【進捗】橘さん家ノ愛人事情【導入】 (Pixiv Fanbox)
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ファンボックスのリクエストプラン(長)から頂きました。
〈設定〉
橘さんの作中から数年後。ユウが就職した会社の社長が黒い繋がりもある人物で、裏ルートから手に入れたビデオを使って三人を脅し、ユウの子供を産んだ後に愛人契約させられる。
竿役がユウを買ってるのは本当。京香、結花、小春を自分の女にしたいとは思っているが、ユウの生活を壊すことは望んでない。
橘さん家ノ出産事情
聞き慣れた声はスマホのスピーカーを通すことで少し違って聞こえたが、それでも耳に心地よく、橘京香の気持ちを落ち着けた。
「それじゃ無事に着いたのね。お疲れ様。今晩は美味しいものでも食べて、ゆっくり休まなければね。明日から研修が始まるんでしょう」
電話の向こうにいるのはユウだ。もともとは隣家で祖父と二人暮らしだった少年。その後、祖父が倒れたのを機に橘家で預かるようになり、高校を卒業したいまも一緒に暮らしている。この数年で京香と彼女の二人の娘、そしてユウの間には紆余曲折あり、現在では四人で内縁の関係にある。
ほぼ高校進学と同時にユウと三人の女は関係を持ち、一時期は毎日のように身体を繋げる熟れた日々を送っていた。京香も大学生だった二人の娘も年下の男の子を憎からず思っていたため、母親が抜け駆けして彼の童貞を奪ってしまうと、我先にと競争するように少年のチンポを奪い合った。
その後、ユウが三人に与えられるばかりでなく、女たちを養っていける大人にならねばと一念発起。男磨きに邁進したため四人の関係はキスやハグ止まりのソフトなものに後退したが、彼が高校を卒業すると再び母娘三人で一本のおちんちんをシェアする生活が戻った。
高校卒業と同時にユウは就職した。当然のごとく進学希望と考えていた京香は驚いた。
学費の心配をしているのは問題ない、進学するつもりで用意していたと京香は考え直すようにユウを説得したが、彼の決心は固かった。
「一刻も早く京香さんたちを支えられるようになりたい。男として自立したい」
希望の光に満ちた目で告げられては男の決意に水を差すだけ野暮と感じた。
幸いにしていい縁に恵まれたユウは社会人として充実した毎日を送っている。小規模だが将来性のある会社で目を輝かせながら働く姿に、彼の可能性をひとつ閉ざしてしまったのではと心配していた京香の罪悪感も、多少なりとも軽くなった。
私生活ではユウと京香の間に子供ができた。まだまだ若手社員の給料で子供を作るのはと躊躇う彼を説き伏せ、京香からベッドに誘い、避妊具を着けない生の男性器を受け入れた。
「私はユウくんだけに幸せにしてもらおうと思ってないわ。私も働いてるし、ふたりの収入を合わせれば大丈夫なはずよ。それに、あまり待たされすぎてしまうと、私の年齢のこともあるし……すでに高齢出産だもの、少しでも若いうちのほうがいいわ」
女体に残されたタイムリミットを口実に迫ると、ユウは首を縦に振った。
数年ぶりに交わるユウとのセックスは幸せなものだった。彼の男性器は記憶より少し大きくなっていた。そこも成長期を過ごしたということか。
彼の腰に両足を絡め、もっと奥で射精してとねだると、彼は久しぶりの女性器の感触に背筋を引き攣らせながら溜め込んでいた精子を吐き出した。
「はぁ、あああ! ……京香さん、京香さん!」
「うああっ、ああっ♡ ユ、ユウくん♡ あ、はいって、きたぁ♡ ユウくんのおちんちんから出た精液、私の子宮にきたわぁ♡」
高校一年で初めて童貞を捧げた相手に数年越しの種付け。少年時代から憧れた女性に自分の子供を産ませる幸福。感動のあまりユウは膣内射精しながら涙をこぼした。
自分とのセックスで感極まる彼の姿に京香も胸が熱くなった。
行為後にユウは京香と正式な夫婦になりたがった。生まれてくる子供のためにも、はっきりさせたほうがいいからと言う彼のプロポーズを京香は断る。まさか子作りは良くて結婚は断られると思ってなかったのだろう。ユウの顔には困惑の色がありありと浮かび、なぜ受けてもらえないのかと萎びた陰茎を揺らしながら京香の肩を掴んだ。
