催眠・催淫・再実験 Chapter2 (Pixiv Fanbox)
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「おし……ここならバッチリだな」
町外れの古びた宿。少し薄暗い一室。
ベッドと老朽化した椅子と机がある程度のシンプルな部屋に、私は連れ込まれた。
「んじゃ……ネイフィス、そのベッドに寝転がれ」
肩で風を切ったような不遜な態度で命令する男。
「………」
無言で、それに従う私。
今、私の体はこの男の『命令下』にあった。
「はぁ………はぁ……」
大きく息を荒げ、私の胸に顔を埋めるこの男──悪名高い盗人のドロクを、今日こそ追い詰めたと思ったのに。
「ふふ……へへ……やーらけえ……」
胸から顔を離したと思えば、次は私の首筋に埋め、舐め回す。
小さくなにかをつぶやいてることもあるが、聞く耳をもつ必要もないような下卑た提案や劣情を煽ろうとするものばかりだ。
「なあ…こういう経験はあんのか?ええ?」
「……答える必要はありません」
この男の持つ首輪……【アフロディ・ジアーク】は、埋め込まれた催眠作用のある鉱石が持ち主の思念を増幅させ、
魔術加工により他者の行動に干渉させられるという理外のアイテム。
使いこなせる人間は限りがあるはず。だが、この男の持つ法外な欲望に反応したのだろうか。
「そうかそうか…まあいいけどよ…なあ…?」
私の体をまさぐり、尻を撫で回し、腰に指を這わせ、大腿部に性器を擦りつけてくる。
この男の行動、表情、その他すべてが不快でならない。
「動きたくても動けねえってのは、どういう感覚なんだろなあ?」
舌だけでなく、視線までも舐めるように私を見つめながら、ドロクは問い詰める。
この男の言う通り、反発するような行動をとろうとするたび、体に力が伴わず脱力し、無力感にさいなまれる。
何度も脱出を図ったが、ドロクの思念にそぐわない行動をとる度、頭に強いノイズが走る。
「あ~その目……たまんねえよおい…!」
仰向けの私に馬乗りになり、見下ろしながら悦に浸っている。
腹部の重さはともかく、この男から降ってくる情欲の視線がとにかく鬱陶しい。
「ほらほら、乳首はどうだ?ええ?」
乱暴に私の胸を揉みしだきながら、圧倒的優位の立場から声がする。
どうなんだ──などと問いながら、両腕をあげ無防備となった私の腋や脇腹も舐め回す。
先程からとにかく、私の肌を蹂躙するような立ち回りだ。
「ずっ………と揉みしだきてえと思ってたんだよなあ~ お前のデカパイをよ……」
「(理解が及びません。この男は私の自由を奪い、ひたすらに私の胸をまさぐり続けている)」
「(陵辱しようと言うのなら、すぐにでも衣服を剥き、行為に及べばいいものを……なにか狙いが?)」
思案を巡らせていると、上からドロクの声。
「まあ…そろそろだと思うんだが、どんな気分だ?」
「………そろそろ、とは?」
「知ってるだろ?この首輪には催眠だけじゃなく催淫作用もあるって。
お前の体にも少しずつ効いてきてると思うんだがな」
おそらくはこの男が催淫作用による何かしらの思念を送ったのだろうが、
私のメンタルコンディションに目立った変化はない。
「いつもと変わんねえって目だな。それにしてはかいてる汗の量がすげえけど?」
私の肌につたう水分を掬い、見せつけてくる男に、私は言い返す。
「それはこの部屋の湿度や気温によるものです」
淡々と現状を告げてやる。抵抗というほどのものではないが、
この男の検証のようなものに付き合わされていることに併せて不快感が募る。
体温の向上によるコンディションの変化は特筆するほどでもない。わずかな呼吸の荒れも、臓器の作用だ。
「まあいいか、それならそれでよ………っはぁ~~……堪能したし、それじゃあそろそろヤラせてもらうか」
衣服をずり下げ、お楽しみと言わんばかりに嬉々とした声だ。
これまではいわゆるこの男なりの『前戯』だったのだろう。
そしてこれから、想像している通りの下卑た『蹂躙』が待っているのだろう。
何にせよ、私はこの男に不覚をとった。自分自身に対する叱責と、申し訳なさ。
「(失態………ですね)」
諦観の感情で目を閉じる。この男の嗜好によるものか、幸い自由を奪われているのは肉体だけだ。
なるべく早急に意識を遮断するよう、脳に信号を送る……その直前。
「………え?」
「聞こえなかったのか?コレで今からてめえを犯してやるんだよ。
まずは……こっちからな」
股間から男性器を取り出し、見せ槍のごとく確認させる男。
秘部にあてがわれるのかと思われた矢先、まさに理解が及ばず私の思考はわずかにフリーズした。
「……そこ……は…」
発汗によりてらてらと光り、肌同士の密着から離れる際「みちゅり…」と水音をたてて示されたそこは、私の胸の──
通気性により素肌が露出された、谷間の下部であった。
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