快楽への誘惑 後編 (Pixiv Fanbox)
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「着いたぞ。意識はあるか?」
「ぅ……ああ。ありがとう。あとは…自分で、立てる……」
同じ冒険者である男性──リットに背負われたまま宿の一室に連れられる蒼髪の女性。
分厚いコートのような防具に身を包んだまま息を紅潮させ、男に感謝を述べつつ立ち上がり、ふらふらとベッドに向かう。
「見てられないな。腹は減っているか?水はここに置いておくから、好きに飲──」
「………はぁ……はぁ……ぅ、ああ……助かる……」
ステルラに背を向けつつ、扉の近くにあった小さなテーブルに自身の水を置く。そのまま何か食料を用意してやるという一言を添えつつ部屋から出ようとした瞬間──ばさ、と布が置かれる音が聞こえた。
「なあ」
「ん?どうし──」
男の背後に音もなく近づいていたステルラは、声をかけ振り向かせてから意表を突き、対象の唇を奪う。突如口元に押し付けられた柔らかく湿度をともなった感触に目を白黒とさせ、思考停止するリット。
「んむっ!?」
ステルラの両手はリットの肩を抑え、瞳を閉じて自らの唇を押し付け、情熱的な接吻を開始する。髪から立ち上る芳香は異性の性欲をこれ以上なく刺激し、現状理解から次の一手に至る手段を遅らせる。
「っ……む……──っ!」
「っん…♡っちゅ……♡ちゅう……♡んむ……♡」
わずか2、3秒程度ほどの不意打ちに続き、ステルラは頭をわずかにひねり、わずかに押し込むようにして口元の接地面積を増やす。口内に粘度を携えた水分が入ってくる感触に気づく。情熱的なディープキスを仕掛けてくる理由は不明ではあったが、直後ステルラがさらに舌を差し込み……
「っ……ぐ!」
男の喉を通ったわずかな異物感。勢いで流し込まれてしまった『何か』に対しての拒否感でステルラから即座に体を剥がし、距離をとる。
「っ……はぁ……はぁ……!な、何を……!何を流し込んだ!?」
「っ……ふぅ……ふふ……♡私の唾液だけでも十分だとは思うが……やはり、“直接”の方が効果が見込めるからな……♡」
男は自らの喉仏あたりに手を当て、先程喉を通った感触に思いを巡らせる。わずかに喉の奥に残った『何か』を舌の中央に残し、解剖を開始する。
歯に掠った質感、舌に残る食感、食料であることは違いないだろう。肉……?ほどのボリュームではない。この柔らかさは……?
冒険者リットはなかなかに頭の切れる男であり、リスク回避のための知恵、知識は豊富であった。毒の類では、という警戒が真っ先に挙がったが、口移しという手段で送られた以上、毒ではないはず……毒でないからこそ、口内での『確認』を行ってしまった。その後すぐに吐き出す予定だったものとしても。
「ふふ……飲み込んだか……♡安心しろ、毒じゃあない。最も、人によっては……毒、となるかもしれないが……♡」
「っ……なに、が狙いだ……」
「ひとつ、教えてやる……おそらく何かが何だかわからないだろう『それ』には…とてつもない“即効性”があるんだ♡」
「何…?」
聞き返した瞬間、男の心臓部の鼓動が大きく脈動を始める。自分でも聞こえるほどの爆音でポンプを送り始めたその激しさは代謝の形で発汗となって表れ、横隔膜のあたりにずぐんと重い感触がのしかかる。
「っ……はぁ……はぁ……なんだ、これ、は…!」
血液が巡り、強壮効果を実感する。急な内臓の活発化による負担はあれど、身体的苦痛は見当たらなかった。それよりも、強烈に頭にもたげてきた“昂り”があった。
