②性杯戦争に巻き込まれたあなたが、向井拓海とモードレッドを助けた貸しで二人をハメ潰すことになり、至る所で濃厚ハーレム調教交尾をたっぷりと満喫する話 (Pixiv Fanbox)
Content
向井拓海side
キャスター・紫式部と、ランサー・スカサハがAVデビューしていると聞かされたとき――
アタシは最初、全く意味がわからなかった。
アタシが知っているサーヴァントは、セイバーのモードレッドだけだ。偉大な親を持った叛逆の騎士は――しかし、出会う前のアタシが名前すら聞いたことがなかった存在だ。それでも彼女のマスターとなった以上は、多少は調べる必要があるので、小難しくて分厚い本を必死に解読して読んだのだが――
英霊と呼ばれる彼女達は、はっきり言って、アタシなんかでは遥かに及ばない存在であるのだ。
狂鬼会の特攻隊長であるアタシは、地元ではどれだけ幅を利かせても――きっと歴史の流れの中では、名前すら残されない雑魚に過ぎないのだろう。仮に全国制覇をした組織のトップであっても――果たして、ヤンキー界隈のそれは後世に名を残すのだろうか。嫉妬や悔しさすら抱かないのは――それが、あまりにも途方のない話だからだ。
例えば現代で著名な作家や、タレントや、格闘家であっても――、千年後に名前が残っているかと言われると話は別だ。地元の進学校に進んだ奴を見れば「へえ、頭がいいんだな」と思うし――東大に進学した奴を見れば「出来が違うんだろうなぁ……」とボンヤリ思う。だが――、十代にして世界的な数学賞を受賞する人間をニュースで見ても、それはもう、「別の惑星の話」に過ぎない。そのニュースを見た十秒後には、もう、次の「水族館のカワウソが可愛い」というニュースに塗り潰されていくわけだ。
とにかく、アタシはモードレッドの話を聞き、逸話を読み――
そして、彼女のためにこの聖杯戦争を勝ち抜こうと決めたのだが――
「……ふふっ♪お前のサーヴァントは、この私に言ったぞ?
貴様を助けるためならば……何でもする、とな♪」
アタシの目の前、ソファに座りながら足を組んでいる、このスカサハという女が――
よりによって、サーヴァント同士の休戦協定を結んでしまったのだ。
高級タワーマンションの高層階。バイクに乗っていたころのアタシが見上げながら、「こんなところに住める奴って、本当に存在するのだろうか」なんて考えていた場所だ。スカサハのマスターの自宅らしいが――目の前にいる女は、そのセレブ感を上手に乗りこなしていて、アタシとモードレッドはまるで紛れ込んだ野良犬のようだ。
一つの陣営が掟を破れば、他の陣営が総攻撃をする――という状況。
難しい話も、面倒くさい約束も嫌いなアタシだが――だからと言って、馬鹿ではないのだ。
「負けるから戦わない」なんて話はないが――「勝つために全力を尽くす必要はある」とも理解している。他の陣営が手を組んで、アタシらセイバー陣営を叩き潰すと言うなら真正面から立ち向かってやるが――他の奴らの休戦協定を破ってまで、アタシらから喧嘩を売ることは出来ないのだ。
頭を使った勝負は――はっきり言って、アタシにもモードレッドにも不利だ。
だからアタシは拒んだのだが――結局のところ多数決には敵わない。奴らだって、武闘派のアタシらと正面から向き合いたくないからこそ、そうした策謀を仕掛けているわけだ。腹立たしくはあるが、しかし、アタシにはどうすることも出来ない。
その上で――
「……悪かったな、拓海……
本当はお前にも相談すべきだったんだが……お前のことを考えると出来なくてよ……」
「はっ!アンタがそんな殊勝な態度取ってんの、はじめて見たぜ……
……そりゃ、サーヴァントの力を使ってまで勝とうとは思ってねえよ。アンタの喧嘩には力を貸すけど……アタシの喧嘩は別問題だ。だから、アンタの力を借りなかったのはアタシの美学ってだけだし……
……ったく、認めたくねえけど……
何のサポートも受けてねえ一人の人間が、百人ぶっ倒せるなら……アタシも意地張ってらんねえよ……」
アタシの隣にいるモードレッドは、スカサハに多大な借りを作ってしまったのだ。
なんとなく居心地が悪くて、アタシ達は床に正座をしている。
スカサハの隣に座っている男は――アタシらを見下ろしながら、どこか困惑した様子だ。
数日前――
百人のヤンキーを相手にして、たった一人で全員を倒した男だ。
なんでも有名な格闘家らしく、名前を聞いたときにはアタシも「あー、名前は聞いたことがある」と納得をしたレベルだ。だが――それは決して、「だから百人を相手に勝っても当然だ」という話ではない。”魑魅魍魎”の奴らは、それは当然、一人一人のレベルならば現役格闘家に勝るはずもないが――奴らだって、ツッパリで生きている人間なのだ。「街中の喧嘩で、三対一でも勝った」というレベルの話ではない。百人を相手にしても勝つことが出来る人間がいるという事実を、アタシは直接目にしなければ、絶対に信じなかっただろう。
モードレッドに怒る気がないのは、目の前の男がいたからだ。
アタシは「百人には絶対に勝てないけど、だからと言って卑怯な手を使って勝ちたくはない」という感情でいたのだ。それは勿論、マシンガンをぶっ放せば奴らには勝てるだろうが――喧嘩というのはそういうものではない。素手と素手の殴り合いで、どちらが強いかを決めるのが喧嘩なのだ。木刀やメリケンサック程度は許されても――銃火器が許されるはずはなく――そういう意味では、モードレッドというサーヴァントは、アタシにとって核兵器も同然であったのだ。卑怯な武器を使って勝つくらいなら、潔い負けを認めるというのがアタシのプライドで――
それなのに――
目の前の男は、正攻法で百人を倒してしまったのだ。
勿論、相手が状況を飲み込まない内の不意打ちはあったが――、百対一で、まさか「不意打ちされたから」を負ける言い訳にする馬鹿はいない。アタシは、自分が百人に勝てないという弱さから眼を背けて、「負けても仕方ない」と自らのプライドを大事に保護していたのだ。アタシが一番ダサいと思うそれを、他ならぬアタシ自身がしていた――と、気が付かされたのだ。
だから、大事なことを教えてくれたモードレッドに怒る気はなく――
「……なあ、スカサハ」
「なんだ?」
「……アタシも、モードレッドの発言の責任取ってやるよ
お前が何をさせる気かは知らねえけど……アタシもモードレッドと一緒のことをしてやる……っ!」
「お、おい!拓海!」
「アンタは黙っててくれ!……これはアタシのプライドの問題だ……っ!
