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Skeb依頼で書いてるものの途中まで。全三部構成の第一部のみ。全文は依頼者だけに。


あらすじ

マスターとはぐれたマシュは親切そうな自称・運送業のおじさんと出会う。彼に領主の城まで馬車で連れて行ってもらう。親切な人だったなと感謝したマシュだが、おじさんの本当の顔は人買い。周辺の村々を巡って美しい女を買っては貴族に売却する仕事をしていた。


まんまと領主に売られたマシュは隷属の腕輪を嵌められる。自由を奪われたマシュに領主は命令する。


「お前の体はセックスが好きで好きで堪らなくなる。たとえ気持ちがない相手でも触れられれば感じ、ちんぽを挿れられれば限界までイッてしまう。男に求められたら全力で応じずには居られないセックス狂いのヤリマンになるのだ」


本文

 あれは私達がとある異聞帯を訪れた直後のこと。立ち込める濃霧の中でお互いの姿を見失い、私は必死に呼びかけながら先輩を探し、歩き回っていました。


 あたかも私達が来るのを待っていたかのようなタイミングで濃くなった霧に、何者かの思惑を感じながら。


 歩けども歩けども先輩には会えず、叫び続けた喉が疲れて声も出なくなり始めたころ、やっと私は霧から抜け出せたのです。


「ここはどこでしょう。整備された街道のように見えますが」


 明らかに人の手が入った道。地面は踏み固められ人の往来を感じさせます。


 ここで先輩を待つべきか、それとも人の集まる場所まで行って情報収集すべきか、私には二つの選択肢がありました。


 霧を抜けるまで一度も気配を感じなかったということは、違う方向に歩いてしまったのかもしれない。だとすると待っていても先輩が同じ方向へやって来るとは限らない。そう考えた私は街道の先に見える建物を目指すことにしました。


 それはお城でした。この地方の領主の城かもしれません。


 目立つ建物だから先輩もあれを目印にやって来るかも。そうすれば合流できると私は希望を胸に歩き出しました。


 しばらく行くと街道の脇に馬車を止めて休憩してる人に出会いました。


「こんにちは」彼が気さくに挨拶してきます。


 顔の半分以上が髭で隠れたスキンヘッドの少し強面な男性でしたが、笑うと意外にも人懐っこく小太りな体型もあってコミカルな印象に変わります。


「こんにちは」この異聞帯に来てから初めて会った人間に私も挨拶を返します。挨拶はすべての基本ですからね。……と、このときの私は真面目に思っていました。いま思えばこのとき彼と関わるべきではなかったのに。


「お嬢さん見ない顔だね。こんな別嬪さんなら一度見たら忘れないはずなんだがな」


 彼は意外にも口が軽くリップサービスがスラスラと出てきます。その後も私の容姿を次々に褒めそやしました。なんだか聞いてると恥ずかしくなってしまい、私は慌てて話題を逸らします。


「あのお城はご領主様の住まいですか」


 私が指さした方向を男性も見ます。


「ここら一帯を収めてる領主の居城だな。嬢ちゃんあそこを目指してるのか」


「はい。それから私のことはマシュとお呼びください。あなたのことはなんとお呼びすれば?」


「いけねぇ、いけねぇ。自己紹介もせず話し込んじまったな。俺はダグラス。ダグとでも呼んでくれ。仕事は荷物を街から街まで運ぶ運送業といったところだ」


「分かりましたダグラスさん。先程の質問の答えですが実は連れとはぐれてしまいまして」


 私は彼に自分の状況を話しました。一緒に来た人物と霧の中で別れてしまったこと、あの目立つ建物を目指せば自ずから彼と合流できるのではと考えたこと。すべてを聞き終えたダグラスさんは、にやっとからかうような笑みを浮かべます。