「ふふ……感じている、ようだな……♡すごいだろう?私もさっき興味本位で少しだけかじってみたんだが……大変だったんだぞ?声を抑えるのは…♡」
「…………媚薬の類、か……?食感からすると、菌糸類……思い当たるものは……イクスマッシュルームあたりか…?」
希少菌類、イクスマッシュルーム。
リットがステルラの唾液とともに胃に流し込まれたそれは、強烈な滋養強壮効果とともに付与される精力増強の効き目。国によっては法で禁止されているほど強烈なそのアイテムは、健全な男性が1つ食するだけで数日感不眠不休で動けるほどの大きな活力効果が見込める。
「ふふ…♡見識があるな。気分はどうだ?」
リットは自身の胸をぎゅ、と握りしめ、大量の汗をにじませつつステルラを睨む。奇襲をくらった事による後悔や相手への怒りといったネガティブな感情は、先刻からもたげてくる強烈な感情にすべて上塗りされ蓋をされていた。
その絶大な昂りの感情は──
「そう、いえば……あの洞窟は、イクスマッシュルームが群生していたか……それを採っていたん、だな…!」
「そうだ♡私があそこで倒れていたのは……それを…ふぅ……“使って”みたから……♡どういうコトかは、もう理解できたよな…?」
──性的興奮。
「一人で使って、あれだけ気持ちよかったんだ……♡男とまぐわう時に使えば、どれほどのオーガズムが見込めるのか…♡♡私は見たい、私は知りたい、私は感じたい!体験したいんだ…♡」
「あ、ぐぅ……!はぁ……♡はぁ……この、効果量は……なんて…ことだ…」
場の雰囲気に流される、という言葉も必要ないほど、目の前で演説するように高らかな語りを述べるステルラに対し、興奮を隠せなくなっていくリット。
この女を今すぐ組み伏せたい。このメスを今すぐ抱き、押し倒したい。
オナホールを使うかのように乱暴を働き、性欲を発散するためだけの道具としたい。
ズボンがはちきれんばかりに怒張し、その矛先は目の前の異性の柔肉を捉えている。
「さぁ……さあ!もう見た目にも効果が見えるな…♡ リット、といったか?改めて…私の名前はステルラ…♡」
ステルラの瞳は、わずかに狂気的に見えるほど、快楽への渇望で揺らめいていた。
左腕をあげ、腋を見せつけ、いつかの催しでみたダンスのように腰をくねらせ、性的部分を強調していく。タンクトップのような胸部の布をずらし、豊満な乳房とピンク色の乳首を見せつけ、ゆっくりと距離を詰める。
ゆるやかに動く度にステルラから立ち上る蒸気は、室内に強烈な媚薬効果を伴った雌臭としてリットの鼻腔を突き続け、その度に彼の心の奥に眠る獣性を強くノックした。
「介抱してくれて、助かったよ…♡お礼というほどではないが、私のカラダを味わってくれないか♡一緒に……」
「キモチよく、なろうじゃないか♡♡♡」
******
「っふ……♡んちゅ……♡ちゅっ……ちゅう……♡」
「んぐっ……♡ちゅう…♡むちゅ……♡」
ランプの灯りが妖しく揺らめく傍らで、激しく壁際で身をくねらせながら唇を重ねる雄と雌。壁を背負っているのは男……リットの方であり、熱いディープキスで追い込んでいるのはステルラだった。
「んっちゅ……♡れろ………♡んっ……んう♡ちゅ……ぇろ……ぁむ………♡っふふ……どうだ……?また射精するか……?」
激しいストローク音を響かせ、肉棒を逆手で掴み扱き上げるステルラ。気づけばすでにステルラの手元と腹まわりにはべったりと白濁液がまとわりついており、すでに一度…あるいは数回、吐精を経たことが見てとれる。
