【雑記】AIイラスト考察【全体公開】 (Pixiv Fanbox)
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休日はお勉強の日にしようかなと思ってます。
ということで今回はAIイラストについて暇つぶしにpixivの作品の投稿数とか傾向、特徴だったり、今後の行く末について考察をしてみました。
わりと各AIでそれぞれ特徴があり、どういうものが苦手でどういうものが得意なのか自分なりに見えてきた部分があるので、今回はそれについて自分なりの推察とかも併せて書いていこうと思います。
【AIイラストの作品数】
まずはこの1ヶ月でAIイラストがどの程度増えてきているのか?というのを調べてみました。
調査方法は下記の通り
・作品につけられた有名な画像生成AIことNovelAI, StableDiffusionなどのタグで検索
・期間は10/3~10/22まで
・1日毎の作品数を記録
・併せてTwitterで話題になった出来事の日付も併記
※タグをつけてない作品も多いため正確な値ではないことに注意
グラフ化
画像生成AIやサービスはいくつかありますが、やはり10/3以降に登場したNovelAIが画像生成AIの中だと今は最も人気なようです。
【各画像生成AIの特徴と傾向】
画像の投稿数を調べていた時に各AIで特徴があることに気付いたので、自分なりにそのへんをまとめてみました。
・月額制、Webサイトでのサービスのためブラウザの機能で日本語化も可能。導入という意味ではStableDiffusionよりハードル低め
ただし、昨今の円安の情勢から値段が上がってきてる。(25$ ≒ 3750円)
・よくあるイラスト絵が中心
・R18が9割ぐらいの印象
・東方、艦これ、ウマ娘、初音ミク、アイマス などの有名どころの絵が多い
・胸派が多い。 下半身を強調するような絵があまり見られない。
・題材が古い。(鬼滅、SPY×FAMILY、スプラなど直近で話題になっている作品の二次創作などはほとんど見当たらない)
多分今一番よく使われているAIことNovelAI
イラスト絵が投稿できること、使うためのハードルが低いこともあり人気がある理由が伺えます。
自分が投稿をされていた作品を見てて気になったのは、R18の作品数の多さと題材の古さでしょうか
特に直近で話題になったような作品の絵が見当たりませんでした。
これはAIの学習データとして最近話題になったキャラクターの情報を持っていないことに起因するというのは、何度かAIのイラストについて分析している人が指摘していました。
しかしながら、少し前から話題になっていた鬼滅の刃やSPY×FAMILY、呪術廻戦のような作品の絵も1つも見当たらないのはさすがに違和感を覚えます。
こうなってくると題材としてその作品を描いている人がいないと考えるほうが自然に思えます。
自分の考察としてはNovelAIのR18絵を投稿しているメインユーザーはいわゆる平成世代。20代後半から40代ぐらいの昔からの作品しか見ていない男性が9割なんじゃないかと予想してます。
・無料で使用可能
・PCの要求スペックの高さ、インストール方法の難解さから環境構築が難しめ
・R18の生成が可能。
・イラストというよりかはアート、絵画という印象の絵が多い。
・R18の割合は減るが、リアル寄りなR18の絵を出力できるためロリ系などのガチ犯罪臭的なものがゴロゴロある。
無料で使えるAIことStableDiffusion
自分も家のパソコンに入れて何度か試してみたことはあります。
絵の特徴として本物の写真を取り入れているためかリアル寄りな絵を中心に出力するようです。
で、自分が思うこのAIの最大の特徴はリアルなR18が描けることですね
StableDiffusionタグはNovelAIよりはR18の作品数の投稿は少なめですが、その分リアル寄りな犯罪臭漂うヤバい絵が転がってます。
多分なんですけど、保持してたら捕まるんじゃないかってレベルのロリ画像とかがゴロゴロ転がってるので、性癖ガチ勢というか本物は間違いなくStableDiffusionに居ます。
あとは無料で使えるということもあってか、作品ごとの枚数が多く、面白いアイデアを持っている人がちょくちょくいるという印象です。
・Discordアカウントが必要。 英語。課金制。R18禁止。
・pixiv全体で見ても作品数は少ない
・StableDiffusionよりもさらにアート寄りな作風。
・抽象画や背景イラストが中心。ハイクオリティなものが多い。
・人物画が極端に少ない。
・どちらかというとリアルよりだが、ゲームとかのコンセプトアートに近い
・色使いが独特。(使っている人のセンス?) 幻想的な雰囲気の絵が多い。
・かなり前から公開されていること。課金制という観点から、すでに淘汰が進んでおりアーティスト気質の絵を投稿している人が多いように見受けられる。
