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Skebより。


原作:月姫(MELTY BLOOD)

キャラ:アルクェイド・ブリュンスタッド

シチュ:電車で痴漢されたアルクェイドはトロトロに蕩かされホテルに連れ込まれる。

 ホテルで一旦は正気を取り戻すも高ぶった身体は彼に触れられると簡単に再燃してしまう。

 最後に残った一欠片の理性と志貴への罪悪感で生ハメだけは拒むも、ゴムありとはいえ痴漢と最後までしてしまう。

 それ以来、志貴に隠れて痴漢とセックスする仲になってしまったアルクェイド。

 ある日、アクシデントでコンドームをつける前の肉棒と膣口が触れ合ってしまう。怒り出すどころか挿れて欲しそうに腰を揺らすアルクェイドの様子を見て、男は何度も膣口に亀頭を擦りつけてくる。

 それでも拒まず、男から目を逸らし何が起きているか知らないふりするアルクェイドの意を汲んだ痴漢が、とうとう生ペニスを挿入してくる。


     1


 数百歳の吸血鬼だって現代社会で生きていれば電車くらい乗れるようになる。


 平日昼間。あまり混んでない時間帯の駅をホームに向かって歩きながら、アルクェイド・ブリュンスタッドは先日見たテレビ番組を思い出していた。ナビゲーター役の芸能人が電車を気分で途中下車し、その街の名物や名所を案内するというもの。


 テレビの取材なんて急に来られても迷惑だから、実際には裏で話が通っているのだろうと言うのは野暮。そういう体で放送しているのだから見る方も、そのつもりで楽しんでやるのがアルクェイド流だった。


 その番組に感化されたアルクェイドは、遠野志貴が学校に行ってる間の暇な時間を使い、ふらふらと駅に向かった。自分も気が向いた場所で途中下車する旅というやつをしてみたくなったのだ。


 ――と言っても志貴が学校から帰ってくる時間までには戻るつもりだから、精々が往復数時間程度の小旅行である。


 行き先は決めずホームに上って最初に来た電車へ乗り込んだ。車内は朝夕のラッシュ時に比べたら空いているが、そこそこ乗っているといった状況。座れない代わりに、立っていても不快じゃないだけの余裕がある空間だ。アルクェイドは車両の端に陣取り窓外を流れる景色に目をやる。一定の間隔で枕木を打つ音に耳を傾けつつ、車窓からの風景を楽しんだ。


 流れる風景の中に自分の知らない街を見つけては、そこで住民がどのような暮らしをしているか想像するのも旅の楽しみのひとつだ、と例の番組で言っていた。


 さっそく実践したわけだが、いざやってみると退屈だった。


(思ってたより退屈かも。志貴が隣りにいたらな)


 いつも傍にいるはずの存在が今日はいない。そんなことを寂しいと感じてしまうくらい、アルクェイドの中で彼の存在は大きくなっていた。


 いなくなって初めてわかる大切さ……みたいなものは自分にはないと思っていたが、どうやらそうでもないらしい。


(一人でいるほうが慣れているはずなのに)


 アルクェイドは苦笑しつつ、でもそれも悪くないかと思った。


 一人きりだと感じることのできない何かを彼は与えてくれる。


(やっぱり早く帰ってこないかなぁ……志貴に会いたい)


 アルクェイドは窓の外を見つめながら、心の中で呟いた。


 背後に気配を感じたのはそのときだった。


 立つ場所を選べないというほどではない車内で、隣の車両から移ってきた男は迷わず金髪美女の後ろをとった。


 男は息を殺して獲物の様子を窺う獣のように身動きせず、ただ視線だけがじろじろとアルクェイドを観察していた。男の気配には明らかに下心を感じられる。


 男は大胆にも尻に掌を這わせてきた。彼の手はスカート越しにも分かるお尻の丸みに添えられている。電車が揺れるたび、偶然を装って指先が柔肉を撫でる。


 アルクェイドは痴漢というものを知らなかった。己の容姿が初対面の異性に性的興奮を与えるほど整っていることにも無頓着だった彼女である。それに引き寄せられる不埒な輩のことなど気にも留めていなかった。


 それでも馴れ馴れしく身体を触られれば嫌悪感は募る。


 男の手つきを不快に感じ、すぐにでも振り払おうとしたアルクェイドだったが、思い留まった。車内で暴れては痴漢男以外にも累が及ぶ。彼女個人としては知ったこっちゃない話だが、おそらく志貴は嫌がるだろう。


 事を大きくしてまた志貴に叱られるのは勘弁だ。


(次に電車が停まったら片付けようかしら)


 などと考えながら、アルクェイドは痴漢行為を黙認した。


 それを自分が受け入れられたとでも勘違いしたのか、男の手は徐々に大胆な動きを見せ始める。偶然を装い、ぽんぽん、すりすり触ってくるだけだったところから一転して、ねっとりとスカート越しに尻のなだらかな線を撫でてきた。


 指先を立てて、つつぅっと背筋をなぞるように愛撫してくる。


「ん……」


 ぞくりと、甘い刺激が走る。アルクェイドは軽く肩を震わせた。声を出したのはわざとではなく、本当に不意打ち気味に快感を与えられてしまったからだ。


 男は敏感な反応に満足したらしい。クスッと小さな笑い声が聞こえた。さらに大胆に手を動かし出す。ロングスカートの上から尻や太ももを我が物顔で触られた。


(気持ち悪い……)


 もう周囲の迷惑など知らない。ここで殺ってしまおうか。忍耐の限界を試すような不快感が込み上げてくる。


 アルクェイドが唇を噛んで耐え忍んでいる間も、男の責めは続く。尻肉の柔らかさを堪能していた手がスカートのサイドジッパーを下ろし、中に潜り込んできた。


 姫君の御御足を包むストッキングの上から下着のラインを確かめるように上下する。


 そのたびに、くすぐったさともどかしさの中間のような感覚がアルクェイドの神経を刺激した。


「ふ……ふふっ」


 漏れそうになる吐息を必死に抑える。その様子が男の嗜虐心に火をつけたらしい。痴漢男は大胆になった。前まで回り込んできた彼の指先が下着越しにクリトリスを突いた。目隠し越しの愛撫でありながら、あまりにも見事に、あまりにも的確に初対面の女の急所を暴くその手練は、この男が常習犯であることを物語っていた。


 アルクェイドは驚きに目を見開く。男に触れられた部分から全身を貫くピリリッとした快感電流が生じたからだ。大きな声が出そうになるのを慌てて堪える。


 まさか志貴以外の手で私がと動揺する女の内心などには一切関心を向けず、痴漢男はさらなる攻勢に出た。アルクェイドの股間に伸ばした指先で、ぐにゅり、と淫核を摘まんだのだ。瞬間、アルクェイドの視界が真っ白に染まる。


 脳髄まで貫かれたかのような衝撃に、膝から力が抜けそうになった。危うく倒れかけたところを痴漢男に支えられる。


「大丈夫ですか?」


 心配そうな声で痴漢男は言った。


 アルクェイドは震える足腰に力を込めてどうにか立ち続ける。そんな彼女の耳元に口を寄せ、痴漢男は囁いた。


「とても感じやすい身体なんですね。もっと気持ちよくなりたいでしょう? 私に任せてください。今よりもずっと良くしてあげますよ」


 女体を操作し慣れた男にとってブラインドタッチは何のハンデにもならないらしい。寸分の狂いもなくクリトリスを転がしてくる。


「あっ……やめ……て……ふぁ!」


 アルクェイドは快楽に抗おうとしてできなかった。男の巧みな愛撫によって、意思とは関係なく肉体が反応してしまう。


 痴漢の言うとおり、アルクェイドは自分で思っている以上に敏感だった。ほんの少しの接触だけで、彼女の芯は熱を帯びて潤みだす。


「こんなに濡らしちゃって。いけない人だ。お仕置きが必要かな」


「そ、そんなこと、しなくていいから、離しなさい……ひゃう!」


 男は、ますます大胆になってきた。ショーツ越しに割れ目をなぞられ、思わず悲鳴を上げる。


「駄目ですよ。そんなことを言っても。ほら、クリトリスだって勃起して、こんなにコリコリし始めてるじゃないですか。本当は期待してるんでしょ?」


「ふざけないで! 誰があなたなんかに……きゃう?」


「素直になりましょう。ね。そうしたほうが楽になれますから。そうすればもっともっと気持ちよくなりますよ。我慢なんてしないで、欲望のままに乱れてごらんなさい。さぁ、どうして欲しいんですか?」


「や、やめて……っ、触らないでっ、あんっ、んっ……んあッ!」


 声を押し殺しながら交わされる会話。痴漢との語らいを楽しんではない。それでも一定のテンポで繰り返される反復運動は人を|催眠状態《トランス》に誘う。催眠術師が光や音の繰り返しを導入に使うようなもの。


 電車の場合は枕木を打つガタタン、ガタタンという音や振動の繰り返しもある。単調なリズムは乗客の意識を揺さぶり、いつしか心に入り込んでくる。


 アルクェイドも例外ではなかった。


 男の指先が動くたび、痺れるような快感が脊髄を駆け上る。思考が蕩けていく。理性が薄れる。抵抗の意思が消え失せる。


(だめ……このままじゃ、わたし……)


「どうです。気持ちいいでしょ。正直に言っちゃいなさい。気持ちいいって」


 痴漢男は執拗に、それでいて優しく、アルクェイドの身体を弄ぶ。


 彼の手は女を甘やかすことに長けていた。自分で触ってもこうはいかないだろうというくらい、好いところばかり触ってくる。痴漢男に触れられて初めてそこも私の性感帯だったんだと発見するポイントがあった。


 アルクェイドが夢中になり始めていると、痴漢の手は下着の裾から中に入ってきた。


 直に秘部を触られる感触で正気を取り戻したが、あっと驚くまもなくクリトリスを摘まれ、キューンと切ない疼きが子宮を直撃した。


「んん~ッ!」


「おやおや、もうイキそうになってるんですか。仕方のない方だ。まだこれからだというのに」


「……はぁ……はぁ……はっ! わ、私は、何を……んぅ……ッ」


 アルクェイドは自分が絶頂寸前まで高ぶっていたことにようやく気づいた。


(な、なに、これ……?)


