死がふたりを分かつまで(リナリー・リー/D.Gray-man) (Pixiv Fanbox)
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たっぷりと潤滑剤を纏った指が少女の狭くキツい穴に突き立てられる。
ローションの冷たさと侵入してくる異物感に反応して内ももに力が入った。きゅっと肛門から会陰部、膣にかけて力む。締めたくもないのに下半身を締め、男の指を咥え込んでしまう。
(くっ……!)
自分の身体なのに言うことを聞かない。屈辱的な感覚に唇を強く噛む。それでも抵抗する力は弱々しく、男は容易く彼女の秘部を暴いた。
ローションに空気が混ざり、気泡が破裂する。ぬちょぐちょと粘っこい音をさせ男の指がサーモンピンクの肉穴を丁寧に擦る。その手つきは医者が患者を触診する動きだった。
比喩ではない。男は医者で彼に診察されている少女は患者だ。
「んぅ……ッ!」
羞恥心がこみ上げてくる。しかし、同時に湧き上がる快感にも戸惑う。この男におまんこを触られるのは嫌で悔しくて吐き気がするほど気持ち悪いのに、人工的なぬるぬるをヒダヒダに塗り込めながら抜き差しされると、浮かせたくもない腰が診察台から大人の拳を二つ重ねた程度の高さ浮いてしまう。
(やめなさい!)
そう叫びたいのに口から出たのは鼻にかかったような甘えた声だけだった。
「くふっ、ふうぅっ! やっ、やめなさっ! はひいっ、はひっ、くうっ!」
腰の奥が熱くなる。疼いて仕方がない。もっと奥まで触って欲しい。女の大事な場所が男を求めて暴れ回る。
「ここがいいんだろ?」
ぐりっと男の親指でクリトリスを押し潰された瞬間、全身に電気が走った。
「あっ……あぁああああ~~!」
そんなことしたら相手を悦ばせるだけだと分かっていても少女――リナリー・リーは口を閉ざせない。
整った容姿を持つ美しい少女だった。十六歳という年齢より大人びて見えるのは彼女が潜り抜けてきた数奇な運命や修羅場の数を思えば当然だろう。光の加減で緑がかっても見える長い黒髪をツインテールに結い、細くしなやかな肢体を医療室のベッドに投げ出し仰臥する。
入院患者が着せられるような簡素な病院着だけを身に着けていても、その美少女さは些かも減じない。むしろ飾り気がない格好だからこそ誤魔化せない素材の良さが引き立ってさえいた。
そんなリナリーは現在、両手を万歳の格好で挙げ、両手首はベッドのフレームに拘束されていた。両足は大きく開脚させられ、膝の裏には棒を差し込まれ固定されている。病院着はズボンだけ脱がされベッドサイドに捨てられていた。
「ふー、ふー、ふぅぅっ……」
リナリーは荒い息を繰り返している。顔は紅潮し、目尻からは涙が零れ、口の端から垂れる唾液はシーツに大きな染みを作っていた。
悔しいが男の手戯は巧みだった。女体のどこをどう扱えば快感を引きずり出せるか理解している。|医師《ほんぎょう》で培った人体への深い洞察を悪用していた。
「いい子にしていればすぐに終わるよ」
男が優しい口調で言う。だがそれは表面上のことだ。彼の瞳には嗜虐的な光が宿っている。
「んっ……くっ……!」
リナリーは必死に耐える。男の指が膣内を行き来するたび下腹部に切ない痺れが広がる。それが徐々に蓄積していき子宮全体が重くなっていく。頭上では身を捩るたびベッドフレームと革手錠を繋ぐ鎖がガチャガチャ耳障りな音を立てた。
(こんな人の手でイキたくない!)
リナリーの決意とは裏腹に身体の反応は正直だ。彼女の意思とは関係なく肉壺は男根を受け入れる準備を整えつつあった。
「んんっ、あんっ、くぅんんっ……」
こうやってされていること全てリナリーには馴染みがあった。男の手も、彼の手に触れられる膣内の気持ちよさも、自分たちが二人きりでいるときは誰も入って来ない医療室のがらんとした気配も。
全部リナリーの幼い記憶に残っている。
「もうビチャビチャに濡らしてるじゃないか。相変わらず可愛いね」
男はそう言って笑うと顔をおまんこに近づけてきた。これから何が始まるか体験済みのリナリーは脚を閉じようとするが、拘束された脚はびくともしない。
ピチャッと音がして男の舌が美少女の秘唇を舐めた。
「ひゃうぅううっ?」
「良い声で啼けるようになったなぁ」
彼は笑いながら陰核を舌先で突いてきた。
「だめぇ!」
男は焦らすように周囲をなぞったり軽く歯を立ててくる。最も敏感な肉芽を飴玉のようにしゃぶられ、腰がガクンガクン震えた。
(嫌だ! 嫌! 嫌! 嫌!)
嫌なのに気持ちよくて堪らない。全身から力が抜けていく。拘束されているせいで快感を逃すことができず、ただ受け止めるしかない。
(こんな人に感じたくないのにぃ)
意に反して媚びるような甘い息遣いが口から漏れてしまう。どうして気持ち良くなってしまうのか。答えは単純。目の前にいる男にリナリーは何度も抱かれている。といっても最後までされたことはない。いつも男は少女の瑞々しい肉体を隅々まで手や口を使って味わう。
初めて犯されたのは黒の教団に連れて来られたばかりのころ。やっと物心がついたばかりのリナリーは、この変態医師に触診と称して無理やり女の悦びを教え込まれてしまった。
行為の意味どころか自分が女という性に生まれたことや、幼女趣味な男の性的興奮を掻き立てる美少女であることさえ理解できてなかったリナリーに変態医師は、愛撫や淫語を用い恥辱の中でイク感覚を刻み込んだ。
男の調教は家族と引き離され半ば拉致される形で教団本部に連れて来られてから三年も続いた。解放された理由は兄のコムイが妹を追って自分も黒の教団に入ったことだった。
重度のシスコンだが有能な人物であるコムイは瞬く間に出世した。妹を苦しめてきた変態医師に引導を渡せる地位まで登り詰めるのにさほど時間は要しなかった。
兄のおかげでリナリーは医師の快楽調教から解放されたはずだった。彼と最後に会ったのは何年も前だ。
それならば今、自分の身体を弄んでいる彼は何者なのか。
「ああっ! やっ、やめなさい! くぅうっ! そ、そこはダメよッ!」
「どうやら忘れているようだねリナリー。キミに拒否権はないんだよ。僕にはイノセンス適合者の身体を調べ、戦いに適した状態にする権限が与えられている」
そう言ってあのころも男は傷口のように狭いリナリーの秘裂を味わった。
彼が見せつけるようにして指を動かす。指先に纏わりついた粘液質の液体が糸を引き、その指先を男は口に運んだ。
