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 よく晴れたある日の昼下がり。咲き切った桜が幾らか散り、ちらほらと黄緑色の若葉が見え始める季節。営業途中のサラリーマンがあくびをした。授業中の高校生は机に突っ伏し、浪人生はうたた寝を挟み、家事を終えた主婦はソファでひと眠りしている。朗らかな暖かい陽気の中、誰もかれもが、許されるのならば昼寝をしたいだろう。そうしてとあるマンションの一室にもまた一人、机に突っ伏している青年がいた。ただ、彼の場合は少々事情が違うと見える。


「…………ネタが…………浮かばない……」


 中肉中背で年頃はおそらく二十代前半。成人していることは間違いないが、まだどこか幼さの残る顔立ちをしている。両手をだらりと机の下に垂ら彼の傍らには、既に冷め切ったコーヒーと、薄く誇りの積もったキーボード。頭の先に置かれたディスプレイにはワードファイルが開かれているが、少し書かれただけで後はほとんど白紙だった。

 一人が生活するにあたって最低限の家具だけが用意されたその部屋には、飲み終えたエナジードリンクや、サプリメントがいくつか散乱している。あまり片付いているとは言えない。カーテンも締め切られ、明かりもほとんどない部屋は据えた匂いが充満していたが、そこにふわりと新しい風が吹き込んでくる。玄関の方から物音が一つ。足音と共に、リビングへの扉が軽くノックされた。


「どうぞぉー」


 青年が返事をすると、おおよそこの部屋には似つかわしくない女性が入って来た。服装はグレーのタートルネックとネイビージャケットに、白いパンツスタイル。首からは「牧田 悠」と書かれたネームプレートを提げていた。年齢は青年よりは一回り上と見える。アップスタイルにまとめた茶髪を揺らして、彼女は片手を軽く上げた。


「や」


 一言、というより一文字挨拶として発すると、部屋に入るなりさっそく奥へと足を進める。閉ざされたカーテンと窓を開けば、ネームプレートから反射した光が青年の目元を照らした。


「……あの、明るいの苦手なんですけど……」

「こんな据えた部屋だったら浮かぶものも浮かばないでしょ。それで、進捗どうなの? 芹澤拓磨先生?」


 拓磨はもう一度ディスプレイに顔をむける。当然白紙のまま。入力カーソルが点滅しているのを見て、自嘲気味に笑みが浮かぶ。


「順調ですよ。文字が増えてないことと、ネタが浮かばないこと以外はね」


 テーブルの上のエナジードリンク缶を拾い上げつつ、宅間の後ろから女性はディスプレイをのぞき込む。やはり入力カーソルが点滅しているばかり。


「おお、とても順調そう。来月の原稿料が消えることに目を瞑れば」

「そうですよねぇ……はぁ……そろそろ別な仕事探さないといけないかもしれない……」

「できない人に、わざわざ缶詰部屋与える程、社会は甘くないわよ。若い小説家さんの新作。読者は期待してるぞ~」

「ぷ、プレッシャーかけないでくださいよぉ」

「ふふ、ごめんごめん。でも、それだけみんな、拓磨君の作品を待ってるってことよ。フレンチ書院の編集者として、そこは保障するわ。だから自信もって。ね?」

「悠さん……よしっ、頑張ります……!」


 悠に背中を押されてか、拓磨は今一度原稿へと向き直った。その姿を見て微笑みつつ、悠は部屋の片づけを進めていく。しかし悲しきかな、原稿というものは必ずしもやる気があったからといって進むものではない。

 思いついた先からしばらくキーボードを叩くものの、千字強を書いたところで、拓磨は小さく唸った後また全てを消してしまう。しばらく考え込んだのちにもう一度書き始めるものの、今度は別名でファイルを保存してもう一度最初から。時にはノートを見返し、その内容を元にキーボードを叩くものの……やがてすぐにすべて消してしまう。