 今まで味わったことのない強烈な快感。志貴に抱かれるときでさえ、これほどの悦びを得たことはない。これが痴漢男の技術によるものなのか、それとも自分はもともとこういう体質だったのか。


(どっちにしろ……)


 アルクェイドは悔しさに唇を噛む。


(こいつの思い通りになるのは嫌……)


 心中で気合を入れ直す。耐えてみせる。次の駅まで我慢したら痴漢を電車から引きずり下ろし、きっちり制裁を加えてやるのだ。


「ふぅ……ふぅ……ふぅ……んぅ……んんっ!」


「頑張ってくださいね。応援してますよ」


 男は小馬鹿にしたように笑いながら、さらに激しく指先を動かした。


 痴漢の指が無遠慮に肉穴を襲う。いきなり二本も捩じ込んできたが、濡れた媚粘膜はあっさりと侵入者を受け入れた。


「ふぁっ、んんんっ!」


 アルクェイドはたまらず声を漏らした。


「すごい締め付けだ。食い千切られてしまいそうですよ」


「く……う……やめ……て……あっ、ああぁぁぁッ!」


「もうイキそうなんですか? 早いなぁ。でも、もうちょっとだけ我慢してください。私も気持ちよくなりたいんですよ。それまではイカせてあげません」


 男は残酷に告げると、穴の中で二本指を動かし始めた。バラバラにして膣内を掻き混ぜたり、揃えてクリトリスの裏側を押したり、叩いたり。かと思うと、奥まで差し入れてピストン運動を始めたり。


 とにかく多彩な攻め方で慣れや飽きが起きないようにしてくる。


「う……うぅ……く……ふ……くふ……くふふ……ふふっ」


 これが恋人や夫婦、そうでなくとも女の側から望んだ行為なら男の配慮やテクニックは喜ばしいものだったが、卑劣な行為に耐えねばならない身には拷問でしかない。


 アルクェイドは必死に唇を噛んで抵抗した。快感が背筋を走り抜けるたび、ビクン、ビクンと腰が跳ねそうになる。


「こ、この程度……何よ……こんなの全然大したこと、くふ……ないんだから……っ!」


「頑張りますね。では、こういうのはどうでしょう?」


 男は左手をアルクェイドの股間から引き抜くと、今度は股間を押し付けてきた。彼の欲望は衣類越しでも形がくっきり分かるくらい硬くなっていた。


 それが双臀の割れ目にぐりぐりと押し付けられる。痴漢の硬い先端が谷間を駆け抜け尾てい骨までスライドしてくる。その動きにアルクェイドは身震いして悶えた。


「い、いや……そ、そんなとこに、擦りつけないで……ひうっ」


 首筋に感じる男の吐息が熱い。アルクェイドの性器も、そして脳も負けずに煮え立ちそうだった。


「こんなことで驚いてたらいけませんよ」


 そう言って痴漢男は大胆にもロングスカートを捲くり上げてくる。まさかそこまでされるとは思っておらず、反射的に太ももを閉じるが、すぐに男の手に阻まれてしまう。


「綺麗なお尻ですね。それに、とっても美味しそうです」


 痴漢はうっとりと囁くように言った。


「じっくり楽しみたいんですが、正直あなたほど魅力的な女性を相手にしたことがないので、どこまで我慢できるか自信がありません」


 男の右手が尻肉を揉みしだいてくる。むっちりとした豊満な尻を手のひら一杯に味わい、撫で回す。


 ジジジっと背後で音がした。何の音だと訝しんでると両足の間に硬い棒状のモノが差し込まれた。まさか、そこまで。アルクェイドは痴漢が始まってから驚かされっぱなしだが、今度こそ驚愕にただでさえ大きな目を眼球がこぼれるほど見開いた。


「ああ、いいですねその表情。最高ですよ。もっと見せなさい」


 男が腰を前後に動かす。その摩擦は膣口への刺激となり、彼女の身体をさらに昂ぶらせた。愛液が溢れ出し下着を濡らし、内股を滴っていく。


「ん、くっ……うぅぅ……!」


 それでも歯を喰い縛って耐えるアルクェイドだったが、次第に身体から力が抜けていくのが分かった。


 最初は己自身の長大さを見せつけるようにゆっくり、緩慢なストロークで動いていた男は、次第にピッチを上げてくる。


 固く尖った亀頭の先端が秘所の割れ目を何度も何度もなぞってくる。それだけでも快感なのに、男は己の肉棒とアルクェイドのクリトリスをチャンバラでもさせるように擦り合わせてくる。


 だが雌を犯すための器官と雄に犯していただくための器官とが、まともな勝負になるはずもない。勃起しても豆粒大にしかならないクリトリスは、先走り液にまみれた凶悪な男性器の餌食となり、あっという間に制圧されてしまう。


 ずにゅっ! ちゅぅっ! と水音を立てて押し潰されるたびに、電流のような快感が脊髄を駆け上がり、目の前が真っ白に染まる。もはや抗う意志さえ持てなかった。ただ一方的に快楽を与え続けられるだけの時間が流れていく。


「次は~■■■、■■■、お出口は右側です」


 待ちに待った停車駅を報せるアナウンスが流れても、アルクェイドは力づくで男を止めようとはしなかった。そんな余裕もなかったというほうが正しい。


「次の駅で降りますよ」


 男が耳元で告げてくる。どうやら電車が停まるのを待っていたのは自分だけじゃなかったらしいとアルクェイドは気がついた。


 彼女は他の乗客に迷惑を掛けず痴漢にだけ制裁を加えるために、痴漢は車内ではできない猥褻を彼女に働くために、それぞれ停車駅を待っていた。


「一度|射精《だ》させてもらいますよ」


「え?」


 聞き返す間もなく濡れた下着の向こうで痴漢のピストン運動が本格化した。


 ぐちゅっ、ぬちょっ、じゅぶっ、ぱんっぱんっ!


 卑猥な音が耳朶を打つたび子宮まで揺すられるようだ。再びサイドジッパーから侵入してきた男の指に肉芽を摘ままれる。容赦なく扱かれ抗えない快感にアルクェイドは全身を戦慄かせた。


「くああぁっ! ひぁあっ! あひぃぃっ!」


 今までとは比べ物にならないくらいの快感が襲ってきた。


 もはや男の動きはセックスだった。他の乗客にバレることなど一切気にしてない。なぜと周囲を見回してやっと気がついた。


 乗客たちは突如として日常に差し込まれた熱の入った性行為に釘付け。アルクェイド・ブリュンスタッドという絶世の美女が、公共の場で、素股で、あられもない嬌声を上げてる姿から目が離せないでいた。


(見られてる……)


 恥ずかしい姿を視姦されていることに気がつき、頬がカッと熱くなる。


(だめ……こんな姿……見られたくない……)


 羞恥心とは裏腹に、身体の芯はますます燃え上がった。


(なんで……どうして……)


 自分の肉体の変化に戸惑いながらも身体は素直に反応してしまう。下半身が燃えるように熱い。膣内が疼いてたまらない。自分でも気づかないうちに両脚を締め、太ももの内側と恥丘で男のモノを挟み込んでいた。そればかりか自ら腰を突き出す様は、相手の挿入を促しているようではないか。


(だめ……これじゃあ私……)


 完全に屈服しているみたいじゃないか。そう意識すると興奮は青天井に膨らんでいった。


 男を拒もうとする意思はあるのに肉体が言うことを聞いてくれない。まるで別の生き物になってしまったかのように勝手に腰が動いてしまう。


「|射精《だ》しますよ。まずはスカートの中に。続きは降りてから」


 痴漢の言葉にゾクッと背筋を震わせるアルクェイド。恐怖か期待か。彼女自身にも分からない。電車がホームに到着すると同時に、痴漢は勢いよく精液を解き放った。


 びゅるるっ! どぴゅうっ! どくっ! ごぷっ!


 白濁した液体がスカートの内側にぶちまけられた。たちまち濃厚なオスの青臭いにおいが周囲に立ち込める。


(わたし……まだ、イッてな……)


 絶頂の寸前で男に先を越されたと口惜しく思うアルクェイド。初対面の痴漢にイカせてもらいたかったなど不貞の極みだが、自覚してしまった本心を否定することもできず火照った身体の熱と共に持て余す。


「それでは行きましょうか」


 汚れた肉棒をスカートで拭った痴漢の手が肩に回る。ふりほどかなきゃ。頭で考えたことを身体が実行してくれない。


「あなたのスカートの中は私のザーメンまみれなんですから、そのままでは身体も流さないと気持ち悪いでしょう」


 そう言って男は強引に手を引いて歩き出した。


 男と二人、身体を洗える場所に行く。その意味を分かっていながらアルクェイドは彼について行った。




     2




 駅からほど近いラブホテルの一室。バスルームでシャワーを浴びていると、内ももに貼り付いた精液と一緒に、肉体を焦がす情欲もお湯に溶けて流れていった。


 こんなことをしていてはならない。志貴以外の男に抱かれるため身を清めるなど。


 二人きりになったならかえって好都合。あの痴漢男を叩き伏せて帰るのだ。何なら二度と陽の目が拝めないようにしてやってもいい。


 あれこれ考え反撃の意志を盛り上げたアルクェイド。しかし彼女の決意は男がバスルームに入ってくると霧散する。


「一緒に入りましょう」


 言うなり男が背後から抱きついてきた。背中に感じる逞しい胸板の感触に、心臓が早鐘のように脈打つ。


「ちょ、ちょっと……」


 慌てて振り払おうとするが、逆に手首を掴まれてしまう。男は反対側の手をお湯と一緒にアルクェイドの股間に滑り込ませてきた。


「やっ、やめ……んんっ!」


 敏感な割れ目を指先でなぞられ、たまらず声を漏らしてしまう。膝から力が抜けカクッと折れた。


 その隙を突いて男の指先が秘裂に侵入してきた。


「くぅぅっ!」


 膣孔に指の第一関節まで突っ込まれると、それだけで背筋が震えた。


「やっぱりあなたは濡れやすい体質なんですね」


 男は嬉しそうに言うと、指を根本まで埋めてきた。


「ああっ!」


「こんなに簡単に飲み込んでしまって。そんなに欲しかったんですか?」


「そ、そんなこと……あるわけ……ないでしょ」


 耳元で囁かれると抵抗できない。電車の中でも感じていたことだが彼は声がいい。セックスの巧さはもちろんのことだが、この声が聴覚から入り込んで女の脳を侵す。


 異能の力は感じない。ただ単純に声がいい、その一点だけで最強の真祖であるはずのアルクェイドは、他の女たちと変わらない扱いを受けてしまう。


 まさに天が捕食者に与えし唯一無二の才能だった。


「でも、ここは私の指が欲しくて堪らないみたいですよ」


 言いながら男は膣内を掻き回してくる。


 じゅぶっ! ぐちゅっ! ちゅぷぅ!