ぺちゃっ、ぴちょっ、ちゅぱっ。
わざとらしく音をさせながら舐め取る姿にリナリーは頬が熱くなる。
そんな彼女を嘲るように男は言った。
「これは君の分泌液だよリナリー。女が気持ちよくなると出るいやらしい汁だ。リナリーは僕におまんこ弄られて感じてるんだねぇ」
「そんなの嘘よ」
リナリーは羞恥に目を逸らす。そうした反応こそが雄弁に真実を示すことになっても、ゲス野郎の顔を直視していたくなかった。
「あなたはコムイ兄さんが私と会えないようにしてくれたはずよ」
「だけど会えてる。教団の中で異動があったんだ」
リナリーは長い髪を揺らして首を横に振る。それはあり得ない。コムイはやるとなったら徹底的にやる冷淡さも持ち合わせている。そういう人間でなければ教団内部で権力を握ることなどできないからだ。
その兄が「もう心配ない」と言ったことをリナリーは信頼している。
現実では起こり得ない奇怪が発生したとき、エクソシストのリナリーはある可能性を真っ先に疑うように習性づけられていた。
「これは夢ね。あなたはAKUMAでしょ。違う?」
「ご名答。俺は他人の夢に入ることができる伝統的な呼び名で言うところの夢魔だ。どれだけ強いエクソシストでも寝ている状態では無防備。肉体だけでなく意識や普段は奥底に封印してる記憶までガードが緩んで覗き放題、操り放題」
医師の顔をしたAKUMAは奇っ怪な笑みを浮かべる。
「ずいぶん面白い記憶を持ってるじゃないかリナリー。クソ生意気な女エクソシストにこんな過去があったなんてな」
ここが夢の中だと気づけば様々なことが思い出された。今回リナリーは教団の指示で村人全員が餓死した村にやって来たのだった。村人は誰ひとり外傷がなく病や毒物も検出されなかった。
死ぬまで己の衰弱に気づかず眠り続けたとしか思えない状況だった。
教団は村で起きたことにAKUMAが関係していると判断してリナリーを派遣した。現場に到着したリナリーは教団の見立通りAKUMAを発見した。だがAKUMAはエクソシストの姿を見るなり一目散に逃げ出した。
単純なスピード勝負ならリナリーのイノセンスに分があるものの、土地勘のない場所で見失ってしまった。
リナリーはまだ付近に潜んでいるかもしれないAKUMAを討伐するため村に留まった。既に村人が全滅した村では夜明かしする場所に困らない。しかし、その判断が間違っていたようだ。
「ケケケ。俺は起きてる人間相手に|現実《あっち》じゃ大したことができない雑魚だからな。でも相手が寝てくれて|夢《こっち》に来たなら――」
夢魔がクリトリスにむしゃぶりついた。舌先で磨くように弄んできた快感の粒に思いっきり吸い付く。吸引力の強さが凄まじかった。根っこから引っこ抜こうとするかのような強さで、じゅ、じゅ、ぢゅ~っとバキューム音が響く。
そのたびにリナリーの頭で何かが弾けた。強烈な衝撃に呼吸さえできなくなる。あまりの快感に背中が弓形に反り返ったまま戻せない。
(こんな……こんなっ!)
彼女のおまんこはすっかり出来上がっていた。男によって丹念に開発された性器は愛液でぐちょぐちょに濡れそぼる。リナリーの意思とは関係なしに男の挿入を今か今かと待ちわびている。
「クリと一緒に膣内も弄ってやるよ」
男に舐められてヒクつく淫乱な秘部を夢魔の指先が刺激する。
「いやっ! それ、ダメ! あああっ!」
革手錠が手首に食い込むことも構わずリナリーは身を捩る。どうせ夢の中なのだ。本当に怪我するわけではない。
だが、それすらも許さないとばかりに男が指を折り曲げる。腸壁越しに膀胱の裏を刺激された。膣道が痙攣し、大量の愛蜜が溢れ出た。
「ふー、んんんっ! ん、くぅうっ!」
声を押し殺そうとリナリーは歯を噛み締める。相手がAKUMAと分かったらなおさら感じるわけにいかない。エクソシストがAKUMAに凌辱されて悦ぶなど絶対あってはならない。
――が、無駄だ。夢魔の責めはリナリー自身の記憶を基にしている。かつて変態医師に調教され、心では徹底的に拒みながらも身体は反応してしまった幼い記憶から、夢魔はリナリーの弱点を学習しているのだ。
男に開発されて快感を知ったリナリーの身体は簡単には鎮まらない。男にされるすべてのことを感じ取ってしまう。
「こんなにも濡らしておいてまだ強情を張るつもりか? いいぜ。そっちのほうが好みだ」
そう言って男は指を二本まとめて膣内に挿れてきた。一気に二倍の太さの物体を捻じ込まれたリナリーは、息を詰まらせて悶絶する。
(こんな……こんなぁ!)
「おいおい、痛いのか気持ち良いのかハッキリしろよ」
男は小馬鹿にした物言いで辱めてくる。だが返事をする余裕はない。膣内の圧迫感に全身が悲鳴を上げていた。
変態医師が自分の前から取り除かれて以来、彼女はそこに触れたことがなかった。その行為は忌むべきものとして忘れようとしてきた。だが、肉体はあの快感を忘れていなかったようだ。
リナリーは唇を噛み快楽に耐える。じっとりとした目を男に向けた。拘束されて動けないリナリーにできる抵抗は睨みつけることだけだ。しかし、それはむしろ男を喜ばせた。
「その反抗的な目つき、堪らないな」
夢魔は舌なめずりする。その仕草に鳥肌が立った。この男は危険だ。本能が警鐘を鳴らす。リナリーは恐怖を抑えつけ毅然とした態度を保とうとする。が、そんな彼女を嘲笑うかのように男の手戯はますます軽快になっていく。
ゆっくり抜き差しして、ときどき左右に回したりしながら、的確にポイントを突いてくる。
「うっ、くっ、ああっ!」
感じまいとすればするほど神経が集中されるので逆効果になる。
「いい締めつけじゃないか」
身体の反応を揶揄され余計に力が入ってしまう。そうすれば男の指の形をより強く感じてしまうので悪循環だった。
「やめなさい! もうこれ以上私の身体に触れないで!」
涙声で叫ぶも夢魔には届かない。むしろ自分を倒しに来た生意気で強い女エクソシストが手も足も出ず、お願いするしかないシチュエーションに興奮しているようだ。
「もっと泣けよリナリー。お前が泣きながら許しを乞う姿を見てみたい」
「絶対に、いやっ!」
リナリーは自分の身体がフィニッシュに向かって近づいているのが分かった。鈎状に曲げた指でGスポットを刺激され、ぷっくり膨らんだクリトリスは口でねっとり愛撫される。
如何なエクソシストとて生身の女が長く耐え続けられる責めではない。
「うううっ、くううっ!」