 そういった流れを数回繰り返した頃には、悠は部屋の掃除をすっかり終えて、二人分のコーヒーを淹れた所だった。


「難航してるねぇ~」

「すみません……」

「謝らないでよ。責めてるわけじゃないんだから。確か……来月号に載せる作品だったよね? どんな内容にするの?」

「年下が年上を堕とすってジャンルにしようと思ってるんです。なんていうか……ちょっとくたびれた大人のお姉さんと、何者でもないけどそれだけにまっすぐな青年との物語っていうか……上ばっかり向いていたお姉さんが、無垢な男の子に絆されて本当の愛を知る……みたいな」

「ふぅん……王道でいい感じじゃない。それで? 何が問題なの?」


 拓磨はもう一度メモ帳を読み返してみると、また小さくため息を吐いた。


「ある程度は思いつくんです……関係性とか、流れとか。ただなんていうか、薄っぺらいんですよ……綺麗すぎるなぁっていうか……ドラマチックな事件も奇跡ってよりもご都合主義って方が強くて……話に息が吹き込まれないっていうか……すみません、うまく言えなくて」

「…………リアリティって、やつかしらね?」

「そうですね、僕自身恋愛なんて未経験ですし。大人の女性ってそもそも何考えているのかとかわかんないし……ていうか大人の恋愛って何するのかわかんないんですよ……ネットの話も嘘か本当か眉唾ですし……」

「…………ん? あれ、拓磨君、彼女いたことないの?」


 悠の言葉に、拓磨の肩がぴくっと跳ねる。少し泳いだ青年の視線は、赤く染まった頬と共に、やや湿って悠へと向けられた。


「……だったら、なんですか……」

「へぇ~、そうなんだぁ……ふーん」

「な、なんですかその物言いは! ば、ば、馬鹿にしてるんですか!?」

「ちょっと~、私がそんな恥ずかしい大人に見えるの~?」

「それは……違います、けど……」

「単純に驚いたのよ。恋愛経験ないのに、あんなに緻密な心情描写とかできるんだな~って……やっぱり拓磨君は天才ね。私の見込んだ通り」

「そんな…………小説の中は、ほら……みんな、僕が全部知ってますから。どういう風に生まれ育ったのか~、とか。どんな風にものを考えるのか~とか……。大人とかも周りの人を参考に脚色して……でも僕の周りには、全然そういう……両親は、なんか違いますし」

「あ~、それは確かに。お父さんお母さんだと、恋愛とか通り越して、夫婦だもんねぇ」

「一応人物設定とか考えてるんですけど、なんかロボットみたいなんですよ。ゲームのキャラっぽいというか、リアリティがないって本当にその通りで。だから生の声を聞けたらなぁって、SNSとか巡って見たりしてるんですけど、それで出来上がった人ってなんか変なんですよ。本当にこんな人いるのかって……大味っていうかそれで全然先に進めなくって。やっぱり小説でキャラクターって大事ですし……いやでも…………やっぱりストーリーが…………今から企画の変更……いや…………」


 最初こそ悠と言葉を交わしていた拓磨だったが、徐々に自分の世界へと潜って行ってしまう。いつの間にか視線はディスプレイへと固定されてしまって、一方で焦点は合っていない。虚ろ目のままぼんやりと、どこかを見つめて考えに耽っていた。

 彼を眺めていた悠もまた、少し何かを考えるように視線を右上へとずらす。だが、こちらはすぐに終わったようだった。窓辺へ向かい窓とカーテンを閉める。鍵もしっかり締めたところで、彼女は拓磨の隣に立つと……。


「たーくまくん」

「なんですか、悠さ……」


 ジャケットを脱ぎ……タートルネックを脱ぎ……淡い黒のブラが拓磨の視界に飛び込んだ。悠の白い肌に、柔らかそうな谷間。縦に筋が走る一方で、柔らかそうなお腹が露わになっていく。