「射精せっ…♡いくらでも、何度でも…私に浴びせてくれて……はぁ…♡かまわないから……♡♡次は、耳を舐めてやるから…ほら…♡頭を貸せ……♡」
「っ……ぐ……ぅ…♡はぁっ……はぁっ……♡」
獣のようなうめき声をあげることしかできず、目の前の女に言いようにされるリット。
無理もなかった。イクスマッシュルームがもたらす性的興奮作用は一般的に流通している滋養強壮薬とはかけ離れており、五感の感覚も遥かに鋭敏になる。それこそ自らが身につけている布地に擦れる感触だけで絶頂に達してしまうほど。
始めこそ勢いよく押し倒そうとしたものの、ステルラに肉棒を握られてしまってからは急激に無力化してしまい、息を切らしながら成すすべもなく従うしかない状態となっていた。
「はむ……♡れろ……♡ぢゅぅ……♡イけ……♡射精しろ♡今度は私のどこに射精したい?顔か?頭か?臍か……脚か?好きなところに……ちゅっ……♡ぶっかけて……んむ……♡♡……イイぞ……んちゅ…♡さぁ……ほら……イけ、イけ……♡♡」
ちゅこちゅこ♡ちゅこちゅこちゅこちゅこちゅくっ♡ぎゅちゅうっ……♡♡
「ぅ゛っ……!ぐっ……あ!♡」
「んっふふ…♡れろれろれれ……れろっ……ちゅう……ちゅっ♡ちゅっ♡んぐっ……んむっ……れろぉ……♡♡」
一度前の射精と変わらぬ勢い……を、遥かに上回る勢いで尿道から精液を爆発させる。精嚢から通る際に沸き起こる快感はリットの脳髄を大きく乱し、視界を一瞬ホワイトアウトさせる勢いで腰をがくがくと揺らす。その瞬間も絶え間なく聴覚から送られる強烈な淫音が性欲を加速させ、まるで耳元から送られる言の葉にあわせて精液を吐き出されているかのような錯覚に陥った。
歯を食いしばると、耳元をひねり一瞬でステルラの聴覚陵辱を引き剥がし、今度は強くステルラを抱き締め密着する。いまだ射精を続ける肉棒はステルラの臍に擦りつけられ、くぼみに精液が注がれていく。
「んぁっ♡んっく……♡あっつ…♡ふふっ……♡っくぅ………♡♡こんな熱くておおきい、チンコは……はじめてだ……♡」
肩から背中に手を回し、ぎゅうとしめつけステルラは直立させられる。肩越しにリットはステルラのうなじ付近に顔を埋め、長髪に蒸されきった首筋に舌を這わせ、芳香を十全に吸い取ろうとする。びゅぐ、びゅぐと尿道を刺激しつつ、ステルラの腹部とリットの腹部に挟まれた竿は歓喜の歌声を上げ続けた。
「っふぅ……♡ふぅ……♡ふふ……精液の臭いも、これまでで一番濃い……♡たまらない……♡私の手と…腹が……蹂躙されているよ……♡」
「ぁっ…ぐ……!止まら、ない……っ…!」
自らの肉棒を扱き上げステルラの肢体を汚していく。
髪に巻き取り、腋に挟み、胸を使い、指を絡ませ、人生最高記録の射精回数を叩き出していく。その情欲をステルラはすべて受け止め、さらに互いの獣欲は加速していく。
「もうこんなになってしまったぞ…?本当に恐ろしいな、あのマッシュルームは……♡♡」
「っはぁっ……♡っは……まだ、いけるぞ……ここからは、俺の、…ターンだろう……」
ぐい、と肩に押し込み、ベッドになだれ込むように倒れる二人。
激しいディープキスを繰り返しつつも、満を持したようにリットのたくましい手指がステルラの秘部を捉える。
「っんむ……♡んちゅ……──っんむ゛!?♡♡んん♡♡」
イクスマッシュルームを摂取し、長らく熟成されきった感覚は洞窟内で絶頂を迎えた時よりもさらに鋭敏になっており、軽く触れられた時点でも背中に強い電撃が走り、ステルラの腰を震わせた。