→おそらくR18が描けないという制約から、多くがNovelAI, StabbleDiffusionに引っ越し済みと思われる。
AIアートガチ勢しかいない。
洋ゲーのコンセプトアートなどが好きな人には多分めっちゃ刺さる絵が多い。
食べ物系の絵は普通に美味しそう
MidjourneyはR18禁止の制約もあることから、生粋のアーティストしか残ってない印象です。
しかも使用するためにはお金もかかるため、なんちゃってアーティストも排除されてAIアートガチ勢しか残ってない印象を受けました。
もとのAIの性能もあってか、Midjourneyは作品数は少ないもののハイクオリティな絵が特に多い気がします。
あとは人物画がほぼ無いですね
すでに淘汰が進んでいることから、AIの苦手分野である人物画を避け、得意分野である背景画を伸ばしていくというフェーズにすでに入っているようです。
【AIイラストの共通点】
3つのAIイラストを見ていて共通点を見つけたので羅列していきます。
【1: 人物の描き方がほぼ同じ】
・人物を描く時、正面からの立ち絵 なおかつ 1人称視点の絵が多い。
・人物が画面に対して垂直に配置されている事が多い。
・人物が2人以上登場するような絵がほぼ出てこない
ほぼNovelAIの特徴と言っても過言ではないのですが、登場する人物がほぼほぼ、正面、1人称視点、垂直に配置されているという特徴を持っています。
初心者の絵にありがちな「人物を正面からの立ち絵で描く」というやつのハイクオリティ版を見せられているような印象を持ちました。
【2: 動きのある絵がほぼない】
・漫画を描いている人がいない
・セリフ付きの絵を描いてる人もいない
・動きのある作品を描く人がいない(うごイラ・漫画)
お話的な意味でも、イラスト的な意味でもとにかく動いている。という印象の絵が本当に少ない。
あまりに少ないので数えてみました。
投稿されている作品数のうち、漫画形式で投稿されている絵は1%もなく、なんならその1%の中で漫画の形をしているのは10あるかないか
いくつかの原因があると思われるのですが、一番大きいところは「絵を描く能力と話を作る能力は別物」ということでしょうか
お絵かきAIで絵を描くことはできますが、そのインプットたる人間の問題で、画像を生成する段階でそのキャラクターがどういう性格で、今何をしていて、どういう場面なのか?
というような5W1Hを深く考えずに生成していることに起因しているのではないかと推察しています。
漫画の場合はそこからさらに漫画的な表現などもあり、普通のイラストとはまた違った技術を要求されることにも原因がありそうな気がします。
【3: 手を描くのが苦手】
これはかなり色んな人が指摘していることですが、どのAIも手を描くことがかなり苦手な印象を受けます。
これは人物を描く絵師にとって結構致命的だったりします。
手で表現できる手段を使うことができなくなるからです。
手は絵の中でもかなり重要な意味を持っていて、手のみで会話できてしまうぐらいの情報の伝達量を持っています。(手話とか)
手の表現を使えないのは絵を描く人にとっては大きなハンデだと思います。
エロ絵師なら手コキや乳首責めが描けません。これは致命的です。
【4: 受動的な女性の絵、もしくは女性に一方的に何かをする絵が多い】
これもNovelAIに限った話になってしまうんですが、R18の絵が相当数あるわりに性行為を煽るような絵が多く、実際に性行為に至る絵がほぼほぼ見受けられません。
あっても騎乗位とか正常位とかその程度
これもいくつか原因がありそうなんですが、
まずAIが2人以上の登場人物がいる絵を描くのがおそらく苦手だということ
一人でも結構混ざったり溶けたりと複雑なことになりがちなので、2人以上の組み合わせとなるとかなり難しいのかも
あとは、画像作ってる人がそもそも性行為をどのように描いたらいいのか分からないのではないかという気がします。
性行為を煽る絵って世の中に沢山有るので煽り方は詳しく知ってるけれど、実際に性行為をしたことがないので、どうやって描いたらいいか分からないみたいな
NovelAIのメインユーザー層を想像するに、なんだかそういう人が物凄い多いような気がします。
【5: AIイラストの中でも個性がある人は目を引く】
AIイラストで描くと、皆似たような絵柄になっていしまいがちですが、そのなかでも目を引くような人の絵にはやはり癖というか個性があります。
あと探しながらビビったんですが、AI絵を描く人のなかに絵が上達してる人がいます。AI絵で上達って意味分かんないんですけど、マジでAIで描く絵が上手くなってる人がいます。
表現手段が増えて、自分の表現したいものを表現しに行くという姿勢がみえるというか
最初は立ち絵やありふれたR18の絵を描いていたのに、途中から自分の個性を出した絵を描き始めている人も何人か見受けられました。
【AIイラストの今後の予想】