「彼ってことは連れは男か。まあな。マシュほどの美人さんなら一緒に旅する男くらい居るわな」


 どうやら彼は私と先輩を恋仲だと勘違いしたようです。


「いえ、私と先輩は恐らくダグラスさんが考えてるような関係ではないと思われます」


「分かった、分かった。そういうことにしておいてやるよ」


 ちっとも分かってなさそうなダグラスさんは言います。「しかし歩いて行くとなったら意外と遠いぜ。この先で道は蛇行しながら伸びてるんだ。見た目よりも歩かされるんだ。人の足だと今夜中につけるかどうかだな」


「本当に遠いんですね」


 デミ・サーヴァントの私は体力に自信ありますが、生身の人間である先輩はどうでしょう。それに夜遅くなれば街道にも危険な獣が出るかもしれません。


 私が顔を曇らせるとダグラスさんが名案を思いついたと手を打ちます。


「俺が馬車で城まで乗っけってってやるよ。名馬と呼ぶには程遠いが人の足よりは速いだろ。城に着いたら領主に先輩とやらを探してもらえるか掛け合ってみるといい」


「対応してくれるでしょうか」


「ダメ元だな。かと言って霧の中に戻って一人で探すかい?」


 歩いて来た道を振り返ると相変わらず濃霧が立ち込めています。街道の途中からすっぽり霧に覆われ先が見えません。それが私には迷い込んだ者を丸呑みする怪物の姿に見えました。


 私はダグラスさんにお願いしてお城まで連れて行ってもらうことにしました。彼の言ったとおりでした。街道は途中から蛇行し、お城へは真っ直ぐ向かわないようになっています。


「まあ攻め込まれたときの対策だな。このあたりは昔から隙あらば戦しようとする領主が多い。城に真っ直ぐ敵を迎え入れるようには作れなかったんだろ」


 なぜこんな回りくどい道にしたのかと尋ねる私に、ダグラスさんは歴史的な要因があったのだと説明してくれました。


 道すがら私が退屈しないよう話しかけてくれるダグラスさん。このとき不覚にも私は彼のことをいい人だなどと思ってしまいました。


 やがて私たちは領主の城に辿り着きました。ここは自分が話を通したほうがいいだろうと彼は城の門番のもとへ向かいます。少し離れた場所に停まった馬車で私は待機しています。


 ここのことは右も左も分からない私が支離滅裂な話をするより、現地の人に任せようと判断しました。このときの判断も私は後に後悔します。一緒について行ってれば……。


「領主が会ってくれるらしい。ここで俺とはお別れだ」


 戻って来たダグラスさんが告げます。


「何からなにまでありがとうございました。このご恩は忘れません」


 私の感謝を彼はどのような気持ちで聞いてたのでしょう。少しは罪悪感というものを持ったでしょうか。


 兵士に連れられ私は城の中に通されました。来客用の応接室にでも連れて行かれると思いましたが、兵士はドンドン城の奥深い位置に進んで行きます。途中から明らかに執務を執り行うスペースではなく、領主の私的な居住スペースに足を踏み入れます。一般の兵士には立ち入る権限がないのでしょう。途中で誘導役が交代しました。


「あの、本当にこちらで合ってるのでしょうか。私は迷子を保護してもらいたかっただけで、特別な来賓ではありませんよ」


「問題ない。ついて来い」


 先導の兵士は少しも歩調を緩めません。


 やがて彼が「ここへ入れ」とドアを開けます。指示に従うと部屋は寝室のようでした。窓際に大人が五人は寝られそうな巨大なベッドが置いてあります。隣の部屋に繫がるドアの先は次の間でしょうか、それとも浴室?


「これは一体」振り返った私の鼻先でドアが乱暴に閉まります。


 ドアノブをガチャガチャ回しても無駄。鍵が掛かっているようでした。


「大人しそうな見た目に似合わず元気のいい娘だ」


 部屋の奥から声がして振り向きます。先程は閉じていたドアから男の人が出てくるところでした。縦にも横にも大きな体は威厳があります。ここに居るということは彼が領主なのでしょうが、貴族というよりベテランの木こりか傭兵と言ったほうがしっくり来る風貌です。


