンコは、その体と共に栄一の自慢だった。高校でも大学でも誰にも負けたことはなく、ズル剥けで形もお手本のように美しい。勃ちあがればまっすぐ天を向き、臍を超える長大さになるそれには、男も女も関係なく虜になった。ジーンズとパンツを籠に入れ、タオルを持った栄一が男を見下ろす。視線に気づいた男が栄一を見上げ、今気づいたかのように顔をそむけ、自らの股間をタオルで隠した。


(へへっ……そうだよな……)


 栄一はこの瞬間が大好きだった。ほかの男が自分のチンコを見て、圧倒され、息をのみ、そそくさと自分の貧相なモノを隠すその瞬間。それは栄一のことを自分より優れた雄だと認めたことに他ならない。その優越は栄一にとって病みつきになるような快感であり、それを味わうために大浴場のあるホテルを選んだといっても過言ではなかった。実際、栄一は銭湯や温泉にも足しげく通っている。


 逃げるように風呂に向かった男を栄一はゆっくりと目で追う。ずぐんとチンコに血液が集まる感覚に、息を大きく吐いて高揚を鎮める。タオルを肩にかけ、ぶらぶらとまだ柔らかい自分のブツを揺らしながら、栄一も風呂へと向かう。そして浴室のドアをゆっくりと開けた。


 








とりあえずいい竿の日こんな感じでした!!!本当はもう少し書きたかったので近いうちに続きを書きます……!!お題くださった方ありがとうございました!!今回使わなかったネタも続きや別の場所で使いたいな~と思っていますのでどうぞよろしくおねがいします。


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