「な、なな、何をッ!?」


 当然、目を白黒させる拓磨だが、対して悠は笑顔のままだ。


「いや、わかんないんならさ。思い切って経験しちゃうのがいいかと思って」

「い、あ、うぁ、や、そそ、そんなっ!?」

「嫌だった?」

「嫌じゃないっ! 嫌じゃない、です、けど……そんな僕、達……付き合ってもないですしッ!」

「……拓磨くんだったら私も嫌じゃないよ? それとも……初めては、好きな人とだけ?」


 悠は聞いた。あくまでも選択肢は君にあると。もちろんその言葉通り、拓磨には断るという選択肢もある。だが……目の前にある柔肌は、年頃の青年にはあまりに刺激が強く……♡


「……ッ……♡」


 悠は小さく笑って、拓磨の頬に触れ、Tシャツの胸に手を滑らす。


「気分転換も大事でしょ?♡」

「気分……転換……♡」

「そう、気分転換……♡」

「これは、気分転換……気分転換、だから……♡」

「ベッド行こっか……拓磨先生?♡」




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 悠はデスク後ろのベッドに寝そべると、柔肌を晒して誘い出す。大人しい文学青年とはいえ……やはり雄であることにはかわりない。それも若く、子孫を作るには適切な年ごろ。目の前に用意された雌に、昂らないはずがなかった。


「悠さん……っ♡」

「目ぇ怖~い♪」

「ゆ、悠さん、僕どうしたらいいか……♡」

「いいんだよ、正解なんてないんだから。その方がリアルでしょ? 自分で思った通りにさ……シてごらんよ♡」


 ごくりと大きく、生唾を飲み落とす音。


「…………ッ……いいん、ですね?♡」

「うん、おいで?♡」


 下着姿の悠を前にして、拓磨は慌ただしく服を脱いだ。シャツも、ズボンも……下着も。全て脱ぎ捨てて裸になる。生まれ落ちた姿のまま、しかして体の中心はいきり立たせたまま、彼女の上に覆いかぶさった。


「ん、っちゅ……チュぅ……♡」

「んぁ、ん……たくま、く……♡」


 唇を合わせたまま彼女の肩に触れ、そこから徐々に胸へと手を滑らせていく。そんな彼に悠もまた、手の外側から背中の方へと腕を回す♡


「ん、ぷぁ……♡ ン……最初はおっぱいに来るかと思った……♡」

「……ずっとキスしたかったですから……♡」

「あはは、なーにぃ? 拓磨くん、もしかして私にお熱ぅ?♡」

「はい♡」

「お……」


 拓磨のまっすぐな視線が悠をじっと見つめる。互いの視線に耐え切れず……先に逸らしたのは悠の方だった。


「ち、ちょっとちょっと、熱いなぁ♡ もぉ、愛の告白なんン、ぁ、ふぁ♡」

「んっ、っちゅ……♡ 思った通りにしろっていったの……悠さんですよね?」


 照れ隠しにお茶らけて見せるのも許されない。拓磨の手が彼女の頬にあたり、正面を向かせてキスを続ける……♡ 舌をすくい、絡ませて……唾液を流し込む……♡


「ん、あ、ふぁ……♡」

「チュ、ちゅっん……それとも、もっと直接来てほしいですか? こんな風に……♡」

「ぁゥ♡ ちょ、ちょっと、拓磨く、ん……っ♡」


 勃起した拓磨のチンポが、お腹越しに子宮にゴリゴリと当てられる……♡ プクリと勃起した乳首がブラを浮かせ、レースの肩ひもをずらし、脱がせられていく。乳首に引っかかったブラが取り払われると、肋骨に乗った丸みがぷるんと揺れた。


「どうなんですか、悠さん」

「んぁ……拓磨くん、なんか、はげしくない?♡」

「我慢、してましたから……ッ♡♡」

「が、我慢って、ぁ♡」


 拓磨の体が、悠の体を覆い隠す。年は一回り下。社会経験だって、彼女の方が上。しかし冷静に考えれば男と女だ。彼の方が大きな体を持っていることにも、不思議はない。薄暗い部屋の中、拓磨は続ける。乳首をふにふにといじくり、子宮にチンポを押しあてながら♡