「んあっ! あふっ! ふあぁっ!」


 彼の言葉通り、肉ヒダは指に絡みつき愛液を滴らせていた。いやらしくヒクつく肉ビラを擦られるたび甘い痺れが走る。


 この状態で悦んでないと言って誰が信じようか。


 クリトリスの裏側を撫でられたときなどは、早くも達してしまいそうになったほどだ。


「んふぅっ! くっ……うぅん……!」


 唇を噛み締め必死で耐えるものの、どうしても声が漏れてしまう。


「我慢しないでいいですよ」


 耳をくすぐる男の声はまるで媚薬。ただでさえ敏感になっている身体に染み渡り、さらなる高みへと押し上げていく。


 やがて下腹部の奥から熱い塊が込み上げてきて、それは瞬く間に全身に広がった。


「あはぁっ! イくっ! イクッ! イっちゃうぅぅぅ!」


 電車で絶頂寸前まで押し上げられるもイカせてもらえなかった身体は、あっさりとその|瞬間《とき》を迎えた。ガクガクと腰を震わせながらアルクェイドは悦楽に呑み込まれる。


「すごいイキっぷりですね。まさかこんな簡単にイッてくれるとは思いませんでしたよ」


 男が何か言っているが頭に入ってこない。絶頂の余韻に浸りながら肩で息をしていると、男の腕が乳房に伸びてくる。


「あんっ!」


 不意打ち気味の愛撫に甘い声が漏れた。男はアルクェイドの豊かな胸を揉みほぐしながら首筋に舌を這わせてくる。


「ふぁ……あ……ああ……」


 まるで骨抜きにされてしまったように全身の力が抜ける。立っていることさえままならず背後の男に体重を預ける形になってしまう。


 それでも男の責め手は緩まない。


 今度は両手で両乳首を摘み上げてくる。ぎゅぅっと捻り上げられると、それだけで乳首の先っぽから耐え難い大きさの快感が駆け抜けた。


 さらに強く引っ張られるともう堪らない。


「ひぁぁんっ!」


 痛み混じりの快感が胸の先端から子宮へ、そして全身へと広がっていく。


 乳首を責められながらアルクェイドは鏡越しに背後の男と目を合わせた。


 男の見た目は普通の男性だった。都市部なら掃いて捨てるほどいる、景色に溶け込んで見た人の記憶に残らない容貌。


 年の頃はいくつだろう。悠久の時を過ごしてきたアルクェイドにとって人間の年齢など誤差でしかないが、人間基準で考えれば志貴と同年代の子供がいても不思議ではないように見える。


 きっと彼の印象を尋ねられた人間は、十中八九『良き家庭人』『真面目で実直そう』『優しそうな上司』などと答えるだろう。


 そんなイメージとは裏腹に、彼の瞳は獣欲でぎらついていた。極上の獲物を前にした痴漢男の瞳は志貴よりも雄を感じさせた。


 彼と視線が絡んだ。その瞬間、ぞくりと背筋が震えるほどの興奮が襲ってきた。理由は分からない。分からないが、とにかく今、自分はこの男との性交を求めている。その証拠に両脚の付け根からはとめどなく愛液が溢れ出し、太ももを伝い落ちている。


(私……どうして……)


 戸惑いながらも身体は男を求めて止まなかった。気づけば両脚を大きく開き、腰を後ろに突き出していた。まるで犯してくださいと言わんばかりに。


「挿れて欲しいですか?」


 耳元で囁かれ、ぶるっと全身が震えた。理性が警鐘を鳴らす。


(いけない……こんなこと……早く止めさせないと……)


 だが心とは裏腹に、肉体は欲望に支配されつつあった。無意識のうちに腰が動いてしまう。挿入を催促するかのようにくいくいとお尻を振ると、それに気づいたのか、痴漢の指が再び秘裂に滑り込んできた。


 すでに洪水のような有様になった秘裂に中指と薬指を同時に潜り込ませてくる。


「あはぁぁっ! くひぃぃっ! くぁあぁぁっ!」


 膣内を穿られ掻き回されると、たまらず嬌声を漏らしてしまった。二本の指が縦横無尽に動き回るたび、脳天まで突き抜けるような衝撃が走る。アルクェイドは完全に快楽の虜になっていた。


「こっちも気持ちよくしてあげます」


 言いながら男はクリトリスを摘んできた。


「ひゃあぁっ!」


 あまりの快感に背中が大きく仰け反る。同時に膣内が激しく収縮し、指を強く締め付けた。


「イキそうですか? またイキたいならちゃんと口に出して言ってください」


 興奮で掠れた声に背筋がゾクゾクッと震えてしまう。


「……だ……だめ……そんなこと……」


「強情ですね。でもそういうところが嬲り甲斐ありますよ」


「んんっ!」


 言葉と共にうなじを甘噛みされる。そのまま唇を押し当てられ、舌でチロチロと舐め上げられれば、もうダメだった。


 身体の内側から込み上げてくる感覚に屈服してしまう。もはや自分が何を言おうとしているのかすら定かでない。ただ、これ以上は我慢できないことだけが分かった。


「イカせ、て……イカせ……て……おね……がい……んぁ……はぁ……ぁ……イキ……たい……」


 羞恥で死にそうだ。けれど今は羞恥心すらも快感となって身の内を焼き尽くす。


 プライドも理性もかなぐり捨てて、アルクェイドは懇願するしかなかった。


「……分かりました」


 息も絶え絶えに吐き出された答えを聞いて、痴漢は満足げな表情を浮かべた。彼は指の動きを速め、トドメとばかりにアルクェイドの膣内を激しく掻き回す。


 ぐちゅっ、ぶちゅぅっ、ぬちょっ、にゅちゃあぁぁぁぁぁっ!


 いやらしい音が浴室に響いた。同時に全身を強烈な快感が駆け巡る。アルクェイドは背筋を反らせ浴室の天井に向かって叫んだ。


「イっくぅうぅぅぅっっ!」


 秘裂からプシャアァッ! と潮が吹き出した。まるで失禁したようにタイルの上に水溜りを作るそれは、凄まじい勢いで湯気を上げている。


 びくっ、びくっと身体を引き攣らせながら、アルクェイドは何度も絶頂を極める。ようやく余韻から解放されるころには全身から力が抜け、自力では立っていられなくなってしまった。


 しかし男は容赦しない。


「まだ終わりじゃありませんよ」


 そう言ってアルクェイドにバスタブの縁を掴ませると、目一杯に突き出させた臀部の割れ目に顔を埋め、すっかり蕩けきった秘所に舌を押し付けてきた。


「んあぁあぁぁぁっっ!」


 膣孔を舐めしゃぶられる感触に思わず悲鳴を上げてしまう。舌先で膣ヒダをなぞられるとそれだけで気が遠くなるほど気持ちいい。


 生暖かい軟体動物のようなものが体内で暴れ回っている。おぞましい感覚は間違いなく嫌悪感を伴うはずなのに、今のアルクェイドには快楽しかなかった。


「ちゅぱ……ちゅぷぅ……ちゅっちゅっ……れろぉ……じゅぷぅ……じゅぷぅ……」


 卑猥な水音が耳朶を打つたびに膣孔がきゅっと窄まる。肉ビラを舐められるのが堪らない。


 男の舌が膣内で肉壁を掻き出すように蠢き始めた。


 ざらついた感触が敏感な粘膜を刺激するたび、悪寒にも似た感覚が背中を走り抜ける。


「あはぁっ、んひぃっ! はああぁっ! いやっ……あっ、や、やめっ! うああぁっ!」


 拒絶の言葉は半ば悲鳴に近い。このまま気持ちよくされ続けたら、頭がどうにかなってしまう恐怖が吐き出させた。


 強すぎる刺激に耐え切れず逃げようとしても無駄だった。がっしりと腰を掴まれ身動きさえままならない。


 男の愛撫は激しさを増す一方。肉穴全体を丹念にしゃぶりつくす様はまるで巨大なナメクジを思わせる。何らかの執念さえ感じさせる執拗な愛撫で、アルクェイドは降りてきたばかりの山を再び強制的に登らされる。


「もっと奥まで舐めてあげる。気持ちよくなりたかったら脚を開きなさい」


 命令口調の彼に逆らえない。


 アルクェイドはゆっくりと脚を開いていく。まるで催眠術にでもかかったかのように男の言うことに従ってしまう。男が満足そうに頷いたのを視界の端で捉え、アルクェイドは自分の肉体が支配されていくのを感じていた。


(こんなの嫌なのに、嫌なはずなのに、どうして言うことを聞いてしまうの?)