「こっちへ来い」


 領主が命令したときです。私は自分の体に異変を感じました。


 彼の声が頭蓋の中で反響して脳を揺らします。従ってはいけないと思いながらも足が動きます。そこに私の意思はありませんでした。


「――な、なにをしたんですか」


「あの人買いに腕輪をもらっただろう」


 人買いがダグラスさんのことだとすぐに気づきました。この異聞帯に来てから物をもらうほど親しくなったのは彼しか居なかったからです。


 私は自分の左手首にハマった腕輪を見ます。ダグラスさんが残り物で悪いが友好の証と旅の餞別にとくれたものです。何の変哲もない腕輪と思っていたそれが、いまは怪しく光り魔術の気配を放っています。


「そいつは隷属の腕輪だ。身に着けた人間は、ワシの声に逆らえないようになる」


 私の足は吸い寄せられるように領主の前で止まりました。近くで見ると彼は見上げなければならないほど大男でした。


「気をつけ。動くな」


 領主の命令で私の両腕は棒のように固まります。体の横から一ミリも動かせなくなりました。


 彼は無防備な私の両肩に手を添えます。ゆっくり顔が近づいてきました。まさか、それはダメだと避けようとしますが、私の体は微動だにしません。接近してきた彼の唇が私の唇に触れるまで時間はかかりませんでした。


「んっ!」


 樫の木のように堅い体をさらに堅くして私は衝撃を受け止めます。キスされてしまいました。男の人に。先輩以外の人に。


「んっ、んっ、んー! んー!」


「なんだ初めてか。そのように男を惑わす扇状的な格好してるから、とっくに経験済みかと思ったぞ。……面白い。開発してやろう」


「んちゅ、ちゅぷ、はむっ、んにゅ、んー! ちゅむ、れろぉ、んちゅっちゅっ」


 自分でも露出が多い自覚あるシールダーの格好。それを揶揄されながら口内を領主の舌に舐られます。さらに彼の両手が肩から私の臀部に移ってきました。やはり貴族には似つかわしくない、肉体労働者のような肉厚な手がヒップを揉みます。


「ひっ、あっ……んあぁ! やめ……くだ……さっ……」


「ワシだけでなくお前のことも楽しませてやろう。ワシは慈悲深い男だからな。


 慈悲深い人間が隷属の腕輪で他人を操るでしょうか。


「お前の体はセックスが好きで好きで堪らなくなる。たとえ気持ちがない相手でも触れられれば感じ、ちんぽを挿れられれば限界までイッてしまう。男に求められたら全力で応じずには居られないセックス狂いのヤリマンになるのだ」


 女性の自由意志や尊厳を無視した非道な命令。絶対に従ってはいけない絶望への誘い。だというのに私の体は劇的な変化を起こしました。


「んあああぁ……そんな……ああ……あぁあああん♡♡」


 領主にされるキスが、尻揉みが、先程まで嫌悪感しか抱かなかった行為が、気持ちよくて我慢出来ないのです。しかも男の人にエッチなことをされている、自分の体が求められていると思うと、次から次に愛液が溢れて止まりません。


「い……いや……あっ♡ あっ♡ だめぇ……あっ♡ あっ♡ あっ♡ あっ♡ あっ♡ あーーーーっ♡♡♡♡」


 信じてください。このときまだ私は真実、|処女《はじめて》でした。人生の大半を施設で過ごし、接触できる人間も限られていた私が、異性と交わった経験などあるはずありません。


 それなのに領主のキスが、お尻を揉む手が、私を易々と絶頂させてしまいました。


「まずは風呂に入れてやる。汚れた女を抱く趣味はないからな」


 そう言って領主は私の衣服を脱がせにかかります。抵抗しなければ、逃げなければと頭では考えるものの、隷属の腕輪で動けなくされた体は自由が利きません。彼の指先に乳首や太ももの際、おまんこやクリトリスまで撫で回されながら全裸に剥かれてしまいます。