……そ、それに、まあ……
こいつには……大きな借りがあるしな……っ!」
だからアタシは――
「何でもする」というそれを、無条件で受け入れてしまうのだ。
アタシの為に、ライバルに頭を下げて救援を頼んでくれたモードレッド。「サーヴァントとマスターの関係」ではない。一人の女として、それを見捨てたら沽券に関わるのだ。
だから、アタシはそれを受け入れたのだが――
「…………ほうっ♪
狂鬼会の特攻隊長、向井拓海様の”何でもする”という言葉……
安くはないぞ、くく……っ♪」
スカサハはニヤニヤとしながら、アタシ達を見下ろしてくるのだ。
何か、自分が大きな選択ミスをした気がするが――そのときのアタシにまさか、理解が出来るはずもない。「おう!アタシに二言はねえよ!」と堂々と胸を張って言ったアタシを、ぶん殴って止めてやりたいほどであるが――どうすることも出来ずに、だからアタシは、スカサハの命令には逆らえなくなったのだ。
――――
「……なあ、拓海……っ♡
そ、その……♡嫌なら、オレだけでもいいから、な?
……オレも嫌だけど……本当に嫌だけど……
この程度で、借りがチャラになるなら……っ♡ふぅ、ふぅ……っ♡オレは、平気だから……っ♡」
「う、うっせえぞ……っ♥アタシだって、何でもするって言ったんだ……っ♥そこらのシャバゾウと一緒にするんじゃねえ……っ♥
……んっ♥ふぅ♥ふぅ……っ♥アタシだって、本当はしたくねえけど……っ♥
アンタだけ、こんな恥ずかしい目に合わせるわけには行かねえだろ……っ♥」
アタシらは――
今、温泉の脱衣所に立っているのだ。
山奥まで車を二時間ほど走らせて、到着した旅館だ。
来る途中に調べると、そこは秘境中の秘境。一応、公式サイトらしきものはあるが――古い時代に作られたらしい。スマートフォンにすら対応していない旅館は――
はっきり言って、少しも興味を惹かれないものだ。
旅館の口コミサイトを調べても、その旅館に対する感想は一つもない。予約はメールを送って、それも数日後に、泊まれるかどうかの返信が返ってくるらしい。何事も便利になっている現代日本を嘆く老人は多いが――しかし、アイツらだって別に、時代にそぐわない不便を喜ぶはずはないのだ。
だが――
それが、一部の人間御用達の”秘密クラブ”であれば、話は別なのだ。
世の中には金を持て余した、変態金持ちが大勢いる。
そいつらが自分達の欲求を満たすために、金を出し合って、その旅館を経営しているのだ。泊まるためには、そいつらの紹介が必要。宿泊を希望するメールに特別なキーワードを入れることが、その条件であり――、一見客が間違って宿泊しないようにと、作られているのだ。
コンビニで売っている、陰謀論が載っている怪しい雑誌のような都市伝説は――
しかし、実際に存在していたらしい。
スカサハのマスターは、あの超高級タワーマンションの高層階に住める、限られた特権階級であるのだ。彼女経由で知ったスカサハが、そこにアタシと、モードレッドと――
そして、あの男を連れ込んでくるわけだ。
だから今、アタシとモードレッドは脱衣所に立っている。
秘境で人が少なくても、極一部の特権階級の彼らが利用するために、信じられないほどに清潔感は保たれている。先ほどトイレに立ったとき、蓋は自動で開いたのだ。そのアンバランスな感覚に、アタシもモードレッドも酔っているのだろう。
「ふぅ……ふぅ……っ♡
……オレが、先に脱ぐから……ん……っ♡」
モードレッドは今、普通の「女の子らしい格好」をしている。
白いシャツにデニムという軽装ではあるのだが――それでも、脱衣には相当な恥辱が伴うのだろう。あのモードレッドが――戦闘に置いては、アタシですら思わず見惚れてしまうモードレッドが――手をぷるぷると震えさせながら、シャツの裾を掴んでいるのだ。
そのまま――
”ずるるる……かちゃかちゃ……ずる……っ”
「へ、へへ……っ♡こんくらい、大したことねえよ……っ♡ふぅ♡……ん……っ♡
……だ、大丈夫だから、オレなら…………っ♡」
モードレッドは、服を脱いでいくのだ。
肌は真っ白で、シミ一つない――蠱惑的なものだ。
アタシの肌も、どれだけ紫外線を浴びても真っ白であり、それがコンプレックスでもあるのだが――
そこにある”白”は、人種的な色の違いなのだ。
透き通るように真っ白な肌は、思わず、女のアタシでも生唾を飲んでしまうもの。
モードレッドは自分の容姿を褒められるのを嫌がるが――だからと言って、彼女が「超絶美人である」という事実が覆ることはない。敵対している相手ならばともかく、仲良くやろうとしている相手の、嫌がることを言う意味はない。なので黙っているが――
目の前にいるのは、超絶白人金髪美女であり――
そんな彼女が、今、裸体を晒すのだ。
キュッと引き締まった身体は、起伏が欠けている。「乳が大きく、お尻もデッカくて、ウエストはくびれている女こそが優秀である」というならば、モードレッドのそれは欠陥品なのだろうが――男共の性欲というのは、そう単純な話ではない。
ことあるごとに「胸に大事なのは大きさじゃなくてバランスなんだよ」「お尻はデカけりゃそれでいいってわけじゃないんだよ」と奴らは、訳知り顔で自分の性癖を語り出す。アタシはそういう言葉を聞く度に、不快になって胸をムカムカとさせていたが――
なるほど、モードレッドの身体を見ていると、それが理解できてしまうのだ。
彼女の身体の全体的なバランスは、芸術性を強く感じさせるものだ。