夢魔が舌の動きに合わせてリズミカルにクリトリスを吸う。指は相変わらず規則的に動いており、リナリーは意識が飛びそうになるほどの激しい快楽に翻弄される。夢魔は執拗にリナリーの弱いところを突いてくる。
特にリナリーが反応を示すとしつこく同じ場所を攻め立てた。
「はあ、はあ、はあ……」
リナリーは肩で息をしながら喘ぐ。汗にまみれた肢体は火照っていた。彼女の秘所は洪水のように汁が垂れている。
「んあ、ああっ、も、もうダメ」
発情しきった雌の声で終わりの時が近づいてることを告げてしまう。
呼吸が徐々に浅く速くなる。それに合わせて男の指使いや、クリトリスを咥えたまま口の中で動かされる舌もピッチを上げた。リナリーの悦ぶことしかしてくれない愛撫が、美少女エクソシストの理性を吹き飛ばそうとしていた。
「そろそろイカせてやるか」
夢魔は今までよりさらに速く、激しく動かし始める。
「や、やめ……う、うっ……あっ、ああ……だ、だめぇ……あ、あ、あっ……」
その動きにリナリーは声を上げる。何度も首を横に振るが、当然ながら夢魔がその手を緩める気配はない。それどころかラストスパートをかけてきた。膣内を擦る指は高速でピストン運動を繰り返す。
男に屈服したくない一心で懸命に耐えようとするものの、快感は刻々と増していく。とうとう限界がきた。
次の瞬間、リナリーは大きく仰け反り、そのままガクッと脱力した。ビクン、ビクンと断続的に震える女体。同時に尿道から勢いよく噴き出す液体。エクソシストのプライドが崩壊させられるような恥辱の果てに、リナリーは夢魔に犯されながら達してしまった。
「あ……いや……いや……いやぁぁっ!」
屈辱のあまりリナリーは泣き喚く。だがそんなことで悪夢が終わるはずもない。
「イッたか。じゃあそろそろいただこうかな」
夢魔は身体を起こし、自分の腰とリナリーの腰を突き合わせた。ぴたりと彼の雄の器官が物欲しそうにひくつく割れ目に押し当てられた。その熱量はこれが夢とは信じられないほどリアルだった。
「――何をする気!」
リナリーは顔を強張らせる。
「決まっているだろう。俺たちは今、ひとつになろうとしているんだよ」
夢魔の肉棒が淫裂を押し分け挿入されていく。
「いやぁ! やめて!」
リナリーは必死に抵抗するが無駄だ。男は体重をかけて押し入ってくる。
「見えるか? リナリー。神の使徒なんて偉ぶってるエクソシストのおまんこにAKUMAのちんぽがぶっ刺さってるところ」
夢魔はリナリーの顔に手を添えて正面に向けさせる。目の前で起きている現実を見せつけられる彼女は悔しさに歯ぎしりした。男は根元まで収めたところで一旦停止して息を整える。そしてゆっくりと前後し始めた。初めはゆっくりとしたストロークだったが、次第にスピードを上げてパンパンという音を響かせる。
夢魔の男根がリナリーの蜜壺に出入りしている様子がよく見えた。リナリーの表情は怒りと羞恥に満ちていたが、時折快楽の波が押し寄せると切なげに眉根を寄せた。
「う、あっ……! はっ、はっ、はっ」
男に突かれるたびに艶っぽい吐息が漏れる。
さすがは夢。破瓜の痛みなどなくご都合主義な快楽だけ送り込まれてくる。
「どうだ? 俺のモノが腹の中を掻き回しているのが分かるか?」
「ふ、ふざけ……ないで……っ!」
「ほら、ここがリナリーの弱点だ」
男はカリ首で膣内の敏感な部分をぐりっと刺激する。
「ふわぁぁぁっ!」
突然の強い刺激にリナリーは目を見開いて身体を仰け反らせた。男はそこばかり狙って攻め立てる。
「あうっ! やっ! そこっ! だめっ! あふぅぅぅん!」
「ここだよな、これ。んっ。ここがいいんだよな?」
リナリーは弱々しく頭を振った。だが男は容赦しない。むしろ責めをエスカレートさせていく。リナリーが少しでも大きな反応を見せると、その部分ばかりを集中的に責め立てた。
「いや、だめ、だめ、ああ、だめぇ、ああああああ」
リナリーは小刻みに身体を震わせ、その度に甘い声を出す。もう身体は完全に快楽の虜だ。
リナリーは必死に歯を噛んで快感を耐える。身体は快感を欲しているのに精神がそれを許さない。相反する欲求が身体の内側で戦っている。
「もう身体は堕ちてるのに意地だけで繋ぎ留めるか。大した精神力だなエクソシスト」
「あなたなん、かに……負け、ない」
リナリーは夢魔を睨みつけた。夢魔はにやりと笑う。
「いいぞ。ますます快楽に堕ちる姿を見たくなった」
そう言うと男の姿は輪郭を失い徐々に景色に溶け始める。中年の医師だったものから無形の生物に。そしてまた別な人間の形を取り出した。
「お前の記憶を探らせてもらったぞリナリー。こっちの坊やが相手なら素直にイケるんじゃないか」
形状変化が安定したとき、リナリーの目の前にいたのは白髪の少年だった。エクソシスト仲間のアレン・ウォーカー。
「何でアレン君がここに!」
彼女は動揺を隠し切れない。この世界はリナリー自身の記憶を基にできているはずだ。他の人物が入ってこられる余地はない。
「彼はキミの深層心理が生み出した幻だよリナリー。キミの中で最も好感度の高い異性の形を取らせてもらった。彼に抱かれてキミは本当の自分になれる」
「そんな、そんなことあるわけが」
秘めた恋心を暴かれた少女が必死に否定する。だが本人でも気付いてない無意識さえ覗ける夢魔に嘘や誤魔化しは通用しない。
「認めたくないのか? 本当は嬉しいんだろう。彼とヤリたくて仕方ないくせに」
「そんなこと……ううっ」
リナリーは反論しようとするが言葉が出てこない。そればかりか濡れ方が酷くなってしまう。愛液をダラダラ垂らす女体に夢魔の手が伸びてくる。
「こんなに濡らして恥ずかしくないんですかリナリー?」
「やめっ……あぁ、やっ、はぁっ……その声で、顔で名前を呼ばないで」
「これはリナリーが望んだことなんですよ」
アレンの形をしたものはリナリーの両頬を手で挟み込んで強引に目を合わす。
「リナリーは僕に犯されたいと思っている」
「違う!」
「本当にそうかな。あなたの身体はこんなにも悦んでいるのに」
夢魔はゆっくりと腰を動かし始めた。お腹を内側から掻き回すかのように、ゆっくり、ねちっこく。膣壁に男根の段差が引っかかり、その度にリナリーは「あっ、あっ、あっ」と悩ましい声を上げる。
「リナリーは僕に犯されて悦んでいるんだよ。だからこうして今も締めつけているんだ」
夢魔はリナリーに言い聞かせるように語りかける。
「ちがう、私は、そんな、ああっ、感じてないわ」