 もちろんお風呂だって普通の入浴なはずありません。


「どうしたマシュ。洗っても洗っても股間がヌルヌルして綺麗にならないじゃないか」


 領主の指が私の内側に潜り込みます。背後に回った彼は私を自分の脚の間に座らせ、抱きしめるように前へ回した手でおまんこを掻き混ぜてきたのです。


「ひあぁっ、ああぁっ♡ 領主、さまっ♡ そんな、されたらっ♡ ひゃうんっ、ひぁぁあっ♡ だ、ダメですぅううっ♡」


 これも隷属の腕輪の効果でしょう。男の人のたくましい胸に抱かれ、彼の太い腕に絡め取られながら、女の弱い部分を擦られると泣きたくなるほど気持ちよくて幸せになってしまいました。何もかもが間違ってる状況なのに、未経験のことで怖いはずなのに、疑いようもなく私の体は発情していました。


「あっ、ああっ、はぁああっ、ああっ♡ 領主、さまぁ♡ そこはダメっ、です……んはぁあああンッ♡」


 自分で思い出しても恥知らずと罵りたくなる声を風呂場に響かせながら私は達してしまいました。


 初めて感じる性的な絶頂。余韻に浸る私の体を領主は軽々と抱き上げてベッドに連れて行きます。


「もう我慢ならん。マシュが魅力的だから悪いんだぞ。その可愛い顔、男に抱かれるため生まれてきたような肉体、それでいて男というものをまったく知らない無邪気であどけない雰囲気。手取り足取りワシが体の隅々まで教えてやるからな。女の体が至れる快楽の限界を」


 辛坊たまらんと息を荒らげた彼の手が私の両脚を開きます。お湯を掛けても掛けても洗い流せなかった粘液が、異物の通りをよくするため滾々と湧き出てきます。その状態の女を前にして、領主は躊躇うような人間ではありませんでした。


 ぬぢゅっ、ぐぢゅっ、ずにゅずぽぽっと濡れた音を立て、ぬかるみを歩くように彼の肉棒が私の膣内に入ってきます。媚粘膜を握り拳ほどある巨大な亀頭で押し広げられました。


「んっ! んっ! くっ! うぅっ!」


 初めては痛いと本で読んだことがありました。人によっては出血するとも。しかし、このときの私は、領主との結合で性感を得ていたと認めぬ訳にいきません。巨大な異物に体を拡張される不快感や違和感はありました。ですが痛みは然程なく、私の体は破瓜の瞬間から男の人にされることを受け入れてしまったのです。


「ひぐっ! ふあぁっ! あぅっ!」


 自分でも戸惑ってる間に甘い声が出てしまいます。一突きされると私の思いも記憶も漂白され、真っ白にされるよう。何のためにお城へ来たかもそのときは忘れてしまいました。


「ひぐぅっ! んあぁ! うっ! はっ! はぅ! くっ! うう~っ!」


「声を我慢しようとするな。忘れたのか。マシュは男に求められたら全力で応じずには居られないセックス狂いのヤリマンなのだぞ。ヤリマンらしく派手な嬌声で男を悦ばせろ」


 隷属の腕輪が仄かに青白く光りました。私の口は脳ではなく子宮と直結させられたのでしょう。下半身の代弁者となって領主が悦ぶだけの言葉を吐いてしまいます。


「領主さまの性器が……私のナカを、犯してます……こんな……こんなのイヤなのに……あっ! いやなのにおちんちんに逆らえないんです……あぁぁ! ひうぅ、うあぁ、あっあっ!」


 嫌だという気持ちは相変わらず持っている。それなのに体が、心が、否応なく男の肉棒と動きに呼応して昂ぶってしまうのです。


 嫌なのに、本当に嫌なのに、私はお風呂上りの火照った体に玉の汗を浮かべ、荒い息を吐いて官能に身をくねらせます。


「マシュ、いま自分がどのような顔をしているか分かるか? 先程まで浮かべていたあどけない少女の面影は消え去り、男を活気づけ貪ってもらいたがる娼婦のような顔だぞ。ワシのちんぽが気に入ったか、そんなに好きか。こうか? こうだな? それとも、こっちの動きが好いか?」