アタシは美術館に足を運んでも、退屈ですぐに帰りたくなるのだが――この身体をした彫像があれば、「おっ」とその場で立ち止まって、少しの間、見惚れてしまうに違いない。腹筋は割れているのに、上には薄く脂肪が付いている。「適度な脂肪がないと、腹に打撃を喰らったときに衝撃が全部響いてしまうから」というのが彼女の理屈だが――それはきっと、妊娠をさせるのに最も適した身体であるのだろう。
モードレッドが、恥を忍んで裸体を晒している状況で――
アタシだけがビビって、芋を引くわけにもいかず――
「……アタシだって平気だからな、これくらい……っ♥
…………っ♥ふぅ……ふぅ……っ♥」
”ちら……っ”
”じぃ~~~~っ”
「…………ったく、クソ野郎が……っ♥」
アタシもその場で、全裸になるのだ。
どれだけ鍛えても、どれだけ運動をしても――少しも小さくなることがない、アタシの胸元の爆乳。
どれだけイキがっても、強く振る舞っても――結局のところ、自分はどうしようもないほどに雌なのだと、胸元の肉塊によってわからされる。狂鬼会の特攻隊長をやっているときは、サラシでギチギチに締め付けているのだが――日常でそれをするわけにもいかない。アタシの爆乳を抱え込むブラジャーは、翻訳サイトを駆使して、海外からどうにか個人輸入したものだ。面倒くさいことはしたくなかったのだが――高校生の安いバイト代で、その手間を惜しむわけにもいかない。
ここが普通の、戦闘の女湯の脱衣所なら――アタシ達は動揺しないだろう。
「人前で女が肌をさらしてはいけない」という風習のある国で、生まれ育ったなら話は別だが――アタシもモードレッドも、別にそういうわけではないのだ。大衆浴場で湯に浸かるために、裸になるのは当然の話。
だが――
「それじゃ、行くぞ……っ♡……ん……っ♡か、覚悟はいいか、マスター……っ♡」
「あ、ああっ♥アンタこそ……っ♥ふぅ♥ふぅ♥……っ♥ここまで来たら、後戻りできねえぞ……っ♥」
アタシとモードレッドは、今、男湯の脱衣所で服を脱いでいるのだ。
幸いなことに、そこにはアタシ達以外誰もいないが――
至る所に、監視カメラが仕掛けられているのだ。
女としては当然、盗撮の視線には敏感にならなくてはいけない。
アタシのように、胸の大きい女というのは――それだけで、下衆な男達に獣欲を向けられるのだ。女子更衣室にカメラを仕掛けて、アタシの裸体を動画に収めるだけで――それは大金で取引される。現代の盗撮カメラというのは小型化が進み、一目ではわからないように出来ているのだ。そのため、アタシも盗撮カメラのことを多少は調べて、対策を打たなくてはいけないのだが――
仕掛けられているカメラは、配線が敷かれて、常時電源が供給されている――大型なものであるのだ。
場末の銭湯ではなく、一部の特権階級の男達が”お遊び”の為に建てた旅館であるのだ。
ここに連れ込まれる女達は、その事情を理解した上で、幾らかの金を目当てに付き合っているのだろう。アタシとモードレッドは違うが――アタシの、向井拓海の「何でもする」という言葉は、その程度で臆するほどに安いものではないのだ。
やがて、全裸になり――
「あ……っ♡」
「ん……っ♥」
アタシとモードレッドは――
思わず、互いを見合ってしまうのだ。
モードレッドの乳房は、78センチのBカップだ。
膨らみがないわけではなく、しっかりと柔らかな脂肪が”ぷるんっ♡”と胸元にあるが――それはとても、慎ましいものだ。
アタシにとっては、たまらなく羨ましいものだ。
女というのは、男に一方的に種付けをされる性別ではないのだ。男とは対等であるし――それどころか、気合いの入った女は、そんじょそこらの男に負けてはいないとも思っている。腕力や膂力で勝てないのは、ただの体格差の話。少なくとも気合いと根性で負けることはない、と思っていても――
「……にしても……
マスターの、すげえな……っ♡」
「…………っるせえ」
アタシの胸元にぶら下がった、二つの肉饅頭が――
どうしようもなく、自分のことを雌であると意識させてしまうのだ。
銭湯であるのだから、当然鏡はあり――
そこには、114センチのMカップの雌が、全裸で立ちすくんでいるのだ。
隣に立っているモードレッドと比較すれば、そこには圧倒的な差がある。引き締まった戦士の身体とは違い、アタシのそれは、雄に媚びるために産まれてきた家畜の雌牛も同然なのだ。
「アタシだって好きで、こんな乳してるわけじゃねえよ……っ♥……ふぅ♥ふぅ……っ♥……このカメラの向こうで、エロ親父達が……アタシらのこと見てるんだよな……」
「ああ……っ♡ランサーは、ルーンで顔が認識出来ないようにしている、って言ってたけど……っ♡んん……っ♡まあ、理屈じゃねえよな……恥ずかしいのは……っ♡」
「……ふぅ♥ふぅ♥
――じゃあ、行くか……っ♥」
「おう……っ♡」
アタシとモードレッドは――
一糸まとわぬ全裸のまま、風呂場への扉へと手を掛けて――その奥へと向かっていった。
――――
「男湯タオル一枚潜入シリーズ」というAVが人気なのだと、アタシとモードレッドはスカサハに聞かされていた。
説明が必要かはわからないが――まさしく、タイトル通りだ。
AV女優が男湯に、タオルを一枚持って入っていく。通常、女湯に男がそうやって入れば、大騒ぎとなり即座に通報されるだろうが――その逆は、話が別になるのだ。
男達にとっては、美女が全裸で男湯に乱入してくるそれは、夢物語もいいところ。
勿論、万が一にも通報されてしまえば大問題だ。実際は貸し切り風呂と、撮影スタッフが用意した汁男優であり、作り物であるのだが――「AVに作り物だろと言ってはいけない」という程度の、男心への理解はあるのだ。
だが――
”かぽーん……っ”