「我慢してましたよ……最初に一緒に仕事しないかとか、僕の作品を見てすごくよかったとか、こんな綺麗な人が見てくれてるんだって……♡」

「拓磨く……んっ♡」

「いい匂いして、可愛くって、きれいで……いつだって犯したいと思ってた。僕の初めては悠さんがいいって。きちんと結果出して、向き合えるようになったらって思ってたのに……あんなやらしい誘い方して……ッ♡♡♡」

「ぁ、あッ、ン♡♡ ち、くび……ぁっ、ンぁ……♡」


 これも一つの才能だろうか。乳首をいじくる彼の指は、決して乱暴ではなく、優しく甘い。彼女の体を震わせるのにはそう時間はかからなかった。最初こそ余裕を持っていた悠の表情も、とろけて潤んだ目を浮かべ始めている……♡


「感じてるんでしょ……?♡」

「…………♡」

「……答えろ……♡」

「感じて……ます♡」

「自分で誘ったんだ、ちゃんとさ……見せてくださいよ♡ 自分で脱いで、僕に見せろ……ッ♡♡♡」

「……はい……♡」


 一度拓磨が離れると、悠は自分の下着に手をかけた。ブラを外してベッドの端に置き……何を言わずとも、拓磨の目の前に自分の股間が来るようにして……ショーツに手をかける。するりと脱げるかと思ったショーツだが、腿の付け根から下へ動かすときに少し引っかかる。そして少し力を入れると……♡


「ぁ、や……♡」


 にぢゃぁっと音を立てて、ショーツが下ろされていく。太ももの間、クロッチとおマンコの間には、粘液の糸が幾重にも引いてあった。真っ赤に染まる悠の顔。反対に拓磨は興奮こそしているものの、冷静そのもので……♡


「ぁゥ、ンっぐ……♡」


 彼女のおマンコに手を触れていた♡


「なんですか、悠さん。これ……♡」

「いや、あ、ん♡ やだ、音鳴らさないで♡」

「嫌ですよ。僕は今まで、恥ずかしかったけど我慢してたんだ……♡ 悠さんだって我慢してください……♡ それに僕が鳴らしてるんじゃないでしょ?♡」

「…………♡ そ、そう……ね♡ 私が……ぬ、濡れすぎてるから♡ んぉっ……♡」


 つぷりと悠のおまんこに、拓磨の指が入っていく……♡ すんなりと入った肉穴の中、手前側に曲げられた指が彼女の肉壁を、彼の手の平がクリを転がす♡ おマンコとクリを同時に責められて、悠の顔がとろけていく……♡


「あっ、ぁぁ、あ゛、んぁぉ、ぉっ、お……♡」

「下品でヤらしい、声♡ すっごい濡れてるし……なぁ?♡」

「は、あっひ、ん♡ ぬ、ぬれて、ます♡ おまんこ、いっぱひ、ぬれてます♡」

「なんで?♡」

「それは……♡」

「言え」

「ひっぐ……♡♡♡ た、たくませんせぇの、小説で、い、いっぱいぬいてた、からぁ♡」

「僕の作品で抜いてた? 変態編集者じゃん♡」

「あっひ、はぃ♡ 最初も、たくませんせぇの、作品でいっぱいおまんこ気持ちよくなって、それで、拓磨先生、見つけて♡ ぜ、ぜったぃ♡ 絶対ものにしようって、お、思ってたんですぅ♡ ぅぉっ、おッ、お゛っ、そこ、そこきもっち♡」

「それでこんなに濡れてんだ? じゃあ、こいつも入れてほしいよね?」

「おぎゅっ……ッ♡♡♡ んぁ、は、はぁ……♡♡♡」


 乱暴に、中をひっかくようにして指が抜かれる。腰が抜けてぺたりと座り込んだ彼女の前に、拓磨のいきり立ったチンポが見せつけられた♡ 太く、固く、ガッチガチになったちんぽ……♡♡♡