「ユウくんの子供が欲しいのは私だけじゃないから」京香はユウの指を一本ずつ剥がす。「結花も小春もユウくんの子供を産みたがってるもの。私だけ結婚するわけにいかないわ。全員一緒じゃないと」
三人が平等でなければ私たちの関係は成立しない。
京香の主張にユウは抗う。
「そんなの分からないよ。あのときだって三人の中で誰が最初に妊娠するかで、僕と付き合う人を決めるって言ってたじゃないか。誰が最初に妊娠しても恨みっこなしだって」
ユウが言うあの時とは、童貞卒業から程なくして出かけた家族旅行のことだ。それこそ当時は京香、結花、小春と暇さえあればセックスばかりしていた。いずれ劣らぬ美人母娘のオマンコ食べ比べがやめられず、女たちのほうもかわいがっていたユウのチンポで気持ちよくなるのが幸せで、求められれば身体を許してしまった。
そんな生活にどこかで区切りをつける必要があった。
結花の提案で家族旅行に行き、旅先でコンドームを着けない生エッチ解禁、最初に受精した女がユウの正妻で二番目以降は潔く身を引くか愛人という男には夢のような話だった。
だけどユウは旅先で女を残して眠ってしまった。深い眠りに落ちていた彼は知らない。危険日ど真ん中の子宮を他の男たちが犯していたことなど。
「あの時とは違うの。状況が変わったのよ」
言葉足らずな説明にユウは納得しなかった。何度か説得を試みられたが彼女は頑として譲らなかった。
京香には娘たちに対して後ろめたさがあった。
男たちに輪姦された夜、三人の中で最初に陥落して男たちと「エッチしたい」と言ったのは、誰あろう京香だったのだ。母親として一番冷静でいて、欲望に抗わなければならなかったのに、率先して男たちのチンポを欲してしまった。
娘たちの心身に傷を負わせたことを悔やんでいる。
それとは別に、もし自分が二人を出し抜いてユウと夫婦になったら、報復にあの夜のことを暴露されるのではないかという不安もあった。
最低ね、私ったら。自分の娘のことをそんな風に思うなんて。自分がお腹を痛めて産んだ子供のことすら信じられないなんて。
そんな娘たちではない、きっと祝福してくれるはずだと思いながらも、京香は三人が横並びでいることを望んだ。
二十数年ぶりの出産は難事だった。思っていた以上に高齢出産は命を搾り取る。過去にふたり産んでるから大丈夫、いまのほうが医学も進歩しているし、そんな過信を吹き飛ばすつらい時期を乗り越えて京香は娘の|有香《ゆか》を産んだ。
ユウは有香を溺愛している。いまも旅先から電話を掛けてきて娘の様子を尋ねていた。
「有香は今日も元気よ。さっきお乳を飲んでいまは寝てるわ。心配しょうね、パパったら」
パパという呼び方にユウは電話の向こうで照れくさそうに笑う。未だに慣れないようだ。京香だけでなく母娘を三人同時に孕ませ、いきなり三人の子供を持つ父親になったのだから慣れてもらわないと困る。
「有香だけじゃなく私には何かないの。私だってユウくんと一週間も離れるのは寂しいのよ。仕事だから我慢してるんだから」
拗ねた口調で言うと「僕だって京香さんに会えなくて寂しいよ」の台詞が耳をくすぐる。
「明日の準備もあるだろうし長電話もいけないわね。家のことは心配しなくていいから、しっかり働いてきなさい」
電話を切った京香はスマホを胸に抱き、目を閉じる。耳の奥でユウの声がこだまする。何度も何度も彼の声を、言葉を反芻した。それだけで勇気が湧いてきて、これから始まることを乗り越えられそうな気がした。
「お母さん」
有香を眠らせていた寝室から出ると、小春が話しかけてきた。戦地へ赴く京香を心配そうに見つめる。
「大丈夫よ、なんてことないわ」京香は努めて平静を保った。
「有香のことは私たちで見ておくから」
「お願いね」京香は結花に笑いかける。「帰りは明日になると思うから。家の戸締まりはしっかりしてね」
「分かってる。母さんこそ気をつけてね。約束破って生でしようとしたら金玉蹴り潰して逃げてきたっていいんだから」
結花の物騒な物言いが京香は嬉しかった。自分を励まそうと敢えてそんな言い方をしているのが分かったからだ。
母は娘たちに一言言い残して家を出た。
ユウ以外の男に抱かれるために。