「お、おい……っ♥アタシらが背中流しにきてやったぜ……っ♥」
「そ、そんなに驚くな……っ♡お前らは、オレ達に身を任せればいいだけ、だからな……っ♡」
どうしようもない、変態馬鹿男というのは存在するのだ。
そいつらが金を持っていなければ、精々、一生を掛けて変態性癖を追究するだけで済むのだが――事業で成功をしたり、親の会社を継いだりして”実現できる立場”になれば話は別だ。
この旅館は、そのために作られているのだ。
男湯にいる客達は、全員が本物だ。
それぞれがこの旅館に招待された、同好の士。その趣向を好んでいる以上、彼らが通報をする理由はないし――万が一密告したことがバレれば、彼らは人一人を誰にも知られずに、この世から抹消する程度のことは容易であるらしい。
スカサハから聞いたときに、それが脅しであるのだと思い、アタシは反抗をする気でいたのだが――スカサハの考えは真逆。
「変態的な金持ちは自らのコレクションを、そう簡単には他人に見せない」
「ここでどれだけの痴態を晒しても、世間にバレることはないぞ?」という――
アイツなりの、アタシらへの気遣いであったらしい。
内風呂でも既に、数人の男達がニヤニヤとアタシらを見つめている。
体型はそれぞれだが――どいつもこいつも、表情にはどこか余裕が漂っている。
成功者として大金を手に入れる奴らの中にも、宝くじの特賞を当てるが如く、運良く成功しただけの人間もいるのだろう。だが――自らの変態性欲を満たすためだけに、この旅館にわざわざ出資をするような彼らは――少なくとも「変態」というカテゴリでは、超一級品に位置するのだろう。アタシらの身体をニヤニヤと眺めながらも、露骨に鼻の下を伸ばすことはない。「おお、なんというデカ乳……まるで雌牛ですな……」「あちらの娘、乳は物足りないですが……」「いやいや、陰毛まで金色な白人美少女……これはこれで乙なものですなぁ……」とまるで、品評会でもするように、アタシ達を見つめてくるのだ。
普段のアタシならば、舐めた態度でセクハラしてくるおっさんには手が出るのだが――
今のアタシは、それが許されない立場であるのだ。
あの忌々しいスカサハに『ほう、何でもすると言っておいてその程度か……っwああ、私が悪かったw所詮はヤンキーごっこ……♪何一つ成し遂げられない、中途半端な小娘の覚悟が浅いことを見誤っていたのだからな……w』と罵られることだけは、絶対に耐えられないのだ。
「おいおい……っ♥何ビビってんだよ……っ♥変なことするわけじゃねえぞ?……アタシらが気持ち良くしてやるからな~……っ♥」
「そうだぞ……っ♡オレ達みたいなぁ……優秀な雌が、お前のちんぽピカピカになるまで洗ってやるんだ……っ♡ありがたく思えよ~っ♡」
「ふふ……っ♪ほら……皮被ったちんぽ……っ♥デケえけど……ちゃんと洗ってないんじゃねえのか?皮の内側にぃ、チンカスい~っぱい溜まって……っ♥アタシらみたいなエッロ~い雌はぁ、チンカス大好物だけど……っ♥普通の恋人に見せたら引かれちまうぞ~っ♥」
「オレ達はぁ……っ♡くっせえチンカスが大好物……っ♡おらおら……っ♡チンカスカツアゲに来たんだぞ~……っ♡オレ達の……んれぇ~……っ♡このなっがいベロで……てめえのちんぽピカピカになるまで舐めしゃぶってやるからなぁ……っ♡」
アタシ達の口から発せられる言葉は、あまりにも品性に欠けたものだ。
レディースの中にも当然、ヤリマンと呼ばれる人種はいる。男に媚びる為に股を開く女は嫌いだが――「セックスの快楽を追求するために股を開いているのだ」と主張をされれば、アタシには反論することは出来ない。そして――今のアタシとモードレッドが口にしている”淫語”というのは、まさしく、そうして男を食い散らかしたヤリマンビッチが口にするものであるのだ。
スカサハのルーンの効果で、知識は与えられたが――
それをどう使うかは、アタシとモードレッドの「雌としての才能」に任せると言われていた。
「極上の雌は、雄を誘惑する手法を自然と身につけているので――実際にその場になれば、迷うことなく淫語を紡げるだろう」というのがスカサハの理屈。アタシとモードレッドは信じていなかったが――今、この場に立てば、自分達が雄に一方的に貪られる雌であるのだと実感せざるを得ない。
目の前の男は、今、洗い場の椅子に座っている。
ソープランドなどで使われる「スケベ椅子」に腰掛けて、堂々と股を広げながら座っている男。身体は濡れている。股間を――隠すつもりもないのだろう。アタシらが目の前に立っても、堂々とした態度だ。
男は、アタシらの裸を見ても動揺した様子を見せない。
それが――
どうしようもなく、腹立たしくなってしまうのだ。
アタシ――向井拓海という女は、この淫らな身体との付き合いを余儀なくされている。
「身体がドスケベすぎるから」という理由で、一度は身内から、狂鬼会の特攻隊長になることを否定されたほどだ。こんなデカい乳、なくなればいいのに――と思わなかった日は、一度もない。アタシにとってはどうしようもないほど、負のコンプレックスであるそれが――
目の前の男にとっては「その乳で奉仕されるのは、当然のこと」でしかないのだ。
モードレッドを見ると、彼女も額に血管を浮かべてブチ切れている様子。
彼女を”女”として扱うことがタブーなのは、短い付き合いでもとっくに理解している。
だからこそスカサハは、条件にAVプレイを提案したのだろう。
モードレッドはアタシを守るために、その屈辱的な提案を飲んだのだ。まだ相手が、どうしようもないエロ親父であれば――アタシらの身体を前にして、鼻の下を伸ばして、肉棒を勃起させて、アタシらを孕ませる気満々の下衆なエロ親父であれば、プライドは保たれたのだろうが――