 領主が挿入の角度を変えると、膣内のお腹側に圧力が掛かります。斜め下から突き上げられると腰から下が溶けてなくなったかと思う感覚に襲われました。


「ふっ♡♡ ふっ♡♡ んんっ♡♡♡! ふっ♡♡ ふっ♡♡♡」


 ぶわっと首筋や脇の下から粘っこい汗が吹き出しました。運動したときの汗よりも、恐ろしい目にあったときや羞恥心を感じたときに生じる、精神性の発汗に近いです。


「マシュはGスポットが感じるか。もっと突いてやるぞ」


 領主のペニスが私の弱点に狙いを定めます。彼の巧みな腰使いとペニスの質量、疲れ知らずに動き続ける腰の律動によって私はデミ・サーヴァントではない、ただの少女に堕とされていました。


「あんっ♡ あっ♡ ああっ! そこ♡ そこ弱いっ! だめっ! あっ、あっ、あんっ♡」


「同じところばかりでは飽きるだろ。いろんなところで感じさせてやるからな」


 領主は一度ペニスを抜きます。私の体を裏返し、四つん這いにして腰を引っ張り上げました。顔と胸をベッドに押し付け、お尻を彼に向かって突き出すような体勢にされます。その格好のまま彼が後ろから近づいてきます。


 ずにゅぅっと膣口に彼の大きな肉棒が押し当てられます。一度受け入れた私の膣道は最初の挿入よりも格段に領主のペニスを飲み込みやすくなっていました。


「おひぃ、あひぇ♡ ふひ、ひぃぃ♡ あ、あっ♡ ああ♡ こ、こんなの……いやです♡ あああ♡ しぬ♡ しぬ♡ しんでしまいます♡」


 私の理性が千々に掻き乱されます。強すぎる快楽を与えられた女は悦ぶのではなく、命の危険を感じて怯えるのだと初めての性交から学びました。


「んっ、くうううぅっ! ふ、太いぃ! お、大きすぎ……あ、ああ……こ、これ以上は……あ、ああ! ひ、拡がってしま……ふああっ!」


「さっきより締まりがいいじゃないか。大人しそうな顔して正常位より獣の体位で犯されるほうが好きか。ワシも好きだぞ。マシュをバックで突くのが大好物になりそうだ。ワシの腰と衝突するたび尻肉がブルルンと揺れて波打つ。絶景かな絶景かな」


 領主が私の背中に覆い被さります。そして両手を私の胸に伸ばし、後背位で突かれ揺れていた乳房を揉み始めました。


「ここも遊ばせておくのはもったいない。やはり乳の大きい女をバックからハメ回すのは最高だな」


 覆い被さった状態でも彼のスムーズな腰振りは少しもつっかえません。より密着した体勢で肉襞の迷路を掻き分けてたどり着いた奥、シロップのようにドロドロした本気汁が溜まる蜜壺を自慢の亀頭で捏ね回します。


「マシュのまんこ全体がワシに屈服して縋りついてきよる。すっかり高貴なちんぽが気に入ったようだな」


「そ、そんなことっ……あっ、あっ! 奥だめっ♡ もう奥には、入れないでくださ……っ♡ あ、あ、あ、あ、あ゛あ゛あ゛ーっ♡」


「隠すでない、隠すでない。ワシは嬉しいぞマシュ。こうやって新たな妾に迎えたお前とワシの相性が最高でな」


「こんなの、この腕輪のせいです! これがなければ無理やりされて感じることなどありません」


「そうかもしれんな初めのうちは。だが毎日これをくれてやるうちに、体のほうが忘れられなくなる。毎日、毎時間して欲しくなるぞ。ワシに抱かれることが無上の悦びになる」


「わ、私は嬉しくなんてぇ。あっ、あん! ひゃん!」


「いいや、絶対そうなるようにしてみせる。ワシの妻や、いま居る妾たちも、そうやって従わせたのだ。あの人買いは各地を回って若い女を買い集め、貴族の妾として売り飛ばす男よ。これまでワシも何人も世話してもらったわ。マシュのような上玉を連れてくるとは、さすがにワシの趣味が分かっておる」