口で否定しつつも彼女の肉体は与えられる刺激に対して正直だった。下腹部にじわじわと熱が広がっていくような感覚。それは決して不快ではなくむしろ心地よい。もっとこの感覚に浸っていたいと思うほどである。
――ちゅぷ、ぬぷ、ずぷっ。
男が腰を突き上げる度にいやらしい水音が鳴った。その音を聞いて自分が何をされているのか改めて認識させられる。
(ダメ、ダメよこんなの)
頭で拒絶しながらも身体は言うことを聞かない。姿形や声はアレンでも目の前にいるのはAKUMAなのだと己に言い聞かせても無駄だ。最奥に切っ先が届いてグイッと子宮を持ち上げられると悩ましい声が絞り出される。
「あっ、あっ、ああんっ……お、おかしくなる……んんっ……ふああ……あっ、ああっ……こ、こんな……んああっあっ、くあっ、ああっ……」
「可愛い声ですよリナリー。もう一度聞かせてください」
「――あぁっ……その声で喋らないで……そんな顔を、向けない、で……」
さらに強く肉棒を押し込まれ、一段とリナリーの声が甘く蕩けた。
「……も、もうイキそう……」
リナリーの身体が痙攣を始める。
「もうイクんですか。仕方ないですね」
夢魔は一旦ピストン運動を止めた。そして今度は奥深くまで挿入したまま腰をぐりぐり回転させる。
「ふわあああっ! ああ! やめっ! んあっ! またくる! またきちゃうっ! さっきより大きいの……あああん! だめ! イク! あひぃいいいいっ! イキたくない! 私イキたくないっ! アレン君の姿を盗んだだけのAKUMAにイカされたくない! 許して! やめて! やめて!」
「やめませんよリナリー。一緒に気持ちよくなりましょう」
「イクっ! イク! またイッちゃう! んあああああ! いやぁ! ダメぇ! おかしくなるぅ! すごい! またイッちゃうからぁ! あんあんあん! あああぁあああああああ! ああああああん!」
リナリーの口から一際高い嬌声が上がった。急速に迫りくる大きな動きに抗えず流される。膣奥に押しつけたままグラインドする動きで限界まで追い詰められた。
「ふふっ、ちょっと動いただけで簡単にイッちゃいましたね」
夢魔の言葉にリナリーは顔を真っ赤にした。恥ずかしさのあまり泣き出しそうになるがぐっと堪える。
「好きな男に抱かれて悦んでしまうのは女の本能のようなもの。恥じることはない。この坊やは現実でリナリーを抱いてくれるのかな。そんな甲斐性があるか」
「やめて。アレン君のことそんな風に言うのは」
「おっと失礼。別に二人の仲を面白がろうなんてつもりはないさ。ただ俺が知りたいのはアレンとの関係だ」
「……ただの同僚よ」
「嘘だな」
男はすかさず否定した。百パーセントの確信を持っている口調で。それはそうだろう。彼は今やリナリーよりもリナリーの内面を知ってるのだから。
「そんなに顔を赤らめて恥ずかしそうにしておきながら単なる同僚とは信じられないな。隠さなくていいんだぞリナリー。お前はこの男に惚れてるんだろ?」
「……違うわ」
図星を突かれ続けた少女の否定は弱々しくなる。
(私がアレン君を? そんなこと……)
ないと言い切れなくなったのは、まるで鏡のように自分の心を映し、強制的に見せつけてくる夢魔のせい。
「可愛そうなリナリー。こんなにアレンのことを愛してるのに現実では幸せになれない。だってそうだろ。教団はエクソシストをAKUMA狩りの道具としか思っていない。エクソシストたちが命を懸けて戦っている間、自分たちは安全な場所に隠れているだけじゃないか」
「…………」
「そのくせ連中はイノセンスの適合者から多くを奪っていく。家族も愛する人も傍には置けない」
それは家族の元から連れ去られ、幼少期からエクソシストになることを強要されたリナリーが一番よく知っている。教団には他にも元の生活から引き離され、有無を言わせずエクソシストとして働かされている人間がいた。
普段接する団員が好意的だから忘れがちだが、黒の教団内部でもエクソシストを道具扱いする者は少なくないのだ。かつてリナリーの肉体を弄んだ変態医師のように。
「イノセンスに適合したエクソシストは貴重だ。AKUMAがこの世にいる限り彼らはリナリーとアレンが結ばれ子を成すことなど歓迎しないだろう」
「そんなことない! 私たちだってエクソシストである前に人間なのよ。好きな人と一緒になりたいって願うのは当然でしょう」
「確かにその通りかもな。だが教団の頭が固い連中は認めないだろう。仮に子供ができたとしてもその子の人生はどうなる? キミたち夫婦は常に危険と隣り合わせだ。平穏な生活など与えてはあげられまい」
彼の言葉は正しいのだろう。だが納得はできない。いくら正論でも受け入れ難いことはある。それにこの話がどこへ行くのかも不明だった。結論が分からない話にはうっかり乗れない。
「あなたが何を言いたいのか分からないわ」
「単刀直入に言おうか? 俺ならリナリーに幸せな生活というやつを提供してやれる。AKUMAが存在しない世界、好きな男との間にできた子供、平凡だが満ち足りた生活。それら全てを与えられる」
予想外の答えだった。男の言っている意味が理解できない。
リナリーは訝しげに眉をひそめた。そんな都合の良い話があるだろうか。
「俺の能力ならその人間が見たい夢を見せ続けられる」
「そうやって夢の世界に閉じ込められた成れの果てが、あの村なのね」
村人たちは夢魔が見せる夢の世界から戻らないことを選択してしまったのだろう。全てが自分に都合よく進む世界、苦痛は何もなく理想通りに物事が起きるとしたら確かに誘惑は振り切り難い。
「リナリーも俺を受け入れろよ。そうすればアレンを独占できる」
男は再びリナリーの膣内で動き始めた。ゆっくりと優しく抜き差しを繰り返す。
「あふっ……んっ……はぁっ……あんっ……あっ……あっ……あっ……」
優しい動きだからこそ余計に感じてしまう。雌悦に支配されない思考が自分の身に起きていることを正しく認識する。目の前の相手と性器を擦り合わせて、性的興奮を得ているのだと刷り込まれる。
身体の奥に疼きを感じる。快楽を求めて勝手に腰が動いてしまう。その動きを見た男は嬉しそうに笑った。
「ようやく素直になってきた。そろそろ俺も本気を出すとしようか」
男の動きが一転して苛烈を極めた。パンパンパンと肉を打つ音が響き渡るほどに力強く腰を打ちつける。膣壁を抉り子宮口を押し潰すような激しい抽送だ。同時に乳房への愛撫も行う。乳首を摘み上げながら先端を指で擦った。それだけでリナリーの身体は大きく跳ね上がる。