目の前の男は――
アタシらが奉仕しなくても、別に構わないと思っている、余裕綽々の表情であるのだ。
それがモードレッドには、腹立たしいのだろう。
自らのプライドをドブに捨ててこの状況を作ったのだから、せめて、自分達の身体を欲しがって欲しいと――まるで、淫らな娼婦のような自尊心を持ってしまっているのだ。それすらも、この男の策略であるならば――性経験の薄いアタシ達が、勝てるはずはない。
「ほらほら……っ♡オレ達が洗ってやるから……っ♡」
「それじゃ、アタシは背中を洗ってやるよ……んふふっ♥デケえ背中だなぁ……っ♥優秀な雄……っ♥アタシらがどんだけ頑張っても、ぜ~ったいに勝てないって思わされる……っ♥逞しい背中……っ♥」
「それじゃ、オレは前を……あ、あは……っ♡
……すげえ、勃起してるな……っ♡
オレ達の身体を見て……っ♡レイプしたいと思って……っ♡ふぅ♡ふぅ♡……金玉パンパンにして……っ♡勃起、しやがって……っ♡」
幸いであったのは――
このAVの男優が”アイツ”だったことだ。
百人の不良をぶっ倒して、その場でアタシのことをレイプした――凶悪な雄だ。
既に、ランサー陣営とキャスター陣営は、そいつの虜であるらしい。
複数人の女をはべらせてる、いけ好かない男ならばぶん殴ってやるのだが――そこには一切の脅迫も暴力もなく、ましてや、相手のマスター達もそのハーレムを肯定して受け止めているらしい。あまりにも違う価値観は、怒りよりも困惑を生む。
それに――
アタシは、この男の前でどうしようもないほどの醜態をさらしてしまったのだ。
「二人の男に、一度ずつ醜態を晒す」のと「一人の男に、二度の醜態を晒す」であれば、アタシは後者を選ぶ。モードレッドは初めて見る、目の前の男の肉体に動揺をしているらしい。ああ――その気持ちは、以前、廃倉庫でのアタシと同じなのだろう。
現役格闘家として鍛え上げられた身体は、確かに逞しいものだが――
それ以上に”雄としての格”が違うのだと、アタシらは子宮で理解させられる。
アタシら人間がまだ、マンモスを狩っていた時代から――優秀な雄の定義は「極上の雌を、多く孕ませている雄」であるのだろう。多くの動物に共通するのは、「強い雄が、雌を独占する」という構図だ。人間は知識を得て、そうした猿のような振る舞いを辞めるようになったが――本能の部分は、そう簡単には消え去ることはない。
この男は、多くの美少女や美女とのハーレムを作り上げている雄であり――
逆説的に「ということは、それだけ優秀な雄だ」とアタシらの本能に訴えかけてしまうのだ。
どれだけツッパリをしたところで――アタシらの身体が雌として極上であり、雄の子種を受け入れるように出来ている――という事実は覆せない。肝心なのは、その本能に負けないために、心を強く保つことだ。だが、それすらも揺さぶられて危うい状況であり――
「んじゃ……っ♡
まずは……オレから、奉仕する、ぜ……っ♡」
モードレッドは、アタシの動揺を察してくれたのだろう。
風呂場の中にも、至る所にカメラは仕掛けられている。
一部の変態金持ちマニアにだけ流通するとは言え――アタシ達は、この場でAVデビューをすることになるのだ。
どんなに金に困っても、自分の身体を売るということは絶対にしなかったアタシが――スカサハの策略とは言え、今、自ら男に奉仕をしようとしているのだ。足がすくんだ、だせえアタシとは違うようで――
モードレッドは、男の股間に手を伸ばす。
”しゅりしゅり……っ♡ぐちゅり……っ♡もみもみ♡なでなで……っ♡さわさわ……っ♡”
「へへ……っ♡こんなの大したことねえだろ……っ♡……んっ?
……こうやって触られると……っ♡
ちんぽ、たまんねえのか……?」
”しこしこ……っ♡ぐちゅっ♡ぬちぬちぬち……っ♡ぬちゅっ♡”
「ははっ♪皮を剥いたら……んあ……っ♡すっげえ匂いだな……っ♡普段から、ちゃんと皮剥いて洗わねえから、こんだけ汚れちまうんだぜ……っ♡
……んっ♡白いチーズみたいだけど……っ♡……匂いが全然違うな……っ♡汚くて、クサくて……んおっ♡ふぅ♡ふぅ……っ♡思わず吐いちまいそうな、凶悪なチンカス……っ♡」
モードレッドは、男の肉棒を手でシゴいていく。
剣の鍛錬を欠かさない彼女は、本来であれば手はボロボロに荒れてしまうのだろう。マメが出来たそばから潰れて、表皮が分厚くなり、そうした強靱な手で大剣を振り回すのだろうが――
サーヴァントは、軽微な怪我であれば自然に治癒してしまうのだ。
筋トレというのは、筋肉をわざと傷つけて、それを自然に治癒させることで身体を肥大させるらしいが――サーヴァントの身体は、魔力が勝手に回復させてしまうのだ。そういう意味では、彼女達は召喚された時点で肉体が決まってしまうのかもしれない。
モードレッドの手は、家事の一つも知らない生娘のように――つるつるですべすべなお手手だ。
アタシも具体的な性知識は殆どなかったが――雌としての本能がある以上、身体は勝手に動いてしまう。スカサハ曰く「極上の雌」であるアタシ達にとって、本能のままに性的奉仕をすれば――それが男にとって、最上級の代物になるのだ。
「……ん……っ♡どうだ、気持ちいいのか……?
……なあ、お前はオレのことを好き勝手に弄ぶつもりだったのかもしれないが……っ♡逆、だぞ……っ♡
オレとマスターが……お前のことを搾り取ってやるんだ……っ♡
ふふっ♡そんな顔しても無駄だぞ~……っ♡そりゃ、他の奴らにも話は聞いてるからな……っ♡
お前……セックスが上手いんだろ……?