 思考回路は既に麻痺していた。自分の肉体が自分ではない何者かに乗っ取られている感覚は初めてだった。


 彼女の身体はとうに発情している。その状態で快楽を与えられてしまえば抗うことはできない。心では抗おうと思っていても肉体は受け入れてしまっている。


 だからアルクェイドは彼の命令通り秘所を晒すしかなかった。


「くふうぅんっ……!」


 舌先が膣洞の深い場所まで入ってくる。ぬめった肉を根本まで埋め込んだ男は、その場所で小刻みにピストン運動を始めた。柔らかな媚肉を巻き込みながら舌を前後に動かす。


 唾液と愛液にまみれた陰唇はテラテラと妖しく輝き、男の情欲を誘う。


 股間に顔を埋めた痴漢男は夢中になってむしゃぶりついている。彼とてアルクェイドほどの美女を自分の舌技でイカせることに興奮を覚えぬはずがないのだ。


「あんっ……くふぅ……んっ……んんっ……ふぁぁっ……はぁんっ……」


 絶え間なく襲い来る快感に膝が震える。立っていること事態が辛い。


 ついに彼女はバスルームの床に膝と額をつけ、土下座でもするかのようなポーズで尻だけ突き出した。みっともない格好でアソコを舐めてもらうことは、泣きたくなるほど恥ずかしくて悔しくて、甘美な体験だった。


 男にはそれが分かるのだろう。


「いい格好ですね」と言って嘲ってくる。


 悔しいけど言い返せない。アルクェイドはもう、この男が与えてくれる悦楽に心を奪われていた。


 秘裂から滴る愛蜜を啜りながら、男は人差し指と中指を膣孔に挿し入れてくる。膣内を搔き回しながら同時にクリトリスを扱かれると恥も外聞もない。


「んあぁっ! あひっ、くひぃぃっ!」


 ケダモノ声で悦び泣き叫び、自ら彼の指と舌でイカせてもらうことを乞い願った。


「そ、そこぉっ! 弱いところだからぁ……もっとぉ……ひぁああぁっ!」


 快楽を求めて腰を振り、もっともっとと尻を突き出してしまう自分が信じられなかった。


(なんで……こんな簡単に、イッちゃうなんて!)


 男の指がGスポットを抉るように押し込んできた。指の動きには一切の迷いがない。彼女が一番感じるポイントを正確に把握している動きだ。


 ぐりぃっ、ごりぃっ、ぐりゅぅっ、こしゅりっ、くりっくりっと執拗に攻め立てられて、あっという間にイカされてしまう。


「ああっ、イクッ、イックウゥッッ!」


 エクスタシーを迎えたアルクェイドは恍惚とした表情で涎を垂らした。ぐったりと脱力した身体は、男の指を食い締める蜜壺以外は弛緩しきっている。


(私……またイっちゃった……)


 この短時間にこれだけイカされたことはない。認め難いが認めぬ訳にいくまい。殊セックスに限ってだけ言えば、アルクェイドの身体は志貴との愛あるセックスより、男から受ける一方的な可愛がりに惹かれている。


「いつまでもこうしてたら風邪を引いてしまうよ。ベッドに行こうか」


 男の呼びかけに、アルクェイドは小さく頷いた。もう逆らう気力も残っていない。手を引かれるままに、性器を結合させるためのスペースへと導かれていく。


     3




 火照った身体をシーツの上に投げ出すと、彼の手がアルクェイドの秘所に触れてきた。ぴちゃりと音がしたかと思うと、ぬるぬるとした感触に擦られる。


「あはぁんっ!」


 どれだけ自分が濡らしてるか突きつけられて腰が跳ねてしまう。自分で思っていた以上に男を求め高ぶっているようだ。触れられてもない乳首まで痛いくらいに尖ってしまっている。


「たくさん濡れてるね?」


「うん……」


小さく頷くと、彼は優しく乳房を撫でてくれた。


「あぁ……はぁぁん……」


 手のひら全体で包み込むようにゆっくりと揉まれるとたまらない気分になる。


「ふぁっ! あぁん! ひゃうっ! んぁぁ!」


 膣孔を優しく、探るような手付きでほぐしながら、同時に乳房も愛撫される。指の間で乳首を転がされると声が上ずってしまう。硬く尖った先端を摘ままれると甘い電流が背筋を駆け抜けていくようだ。


 膣内への愛撫も怠らない。二本の指で掻き回されるたびに快感で頭が真っ白になってしまう。すっかりほぐれた膣内はとろとろの蜜でいっぱいになっている。


「もっ……じらさ……ない、で……むり、だから……がまんできない」


 このまま何も言わなければ彼は挿れてくれないかもしれない。そんな恐怖からアルクェイドはおねだりの言葉を口にしてしまう。


「……して……ほしい」


 消え入りそうな声をなんとか絞り出しながら懇願すると、男は無言で正常位の体勢に入る。そして既に準備万端な肉棒を突きつけてきた。はちきれんばかりに怒張したそれは、挿入すれば間違いなく果てるまで放してくれないに違いない。


 アルクェイドにはこれから数時間後までの自分の姿がはっきり見えた。彼のモノで何度も抱いてもらって、か弱い女のように啼きながら男が満足するまでやめてもらえないのだ。


 しかし今の彼女にはそれを拒むことなどできなかった。それどころか早く犯されたくて仕方ないくらいだ。


 それでも彼女の中に残った一欠片の理性と志貴への罪悪感が、最後の一線だけは守りたがる。


「あれ、つけて」


 目線だけでベッドサイドのコンドームを指し示すと、意外にも彼は素直に従った。この状況では彼も我慢がきかないのだろう。押し問答する時間も惜しんで避妊具に手を伸ばす。


 アルクェイドとしては、彼との性行為を拒否する最後の分かれ道を逃した格好だ。ここで彼がコンドームを拒否していたら、それを理由に叩き伏せてしまえたのに。


 避妊具をつけた彼が覆いかぶさってきた。熱い切っ先が割れ目に触れると期待感で胸がいっぱいになり、自然と息が荒くなる。


「あ、あっ……きて……はやくぅ……!」


 淫欲の熱に浮かされてうわ言のように呟くと、一気に剛直を突き入れられた。


「あっあ゛っああああぁぁぁぁっっっ!」


 脳天まで貫かれたような衝撃とともに、快楽の大波が押し寄せてくる。焦らされきった身体が待ち望んだものを貪欲に咥え込み、膣全体が歓喜に打ち震えている。


 何度も絶頂を刻み込まれた末に与えられたご褒美。子宮口が痙攣しているのが分かる。結合部から愛液が溢れ、膣洞全体が別の生き物になったかのようにうねっていた。


(ああ、やっぱりすごい……こんなのはじめて……)


 肉竿を締め上げるたび圧倒的な存在感を感じることができる。


 今まで経験したセックスとは何もかもが違う、別次元とも言うべき悦楽だった。男は自分の|所有物《もの》にマーキングするかのようにぐりぐりと亀頭を押しつけてくる。それだけで軽く達してしまいそうなほど心地よかった。


(こんなの気持ち良すぎる……!)


 身体の芯を鷲掴みにされたような気分だった。肉体だけではなく心まで屈服させられていく。


「はぁぁぁっ! あひぃぃっ!」


 堪らず甲高い声を上げてしまうアルクェイド。その反応を見て男は満足したらしい。腰を動かしピストン運動を開始する。


 最初は小刻みに腰を揺すっていたが、徐々に大胆な動きへと変化させていく。こちらの弱点を探り当てようとするかのような動きで、的確に敏感なポイントを刺激してくる。


「んっ、くぅぅっ! あはぁぁっ、んぁっ、そこぉ……もっと奥のほう突いてぇ――ッ!」


 自分でも驚くような甘い声が漏れた。それがまた羞恥を煽り、興奮を高めてくれるのだから始末が悪い。


「ここかな?」


「んぁっ、ぁあぁぁっ、あぁぁっ! そこっ、そこ、いいぃ……もっとぉ、もっとしてぇ、んぁぁぁッ……!」


 初めて受け入れる男性であるにもかかわらず、アルクェイドの身体は一切の抵抗を見せない。むしろ膣洞全体を使って男を感じようとする。とっくに肉体は|理解《わか》らされていた。この人に可愛がってもらえば、かつてないほど女の悦びを感じられると。


 恭順の意が伝わったのだろう。男の腰使いはさらに激しくなっていく。もはや気遣いなど無用だと悟ったらしい。力強く抽送してくる様は獣のようだ。雄々しく荒々しい突きこみに子宮口までもが蕩けてしまう。


 膣ヒダを掻き分けるように男のモノが入ってきたかと思うとすぐに引き抜かれる。排泄にも似た感覚に、ぞくぞくとしたものが背筋を走り抜けていった。かと思えば今度は長いストロークで奥まで穿ってくる。そのたびに痺れるような快感が全身に拡がっていった。


(だめ、これ、おかしくなっちゃう……!)