「あああぁあああ! そんな激しくしたら……ひうっ、ああっ、ああぁあ!」
もはや言葉すらまともに発することができない。与えられる快感を受け止めきれないでいるリナリーの耳に、追い打ちをかけるように男が囁いた。
「さあ言ってごらんリナリー。俺を受け入れて夢の中で暮らすと」
「私は負けないわ! 都合がいい夢の中に逃げたりしない。私はエクソシストよ。あなたたちAKUMAを倒すんだから――ああっ!」
「ご都合主義で何が悪いんだ。辛くて苦しいだけの人生を嫌々やるより、楽しい夢の中で生き続けるほうが幸せだろ。神の教えか何か知らないが禁欲主義なんて馬鹿げてる。気持ちいいことが嫌いな動物なんて居ないのに欺瞞で捻じ曲げて、そっちのほうがよほど自然の摂理に反してるだろ」
男が腰を打ち付ける度に脳天まで突き抜けるほどの衝撃が走る。身体が仰け反ってしまう程の強烈な一撃だ。それが何度も何度も繰り返される。意識が飛びそうになるたびに子宮口をノックされて覚醒させられる。
赤ん坊のための場所を揺らされ、容赦なく突かれ、お腹の奥が甘い痺れで満たされおかしくなりそうだ。
「強情だなリナリー。まあそれもいいだろう。いつまでその虚勢が続くか見物だ」
夢魔の片手が少女の股間でピンと勃起したクリトリスに、反対側の手が触って欲しくて尖り狂う乳首に伸びる。
ゆるゆると円を描く動きでクリトリスはいたぶられ、乳首も指先で捏ね繰り回された。膣内を占拠する剛直が生み出す喜悦だけでも耐えることは困難。それが弱いところを三ヶ所同時に。
「そんなに強くしないで。ダメよナカだけじゃなくそこも一緒なんて。そんなことされたことない。気持ちよすぎて何も考えられなくなる」
「それでいいんだよリナリー。何も考えられないくらい気持ちよくなってしまえばいいさ」
夢魔は少女の胸に吸い付いた。ちゅうっと吸い上げると少女は甲高い声で啼く。舌で乳輪を舐め回し、甘噛みすると同時にもう片方も抓られた。さらに膣奥を小突かれると自分でも滑稽なくらいに反応した。その反応を見ながら夢魔はさらに動きを速める。
「あぁんっ……そんなにされたら……んんっ……またイク……ああんっ……イッちゃう……んあっ……もうダメ……イキたくない……のに……」
「でもイッちゃうんですよね。リナリーは僕におまんこ突かれると我慢できないから」
夢魔はアレンの顔や声を巧みに使い言葉責めしながらピストン運動のスピードを上げていく。
今まで以上の速度で腰を叩きつけられ結合部から溢れる愛液が飛び散った。ぐちゅぐちゅという水音が大きくなる。リナリーの口から漏れる声も艶めかしいものへ変化していった。
「んはぁっ、はあっ、やっ、激し、あんっ! やあっ、奥、奥っ、おくっ、ずんずんしてぇっ!」
「こうされたいんですね」
抱きついてきたアレンが耳元で囁く。想い人の声が恋する少女の脊髄を撫でた。官能の調べが聴覚から入って全身に毒を回す。
「違うわ、そんなこと言ってない!」
「嘘つかなくていいんですよ。リナリーは本当はこうしてもらいたかったんです」
これがお前の誰にも言えない欲求だろ変態女エクソシストめと責められてる気がした。
(そうよ……私ずっとアレン君にこんなふうに求められたかった)
教団の仲間の前では決して見せられない淫らな願望。みんなに優しい顔をしながら本当に欲しいのは一人だけ。
教団にいる間はただの同僚を演じなければならないからなおさら辛い。夢魔の言うことは一面の真実でもあった。それに加えてリナリー自身の性格がAKUMAと戦っている最中に自分の色恋が優先になることを許さない。
いつか千年伯爵を倒したらと気持ちに蓋をしてきたが、それもいつになるか分からない。その時まで自分とアレンが揃って生きていられるかも確かではない。
せめて夢の中だけでも恋人のように愛して欲しいと思うことは罪だろうか? 否、そんなことはないはずだ。しかし夢の中に住み続けることを選ぶのはどうだろう。
現実を捨て、現世で苦しむ人々を見捨て、これまでAKUMAとの戦いで散っていった命に背を向け自分だけが幸福を享受するのは果たして正しいことなのか?
「正しいも正しくないもないんだよリナリー」
心を読んだようにアレンの顔をしたものが言う。夢の世界で起きることは個人の考えすら筒抜けなのかもしれない。
「リナリーがしたいようにすればいいんだ。もう十分、リナリーは教団に奪われてきたじゃないか。これ以上我慢する必要なんてないんですよ」
「でも……」
「大丈夫。これからは僕が守ってあげますよ」
アレンの腰が巧みに動いた。一度の往復でリナリーが幸せになってしまうポイントを満遍なくタッチしてくれる動き。きっと本物のアレンよりも巧い腰使い。
「そんなこと言われたって今までの生き方を簡単に捨てられるわけない」
たとえ元の人生を奪われ、誰かに与えられた行き方だとしても、今はこれがリナリー・リーなのだ。教団のエクソシスト。AKUMAと戦う神の使徒。十年近くそうやって生きてきた。
「じゃあ証明してあげますよ。結局エクソシストでも個人の幸せや気持ちいいことのほうが使命より優先するって」
今度は小刻みに速く動かれた。膣襞が擦られるたび下腹部全体が熱くなる。特に最奥部にあるコリコリとした部分を刺激されると我慢できない。
「ここがリナリーの子宮。僕との赤ちゃんを作るところですよ」
速く細かい律動が女体の弱点に響く。生まれて初めて感じる快さが内側から肉体ばかりでなく精神も染め上げる。
「ああっ、そんな突かないで! そこはダメなのぉ! ああ、あああん、だめぇ! あはあああああ♡ こつこつしないで!」
「どうして? ここをこうやって突かれたら凄く気持ちいいでしょ? さっきぐりぐりしてあげたときも悦んでましたよね」
「そうだけど……ああっ、あんっ、いいっ、感じ過ぎちゃうからぁ!」
「この動きですよ。さっきイッたのを思い出しますね」
「おくっ、ぐりぐりしないでえっ! あん、ああん! だめぇっ、そこはダメなのぉ! んはあああ、ひもひいい、あひっ、ふあああぁ!」
もはや感じてないと嘘をつくこともできないくらい啼かされる。夢魔の手管に翻弄されてリナリーは身悶えた。抵抗できないまま何度もイカされてしまう。
快楽に翻弄されケダモノのように鳴き叫ぶ少女に応え、夢魔の動きが激しくなっていく。
「そろそろ僕も出しますからね。しっかり受け止めてください」
「だめえ、そんなの無理ぃ! ナカはだめぇ♡」