どんな女でも、簡単にアヘアヘ言わせちゃうヤリチンの雄……っ♡オレ達にもそうなんだろうな……っ♡
悔しいけど、わかっちまうんだよ……っ♡このぶっといちんぽ……っ♡カリのところが高くて、女を苛めるように作られてる、この凶悪ヤリチンちんぽ……っ♡
……だ・か・らぁ……っ♡
絶対に入れさせてやんねえからな……ば~か……っ♡」
モードレッドは、長い舌をべーっと出して、男を挑発する。
このような屈辱的な状況でも、女としてのプライドを保つような表情は――しかし、変態的な雄にとっては「必死に強がっている処女雌(笑)」として興奮に繋がるらしい。男の肉棒が”びくんっ♡”と跳ねて、モードレッドは慌ててそれを抑える。
彼女の手付きは――
同じ女のアタシでも思わず「うわ……エッロ……っ♥」と思ってしまうものだ。
竿の扱いに慣れているはずはないのに――本能で、どうすればいいのかわかるのだろう。
包皮を剥いて、亀頭にビッシリと溜まった汚れを爪でカリカリと引っかいている。
モードレッドの爪は、剣を強く握るために短く切りそろえられて――その上で、ヤスリで丸められているのだ。痛みは殆どないようで、敏感に悶えながら涎を垂らす男の姿が鏡に映り――
アタシは「きもちわりいな……っ」ではなく――
(いいなぁ……っ♥)
”ごくり……っ♥”
と、その光景に生唾を飲んでしまったのだ。
「ふぅ♡ふぅ……っ♡それにしても、ほんとくっせえちんぽだな……っ♡
嗅いでるだけで……んんっ♡オレの子宮が疼いて……っ♡このちんぽに屈しろって言われてる気分だ……っ♡はは……っ♡
普段のオレに、そうやって……っ♡くっせえちんぽで脅迫するなら、噛み千切ってやるんだが……っ♡
お前がどれだけ雄として強くても……っ♡
オレ達の穴に、このぶっといちんぽ入れない限り……っ♡お前に勝ち目はねえんだろ……?」
モードレッドはニヤニヤと笑みを浮かべながら、男を挑発している。
男性経験がゼロの処女雌が、ご奉仕を強制されて、必死に強がっている――と、今この場にいる人間は誰も思わないに違いない。それはモードレッドなりの喧嘩なのだろう。淫語を口にして、雌としてのご奉仕をしても――精神的優位にさえ立てれば、プライドを保つことが出来るわけであり――
「おいおい……っ♥
モードレッド一人じゃなくて……アタシも相手してもらわねえとなぁ……っ♥」
アタシも、臆してはいられないのだ。
胸元に二つぶら下がった爆乳に、アタシはボディソープの泡をまぶしていく。
”ぬりぬり♥にちゃにちゃ♥”と響いた摩擦音だけでも、男はビクッと身体を弾んで興奮させるのだ。未知の快楽への期待ではなく、既知の快楽を思い出した興奮なのだろう。どれだけ経験豊富なんだ、この野郎――なぞと内心で呪詛を吐きながら、アタシはその爆乳を――
”ぬぢゅり……っ♥”
”ぐちゅぐちゅっ♥ぬちぬちっ♥ぶぢゅぢゅぢゅ~っ♥”
「オラオラ……っ♥
特攻隊長向井拓海様の、おっぱいスポンジだ……っ♥ありがたく味わえよ……っ♥」
男の背中に、まぶしてやるのだ。
垢を擦り落とすタオルとは違い、アタシのデカ乳には一切の硬さは存在しない。
いや――乳首だけは今、痛いくらいに硬くなっているのだが――どのみち同じだろう。アタシは男の背中に、乳首を力強く押し込みながら密着をするのだ。身体の汚れを洗うために背中を流しているのではない。
ああ――認めたくないが――
特攻隊長、向井拓海は――
「ふふ……っ♥だらしねえ顔で、鼻の下伸ばしやがって……っ♥」
”ちんぽこを勃起させるため”に、そうして媚びた奉仕をしていくのだ。
「かりかり♡かりかり♡どうだぁ……オレの指、気持ちいいだろ~……?……こうやってぇ、チンポ引っかかれるの好きなんだよなぁ……っ♡」
「後ろから……おっぱいにちゅにちゅされるのも好きかぁ?……114センチのMカップ……っ♥……ふふっ♥あっちのおっさん達、声漏らしちゃってんなぁ……っ♥アタシの乳がデカすぎて……♥」
「あ~、なるほど……っ♡お前の顔見てれば、どこが弱いのか全部わかっちまうなぁ……っ♡ほれほれ♡ここ……っ♡カリ首と裏筋、弱いんだよな……っ♡オレみたいなやつに手コキされてぇ、お漏らししちゃいそうな……ははっ♡何がハーレムの主だよ、ば~か……っ♡」
「ん~?……こうやってぇ♥カリカリ♥カリカリ♥乳首いじめられるのも好きなのかぁ~?……ほんっと情けねえなぁ……っ♥雌に好き放題弄ばれてぇ、あんあん気持ち良くなって♥アンタ、それでも男なのか~?あ~っ?」
アタシは背後から、114センチMカップを押しつけて――
モードレッドは正面から、勃起チンポに手淫を施していくのだ。
アタシ達はこの場の勝利条件を、「セックスの上手いこいつを責めて、喘がせて、情けなく射精させる」に切り替えている。
何も、殴り合いだけが喧嘩ではないのだ。相手の一番自信のあるところを責めて、ねじ伏せて、勝利することだけが――今のアタシ達のプライドなのだ。
そうして開き直れば、どれほどに媚びた奉仕をしても――
全ては「そういうルールの喧嘩だから」と諦められるのだ。
背後から爆乳を押しつけると、大樹のような体幹が伝わってくる。モードレッドも手コキをしながら「気持ち良くはなっているが、射精するほどの快楽は与えられない」と察するのだろう。
このまま、無限の時間耐え続けて、アタシ達の醜態を晒させる気なのかもしれない。
アタシとモードレッドは、同時に視線を合わせる。
互いの意図は一致していたようで――
「おい……っ♡さっさと立てよ……っ♡」
「こんな生温いので終わりだと思うなよ……っ♥
テメーの身体ピカピカにするまで……やめてやらねえからな……っ♥」
アタシ達は、男をその場に立たせるのだ。
”ごくり……っ♡♥”と生唾を飲み込んだのは、二人同時だ。
アタシらよりも遥かに、性経験が豊富な雌を――徹底的にハメ潰してきた身体。
今、アタシ達がリードしていたのも――
結局のところ、目の前のこいつが手を抜いているからだ。
アタシらの身体に快楽を与えることなく、一方的に奉仕されるがままのサンドバック状態。それですら、アタシ達は決め手にかけて攻めあぐねていたのだ。
だから、覚悟を決めてやる必要があり――
「そうそう……っ♡そこに足を掛けて……っ♡」
「はは……っ♥どっちが無様か、わかりゃしねえな……っ♥」
男に片足を上げさせる、無様な姿勢を取らせるのだ。
そこが港で、衣服を着ていれば、格好を付けたポーズであっても――そこが風呂場で、全裸であれば、情けない格好をしているのはそいつの方だ。男湯で全裸の格好をしているアタシ達よりも、無様かもしれない。
その状態では、下半身を隠すものは何もない。
浴槽で眺めている変態な男達とはまるで違う――
一切の遠慮もなく、ギンギンにそそり立った肉棒。
天井を穿つ角度のそれは――他の男と比較できないアタシでも「うわ……でっか……っ♥」とわかってしまうもの。正直言うと、アタシの腹の中にそんな巨大なちんぽが入るなんて、想像も付かない。勿論、雌の身体というのは、三千数百グラムの赤ん坊をひり出せるように出来ているのだ。理論上はわかるのだが――
それでもやはり、目の前の巨根に、アタシは見惚れてしまい――
「…………ふぅ♡ふぅ……っ♡」
モードレッドは――
アタシを一瞥してから、男の背後に回るのだ。
それが――
アタシを庇ってのことなのか、それとも雌の本能を優先したのか――アタシにはわからない。
入れ違うように男の正面に回ると、目の前にはギンギンに屹立した肉棒がある。雌のことを徹底的にレイプして、孕ませる気が満々の凶悪な逸物に――
思わず、アタシはビビりそうになるが――
”ぎり……っ”と力強く、それを正面から睨んでやるのだ。
周りの男達からすれば、「勃起チンポを前にメンチを切っているバカ女」であるのかもしれない。浴槽の男達がニヤニヤしているのがわかる。
だが――アタシにとっては、これは覚悟であるのだ。
”それ”をどうすればいいのか、アタシは本能的にわかっている。
一度体験したから、というのはあるが――目の前の肉棒が喜ぶ手練手管は、アタシ達のような雌の本能にインプットされているのだ。
「……わーってるよ……っ♥
アタシが……しゃぶればいいんだろ……っ?