「っはぁ…はぁ……ステルラ、これまでの分を…まとめて返してやる。覚悟しろよ……」
ちゅくっ♡ぢゅくぢゅくちゅくぢゅくっ♡ちゅこちゅくちゅく♡
「はぁあ゛♡はっ!?あぁぁあああ!?あぐ♡♡あ♡ああ♡んぁ゛♡♡」
肉体労働で鍛えられ余分な脂肪もない前腕には血管の筋が浮き立ち、相当な膂力を持っているであろうことが伺える。
愛情を確かめ合うようなデリケートな前戯ではなく、愛する異性へ褒めてもらうようなアプローチの動きでもなく。先程までステルラに挑発的に責め立てられていたようなプレイを意趣返しのように、乱暴な手の動きで女性器をかき回す。
痛みを伴わない、ギリギリのラインで繰り出されるそれはステルラの脳で丹念にほぐされた強壮作用に満を持して働きかけるような快楽のシグナルで、わずか数秒でオーガズムに導いた。
「あっぐ♡あっ……゛゛♡あっ待てっ♡ま゛っ……♡♡」
ちゅくぢゅくっ♡ちゅくっ♡ぶちゅっ♡ちゅこちゅこちゅこ♡ちゅっ♡
「…………」
制止の言葉を繰り出してしまうが、腰は浮き上がり、男の指を咥えて離さないステルラの股間が正直な姿勢を主張していた。
ステルラの両手はリットの前腕を掴むが、その手に力はまるで感じられない。
「ひぐぅっ♡ひっ……♡いっ……やっ……♡やめっ……ないでくれっ…♡♡そのままっ……その゛っ……ぁぐぅ♡♡ままっ……キモチっ…いぃ゛……のがぁ♡♡なんっども゛……♡♡」
「……イカれているな…ここまでとは」
素早く指を抜き取る。高い粘度の愛液が長い橋を架け、その糸が千切れるよりも早くリットは己の男性器をステルラの股に突き刺した。
「っ!?ひぐっ!?♡♡ああぁぁぁぅ゛゛♡♡」
挿入されただけで、さらに絶頂を果たす。あまりに短い感覚での絶頂に腰の震えは止まらなくなり、口元は弛緩しきって顎が落ちてしまう。
「っぐ……!なんて熱さだ……」
「っあ゛♡あ゛♡お゛♡やめっ……ないで゛っ…♡突いっ…♡てくれ゛ぇ♡」
この先訪れる今日イチの快楽に歯を食いしばろうとするが、一突きされただけで目が見開き、腰と背が反り返ってしまう。己の意思に反して体が離れるように後退ってしまうところをリットに腕を捕まえられる形で固定され、正常位から逃れられない姿勢となる。
「っ……!一気に、イく、ぞ……!」
ばちゅっ♡ばちゅばちゅばちゅう♡ぱんっ♡ぶちゅっ♡ばちゅうっ♡
「っああぁぁっぁあああ゛あーーぁぁ゛♡っ゛ー♡♡っっーー!!゛」
およそ生まれて発したことのない喘ぎ声はまさに獣のようで、互いになりふり構わず醜い嬌声を共に奏でていく。
「あ゛っ♡あ゛♡あ゛ッ♡あがっ♡イ、イッ……♡゛だ、♡あ♡イッ……め♡……゛!!あ゛これっへぇ♡゛ン゛♡ぃうぃ♡♡あ♡」
「っ……ぅ♡ぐ…!だす、ぞ……!!!」
開幕からトップスピードに近かったピストンはさらにギアを上げ、強いストロークでステルラの膣内を突き、一度もねじこまれたところのない肉壁を抉っていく。
「あぁ゛ッ!?♡♡あ゛イッッ…へるぁ゛♡いっへるからぁ♡とぶっ……♡んぅううい♡あ♡あ♡あ♡あ♡いくまたイッ……しぬっ♡しぬ゛ぅ♡んお゛お゛♡あっが♡ぃ♡あ♡あ♡くるぅ♡くる゛ッ…イ゛ッ………あああぁぁっぁぁああ゛♡♡」
仕上げの一突きでステルラすらも知り得ない快楽のスポットを亀頭でタッチし、未曾有の快楽に腰を跳ね上げさせたステルラの骨盤の動きに連携するように大量の射精が始まった。
「~~~~~っっ♡゛あっ♡イぃッ……゛っひ……♡ああああっぁあぁぁぁああ゛゛゛っ♡♡」
ごぷっ♡どびゅるるるるっ♡ぼびゅっ♡ぶびゅちゅうっ♡びゅびっ♡どぷぷちゅっ♡