拒絶の言葉とは裏腹にリナリーの身体は膣内射精を求めていた。膣内では愛液が大量に分泌され肉竿の動きをスムーズにしている。子宮口は既に亀頭に吸い付き精液をねだっていた。膣壁がうねるように収縮すると男に掛かる圧が強くなり肉茎を締め付ける。まるで子種汁を吸い出そうとしているようだ。
淫らに蠢く媚肉に搾り取られるようにして男根が大きく震えた。次の瞬間には熱い白濁液が吐き出される。びゅるるるっと勢いよく放たれた大量のザーメンが膣内を満たしていった。
「ああああぁっ♡ 出てるぅ♡ 私のナカでアレン君のおちんちんがいっぱい出してるうううぅぅ♡♡♡」
子宮口に密着した鈴口からドクンドクンと脈動に合わせて濃厚な雄汁が溢れ出す。熱く粘っこい液体で膣道を汚された感覚にリナリーは歓喜した。
夢魔の能力によって作り出された偽りのアレンによるセックス。だが、それでも身体は与えられる快感に逆らえない。愛する人に抱かれていると思い込むだけでこんなにも感じてしまうなど、私はなんて浅ましく恥知らずなの。敵の術中に嵌まってると知りながらも悦ぶなんて。
(だけど仕方がないじゃない。だって好きなんだもの)
蓋をして気づかないふりしていた気持ち。一度気づいてしまうと箍が外れ自分でも抑えられない。
(どうしようもなく大好きなのよアレン君のこと。好き♡ 好き♡ 好き♡)
リナリーの心が千々に乱れる。その間も男は容赦なく腰を振り続けた。まだ硬さを失っていない剛直で突き上げられる度に意識が白く染まるほどの喜悦に襲われる。その悦楽に浸っているうちに再び絶頂を迎えてしまった。
リナリーと夢魔の交わりは三日三晩続いた。夢の世界には疲労も空腹も眠気もない。あるのは無防備な性器同士を擦り合わせ、絡みつかせて得られる快楽のみ。ひたすらに少女は男を求めた。
愛する少年の姿をしたAKUMAと交合し続ける。この村に来た理由も自分がエクソシストであることも忘れ、ただ雌として獣欲を満たすために交わる日々が続いた。
「はあ……はぁ……んんっ……ああ……あっ……ああっ……もっと……んふっ……んちゅっ……んむうっ……好きなの♡ 好きだからもっとしたいの♡ ううっ……気持ちいい……気持ちいい……っ。あっ♡ ああっ……」
何度目か分からないキスを交わしながら互いの舌を絡ませ合う。唾液を交換しあい飲み下す行為は興奮を高める媚薬でしかない。
「んんっ……ちゅぷっ……んはっ……れろ……んふぅ……ちゅぷ……じゅる……んんっ……ちゅう……」
唇だけでなく頬や瞼にも口付けをする。アレンの形をしたものはまるで恋人のようにリナリーを愛してくれた。優しく頭を撫でられるとそれだけで胸が高鳴る。逞しい身体に抱き締められると身体の奥が疼いた。こんな気持ちは初めてだった。
変態医師に触れられるのとは違う。
もっと欲しくてリナリーは自分からアレンに身体を擦り寄せる。たとえ彼が偽物だとしても構わない。そう断言できるほど彼女は溺れていた。
「他愛もないなリナリー。俺を討つと勇ましく村にやって来たときのお前はどうした」
「だって……」
「そんなお前に最後のチャンスをやろう。俺は村外れの教会にいる。一人で来い。現実でもリナリーのおまんこを使ってみたくなった」
アレンの顔をしたものから卑猥な言葉が飛び出す。その違和感にもしばし気づけないほどリナリーは夢に浸りきっていた。
「あっちでも抱かせてくれるなら、この夢の続きを見せてやる」
それだけ言うとAKUMAは姿を消した。今の今まで睦み合っていたアレンの姿はなく、リナリーは宿代わりに借りた家の一室で独り目を覚ました。
残された現実に彼女は呆然とするばかり。
(なんで私あんなことを)
夢魔の誘いに乗って教団を裏切り、アレンとの肉欲に溺れた自分を思い出すと顔から火が出そうだ。夢の中でAKUMAに犯されたことも鮮明に覚えている。とても夢とは思えない生々しい体験をした。
「……教会」
AKUMAが最後に言い残した言葉を口の中で唱える。
ベッドから立ち上がると少しふらついた。三日間飲まず食わずでセックスばかりしていたのだ。夢の中ならともかく現実に戻ってくれば身体は衰弱している。
そんなになるまでアレンとのセックスに夢中だった自分を思うと頬が熱くなる。同時に彼のモノで何度も掻き混ぜてもらった感覚が蘇り、ぶるっと震えたかと思うとおまんこの奥からドロドロの本気汁が漏れ出してきた。
その感触を確かめるようにリナリーは自分の股間へ手を伸ばした。
「んっ、はぁっ、あんっ、んくっ、んふううぅぅっ♡」
指先で軽く触れただけなのに達してしまいそうになる。それほどまでに彼女の肉体は発情しきっていた。
雌悦に支配された頭の中で再び「教会」と繰り返した。
手をかける者が誰もいない教会は荒れ放題に荒れていた。周囲は雑草が伸びて草むらと見分けがつかない。かつては光り輝いていただろう建物は色あせ、蜘蛛の糸がそこかしこに張っている。
ぎぃぃっと不快な音を立てるドアを開いた。換気も不十分な汚れた空気の中に男が立っていた。アレンとは似ても似つかない眼鏡を掛け、無精髭を生やした中年男。
「待っていたぞリナリー」
AKUMAは人間の姿で社会に溶け込んでいる。人を襲うときやエクソシストと交戦する時は、必要に応じて本来の姿に|転換《コンバート》するのだが、男は人間の姿でリナリーを相手するつもりのようだ。
「人間を犯すには人間の姿のほうが便利なのでね」
こちらの疑問を先回りしたように男が言った。彼の目線はリナリーの顔や胸、腰や尻周り、ミニスカートから伸びるすらりとした美脚に注がれる。それらを男は夢の中で心ゆくままに堪能したが、現実の肉体でも味わってみたくなったのだろう。
「答えを聞かせてもらおうかリナリー。ここまで来てお前は何を望む」
男の問いに対してリナリーは答えない。
彼は余裕綽々といった様子で薄笑いを浮かべたまま近づいてくる。一歩ごとに床板が軋んだ音を立てた。やがて二人の距離がゼロになる。男の腕が少女の細い腰に回された。
ぐっと引き寄せられた拍子に胸の膨らみが胸板に押しつけられる。そのまま男の顔が近づいてきて唇を奪おうとしてきた。
一つひとつの行為をリナリーはしっかり認識していた。そのうえで彼女は拒まなかった。
ちゅっとリップ音が空っぽの教会に響く。
最初は触れるだけの優しいキスだったが次第にエスカレートし舌まで絡めてくる。夢の中でしたことを思い出しながらリナリーも応じる。くちゅりと唾液の音が耳朶を打つたびに身体が熱くなった。口内で舌が蠢き歯茎を舐め回すと甘い痺れが走る。粘膜同士が擦れ合う感覚は心地良い。