 一瞬とろけた顔をした彼女は、そのままベッドに倒れ込むと……両膝を立て、お尻を高く突き出して……その柔らかそうな肉を左右にかき分けて見せつけた♡ むわっと雌の匂いのする……発情した女の穴を、これでもかと……♡♡♡ それに対して拓磨は何も語らない。ただ黙って、何かを催促するように、ぺちっぺちっと雌穴をチンポで叩く♡


「いれて、欲しいです……♡♡♡ 拓磨先生の、おちんぽ♡ いっぱいこれから、贔屓にします♡ たくさんお仕事回しますし、いっぱい面倒見ます♡ 拓磨先生の、資料おまんこになりますから……い、いっぱい、犯してくださぃ♡ おまんこして、くださぃい♡」


 その言葉を境に、叩かれていたチンポが止まり、オマンコ穴に狙いを定める♡ もう一度上から覆いかぶさり、背後からの顎に手を添えると……そのまま耳元で……♡♡♡


「わかったよ、犯してやる……遠慮しないで、鳴けッ♡♡♡」


 と、強い言葉と共にチンポをねじ込んでいく♡ もう二人の間にはすっかり上下関係ができてしまっている。上に立ち、攻める雄と、そんな雄に屈服させられる雌……♡♡♡


「お゛っ、ぉおっ、ぅ、あっ、ぁぁ~~~……♡♡♡」

「あ~、いいっ。毎日夢に見てた悠さんのマンコ穴やっぱりいいよ……エロい身体でうろちょろして、原稿進むわけねーだろっ♡」

「ごめっ、ごめなひゃっ、んっぐ、ぉっ、ンん゛ッ♡♡♡」

「何声我慢してんの?」

「や、らって、そと、きこえ゛っっぎゅぅう♡」


 少しでも口答えしようものなら雄のちんぽは激しく犯して雌を黙らせた♡


「関係ない、喘げ」

「んひっ、んん゛っ、っひ、ぃっあ゛♡」

「お前が誘ったんだろ、喘げ、鳴けッ、チンポに媚びて雌穴締めろッ!♡」

「あ゛っ、あっ、ぉお゛っんっぐぅう♡ あ゛っ、ああっひぃ゛っ♡ お゛っ、ぉっ、お゛っほぉおお♡ ンぉっ、っぉおお♡」

「やればできるじゃん」

「あぃ゛っ、あい、ありがと、ありがとございますっ♡ ぉっ、お゛っんぉお゛ッ♡♡♡ あ、あっぎ、ぅ♡ んっぐ、ぉっ、お゛っ、お゛~~~~♡♡♡♡♡♡♡」

「悠さんがこんなはしたない雌だったなんて残念だよ、幻滅。何しに来てんだよ、なぁ?」

「ごめなしゃ、ごめ゛、な゛っさい゛ッ♡♡♡ あ゛ぉ、お゛っっほぉ♡♡♡ んっぐ、しごと、しごとしにきたのに゛っ、お気に入りの作家さんの、わかちんぽでよがってごめんなさい♡♡♡ 年下チンポできもちくなっちゃう、淫乱変態雌穴編集者でごめんなさいい♡♡♡♡♡♡♡」

「下品な声♡ でもすっごくいいよ、もうこのまま最後まで行くから、いいよね?♡♡」


 形式上確認を取ってはいるものの、それは一方的な宣言だった。腰を抱え込み、項に鼻先をうずめてフェロモンを感じながら、激しい腰振りと肉を打つ音♡♡♡ 悠はくるりと白目を剥いて、顔をとろかせ、唾液をこぼしながら……何振り構わず鳴き続けた♡