「っぐ……!ぁ……♡」
「っひ……♡゛ッああっ♡…あ────」
ダムが決壊するかのような勢いでの放水で注ぎ込まれる射精量。物理的な衝撃がステルラの体を揺さぶり、正常位で固定された腰は踊り狂うように跳ね上がり、リットの肉棒を揺さぶっていく。その動きは射精を乞う雌そのものでしかなかった。
「っ……ぐっ…ぅ……はぁ…はぁ……まだ、だぞ……!」
あまりの未体験の絶頂に一瞬、意識を飛ばされていたステルラを射精の脈動を携えたままのピストンが乱暴に叩き起こす。
「っ!?!?゛あ゛♡あがっ♡あぁぁぁ♡あ!?イッ……し、わたっ……!?あ゛ぁぁあああ♡♡」
ぶちゅぶちゅっ♡びゅぶちゅっ♡びゅくんっ♡ごぷっ♡ばちゅっ♡ばちゅっ♡
「っぐぅ……まだっ……イくっ…!!」
「あ゛っ♡あぁぁあ゛♡あぁが♡゛んあ♡しっ…しぬっ…♡やめっ♡やめへくれぇへっ♡♡゛んぉあ゛゛♡」
待ち望んでいた未体験の快楽は、ステルラの呼吸器を始めとした内臓すべてを蹂躙し、絶え間なく発生する脳内麻薬はついには意識すらも奪いはじめ、シャットアウトの前兆かのようにステルラの眼前にぱちぱちと火花を飛び散らせる。
酸素を取り入れることもままならず、死の間際とはこういう感覚なのかと錯覚するほどのセックス。十全に酸素系統が活かされないことによりさらに限定された快楽が体を焼き尽くし、ステルラのかすかな意識にはただひたすら「快楽を貪る」という根底の欲求のみが残り続けた。
「ま、だまだ……責任をとって、もらうぞ……!」
「あッ♡が────…………あ゛っ!?イ゛♡お゛♡トんっ♡でたぁ♡い、まぁっ…♡あっま、たぁ…゛あ♡あ♡゛あああっ♡イぐぅぁっ……──────っ………あっ゛♡♡うぅ♡゛んぉ゛っ……────」
絶頂の衝撃で気絶し、ピストンの衝撃で無理矢理叩き起こされる。無限の快楽地獄を引き起こしたステルラの表情には後悔を浮かべるヒマもなく………否、浮かべる必要がなかった。
「も゛っ……とぉ♡キっ……てくれっ……♡わた゛しをつかっ……てぇ♡いいからぁ……♡♡あっ♡あ♡お♡お♡あ♡♡゛あ゛♡」
「言われっ…なくても、そのつもりっ…だ…!!」
喉が枯れ、声が掠れても、快楽を横暴なまでに追い求める。
アドレナリン・ジャンキーの脳は通常の人間とは遥かに違う快楽構造を擁していた。
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「お、今度はいっぱい持ってるねぇ~」
「すごいだろう?各所を回って調べ上げたこの地域の危険区域と…掘り出し物のリストだ」
「ふぅ~ん…お、これとかイイ金になりそう。これも……いや、ここの滝とか絶対危ないってステルラ…」
晴れ渡る春の昼下がり。いつもの酒場のテーブルで作戦会議のような会話を広げる二人の美少女。
怪訝そうな顔でステルラの持つリストを覗き込む茶髪の女性──アリッサは、一応形だけの忠告をする。しかし、その忠告先の女がどのような性格と意思を持っているかは以前より承知の上であった。
「っふ……アリッサ。ここなんて絶対……ぞくぞくするじゃあないか…!」
肩をふるふると打ち震わせ、興奮の表情を携えて立ち上がるステルラ。
次の“快楽”は、あそこにある。待ってなんていられない。
あの“キモチよさ”を、どうにかしてアリッサにも味わってもらいたいのだが──
「ここは絶対ムリ!あたしは行かないからね!」
今日も振られてしまった。仕方がない。
それでは、今日はは別行動ということで──
【おわり】