まるで恋人同士のような深いキスにリナリーの理性は次第に蕩けていく。
男が満足するまでたっぷりキスを堪能した後でようやく唇が離れた。リナリーは荒い息を吐きながら潤んだ瞳で男を見つめた。
男はリナリーを跪かせると勃起した男根を取り出す。
「次はここにキスだ」
そう言って処女の口にちんぽを捩じ込んだ。夢の中でアレンにしてあげたことを思い出しながらしゃぶる。
まずは竿を右手で持って根本にキス。汗を掻く部分だけあって臭いが濃い。続いて亀頭から茎の部分に向かって舐めていく。ゆっくり男の反応を窺うような動きで。
裏筋からカリ首に至るところで舌先を止めて上目遣いに見つめると、相手は満足げに頷いてくれた。そして頭を掴まれて一気に奥まで咥えさせられる。喉を突かれて嘔吐感が込み上げてきたけど我慢だ。口全体を使ってご奉仕していると、徐々に硬度が増してきて先走り液が出てきた。それを舌ですくって飲み込むと頭がぽうっとしてくる。もっと味わいたい。欲望に従ってしゃぶり続けていると急に引き抜かれてしまった。物足りなさを感じる間もなく四つん這いに押し倒される。
「おいおい、パンツは履き忘れてきたのかエクソシスト。そんな短いスカートでノーパンはまずいだろ」
男に犯される。その覚悟が鈍らないよう下着は置いてきた。スカートの中をスースー風が吹き抜ける度、これから自分が何をしに行くのか思い出した。
「挿れるぞ」
男の声と共に硬いモノが押しつけられた。
ぐぐっ……ぬちぃ……。
肉の棒の先端が入り込んでくるのを感じた。痛みはないけれど圧迫感がある。それがゆっくりと奥へ奥へと進んでいく。
夢では数え切れないほど繰り返した行為。でも現実では初めて受ける挿入。
AKUMAのちんぽが美少女エクソシストの処女膜を破った。
やがて行き止まりに当たると男は動きを止めた。そこで一呼吸置いて今度は後退していく。
「ああっ! んあああぁ……っ!」
膣襞を巻き込みながら太いものが抜けていく感覚に思わず声が出てしまう。排泄に似た快感に腰が抜けそうになった。だが、それは序章に過ぎないことをリナリーは知っている。夢魔の能力は相手の精神に作用する。そして精神と肉体は密接な繋がりを持つ。
夢の中で快楽漬けになった少女の身体は既に堕ちていた。
膣内に侵入した異物を締め付けると同時に、もっと欲しいとおねだりしてしまう。子宮口が降りてきているのが分かる。膣全体が蠕動して肉棒を咥え込もうとしていた。
「はああぁっ♡ あああっ♡ あっ♡ あひっ♡ ひいいぃっ♡」
肉幹が半分くらい抜けた辺りで再び押し込まれる。また抜かれる。単調なピストン運動だが確実に快感は蓄積していった。快楽に酔い痴れるリナリーの表情は淫らそのもの。瞳は涙で濡れ口元からは涎が溢れている。清楚な雰囲気を漂わせていた少女が娼婦のように乱れていた。腰をくねらせ自ら快楽を求めようとする姿は淫靡極まりない。快楽によって自我を失いつつある彼女は無意識のまま口を開いた。
「おちんちんすごい♡ おまんこ壊れちゃう♡」
淫らな言葉を口にするたび自尊心やエクソシストのプライドが消えていく気がした。
「あっ♡ あああっ♡ もっと♡ もっと突いて♡ いっぱいズボズボしてぇ♡ おちんちん奥まできてる♡ 行き止まりまできてるぅ♡」
腰を前後に振りながら更なる刺激を求める様は発情期の雌犬のようだ。普段の彼女を知る者が見れば幻滅すること間違いなし。だが今はそれどころではない。頭の中はセックスのことでいっぱい。AKUMAの逞しい身体に抱かれて幸せだった。彼の太い男根で貫かれると、それだけで達してしまいそうになるほど気持ち良かった。自分の身体が人外のイチモツに馴染んでしまっているのを感じた。
「こっちじゃ俺はほとんど無力。この距離ならイノセンスを発動するだけで倒せるっていうのにそれもせず、自分からケツ突き上げて擦り付けてきやがって。そんなにAKUMAのちんぽが気持ちいいかよ」
「気持ちいい♡ すごく硬くて大きくて、お腹の奥まで届いてる♡ あんっ♡ 素敵っ♡」
バックから捩じ込まれた肉塊は彼女の深い部分まで犯していた。へその真下まで届いてるような気がする。
「俺を大したことないと侮って女ひとりで残ったのが運の尽き……いや、お前の判断ミスだったな。まさかこんなに簡単に犯せるとは俺も思わなかったぜ」
ぱしんっぱしんっと乾いた音が響く。男の平手が少女の尻たぶを打ち据えていた。
「この変態女がよ。悔しいか。エクソシストがAKUMAにチン堕ちして仲間に顔向けできるのかよ。謝れ!」
「ごめんなさいっ♡ 私、リナリー・リーはAKUMAのおちんちんに負けてしまいましたぁ♡」
少女は謝罪の言葉を口にしながら悦びに打ち震えていた。悔しくないかと聞かれれば彼女の中に僅かばかり残るエクソシストとしての矜恃が悔しいと叫ぶ。ぶるぶると身を震わせる感情の何割かは、倒すべき相手に自らおまんこを差し出し、ちんぽでいいように嬲られていることへの口惜しさだ。
しかし悔しいという気持ちの何倍も大きな幸福感がリナリーを支配していた。戦慄きの主成分は圧倒的な歓喜と興奮だった。
リズミカルな律動に合わせ少女の尻がパンパンと淫らな音を発した。後ろから伸びてきた手に自慢のツインテールを掴まれ、顎が天井を向くまでグイッと引っ張られる。無理な力が加わり首が痛んだ。乱暴的で野性的な交わり。自分の身体が他人に道具として使われる感覚。
それらがリナリーに眠っていた被虐願望を呼び覚ます。
背後から覆い被さってきた男に乳首を抓られる。
「ひぃいぃぃっ♡♡♡」
乳腺にまで響く強烈な痛みに悲鳴を上げても、乱暴な愛撫は止まらない。それどころか一層強く乳房を握り潰された。
「痛いっ♡ 乳首千切れちゃうっ♡」
懇願も空しく男の指は少女の胸の膨らみを押し潰したまま離れようとしない。
「本当にやめて欲しいのか? だったら抵抗すればいい。そんなに甘ったるい声でやめろなんて説得力ないぞ」
AKUMAの言う通りだ。苦痛の中に混じる甘美な感覚は否定できない。痛みに反応した乳首がますます固く凝る。それを男の指がくにくにと転がし、抓って悪かったなと謝るように甘やかしてくる。
アメとムチを感じる乳首転がしで意識が胸に集中した瞬間を見計らい、男が腰の動きを速めた。
「んああああぁっ♡♡♡ そんないきなり激し……いっ♡ あああぁっ♡ んっくうううぅぅぅぅっ♡♡♡」
ぱんっ、ぱんっ、ぱんっ、ぱんっ!