アタシの口で……っ♥ふぅ……ふぅ♥この特攻隊長、向井拓海様の口で……っ♥アンタの汚えちんぽをしゃぶらせてえんだろ……?……ふぅ♥
ほんと、どうしようもねえ変態だなテメエは……っ♥」
口の中で、ドバッと涎が溢れてくる。
酸っぱいものを口にしたときのようなそれは――アタシの身体が、肉棒を咥え込む準備をしたからだ。アタシはその場で膝立ちになる。胸元の肉饅頭が、むだ毛だらけの太腿へと触れる。腕力と暴力に自信のある屈強な男達を、幾人もリングに沈めてきた太くて硬い脚だ。暴力の強い男に惹かれる、なんて単純な話、自分にだけはないと思っていたが――
アタシの子宮が”きゅんっ♥”と疼く辺り、例外はないらしい。
そのまま、”フェラチオ”をしてやってもいいのだが――
”ちゅ……っ♥”
「……んっ♥」
”――びぐっ!?”
そんなことをしても、目の前の男は驚かないのだ。
アタシとモードレッドは、間違いなくセックスが下手くそだ。
それは勿論、生まれ持っての雌としての才能で、つまらない男程度ならば籠絡出来るだろうが――目の前の雄は、極上の美女達でハーレムを築いているのだ。喉奥まで咥え込んでも苦しむことはなく、一晩中であっても、腰の上で淫らに踊れる雌を相手にしている男は、アタシ達の技量では到底太刀打ち出来ないわけで――
だから――
「ふふ……っ♥興奮しやがって……っ♥」
アタシは、男の睾丸へとキスをしてやるのだ。
アタシとモードレッドにはセックスの経験がない。
だから――最大の武器は”慣れていない”ということだ。
アタシが金玉にキスをすると、目の前の男は”びくっ♥”と身体を弾ませて緊張する。当然のことだ。アタシが金玉にご奉仕をするなんて――そんなことは通常、あり得ないのだ。
アタシは基本的に、タイマンでは金的を狙うことはないが――
一対多で襲われているときに、それは”狙わない方が失礼”というものだ。
股間からぶらぶらと、最大の弱点をぶら下げている雄。女の身体にも、乳や膣といった弱点はあるが――それは、軽くビンタされる程度では痛みはない。だが――男は違うのだ。金玉にデコピンを一発やられるだけで――その場で蹲り、身悶えをして、くぐもった絶叫を響かせるのだ。
アタシにとって、金玉というのは”蹴り潰すもの”であるのに――
そんなアタシが、睾丸へとキスをして、陰嚢の皺に合わせて舌を這わせて――
金玉を口に含んで、コロコロと舌先で転がしているのだ。
雄としての最大の弱点であるそこを奉仕されるのは――きっと、たまらない征服感と、ほんの僅かの恐怖が両立しているのだろう。目の前に存在する雌は、自分に絶対に危害を加えないのだという征服感と――それでもなお、噛み千切られたらどうしよう、という恐怖。キャスターやランサーのマスターは、自分から雄に奉仕をするタイプだが――アタシは違う。男の金玉を蹴り潰したときの、爪先の”ぐにゅっ”となる感覚を未だに覚えているわけで――
”んじゅ~……っ♥んちゅっ♥んちゅっ♥んれんれんれ……っ♥ちゅぷっ♥んちゅっ♥”
「んふふぅ……っ♥お~い、どうしたぁ?ちんぽしゃぶられて気持ち良くなるならわかるけどぉ……っ♥金玉にキスされるだけで……っ♥興奮しやがって……っ♥
んなら……こうだっ♥」
”あ~~むっ♥”
「んふ……っ♥
甘噛み……ひてやるれ……っ♥」
そんなアタシが、金玉を甘噛みしながら――
ちんぽをシゴいてくるのは、たまらない興奮があるようだ。
「おいおい……っ♡オレのことも忘れんなよ……っ♡
……んっ♡」
”ぐい……っ♡”
”むわぁ~……っ♡”
「ははっ♪すっげえくせえなぁ……っ♡
おいおい……ちゃんと身体洗ってんのかぁ?……んっ♡すんすんっ♡すぅ~……げほっ♡えほっ♡……はぁ~っ♡
ほんっと……くっせえなぁ……お前のケツ穴……っ♡
…………んれぇ……っ♡」
モードレッドは最初、男の背後に回って尻たぶを掴んで――広げていた。
尻の谷間というのは、自分自身では滅多に見ることが出来ない場所だ。肛門というのは当然のことながら、汚れているし、熱を帯びるし、最もフェロモンが濃くなる場所であるのだ。
それを恥ずかしいと思わないのは――人間が、そういう構造で作られているからだ。
「クラスメイトの九割は肛門がクサくないのに、自分だけが~」というならば羞恥の対象だが――そうではない。不浄の尻穴が汚れているのは当然のことであり、それを指摘する奴の方が「え?今更そんなこと言ってるの?三歳児と笑いのツボが一緒だね」と嘲笑されるものであるのだが――
”んじゅるるる~っ♡んれんれんれ♡れるれる♡れぷっ♡んじゅ~っ♡”
「ふはぁ♡んじゅじゅじゅ……っ♡んれぇ♡ろーひた~……っ?