で、ここまで調べていった結果として自分なりのAIイラストの今後についてお話すると、AIのイラストを描く人は無くなりはしないが、今後利用者は減っていく。かなと思いました。
理由1: 自分自身の限界が見えてくる。
普通に絵を描いていてもそうなんですが、絵を出力し続けてると絵が描けない。いわゆる限界が来ます。インプットが無い状態ですね
特にAI絵を描いてるとすぐに出力できる分、物凄い速度でインプットしていかないとすぐにネタ切れになると思います。
で、さらにいうと
→絵柄という個性を削った分、よりその人の内面性、センスが問われる。
→誰もわからない技術領域(プロンプト)を手探りで検証しないといけない。
→手探りで自分が求める絵を探し続けるのは相当しんどい
そもそも絵を描くという行為そのものが人間の生活には不要なので、こんなしんどい思いをしながら絵を描く必要性って…となって絵を描く理由がない人はやめていくと思います
理由2: 承認欲求を満たすのに向いてない。
ネットで調べれば分かるんですが、ハイクオリティなものを作るプロンプトはそこら中に落ちてます。
それゆえ、ハイクオリティな絵を作ってもさほど苦労感もなく、自分で作ったという実感のなさゆえ、いいねを貰ったときの満足感は手描きの絵よりもずっと低くなりがち…
しかも、みんなハイクオリティな絵を描けるので、目立つわけもなく…
という理由から承認欲求を目当てに使った人は降りていくかと思います。
あ、でも AIが描いたという情報を隠して投稿する承認欲求オバケな人は残ると思います。
理由3: 目的の利用用途として使えない。
例えばVtuberのファンアートとしてAIのイラストは権利的な問題から使えません。これは多くのVTuverがすでにTwitterなんかで宣伝していますね
FANZAやDL SiteなどもAIイラストの表記必須化などを進めてますし、Skebは使用禁止を打ち出しています。
こういった絵を使って何かをしようとした時に制限がかかることが多くあるため、そういった利用用途として使おうと考えていた人はAIイラストからは離れていくと思います。
理由4: お金がかかる
どのサービスも環境構築やサービスを利用するために初期費用なりかなりのお金がかかります。もちろん無料で使える部分もありますが、まともにAIで絵を描こうと思うと無料で使える部分は一瞬で溶けます。
Stable Diffusionはソフトは無料ですが、まともに動かそうと思ったら相当な性能のグラボが必要になります。
月額2000円~4000円を絵を描くために使う人がどれだけいるか?と考えた時に、
普通に絵を描くより金がかかる、趣味としてのコスパが悪いことを考えると、ここで降りていく人は少なからずいると思います。
理由5: ヘイトを集めやすい
これは黎明期ゆえの問題もあると思いますが、AIのイラストに関する話題で10月だけでも炎上案件が相当数あり、良くも悪くも注目を集めやすいです。
しかも、パクリ問題や不祥事なども重なったことでAIイラストそのものが現在かなり悪い立場にもあり、AI使って描いてるというだけで嫌う人も間違いなくいると思います。
自分が描くコンテンツ、SNSの立ち回り次第で炎上するリスクが常にあるAIイラストをリスクを承知で描くメリットがない人は降りていくかなと思います。
理由6 AIイラストを描いてもモテない
普通に絵描いててもモテるわけないんですけど、AIイラストの場合はことさら女性に嫌われるんじゃないかなって思います。
理由としてはまず、AIイラストが女性が絵に魅力を感じるポイントを持っていないことが挙げられます。女性にとって絵の画力、技術力というのはさほど重要ではありません。
どっちかというとAIが苦手としてるような絵の内容や人物の関係性に惹かれます。
テニプリとか刀剣乱舞とかの作品群を見てもらえば分かるんですが、人気順に並び替えると漫画とか人物同士のカップリング絵が人気の中心です。
そのため、AI絵で投稿されるような2人以上の人物が出ない。ストーリーがあまり感じられないような作品には興味を持ちません。この時点でプラス要素0です。
しかも、今のAIのイラストはR18が中心で女性の尊厳を凌辱するような絵ばかりなので、描いてる人を生理的に嫌ってる可能性のほうがよっぽど高いとすら思います。
【まとめ】
・AIは何でもできるように見えて実際の所、制限、制約によってできないことのほうが多い
・今は物珍しさからAIで描いてる人が目立つけれど、そのうち目立たなくなる。
・自分が好きなものがある人は、それを大事にして今まで通り表現する手段を模索していくといいと思う
・AIの絵が気になる人はAIが苦手とする分野について、自分ならどうするか?というのを考えてみるといいかも(例えば、登場人物の関係性、内面などに重きを置いてみると別の視点が得られるかも)
以上、自分がAIイラストについて調べていたことについての考察、推察でした。