 あまりの快感に気が狂いそうだ。シーツを強く握りしめて襲い来る快感に耐えるしかない。少しでも気を抜こうものなら意識が飛んでしまいそうになる。


「くっ、ふっ……ふぅぅっ!」


 だがそれも長く続かなかった。男が挿入の角度を変えてくる。力強いピストンでGスポットを擦り上げられる。カリ首がヒダを引っかけ、その度に頭の中で火花が散る。さらに片手で乳首を摘み上げてきた。


「ひぐっ! あぁっ! ちくびっ! ちくびらめぇっ! あぁっ、あぁぁぁ――ッッ!」


 空いてる反対側の手は柔らかい茂みを掻き分け、その奥に息づく敏感な肉突起を探り当てる。アルクェイド自身が分泌した蜜液をローション代わりに、ぬるぬると親指の腹で捏ねられると脳髄を突き出す激烈な快感に腰が浮いた。


「ふぁっ! あぁっ、あぁんっ! そんなにしたらぁっ、もうイッちゃうっ! もうダメっ、もうイっちゃうぅぅっ!」


 乳首とクリトリス、それぞれ単体の愛撫だけでも男の手にかかればイカされてしまうところ、今回は膣内に痴漢男のモノまで呑み込まされている。根本まで埋め込まれた太い肉茎が出入りするたび、女を駄目にする官能の三点責めがアルクェイドの心身を蝕んでいく。


 全身の水分が一点から噴き出しているかのようにぐっしょりと濡れそぼった秘所。そこから響く淫靡な水音とともに聞こえる肉のぶつかり合う音は、激しさを増すばかりだ。


「あっあっあっあっ……あはぁっ……イクッ、イックウゥゥッッッ!」


 これまでにない角度で背中をブリッジさせつつ、全身をガクガク震わせて悶え狂う。


 頭の中が真っ白になり法悦の極みへと押し上げられていった。


 だというのに男の動きは止まる気配さえ見せない。


 全身の筋肉が硬直し腰が持ち上がるほどの深い絶頂を迎えたというのに、男は責めの手を休めようとはしない。どころか、ここからが楽しい見せ場だとでも言わんばかりに本腰を入れてくる。


 イッたばかりの膣内を責められるのは地獄に落とされるに等しい仕打ちだった。ただし、アルクェイドが味わっているのは快楽地獄という甘美な響きの地獄だ。


「待ってっ! お願いだから待っ――ひゃうううううっっ?」


 子宮口をノックする激しい突き上げとクリトリスへの同時責めに悲鳴を上げてしまう。膣奥からとめどなく溢れる愛液が、じゅぷじゅぷと泡立つ音が室内に響く。膣襞の一枚一枚を味わうように擦り上げられるたびに意識ごと飛ばされてしまいそうだ。


「んひいっ! ふあぁっ! ああぁッ! ああぁあッッ! もうっ! イッてるっ! イってるからぁぁッッ!」


 卑猥な音が鼓膜を犯すたび脳髄まで犯されているような錯覚に陥ってしまう。もはやまともに考えることなど不可能。口からこぼれるのは甘ったるい嬌声ばかり。


 必死に懇願しても男が聞き届けてくれるはずもない。むしろいっそう興奮した様子で腰のスピードを上げていくだけだ。


「やぁっ、あっ、あっ、あっ、あ゛ぁ~~~~~ッッッ!」


 あっさり二度目の絶頂。もはや電車内から数えて何度目かも分からない。全身が小刻みに震え痙攣を起こし、指先まで快感に浸っているような感覚。


 そんな状態なのにまだ解放してくれるつもりはないらしい。


 男の手で身体を裏向きにされると、再び肉棒が突き挿れられた。一度目よりも深く強く。


 バックからの挿入で先ほどと膣内の当たる場所が変わる。違った角度で挿入され、異なる部分を擦られるとまた新鮮な刺激が生まれる。


 そして何より一番の違いはその体勢だった。男に無防備な背中を預け、獣の体位で犯してもらう交尾は、正面からするより彼に屈服した感覚が強い。


 彼がしてくるあらゆる行為に自分は抗う術を持たない。本能的にそう確信してしまうほど、男の攻めは苛烈だった。


 ずちゅっ! ずちゅんっ!


 肉と肉がぶつかる音が響く。尻肉をがっしり掴まれ腰を打ち付けられる。亀頭が子宮口に触れるたび、電流にも似た強烈な快感が身体中を駆け巡る。


「ああ、すご、い! いい、いい! 奥、ごりごりって…、気持ち、いい! こんなの、初めて! これ、すごすぎる! だめ、くる、きちゃう! だめ、だめ、おかしくなる、こわい! あ、あ、い、イクッ、またイク、イッ……あっ……んああ゛っ!」


 獣じみた喘ぎを上げることしか出来ないアルクェイドに対し、男は余裕のある笑みすら浮かべていた。


 セックスにおける彼我の戦力差は歴然だった。一突きごとにアルクェイドの肉体は完全に陥落させられていく。


「あんっ、あぁんっ! んくぅぅっ、んはぁぁっ!」


 ピストン運動に合わせるように彼女は自らも腰をくねらせる。少しでも多くの快楽を得ようと貪欲に貪っていた。


「ひぐぅぅっ! んあぁっ、だめぇっ! おっぱい一緒にされたらっ、またイっちゃうぅ!」


 背後から覆いかぶさった男が胸に手を伸ばしてきた。激しく乳房を揉みながらも彼の腰は相変わらず滑らかな動きを繰り返す。


 結合部から溢れ出る愛液をローション代わりに、リズミカルに抽送してくる。


 「ああっ、すごいっ、すごいぃ! おちんぽ気持ちいいっ、もっと、もっとぉ、もっと激しくしてぇっ!」


 すでに思考回路の大半は焼き切れてしまっていた。自分が何を口走っているのかも定かではない。ただ、もっと気持ちよくなりたい、もっと犯されたいと願うだけ。


 淫らな女の願いに応えて男の抽送がヒートアップする。本物の獣だってここまで我を忘れて交わらない。


 後ろから覆い被さられ、胸を鷲掴みにされて犯される感覚といったらない。この上なく征服されていることを実感できる。自分より大きく厚みのある身体にすっぽり包まれると、自分も人並みに弱い女になった気がしてくる。


 実際は今だってアルクェイドがその気になれば痴漢男の首を一瞬で切り落とせるくらい、真祖と人間の間には戦力差あるのだが、肉体的なことはともかく精神的には牙も爪も抜かれた愛玩動物と化している。


 男の欲望を受け入れながら思う存分よがり狂う。こんな幸福感は初めてだ。これまで味わったどの快感とも比べ物にならない。最高すぎて怖い。これ以上されてしまったら自分がどうなってしまうのか想像もつかない。


「だめ、だめ、だめ、もうだめ、おかしくなるっ、頭、おかしくなっちゃうぅっ! おおぉおっ、ひぎっ♡ あぐっ、んぉおぉおっ♡ おっ、おっ♡ くぅぅっ♡ んんっ♡ んはぁぁぁ――――っ♡」


 ただただ快楽にむせび泣くしかできない。膣肉が痙攣し、男根を締め付け射精をうながす。


「くっ……私もそろそろ出そうだ」


 限界が近いらしく男の動きがさらに加速した。肉と肉がぶつかり合う乾いた音が鳴り響き、その衝撃を逃がそうと背中を反らすが大した効果はない。


「ああぁっ、おぐっ、奥、奥だめっ、子宮突かれて、イクッ、イクイクイクッ! もうだめ、イクの、止まらないっ! あ゛ぁ~~~っ、だめぇっ、イクのが止まんないぃっっ! イくぅっ! イっちゃう、またイかされちゃうっっ! このおちんぽで擦られたら簡単にイかされちゃうのぉおおっっ!」


 頭の中まで掻き回されてるみたいだ。何も考えられなくなる。ただひたすら快感に酔い痴れる。


 男がラストスパートに入った。体重をかけてのしかかり、ひたすら力強く腰を振ってくる。オーガズムに縛られた腕では、たかが二人分の体重も支えられない。ベッドに倒れ込んでも痴漢男は構わず腰を振ってきた。


 もはや完全にされるがままの状態だった。寝バックで犯され身体全体が危険なほど発熱する。首の後ろや髪の生え際から本気で発情したときにだけ出る、ねっとりとした汗が噴き出すのが分かる。


「あっ! んぁっ! あぁあっ! ああぁぁっっ!」


 視界が明滅している。頭の中まで痺れている。考えられることは一つ。このままずっとイキ続けていたいということだけだ。


「イクっ……イッちゃうっ……! 痴漢おちんぽでイカされるっ! ああっ! イクっ、イクイクイク」


 もはやプライドも何も関係ない。与えられるまま全てを受け入れる。


 どくんどくんと脈動しながら雄の象徴が精を放つ。人工的な被膜に守られ彼の子種がアルクェイドの子宮に届くことはない。もし届いたとしても人間の精子で吸血鬼である自分を孕ませることはできない。


 ……そのはずなのだが、アルクェイドは本能的な恐怖を抱いていた。


 この男だったら……こんなに雄として優秀で、自分を魅了してしまう男なら……世界の理さえも捻じ曲げてしまえるのではないか。何より自分が強くそうなることを願ってしまったら。


 自分の中で跳ね回るやんちゃな肉棒が愛おしくて仕方ない。まだ|挿入《はい》ってるうちに腹部を撫でてみた。ここまで届いているのか。


 一滴残らず搾り取るように膣内をうねらせると背後で男が短く呻いた。


 数時間で帰るちょとした小旅行のつもりが、その日、アルクェイドは男と一昼夜かけセックス三昧に興じた。


 経験豊富な男はアルクェイドが知らない様々な体位、様々な角度から肉棒を突き挿れ、一晩中離してはくれなかった。


 こんなにも性行為とは奥が深く、バリエーション豊かなものなのかと感動すら覚えたほど、痴漢男は多彩な責めで愛してくれた。


「これ……知らな……っ、こんな、突かれ……かた、したことない……っ、んっ、あぁっ! ふああぁっ、そこダメぇ、また、また来る、またイっちゃ――っ!」


 男の両肩に脚を担がれ、後ろに倒れる手は背後についた手で支える変形の対面座位――四十八手で言うところの獅子舞で男が腰を押し付けてくる。


 女性の身体を女性自身の両腕と彼女の腰に添えた男性の手で支えねばならないため、体力と柔軟性を要する難易度の高い体位だが、フィジカルの問題を克服した二人が協力して行えば密着度が極めて高く、膣奥に敏感なポイントが密集してる女性なら啼いて悦ぶ責め方だった。


 大きなピストンはし難い体位だが、挿入感の深さを利用しポルチオをトントントン、ぐっぐっぐっと小刻みに刺激し続けると、オーソドックスな体位では得られない性感が生じる。


 アルクェイドも怒張の先端が膣奥の最も敏感な箇所をノックされるたび、電流を流されたような凄まじい快感に襲われた。


 ぐにゅりと最奥を圧迫されると意識が飛んでしまいそうになる。脳味噌が溶けてしまったかのような陶酔感。あまりの心地よさに腰が引けてしまうほどだった。


「あっ、ああっ! おくっ! おくぅうっ! あはっ、あっ、ああっ!」


 激しい快感から逃れようとするアルクェイドを男は逃さない。腰に添えられていた手が尻のほうまで落ちてきて、もっと近くに寄れとばかり身体を引き付けられる。当然そうなれば挿入は腰を支えられていたときより深くなる。