肌同士がぶつかり合う音が教会内に轟く。神の使徒と呼ばれる者が神の面前でAKUMAに犯され悦ぶなど不敬であるが、背徳的な状況に酔っている少女には些細なことでしかない。
「ふあぁっ♡ ああぁんッ♡ 奥に当たってる♡ 子宮口にキスされてる♡ これ好きぃ♡ 子宮の入り口ノックされるの好きになったぁ♡」
リナリーは目を閉じ、自分の膣内を出入りする男根のゴツゴツした形に意識を集中した。太く長い肉の槍が膣壁をゴリゴリ擦っていく。エラを張ったカリ首で襞を引っ掻かれるたびにゾクゾクした。特に先端部が子宮口にぶつかる瞬間はたまらない。敏感な器官を押し潰される衝撃が全身を駆け巡り、頭の天辺から足の先まで痺れるような快感が走る。
「ひぃっ♡♡ あっひいいぃぃっ♡♡ やめっ♡ 激しいのらめぇっ♡♡ ひぎっいいぃぃっ♡♡」
「イクのかリナリー」
男はピストン運動の速度を加速させた。彼もまたフィニッシュしようとしている。
「ふぎっいいっいぃっ♡♡ らめなのにぃっ♡♡ そんなに激しくしたららめぇっ♡♡ もうイクッ♡♡ イッちゃうっ♡♡♡ イクうううぅぅぅっ♡♡♡♡」
リナリーは歯を食い縛るが、それも長くは続かなかった。次の瞬間、絶叫と共に大きく仰け反った後、彼女は糸が切れた人形のようにぐったりと脱力する。アクメを迎えたばかりの身体はビクビクと痙攣し、結合部から愛液が飛び散っていた。
汚れた床に顔面からダイブする寸前で再び男の手がツインテールを掴む。猫の子供でも摘み上げる乱暴な手付きでリナリーは彼の胸元に引き寄せられた。
男は抱き起こした少女の身体を膝の上に座らせ背面座位の体勢を取った。
より深く繋がった状態で男は下から突き上げるように腰を揺する。亀頭が子宮口をこじ開けようと突き進むたび、意識を取り戻したばかりのリナリーの口から甘い吐息が漏れた。
「これっ♡ おちんちんが深くまで入る♡」
「好きだろ。ちんぽ奥まで入ってくるの」
「やぁ……んんっ♡ だめっ♡ だめっ♡ 奥っ……そんな強くっ♡ 擦っちゃっ♡ ああぁっ♡ あっ♡」
「リナリーも自分で動くんだ。この可愛いお尻をふりふり振りたくって男を誘惑するんだよ。いっぱいちんぽ勃ててセックスしてくださいってな!」
「んんっ♡ しゅきっ♡ おちんぽしゅきぃ♡ 奥までっ♡ ずんずんしてっ♡ んはぁっ♡ そこっ♡ あっ♡ そこっ♡ きもちいいっ♡ いいよっ♡ きもちいいっ♡」
まだ余韻が残っているらしく全身が小刻みに震えている。だが、それも僅かな間だけ。すぐに新たな快楽を求めて腰をくねらせ始めた。一度火が点いた女の身体は簡単には鎮まらない。むしろ熱量を増して燃え盛る一方だ。
「んんんっ……っ♡ んあぁっ♡ あぁぁっ♡ ああっ♡ こんなはしたないっ! 恥ずかしいことっ! 恥ずかしいっ! いやぁ♡ 恥ずかしいのに♡♡ あうぅっ♡ 恥ずかしいことするほど気持ちいいいっ! んんんっ♡」
「当たり前だろ。セックスなんてのはお互いをさらけ出してやるものなんだ。恥ずかしいことすればするほど気持ちいいんだよ。この感覚を知ったら戻れないぞ。お前はセックス大好きな淫乱娘だ。思う存分乱れろ!」
下から突き上げてくる彼の動きに合わせ、リナリーも尻を上下に振った。腰を下ろす時は円の動きを加え、肉棒に媚肉を纏わりつかせた。
「よしっ、イけ! 無様にアクメ決めろ!」
乱暴な口調で男が命令した。彼の言葉通り絶頂を迎えるべく少女の肉体が準備を始める。膣壁がうねり肉棒を締め付ける。ヒダというヒダが絡みつき、竿の表面にある無数の突起が擦れ合った。同時に尿道口から熱いものが迸り、それが男の下腹を濡らした。
「おちんちんでイクッ♡ 気持ちよすぎてイクの止まらない。またAKUMAにおまんこ犯されてイクっ♡」
ガクガクと身体を震わせながら彼女は二度目の絶頂を迎えた。脳髄が蕩けてしまいそうなほどのエクスタシーに酔い痴れる。
「俺もだ」
リナリーから遅れること十秒ほどで男も射精した。AKUMAの種がエクソシストの子宮を汚す。少女の卵子をゲスの精子が取り囲んだ。
「はひぃ、あ、熱ッ、熱い♡ 出てるっ♡ おまんこの中で精液いっぱいっ♡ またイクッ♡ イッてるぅ、私イッてるぅ♡」
「気に入ったぞ、リナリー」
激しいオルガスムで放心状態の少女に男が声をかけた。
「お前の身体、最高だ。このまま俺のものになれ」
「やくそく……ちがっ……」
一度抱かれてやったら幸せな夢の中で暮らさせてくれるという約束だった。
「もちろん夢は見せてやる。その代わり身体は俺がもらう。夢の中でアレンに抱かれ、現実の肉体は俺に抱かれるんだ。交換条件と言っては何だがリナリーの肉体は俺が管理して長生きできるようにしてやる。末永くアレンと夢の中で幸せな日々を過ごせるようにな」
「……本当?」
「ああ本当だとも。嘘じゃない。約束するさ」
「わかったわ。あなたのものになる」
男の提案は魅力的だった。いくら夢の中で幸せになってもすぐに死んでしまうのでは物足りない。
(どうせこれからは夢の世界が私にとっての現実なんだもの)
「いい子だ。素直な女は好きだぜ」
リナリーは背後から顎を掴まれ振り向かされる。そして唇を重ねられた。そのまま男は舌を挿してきて口内を舐め回す。
「んっ……♡ ちゅっ♡ れろっ……じゅるっ♡」
舌を絡め唾液を交換する濃厚な口づけを交わすうちに、男の股間が再び鎌首を持ち上げた。
「誓いのキスだ。神様流に行こうぜ。契約期間は死がふたりを分かつまで、な」
リナリーは意識が遠のいていくのを感じた。このまま自分は眠ってしまうのか。全てをこちらの世界に残し、ひとりだけ幸せになるためあちらに行ってしまう。そのことを少しだけ申し訳なく思った。
けれど、後悔はなかった。だって夢の中なら愛する人とずっと一緒にいられるのだから。
あとがき
Skebご依頼お待ち!
1万文字予定の依頼だったけど気づいたら倍のオーバーランしてたよ。止まんねえなと思いながら書いてたね。
今回『D.Gray-man』読み直したけどリナリーのツインテール時代って単行本8巻までなのね。初期デザインじゃなくなって16年も経つのか。でも未だにリナリーと言えばツインテールのイメージ。
クリムゾンさんのエロ同人でもツインテールだったしね!
夢の中でアレンの姿をしたAKUMAとラブラブ恋人エッチして理解らされるリナリーは後で読み放題プランにします。
まだ詳細な内容は決めてないけど5000~1万文字の間くらいになると思います。
PS.コムイが来るまで自殺も考えるくらい酷い扱いをされていたという過去エピソードで、絶対幼女趣味の変態にいかがわしいことされてただろと思った初見時の記憶が蘇ってきました。