 腰と同じくらい領主の舌はよく回ります。


 ここに至って愚かな私は、やっとダグラスさんの狙いが最初から私で、領主の慰み者にするつもりで拾ったのだと気が付きました。本当に愚かでした。大事なものを奪われ無力化されてからやっと気づくなど。


 あなたの妾にはならない、私は先輩を探すと言いたいのに、特大の亀頭が有無を言わさず最奥まで入り込み、敏感なポイントをグリグリされると抵抗する意思が、声が、肺腑ごと押し潰され無意味な嬌声に変換されます。


「隷属の腕輪を着けられた時点で勝敗は決しておる。頭でどう思おうとマシュはワシのちんぽに狂って青い血の血筋を引いた子を成すのだ」


 子供。その単語を聞いた瞬間に私のナカで子宮が降りました。孕ませてもらいたくて膣内射精を歓迎する風に。


「あ゛ぅ、あ゛ぁッ♡ そこっ、だめ、それ、らめぇぇっ♡ あっ、あ゛ぁあ、あ、あがぁっ♡」


 尊厳を傷つけられ、体を汚される行為であるはずなのに、私の口からは悦びに満ちた声と唾液ばかりが漏れます。もう彼が言うように体のほうは反撃不可能なほど追い詰められていました。


 お尻に打ちつけられる腰の荒々しさ、子宮が降りて浅くなった最奥に叩きつけてくる男性器の力強さ、それらが生み出す愉悦に染まった肉体を領主のピストンに揺らされました。


「ひぐっ……あふっ、あっ、お、お、奥でおちんちんが、ぐりぐりって……ぁ、んひいっ!」


「イクんだな。もうイキたいんだろ。ワシの子種を受け止めて全身全霊で孕め!」


「おうっ? んぅっ、はっ、あふっ、んぎっ! いっ、ぎもぢっ、いひぃひっ! あっ、あっ、あ! あ! あぁぁぁーっ!」


 快楽に屈した私のお腹に熱い液体が注がれます。マグマのように熱い液体は粘性を伴って私の子宮や肉襞に貼り付きました。大柄な体格に見合った圧倒的な射精量と勢いに圧され、私は膣内射精で強制的にイカされてしまいます。


「ん゛っ、はぁ、あっ、あっ……いくっ、あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛! イキたくないのにっ! また……まら……イグっ、ん゛あっ……くあ゛あ」


 これが私と領主の初夜の話です。私を妾に迎えた彼は宣言どおり頻繁に抱きに来ました。昼間は与えられた私室に閉じ込められ、夜になると領主がやって来るのです。部屋に見張りは一人しか居ませんが、隷属の腕輪で逃げ出さないよう命令されてるので逆らえません。


 見張りは内側からの逃亡を防ぐためではなく、外からの侵入者に備えるためのものでした。


 本当に彼は自慢するだけあって精力絶倫でした。部屋から出られない私には妾が全員で何人居たか定かではありません。たまに他の女性の臭いを漂わせ、射精の残滓をペニスに残しながら私の部屋へやって来るので、一晩に何人もの女性を渡り歩く日もあったようです。


 それだけ奔放な性生活を送っているのに、いつ抱かれても常に領主の性器は雄々しく、巨大で、女をダメにしてしまうモノでした。


 ある夜、私は彼に贈られた下着を身に着け、騎乗位で自ら腰を振りました。黒いレース飾りがついた下着は、上が乳首と乳輪丸見えのオープンカップブラ、下も女の大事なおまんこある位置に穴が開けられたオープンショーツです。