「すごっ、すごいぃいいっ♡ こん、こんなの初めてぇっ!」


「何をしても初めてばかりだね。もっと彼氏といろんなセックスに挑戦しておけば良かったのに」


 まるで子宮口に直接キスでもするかのように亀頭をぐりぐり擦りつけてくる。


「んあぁああぁ……っ! それ、気持ち良すぎるぅ……っ、あっ、ああぁっ、すごい、いい、いい♡♡ あああぁっ♡ そんなグリグリされたらっ♡ 感じすぎちゃうっ♡♡♡」


「またイクよ。最後は思いっきり腰を振ってフィニッシュだ」


 そう言うと男は正常位に切り替え仕上げに取り掛かる。


 これまで以上に抽送が激しくなりベッドがギシギシ悲鳴を上げる。結合部から泡立った愛液が飛び散りシーツを濡らしていく。


 男の腰使いに合わせてアルクェイドも淫らに腰をくねらせた。もはや男を拒む意思はなくただ欲望のおもむくままに受け入れ、彼の精を最後の一滴まで貪欲に搾り取ろうという気概に満ちている。


 熱い精液が吐き出された瞬間、アルクェイドは絶頂に達した。


 今までで一番激しく長いオーガズムを迎え、振動する膣肉が男のペニスを締め付ける。


「お疲れ様。今日はさすがに打ち止めだ」


 男は自身を引き抜いた。避妊具の中には白濁液がたっぷりと溜まっている。何度射精しても量は減ってる気がしない。


「連絡先を教えてくれないかな。また近いうちに会いたい」


 労いのつもりだろうか。男が顔を近づけてくる。キスされる、と思ったアルクェイドは反射的に彼との間に手を割り込ませ、拒絶の意思を示した。


「また会ってもいいけどキスは駄目よ。それは志貴とだけ」


「なるほど。キミはそういうタイプか」


 男は面白そうに笑って身を引いた。


 穴という穴を見せびらかし、性器を擦り合わせておいて今さら、キスだけで操を守ってるつもりになるのかと馬鹿にしてるのかもしれない。それでも構わない。何と思われようとアルクェイドには志貴だけのものが必要だった。


 彼との間にだけある特別な繫がり。


 それまで失ってしまったら自分は……。



     4



「どうしたんだよアルクェイド、気の抜けた顔して」


 隣を歩く志貴に声をかけられ、はっとアルクェイドは顔を上げた。居眠りしてる途中で起こされた人のように慌てて周囲の様子を探ってしまう。


 週末だけあって街には人手が多い。駅前の広場ではストリートミュージシャンが熱唱し、買い物客や通行人が足を止めて聞き入っている。すぐ近くのベンチに腰掛けたカップルが人目も憚らずキスをしていた。


「何でもないわ」


 アルクェイドは取り繕うように言って歩き出した。あの晩の出来事から二週間あまりが経過していた。あの日から平日は毎日男に抱かれてる。


 彼が呼び出すからなどというのは建前だ。分かっている。本当に嫌なら呼び出しに応じなければいいし、何なら消してしまえばいい。そうして関係を断ち切ることは何度も考えた。だけど今日で終わりだから、最後に一度だけと言い訳を見つけては彼に抱かれることを許す。


 そして抱かれてしまえば、やはり私をこんなにも気持ちよく愛してくれる人を裏切っていいのかと罪悪感に苛まれ、先刻までの殺意がどこかに消えてしまう。


 もうどうしようもないほど快楽に溺れきっている自分を改めて認識させられてしまう。


(ああ……また、こんなに濡らしてしまって……)


 痴漢男に抱かれている自分を思い出しただけで、アルクェイドの股間からは淫らな蜜が溢れて止まらなくなる。


「これからどうする?」


 恋人の葛藤など知る由もない志貴の問いはごく自然なものだった。


 彼とは二週間前から一度もセックスしてない。平日は痴漢男に呼び出され精力の続く限り抱き潰される。その名残が残って迎えた休日、アルクェイドは志貴と裸で向き合うことを避けていた。


 週五で痴漢男に抱かれ出来上がった身体で志貴の前に出て、以前よりも感度が良くなったことを疑問に思われたくなかった。たった二週間でそれまでに繰り返してきた志貴とのセックスをあっさり上書きされたことは知られたくない。


 志貴が隣にいても以前のような安らぎは感じない。今は他の男によって汚され尽くした身体を見透かされているような気がしてくる。この二週間ずっとそうなのだ。いつかバレるのではとヒヤヒヤしながら服の下で乳首を勃起させている。


 彼の横を平然と歩き、会話しながら、その裏で乳首と陰核を固くしてしまっているなんて絶対悟られたくなかった。


「ほら、またぼーっとしてる。なんかあったら言えよ」


 優しい言葉をかけられ泣きそうになってしまう。自分の僅かな異変にも気づいてくれる。それだけで満たされていくのが分かる。


「今日はもう帰ろうか」


「……うん」


 そんなやりとりを交わしながら二人は肩を並べて歩いていく。結局、その日はそのまま家路についたのだった。




「この前の週末、アルクェイドちゃんと男の子が歩いてるところ見たよ。ああいう子がタイプなんだね」


 月曜の昼下がり、まだ太陽が高く登っているうちから、アルクェイドは男とホテルに来ていた。窓のない部屋は照明を薄暗くしている。人間の目では羞恥心を取り去るのにちょうど良い暗さ。だが吸血鬼には何の障害にもならない明るさだ。


 ベッドの上で脚を大きく開いた姿勢でアルクェイドは男を受け入れていた。ペニスを秘所に入れたまま話し始める彼女は余裕の表情を浮かべようとするが、どうしても頬が強張りぎこちない笑みになる。


「まさか平日にまでつけ回してたわけじゃないわよね。だとしたら許さないから」


「そんなことしないよ。たまたま見かけただけだ」


 彼はそう言うとゆっくりと抽送を開始した。


 ぬちゃりと愛液を絡ませつつ肉棒を前後させる動きに、彼女の膣ヒダが絡みついていく。軽く動かされただけで肚の奥がカッと熱を持った。膣内はローションを仕込んだかのようにぬるぬるしてくる。


「ああぁっ♡ はぁっ、んあ……あっ、あんっ♡」


 待ちかねた刺激を受けて甘い喘ぎが溢れてくる。すっかり開発され切った肉体が悦びに打ち震える。アルクェイドの反応を見て男は満足げに笑う。


「もっと啼いて」と抽送の動きを速くされる。


 感じる箇所をピンポイントで刺激するように突き入れられ、アルクェイドの声が一層甘くなる。


「んあぁ……あっ、あっ♡ あぁっ♡ そこぉ♡ あぁっ♡ おくっ、あっ、あぁっ♡」


 リズミカルな抽送が徐々にテンポを上げていき、やがて激しさを増したピストン運動が肉同士のぶつかり合う音を立てるようになると、アルクェイドの唇から漏れる声は雌悦に支配された獣の喘ぎ声だった。


 肉穴をかき回すペニスの動きに合わせ、腰をくゆらせるように動かして快感を得始めると止まらない。膣穴がいやらしくひくつき、奥のほうからどろりとした液体が溢れてくる。


 子宮口付近の性感帯を亀頭で突かれると脳天まで痺れるような快感が走った。それを何度も何度も繰り返されるうちに、次第に意識が朦朧とし始めていく。


 身体の芯まで溶けてしまいそうな愉悦の中、アルクェイドは自分の下腹部に意識を集中させる。そこは今、どんな状態なのか? 膣肉を掻き回され子宮口を叩かれるたび、じくじくと疼きを覚えてしまう肚はどうなっているのか?


(ああ……っ! もうっ! こんなっ!)


 自分の身体が彼に甘え媚を売っているのが分かる。子宮口が亀頭に吸い付き離れようとしないのだ。早くも降りてきた子宮が精子を求め、ちゅうちゅうと亀頭にキスを繰り返す。


「ふぁああっ♡ あっ、んっ、ふぅっ……♡ あぁっ……だめっ、もうっ……」


「もう少しだから。もう少しだけ我慢して。一緒に」


 なぜお前とタイミングを合わせねばならないのだ、恋人でもあるまいしと悪態が浮かんだものの、彼の声で言われると妙に断りづらい。仕方なく頷くことにした。


 早くイッてくれと思いながら男の腰使いに身を任せた。


 ぐちゅっ、ずぶっ、と卑猥な水音を奏でながら男の腰が上下する。


 男の腰に脚を絡めてがっちりホールドすると、より深く挿入される形になり興奮が高まった。


「はぁ……はっ、うぁ……いい……いいよ、すごく気持ちいい」


 彼も感じているらしい。声に艶が出てきた。


 男がラストスパートとばかりに腰の振り方を速めた。


 男が息を荒げて動きを加速させる。男がぐっと体重をかけて密着してきた。性器だけでなく下腹部全体を擦り合わせるような抽送。根本まで埋め込まれたペニス最奥部を貫かれた瞬間、アルクェイドは達してしまった。


 同時に男が射精したのが分かった。どぴゅっと吐き出された熱い精液がコンドーム越しでも膣壁を焼く。それを本当は飲ませて欲しいのにとでも言うように膣洞が激しく蠕動した。


 一滴残らず注ぎ込もうとするかのように男は小刻みに腰を揺すっていた。それがしばらく続き、ようやく射精が終わったところで彼は身を起こし性器を抜き取った。


 絶頂の余韻に浸りながらもアルクェイドは男の様子を盗み見る。コンドームを外した男が慣れた手つきで後始末をしていた。凄まじい量の精液で精子溜まりがいっぱいになっていた。


