Home Artists Posts Import Register

Content

なにかと話題のイラスト生成AIですが、最近、中国人のフォロワーさんが一枚の絵を私にTwitterで送ってくれました。


これは、読み込んだ画像をAIで変換するタイプのようですね。私の絵をAIに変換させてみたようです。サービスの詳細は分からないのですが、中国国内で展開しているSNSで提供されている機能の一つで、本来は人物写真を読み込んでイラスト風に変換するもののようです。


フォロワーさんがなぜこの絵を選んだのかはともかく、変換後の絵を見てみると、とても興味深いです。特に目や耳、輪郭の形などは自分の絵に取り入れても面白そうな感じがします。そのままだと解像度が低かったため、kakudaiACという高解像度化サイトで解像度を上げた上で色々と比較してみることにしました。

【AIが描いた絵と自分の絵を比べてみる】

【←左】目には、おそらくまつ毛であろうと思われるものが加筆されています。一方、猫耳の根本には毛が追加され動物の耳として認識しているようですが、猫耳の先のヒラヒラとした表現を見ると、一部はリボンとして認識されているように見えます。


【右→】顔の輪郭は、頬を膨らませたのか横幅(こめかみのあたり)を狭くしたのか分からなかったのですが、半透明にして重ねてみると横幅を少し狭めているようです。耳の位置がやや下がったのもその影響なのでしょうか。目の高さはあまり変わっていませんが、右目と左目の間の距離が少し遠くなっています。


【←左】重ねて比較するため半透明にしてみて分かったのですが、ケープのようなものを着ています。元絵とは異なる衣装デザインですが、これはこれで有りだなと思いました。また明度やコントラストを調整して詳しく見てみると、体の向きが正面から画面右方向に変わっています。


【右→】元絵の方には「考えすぎてオーバーヒートしてしまい頭から湯気が上っている」という意味合いがあるのですが、さすがにそのあたりの文脈は拾えていないようです。口を大きく開けているのもコメディ色を出すためのものなのですが、それも消えてしまっています。


結論としては、自分の絵とAIが描いた絵を比べて「これを自分の絵に取り入れたら面白いのでは?」という要素を拾って自分の絵に活かすのが良さそうだな、と思いました。「なぜAIがそのような描き方をしたか?」までAIが教えてくれればなお良いのですが…。


なお、今回のAI絵から目と輪郭線を取り出し素材化したので、今後はこれを使って絵を描いたり動画を作ったりできるわけです。素材ゲットだぜ!


ちなみにこれ、「自分の絵を自分以外の人がAIに変換させた絵を元に自分がトレースして一部を素材化する行為」となるわけですが(大変ややこしい)、著作権上どうなるんでしょうね。誰か教えて偉い人。

【イラスト生成AIに求めるもの】

さて、ここからはAIが描いた絵を実際に活用しようとしてみた中で思ったことなどを書いてみたいと思います。なお、ここで言うAIとは、あくまでも私が今回実際に触れた「読み込んだ画像をAIで変換するタイプのAI」のことです。「キーワード(呪文とも呼ばれるようですが)によってイラストを生成するタイプのAI」については、私自身が触れたことがないため、ここでは言及しません。


AIが描いた絵と自分の絵を比較していく中で、個人的にAIに欲しいなと思った機能は「AIがなぜそのように描いたかを教えてくれる」ことでした。「皆がそう描いているから」などというのは論外として、「構図をこうして、配置はこう、配色はこうするとモチーフがより引き立ちます(〇%アップ)」などと具体的に指摘し、参考となる技法などを併せて示してくれたら、と。


これが何を意味するかというと、私のような専門的なことを学んでいない人間でも「学術的な裏付け」を元に絵が描けるようになるということです。医療の分野では、カルテの記載や各種検査のデータなどを元に、推定される病気や関連する論文を提示し医師の判断をアシストしてくれる診断支援AIがあるそうですが、考え方としてはそれに近いです。さすがに美術を大学や専門学校などで体系的に学んできた人には敵わないとしても、それでも絵を描く環境は大きくレベルアップするのではないかと思います。


問題は、どうやって技法などをAIに学習させるか、でしょうか。素人考えですが、学習素材として絵そのものだけでなく「その絵がどの部分にどのような技法を用いて描かれているか」というデータが必要になるのかもしれません。それも、大量に。うーん、大変そう…


また、最終的にAIの助言を受け入れるかどうかは別の話です。ですが、AIがなぜその絵を描くに至ったかが分からなければ、受け入れるかどうかの検討もできないわけで、イラスト生成AIの今後に期待したいところです。


左はこれまでの描き方、右はAIが描いた絵を元に描き直したもの。デザインの引き出しが一つ増えてラッキーでした。

Files

Comments

No comments found for this post.