「お゛っ、お゛っぉお゛ッほぉお゛っ♡ あ、はいっ、はいぃ♡ おねがいしましゅ、いくらでもいくらでもしていいですから♡ あ゛っ、あっ、ぁ♡ 自分から誘ったくせに゛っ、立場逆転されて、情けなくイっちゃうアラサーおばさんのおまんこいぢめてっ、いぢめてくださぃ♡ 泣いても喚いてもかまわず犯してくださいっ♡ ちんぽっ、ちんぽきもぢぃ♡ 拓磨先生のちんぽきもちぃのぉおおお♡ お゛っ、ぉお゛っおっぐ、あたまあたまおがしくなる゛っ、んっぐ、ぉっ、お゛ッほぉお゛ぉ゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡ ぉ゜ッ、――――――♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡」

「うぐ、出るッ……♡♡♡」


 白目を剥き、舌を突き出し、力なく枕に突っ伏す悠♡♡ それを知ってか知らずか、あるいはもうそんなこと考える余裕はないのかもしれない♡ 拓磨は何度も何度も、彼女の腰に自分の固いイチモツをねじ込み続けた……♡♡♡




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 二人が白昼の最中における情事に及んでからしばらくの月日が経った。

 場所はまた、あの缶詰部屋のマンションの一室。いや、もう缶詰部屋ではないのかもしれない。殺風景だった部屋にはいくつかの家具が置かれており、二組の食器がいくつか並んだ食器棚やクローゼット。壁を覆いつくさんばかりの本棚に、クローゼット近くには女性もののスーツがかけられている。真新しいテーブルに置かれたノートパソコンを触りながら、悠はスマホを耳に当てていた。


「はい……はい。かしこまりました、もちろんです。ええ、サイン会ですね。かしこまりました。……とんでもございません、ありがとうございます。それでは、失礼いたします」


 スマホの画面に映った、赤い受話器のボタンを押すと彼女はすぐ近くで作業中の拓磨に向き直った。


「拓磨先生♪ 次のサイン会イベント決まったわよ~。さっすが人気作家」

「や、やめてくださいよ、悠さん……」

「何言ってるのよ」


 照れくさそうに顔を背ける拓磨だが、そんな彼の肩に手を回して悠は語りかける。


「結局あの作品が大ヒットして、この業界だと一躍有名人なんだから。リアリティ抜群って評判よ~。女性読者にも人気フット―中♪ 自信持ちなさいってこのこの~♪」

「あ、あはは……に、人気はあの……ぼ、僕の手柄だけじゃないっていうか……これが、大きいと思うんですけど」

「……♡」


 はにかみ交じりに、拓磨の指が机に置かれた一冊の書籍に向けられる。彼のペンネームが書かれた文庫本サイズの小説作品。その帯には「私が元ネタです」という文字が書かれていた。加えて「担当編集者:牧田悠」と、彼女の顔写真付き。拓磨が作業するパソコンのディスプレイにはSNSのページが表示されており「編集者ちゃんエロ過ぎ♡」「こんな子とヤったのかな」「元ネタってどこまでなんだろうな」といった投稿が羅列されている。

 頬を赤く染める拓磨だったが、一方で悠は、


「いいじゃない、本当のことなんだから」


 あっけからんとそういった。


「いいじゃないって……まあ、悠さんが、いいなら」

「逆に顔出しして売れてなかったら悲しいでしょ? アラサー女としては嬉しい限りよ」

「…………ていうか、あの、悠さん……♡」

「ん……?♡」

「あ、当たって……ます、けど……♡♡♡」


 拓磨の指さす先。彼の肩には、悠の胸がむにゅんっとくっついていた……♡

 ドギマギした様子の拓磨に、悠は一言、吐息と共に語りかける♡


「あ、て、て、ん、の……♡♡♡」

「……♡♡♡」

「また息抜きしましょっか、拓磨先生?♡」


 二人で暮らすには幾分か狭いマンションの一室。閉ざされた部屋の中で甘く湿った空気が渦巻いた♡


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