 真祖である自分と人間の間に|混血《ダンピール》はできない。だから人間の女のようにナカ出しセックスを楽しみ、うっかり妊娠してしまう心配もない。


 そう考えた瞬間、きゅんと子宮が収縮して甘美な痺れが全身に走った。


「またいいかな?」


「ええ、あなたがしたければ」


 即答してから我に返る。私は何を考えていた。私さえ黙っていればナカで出されても問題ないなどと……彼のモノを生で味わってみたいと一瞬でも考えるなんて。


 自分が恐ろしい。いつの間にか彼を欲するようになってしまっている。それも、これまで味わったことのないほどに強く、激しく。


 実のところアルクェイドは志貴と会える週末を楽しみにする一方で、痴漢男のおちんぽを貰えない二日間とも考えるようになっていた。


 まるで中毒だ。


「それじゃゴムをつけ直して……」


 彼が新品のコンドームに手を伸ばしたときだ。


「――んッひぃぃい!」


 無防備だった膣口に彼の切っ先が触れ強烈な電流が生まれた。


 正常位の体勢のままアルクェイドの身体越しにベッドサイドの避妊具を取ろうとした彼の性器が、イッたばかりで敏感な粘膜と余計な飾りなしで直に触れ合った。


 不意打ちに近い快感に背筋が反り返り顎が上がる。びくんと身体が震え、反射的に脚が閉じたことで太ももに力を込めることになり、結果、男の腰を締め付けてしまった。その拍子に何もつけてないペニスを割れ目に誘い込んでしまう。


 恐るべきセクシャルピ○ゴラ○イッチで図らずも素股に移行してしまう。


「アルクェイドちゃん……」


 男が何かを確認するように呟いた。それから、ゆっくり腰を引いていき、引いたときと同じ速度で突き出してくる。


「ひっ、あっ……あぁ……っ♡」


 背筋に甘い電撃が迸った。


「どうしたの? そんな声出して」


 答えられずにいるアルクェイドを見下ろしながら、彼は腰の律動を繰り返した。ペニスの先端がクリトリスを圧迫し、その裏にあるヴァギナの窪みに引っかかる。ぞわりと全身の肌が粟立つような感覚が沸き起こった。


 それは生で挿れられてしまう恐怖ではなく歓喜によるもの。


 コンドーム越しでも気持ちいい彼のゴツゴツしたイチモツを邪魔っ気な避妊具なく挿れられたら――本物の肌と肌の触れ合いを体験しながら、被膜で覆われていては味わえない本気のカリ首ゴリゴリセックスで膣内をめちゃくちゃに引っかかれたら――きっと、もうやめてと泣き叫びながら気絶するまで潮を噴き続けイキ狂ってしまうだろう。


 初めて痴漢男にホテルへ連れ込まれた日、ペニスを挿れられる前にアルクェイドは己が完敗し、彼の前では弱い女にされてしまう自分の姿を幻視した。今それと同じビジョンが確かに見えた。この男のおちんぽにはそれだけの破壊力がある。想像だけでも恐ろしくなる。


「どうしたのか言ってもらわないと分からないよ」


 言いながら、亀頭冠を出し入れされた。


「あっ、あぁぁああぁ♡♡♡」


 |挿入《はい》ってるのは先端から数センチ。たったそれだけのことで意識が飛びかけた。


「はぁ……はぁっ、はぁっ♡ あぁっ♡」


 膣内がじんわり熱を持ち、蜜壺から愛液が溢れた。


(もうだめ、おかしくなる……こんなの耐えられるわけない……♡)


 それでもアルクェイドはまだ躊躇っている。だってこれは不貞だ。だけどこの誘惑に耐えるのも辛い。膣孔は切なさを訴えているし愛液まみれの陰唇は物欲しそうにひくついている。あと一歩だけ踏み込んでくれれば楽になれるのにと思ってしまう。


 葛藤を見透かすように痴漢男はアルクェイドの両乳首を軽く摘んだ。そのままコリコリと捻ったり引っ張ったりする。指の腹を使い円を描くように撫で回される。


 たちまち性感が高まっていく。濡れ方はひどくなる一方で、ぬかるみのような蜜壺は滑りの良さが増す。


「ふぁっ♡ あ゛っ♡ んあっ♡♡」


 アルクェイドは自分でも何がしたいのか分からない。


 避妊具をつけ直してくれと言うほうが正しいに違いない。だが正しさで言うなら、志貴以外の男とセックスしてる時点で、ゴムありだろうとゴムなしだろうと正しくない行いだ。今さら多少の正しさにこだわって何の意味がある。


 それなら、このまま気持ちよくなって、子宮にたっぷりと彼の精子を吐き出された方が絶対にいいに決まっている。でも……。


 葛藤するアルクェイドは彼女らしくもなく消極的な解決策に飛びついた。


 つまり、見て見ぬふりである。


 顔を横に向け、ついっと正面の男から目を逸らすと、あとは男の選択に委ねた。


 決定権を回された痴漢男は、最初から答えなど一つしかないと言わんばかりに迷いなく、ただちに目の前の蜜道を貫いてきた。


「ふわぁっ! ああぁっ♡ んっ、あふっ♡ くぅうっ♡ お゛ぉぉおっ♡ それ、ダメぇっ♡ んひぃいっ♡ そごぉ♡ だめぇっ♡ お゛ほおぉっ♡♡」


 亀頭が膣肉を巻き込み、充血し敏感になった性感帯をぐりぐりと責め立てる。膣穴の入口やGスポットよりもさらに奥――子を成すための部屋の入り口にまで侵入してくる。カリ首のエラが肉ビラをごりゅごりゅと掻き毟る感触だけでイキそうになる。


「ダメじゃないでしょ。すごい締め付けてるじゃないか」


「そんなっ、あんっ! ちがぁう、のぉっ! くひっ♡ あぅううぅっ!」


 膣洞の行き止まりの、そのまた向こうまで貫く勢いで突かれ、目の前に火花が飛び散るほどの衝撃が走った。歯を食いしばり、息を止めて我慢しようとするが、次から次へと矢継ぎ早にショックはやってくるので追いつかない。


 そのうち無駄な抵抗はやめて力を抜き、快感に身を震わせて愉しんだ。


「あんっ、ああっ……すごいっ……いいっ……もう、おかしくなるっ……あふぅっ……っ!」


「私もいいよ。最高だ」


 彼も生で感じるアルクェイドとの相性の良さに興奮が隠せないでいた。腰どころか全身を震わせ、快感を噛み殺した荒い呼吸の合間に言葉を紡ぎ、ひたすらにアルクェイドを犯し続ける。


 二人の男女はともに相手の身体に夢中になっている。互いに腰を振りながら身体を密着させていくうち、痴漢男の両手がアルクェイドの胸を包み込んだ。五本の指が柔らかな膨らみへと沈んでいく。


 下から持ち上げるようにして揉み解され、時折乳頭を摘まれる。胸全体をマッサージするような動きにも、硬くなった突起を弄ぶ指先の動きにも感じてしまう。


 男の腰が前後するたびに、乳房がぷるんぷるんと波打った。


「あっ♡ あっ♡ あっ♡ あぁっ♡ きもちっ♡ きもちいいっ♡ そこっ♡ だめなトコっ♡ だめっ♡ はぁんっ♡」


「|好《い》い声しか出てないのに?」


 一定のリズムで突いてきたかと思うと、テンポを変えてリズミカルに打ち込んでくる。膣内でペニスと媚肉が激しく擦れ合う。子宮口をずちゅんと押し潰される感覚もたまらない。


「こっちを向いて」


 男の声に従うと彼が顔を近づけてきた。キスされる。気づいても二週間前と違って拒否できなかった。


 唇を重ねられた。口腔内に舌が入り込んできた。まるで蛇のように絡みついてくる。


(キスってこんなに気持ちいいんだ……)


 無論初めてではない。志貴とだって何度もしたことある。だけど違う。明らかに異質。唇を吸われるたび意識が遠退きかける。舌を擦り合わせれば電流が発生したように背筋が震えた。口内を貪られながら唾液を流し込まれる。こくりこくりと飲み下していく間、喉奥に粘つく体液が通る感触すら快感に思えてしまう。


 もっと欲しいと本能に訴えかけられ理性で抗えない。自ら積極的に舌を絡めていき粘膜同士を絡め合わせていった。こんな情熱的なキスを経験すれば他の誰とキスをしても満足できなくなるに違いない。


 蛇のように絡みついてくる舌使いに、アルクェイドはすっかり虜になってしまった。


 唇が離れる頃にはすっかり出来上がっていて、恍惚とした表情で男を見上げていた。その瞳は情欲に潤み、目尻はトロンと下がっている。男が再び唇を寄せると、今度は自分から顎を突き出し迎え入れた。


 ぴちゃぴちゃと音を立てて互いの唾液を交換しながら、二人は同時に腰の動きを速めていった。


 ぱんっぱんっ、ぐちゅっ、じゅぷっ、ずぼっ、ぢゅくっ


 結合部から聞こえてくる卑猥な水音は一ストロークごとに粘り気を増す。発情した女の本気汁にしか出せない音だった。


「そんなの……むり、むりぃっ♡ おほぉっ♡ お、奥まで……ごりごりきてるぅ! すごいぃいっ、こんなすごいセックスはじめてぇっ♡ ナマ違うっ! ぜんぜん違う! あれつけててもすごかったおちんぽ♡ ナマだと強すぎるっ♡ ナマのおちんぽしゅごすぎるぅうっ♡ あっ♡ あああっ♡」


「ああ、凄いよアルクェイドちゃん。キミのおまんこ、私のチンポを美味しそうにしゃぶってるよ」


「うんっ♡ そう♡ おちんぽ美味しい♡ あなたのおちんぽおいしい♡ だからもっとちょうだい♡ おちんぽミルクいっぱい出して♡ わたしのおまんこいっぱいにしてぇ♡」