 大事な部分がちっとも隠れてない、下着としての用を成してないブラとショーツは、身に着けないほうがマシかもしれないとさえ思いました。


「やはりマシュには黒が似合うな。白い肌との対比が映えてるぞ」


 下からも腰を使いながら領主が褒めてきます。このころになると私の体は完全に彼のモノに馴染み、以前よりも強く性感を感じるようになりました。


「あぅ♡ あ、ありがとうございま、ひゃ、はぅん♡」


 腕輪の効果で彼を悦ばせる行動しか取れない私の口から、領主の褒め言葉に対する感謝が漏れます。そんなこと本当は言いたくないのに、放して、先輩のもとに帰りたいと言いたいのに言わせてもらえません。


「ふふふっ。マシュも素直になれたな」


 酷い。あなたが言わせてるのに、私の意思ではないのに。抗議の言葉はすべて嬌声に塗り替えられ、彼に命令された腰振りは止まってくれません。


 領主が身を起こして私の体に腕を回します。淫乱な私の体も彼に応えて大きな体を抱きしめました。いわゆる対面座位の体勢になり、上体をピッタリとくっつけ、彼が下からゆっくり突き上げてきます。


「マシュも自分で動くんだ」


 私はベッドに膝をつき、自分で腰を上下に振ります。この城に来るまで性的な経験など一度もなかった私は、始めて騎乗位や座位で腰を振らされたときはぎこちない動きしかできませんでした。そんなとき領主は私の臀部を鷲づかみにして、こう動くのだと体を押し回してきました。


 彼の手取り足取りな指導は確かに効果ありました。いまの私はセックス慣れした娼婦のように腰を振ります。男の人を悦ばせるため、ガチガチに勃起した逞しいおちんちんを射精に導くため。


「んっ! んっ! くっ! ああっ!」


「感じているなマシュ。もっと感じろ。もっとワシのちんぽで善がり狂え」


 私が下へ動くのに合わせて彼が腰を突き上げてきます。そのたびに自分ひとりで動くよりも深い場所へ亀頭が入り込み、領主との共同作業でなければ得られない甘美な痺れが私の体を駆け巡りました。


 彼の手が私の後頭部を掴みます。僅かに傾けられた顔に彼の顔が接近し、唇に唇を押しつけてきました。


 こんなことで感じるのは間違っている、ここは私の居るべき場所じゃないんだという思いは相変わらず持っているのに、それを上書きする強さで性の悦びとたくましい男の人に愛される歓びが溢れて止まりません。


「スケベな顔をしおって。そんなに悦ばれたらイカせてやらぬ訳にはいかんな」


 領主の動きが早くなります。それに合わせて私もスピードアップ。お互いに遠慮のない律動は媚粘膜を通じて全身を冒していきます。鮮烈な快感が今日一番の大波を連れて来ました。


「もっ、ダメ……あぁっ……イ、イクっ……イッてしま……っ!」


「ワシもだ。ワシも同時にイクぞ。二人一緒に果てるんだ。膣内にたっぷり注ぎ込んでワシの子を産ませてやるからな」


「ひいいっ! ひあっ! あひぃいっ! こんなのっ……あっ、ああぁんっ、おかひく……おかしくなるぅっ! はひいいぃぃっ!」


 私の叫びを領主は鼻で笑います。「まだ正気のつもりでいたのか。とっくにマシュはおかしくなっておる。ワシのちんぽに狂って離れられない、ワシ自慢の愛妾だ」


「お……お腹の中っ、膨らんでますっ! んあっ、あんっ、はあぁんっ!」


 張り詰めていた私の緊張の糸が切れたと同時に、領主も低く唸りながら腰を震わせました。そして白い飛沫を私の膣内に放ったのです。


「あ、熱いのが……いっぱいっ、は、入ってきてっ……ああっ! イクっ、イクっ、イっちゃいぃますぅぅ……あああああっ! あああああああああっ!」


 あまりにも強い絶頂感。私の肉体がデミ・サーヴァントでなければ死んでいたのではと思うほどの衝撃。目の前が霞み、頭が朦朧とする中で領主にもたれかかり、彼の胸に全体重を預けます。


 スーッと遠のいていく意識の中で、次に目を覚ましたらこの地獄から解放されていてくれないか、すべて夢だったことになってくれないかと益体もないことを考えながら私は気を失いました。




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