オレにケツ穴舐められて……んれぇ……っ♡ちんぽおっ勃たせやがってよぉ……っ♡」
それを他人に見られて――
しかも、尻穴に舌を這わせられるのは――話が別であるのだ。
目の前の男は、アタシらのために身体を綺麗にしているらしい。あくまでも、根本にあるのはAV撮影であるのだ。アタシ達が磨く前から、全身はピカピカになっているが――
それでも、男のケツ穴を舐めるというのがどういうことか、アタシは知っている。
自らの身体を売って、銭金を稼ぐ風俗嬢であっても――それをNGプレイにしているのがほとんどだろう。知らない男のものだから――という話ではない。「恋人がアナルを舐めて来て欲しいとしつこい」という相談は、別れ話に直結をするもの。アタシは恋愛関係の話題には疎いが――それでも、知り合いに相談をされれば「いや……それは別れた方がいいだろ……」と冷めた目で言うことは簡単であり――
それなのに――
叛逆の騎士モードレッドは、今、男の尻穴にベロベロと舌を這わせているのだ。
肛門の中の前立腺を刺激して、直接勃起を誘発しているわけではない。動物同士が交尾をする際に、互いの尻穴のフェロモンを嗅ぐように――野性味をたっぷりと放出した行為であるのだ。モードレッドの真っ赤で長い舌が、男の尻穴をべちゃべちゃと唾液で汚していく。普通の男ならば、金髪超絶美少女が相手であれば、唇同士のキスでも容易く射精するのだろうが――目の前の男は、尻穴を舐めしゃぶられても、肉棒をびくびくと弾ませるばかり。
だが――
”ぐちゅぐちゅっ♥にぢゅにぢゅ♥ぬっぢ~っ♥ぢゅぶっ♥んぢゅっ♥ぢゅぶぶっ♥”
”んれぇ♡れるれるれる♡んちゅるるるるっ♡ちゅ~っ♡ぶちゅっ♡んぢゅっ♡”
「おいおい、どうしたぁ~……っ♥アタシらに金玉舐められて……っ♥興奮してんのかぁ……っ?」
「オレに尻穴舐めさせて……♡んじゅっ♡んれぇ……っ♡ちんぽ勃ててんなら……っ♡さっさと射精しちまえ♡」
「おらおら……っ♥イけ♥イけ♥アタシの手で……さっさとくっさい精子出しちまえ……っ♥」
「生意気に我慢してんじゃねえぞ……っ♡さっさとザーメン出せ……っ♡精子カツアゲさせろ……っ♡」
アタシとモードレッドによる――
金玉&アナル舐め手コキには、流石のヤリチン様でも勝てないらしい。
アタシは舌を這わせて金玉を舐めしゃぶり、モードレッドは尻の谷間に顔を埋めて、ベロベロとアナルに涎をまぶしていく。アタシ達の手はフリーになり――それが、男の前後から四本伸びて、肉棒をシゴいていくわけだ。
アタシ達に手コキのテクニックがなくても――
”それを気持ち良くさせたい”と思う意思があれば、極上の雌としての才能が、身体を勝手に導いてくれるのだ。
認めたくないが――アタシ達は、セックスの天才であるのだ。思考を使わずに、身体が赴くままの行動をすれば――それだけで雄を喜ばせることが出来るのだ。
アタシが肉棒の裏筋をシゴきながら、陰嚢を揉みしだいて――
モードレッドが背後から、亀頭とカリ首を”カリカリカリ♡”と短い爪で引っ掻いていく。
男にもやがて限界が訪れるのだろう。金玉が腹の内側へとせり上がり――射精の兆候を見せてくる。モードレッドは最後、男の尻穴に長いベロを”ぐりぐりぐり~っ♡”とねじ込み――アタシは、陰嚢の中に隠れた二つの睾丸を”がぷ……っ♥”と優しく、しかし、しっかりとした力強さで甘噛みしてやり――
そのまま――
”びゅるるるるる~~~っ♡びゅるるるっ♥どびゅどびゅ♡びゅるびゅる♥びゅるるる~っ♡♥”
”びゅくびゅくっ♡どびゅどびゅ♥びゅるるる~っ♡びゅっくんっ♥びゅぶっ♡どぴゅっ♥”
”ぶびゅるるるる~っ♡♥びゅっくんっ♡♥どびゅどびゅ♡♥びゅるるっ♡♥ぶびゅるるるる~っ♡♥”
「んわっ♥あ……っ♥アタシの髪が……っ♥」
「あはぁ……っ♡すげえな……っ♡オレ達の身体で……そんなに興奮したのかよ……っ♡」
男は――噴水のような勢いの射精をするのだ。
射精の際の精液とは、数ミリリットルというごく僅かなものに過ぎない――と、保健の授業で聞いたことがある。
それなら――目の前のオスが吐き出しているそれは何だと言うのだろうか。
「噴水のような勢い」というのは、誇張した比喩表現ではない。本当に――その射精を見て、アタシの本能が直感的に感じたのだ。肉棒から吐き出される激しいそれを――アタシは、頭から被ってしまう。一度、ガムが髪にひっついたことがある。確か小学生の頃、生意気な男子のイタズラだったと思うが――それがどれほどに粘着質であり、容易に取れないのかを、アタシはこの身を持って知っているのだ。
アタシの髪にぶちまけられた精液は――
ガムよりも重たく、粘っこい代物であるのだ。
アタシの「艶やかな黒髪」が、自らの吐き出した白濁ザーメンまみれであることに――男は興奮をしたのだろう。射精直後の僅かな時間は、下を向いてうなだれていた肉棒が――”ぐぐぐ……っ♥”と上を向いてくる。丁度、それはアタシの顎の下にあったのだ。ペニスがどれだけ強靱であったとしても、本来は絶対にあり得ないはずなのに――
アタシの顎を”勃起力”だけで持ち上げてくるのだ。
射精をした直後だというのに――ギンギンに勃起した肉棒が、アタシを見下ろしてくる。
ああ――
アタシが今生きているのは、このおちんぽの気まぐれに過ぎないのだと――
子宮が、キュンキュンと疼いてしまう。
狂鬼会の特攻隊長としては、まだまだ負ける気はないのだが――、一匹の、極上の、子作り専用の孕ませ雌の”向井拓海”はそれで白旗を揚げてしまう。モードレッドも、尻穴と舌の間に、粘度の高い唾液の橋を作りながら同じ気持ちであったのだろう。アタシ達は膣から愛液をどぼどぼと溢れさせて、淫らな雌になって――そのまま、男に促されるままに露天風呂へと連れて行かれた。