 もはやアルクェイドは自分が何を言っているのか分かっていない。ただ本能的に淫語を口にしているだけだ。


 彼女の乱れっぷりに興奮した男はピストンの速度を上げた。亀頭を子宮頸部の近くまで挿入すると、そこで小刻みに腰を揺すり始める。ちょうどカリ首が引っかかる形になるのでコリコリとした刺激が伝わる。膣内が痙攣するように収縮を繰り返す。絶頂が近い。


「ほらっ、イクときはちゃんと言わないと。じゃないといつまでもイカせてあげないよ」


 耳元で男が囁いた。やはり声がいい。この声で命令されると脳より先に子宮が反応して、女なら股を濡らしながら言うこと聞いてあげたくなってしまう。


「いやっ、やめてっ♡ お願いっ♡ お願いぃっ♡ もう、もうイカせてっ♡ イカせてぇっ♡ もう焦らさないで♡ 意地悪しないで♡」


 アルクェイドは恥も外聞もなく懇願していた。もう限界だ。一秒でも早く達したい。イキ狂いたい。


 頭の中はそればかりだ。だけど男の責め苦はまだ終わらない。彼は一度肉棒を抜くと、アルクェイドの身体を起こして四つん這いにした。そして背後から再び剛直を突き入れた。


「あひぃいいいいいいっ♡♡♡」


 絶叫するアルクェイドを嘲笑いながら、男は容赦ないピストン運動を開始した。ばちゅん、どちゅんという肉を打つ音が部屋中に響き渡るほど激しい抽送だ。


 しかし、それだけではなかった。彼は前から手を回してクリトリスを弄び始めた。充血し膨れ上がった陰核を指で挟まれ、扱かれる。


「ひあぁあぁっ♡♡♡ あふっ、んぉおおおぉっ♡♡♡ おおぉおっ♡」


 後背位で熱い楔を根本まで打ち込まれ、同時にクリ責めまでされる。二つの異なる快感を同時に与えられたことで一気に高まる性感の波に飲まれた。頭が真っ白になり何も考えられなくなる。


 腕から力が抜けてベッドに倒れ込む。いつぞやと同じように寝バックで抱きつぶされる。前回と違うのは、今回は彼の手がアルクェイドの両手に重ねられていること。指を絡ませてシーツに縫い留められ、うなじに優しいキスを何度も落とされる。


 密着した体勢でストロークは小刻みなものに変化し、膣奥ばかり執拗に穿たれる。ヒップに恥骨を擦りつけてくるような動きで膣内が絶えず痙攣した。


 ただただ気持ちよくなりたい本能に支配された身体は自然と動いていた。無意識のうちに尻を突き上げ、より深くまで陰茎を咥え込もうと躍起になっている。


 そんなアルクェイドの様子に、男も最後のスパートをかけた。


 アルクェイドの両手を離し、ベッドに手をつくと真上からプレスするような抽送に切り替える。子宮口を亀頭で殴られるような衝撃に耐えられず、彼女は髪を振り乱しながら悶え狂った。もはや我慢することなど不可能だ。あと一分もしないうちに絶頂を迎えてしまうだろう。その瞬間を少しでも先に延ばそうと、歯を食いしばり懸命に耐える。彼が与えてくれる極上の性感を一秒でも長く味わっていたい。


 だが無駄な抵抗だ。残り時間は刻々と過ぎていく。もう数秒も持たない――そう思った直後、ついにアルクェイドの身体は頂点へと昇りつめた。


「おっ♡ おぉっ♡ 奥っ♡ 奥までっ♡ ガンガンきてっ♡ きてるっ♡ んっ♡ いっ♡ いぐぅっ♡ いぐうううううううううううううう♡♡」


 子宮口周辺を中心に爆発的な絶頂感が広がったかと思うと、次の瞬間には全身がバラバラになるほどの快感に襲われていた。頭の中で何かがスパークした感覚があった。一瞬意識を失いかけるがすぐに引き戻される。強烈なオーガズムによって覚醒させられるのだ。


「こっち向いて」


 彼の言いなりに振り返ると再び唇を重ねられた。


「んっ……ちゅぷ……じゅるる……」


 一度許してしまったことでもはや抵抗感はない。


 互いの唇の隙間から唾液が垂れ落ち顎を伝う。気にせず貪り合う。やがて名残惜しげに二人の唇が離れる、見計らったかのように膣内射精が始まった。


「あっ♡ びゅるびゅるって……出てる……精液……♡」


 ナカ出しを受けて興奮が抑えられない様子のアルクェイドに苦笑しつつ、男はゆっくりとペニスを抜いた。


 栓を失った秘裂からドロリと大量の白濁液が流れ出てきた。


「こんなに出したのは初めてだよ」


 そう言って笑う彼の顔は爽やかで優しげだった。それを見てアルクェイドも頬が緩んだ。


(あぁっ、だめぇ。こんなすごいの知ったら、もう戻れない♡)


 志貴への想いも愛もまだ残っているはずなのに、痴漢男に対して完全に屈服してしまっている自分がいる。この男と別れたくないと本気で思っていた。


 激しいオーガズムの波が引いていくと虚脱感が襲ってきた。


「すごく可愛かったよ」


 男が再び耳元で囁く。その言葉に胸がキュンと疼いた。まるで麻薬のような中毒性がある声だった。


 もっと可愛がって欲しい。もっといやらしいことをして欲しい。もっと恥ずかしい目に遭わせて欲しい。もっと、もっと、もっと……心の奥から欲望が溢れ出してくる。もっとめちゃくちゃにして欲しかった。もっともっとメチャクチャに犯し抜かれたい。


「ねぇ……もっと言って♡」


「いいよ。キミは本当に綺麗だし、可愛いよ」


 優しく頭を撫でられると幸せな気分になる。彼の腕の中で向きを変え、もっと触ってもらいたくて身体をすり寄せたら、まだ硬いままのペニスと膣孔が擦れ合った。


「あんっ♡」


 愛液を滴らせながら期待する陰唇に熱塊が再び押し付けられた。そのまま挿入されるのかと期待したが違った。肉棒は割れ目の上をなぞるように上下し、敏感なクリトリスを擦り上げた。


「どうして欲しい?」


「挿れて」


「ちゃんと言ってごらん」


「……おちんぽください」


「よく言えたね。偉いよ。ご褒美だ」


 ずぶりと亀頭の先端が挿入され、そのまま根本まで埋められる。先ほどと変わらない力強い挿入だった。


「あぁん、きたぁ♡」


 膣内を満たされていく感覚に思わず歓喜の声を上げた。


「気持ちいいかい? アルクェイドちゃん」


「うんっ♡ いいっ♡ きもちいいっ♡ あなたのおちんぽすごいっ♡ わたしのなかでビクビクってふるえてるぅ♡」


 痴漢男に身体を抱き起こされ、正常位から騎乗位へとポジションを変えられた。


「今度はキミが自分のしたいようにするんだ」


 言われるまま自ら腰を動かす。膣内で蠢くペニスの存在を感じながら腰を振るたびに、結合部からは粘ついた水音が鳴った。その淫靡な響きがアルクェイドの中の羞恥を煽る。だがそれは同時に被虐的な快感でもあった。見られている。視姦されている。その事実に興奮を覚え、更に腰の動きが加速していった。


 腰をくねらせ結合部を前後にスライドさせるように動くと、肉ヒダが捲れあがり卑猥な形状を描いた。内臓が引きずり出される背徳的な気持ちよさに酔い痴れる。


「今後の私たちの関係だけど」


 アルクェイドが目を閉じ、夢中で腰を振っている最中に男が言った。


「彼氏と分かれて欲しい訳じゃないんだ。アルクェイドちゃんにはアルクェイドちゃんの生活があるだろうからね。だけどお互いセックスの相性が抜群だと分かったし、お試し期間は終了して本格的にセフレでどうかな」


「なる! セフレ、なる……なります!」


 彼女は二つ返事で了承した。


「だからこれからも、おちんぽちょうだい……あなたのおちんぽ、私に……」


「もちろん。そのためのセフレじゃないか」


 男が下から突き上げてくると、腰が抜けてそれ以上は動けなくなってしまった。


「あとは引き受けよう」


「あぁっ♡ すごっ♡ これすごいぃいっ♡♡♡」


 膣内を掻き混ぜるように肉棒が動き回る。子宮口をノックされるたび意識が飛びそうになるほどの快感に襲われた。もはや自分で動くことも出来ないアルクェイドは、彼にされるがまま身を委ねるしかない。


 両手の指を恋人繋ぎで絡め、大きな胸を揺らしながら喘ぐ姿はとても淫らだ。普段の彼女からは想像もつかない姿。痴漢男の肉棒と美声だけが暴くことに成功した、アルクェイド・ブリュンスタッドの本当の姿。


「そろそろ|射精《だ》すぞ。一度ナマでしたんだから、今後はずっとつけなくてもいいよね」


「いいっ! いいから! ナカに出して♡ おまんこの奥にびゅーびゅーって、せーえき全部出してぇええぇッ♡」


 少しだけ胸の奥が痛くなったような気がした。だが男とのセックスに夢中だったので違和感は長続きしなかった。


 彼の手に尻肉をがっちりと掴まれる。亀頭の先端で子宮口にディープキスをするようにしながら吐精された。


「イっちゃう♡ おちんぽ汁注がれてイクっ♡」


 大量の精液を子宮内にぶちまけられる。あまりの多さに腹が膨らんでしまいそうだった。


 肚の奥に熱を感じる。それがアルクェイドには生命の鼓動に感じられた。


後書き


型月世界の吸血鬼は混血を産まないらしいけどエロ同人の竿役に不可能はない!

いつだって可能性は無限大!

夢を諦めるな!


世のなか興奮することっていっぱいあるけど、人間に捕まって交尾されても人の種では子供が出来ないからと余裕ぶってた人外美女が、裏技的な方法で子作り可能にされちゃったと知って「人間の子など孕みTonight.」と叫びながら慌てて逃げようとし始めるが、奥までずっぽり挿れられちゃってるから脱出不可能な時の表情ほど興奮するものはないよね。


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