Home Artists Posts Import Register

Content

過去作フォルダ漁ってたら見つかったものです。

タイムスタンプもPixiv初投稿前で、イマイチ書いた記憶もありませんが、性癖は変わらないもので憑依のパターンが『憑依汚染』シリーズと同じですね。

オリジナルではあるようなので、あげておきます。


あまり真面目に推敲や誤字脱字修正はしていません。

これ自体の続きはありませんが、もしファンタジー世界で『憑依汚染』シリーズ的なものを書くことがあるとすれば下敷きにするかもしれない、という程度のものです。


それにしても文章が固い。自分の文章だとは分かるけど固い。


========================

 俺はどうやら死んだようだ。

 冒険者になって数年、その幕を下ろしたのは、洞窟を根城にしてしまったモンスターの討伐依頼という、ごくありふれた依頼だった。

 最期の瞬間は覚えている。あのスケルトンのようなモンスターの魔法が直撃し、瞬く間に俺の装備や肉体もろとも、あたり一帯は灰に還った。

 油断はしていなかった。だが、少しばかり想定より相手が素早かった。

 負けたから死んだ。それだけの話。

 まあいい。ともかく、俺は死んだ。

 このあたりでは、死者の魂の行き先は、生前の生業によって決まると信じられている。しかし、魂だけでこの世界に留まっているやつは――今の俺のようなやつは聞いたことがない。


 俺は死んだ後、気がつけば、依頼を受注したギルドの受付所にいた。おそらくは、魂だけになって。

 俺は今裸で、宙に浮いている。慣性もなんのその、自由に飛べるし、壁も床も天井も、全ての物をすり抜けられる。フェアリーもびっくりだ。しかし、俺の姿は誰にも見えていないようだし、声も聞こえていないらしい。

 眼前にいる女戦士に対して、手を振ったり話しかけてもまるで無視だ。

 この状態を伝えようとして――無理だとすぐに悟った。

 俺は根無し草の放浪者だ。帰る故郷も墓もないので俺の死はどうでもいいし、死んだ場所も確かめに行ったがやはり灰しかなかったので、諦めがついた。

 ともかく、それでもあの奇妙な魔法だけは誰かに警告してやろうと思ったのだ。

 しかし、どうしても気がついてくれない。女戦士は、コルクボードに貼られた依頼書とずっとにらめっこをしている。

 それにしても、コルクボードの裏からめり込んで見ていると、なかなか表情をころころと変えて面白い。

 ……こいつは、何を考えているのだろうか。見たところ、それなりに経験を積んでいる冒険者のようだが。

 革のズボンとジャケットに、薄い鉄のグリーヴと胸当て。茶髪も後ろでまとめられており、全体的に軽装だが使い込まれている。

 そのわり、さっきから眺めているのも主に植物の採集や、弱小モンスター素材の収集ばかり。もしかしたら、そういうのを中心としているのかもしれない。体つきも貧弱だ。

 やがて、優柔不断な女戦士を眺めているのも飽きたので、俺はそのまま街をうろついてみようと考えた。

 対面している女戦士を通り抜けて――


 急に体が重くなった。地に足を着けて、コルクボードを眺めていた。

 何が起きたか、直感が頭に過る。最期、俺が魂だけになった瞬間に感じたものと真逆だと。つまり俺は生き返った、そうだと思った。

 いや――俺はさっき、何をしようとしていた? 女戦士を通過しようとして――

「あ……」

 自然と声が漏れる。その音色は、女戦士のそれだった。

 視線を下ろすと、女戦士が身につけていた胸当てと、革のジャケットが見える。手は白く細い。窓ガラスに顔を写してみると、確かに女戦士の顔が見返していた。

 俺なのか?

 これでは、生き返ったとは言い難いな。俺は、簡単にこの肉体を奪ったのだから、返すことも容易にできようと考え、漫然と体を離れようとした。

 あっさり、俺の魂は女戦士の肉体から抜け出ていった。

 女戦士も姿勢を崩したが、すぐ意識を取り戻し、不思議そうな表情をした後、目をこすると依頼書を取らず踵を返した。

 ……生き返ったとは言えないが、これはこれで楽しめるか?

 俺は間髪入れずに、女戦士へと再び体を重ねた。すると、また女戦士になったようだ。

 筋肉の動きを実感し、手を握ったり開いたりしていると、後ろの方から受付嬢の声が聞こえた。

「ルビーナさん? お疲れですか?」

「……そうだな」

 何を考える前に、自分の口から返答があった。

「小銭稼ぎでもしようかと思ったのだが……やっぱり、今日は休むことにするよ」

「それがいいでしょう。無理は禁物です」

 するすると、自分の口からセリフが出てくる。そもそも、ルビーナというのはこの女戦士の事な……のだな。

 ルビーナ、二十歳。三年ほど前にこの街に住み着き、危険性の低い依頼をこなして生計を立てている。冒険者というより、ハンターだな。今日はあまり気が進まなかったが、自宅でゆっくりする気分でもなかったので、散歩がてらギルドに寄ってみた。

 ……らしい。自分の――自分の肉体となったルビーナの記憶が、自分の記憶のように読むことができる。

 これはなかなかに面白いな。生前は女性に縁がなかったが、自分自身が女性になってしまうとはな。

 俺は心の中でほくそ笑むと、受付嬢に軽く会釈すると、自宅へと帰ることにした。


 ルビーナの記憶を辿る……までもなく、習慣となっているのか何も考えなくても足は自宅へ向かっていた。

 小さい家だった。もっとも、一人暮らしというだけで上等な家だ。これも、薬草を納めたことで交流のあった老婆から、使っていない家を譲り受けたものだ。それがきっかけで、この街の定住を決めたようだ。

 家の中には、ベッドとチェスト、ドレッサーがあった。飾りっ気はあまりないが、さりとて地味でもない。女性の一人暮らしとはこういうものなのだろうか。ルビーナも、よく知らないようだ。

 俺は装備を外し、ドレッサーの前に座る。いくつか並んでいた瓶から、適当にひとつを手にとって開けてみた。女性らしい、甘い香りがする。自分の体から漂っているものと、同じのようだ。

 瓶を戻し、鏡に写った自分の姿を見つめる。

 ルビーナ。鼻筋が通っていて、輪郭もすっきりしている。戦士としては線が細いものの、釣り上がった眉もあり凛々しい顔つき。悪くない容姿だ。後ろでまとめていた髪も、ほどいてみる。ふわりと髪が舞い、少しだけ優しげな雰囲気になった。

「……ふむ。あ、そういえば声もルビーナの声なのか」

 少し低めで芯のある声色。だが、元の俺の声よりはずっと高く、自分が女性になったのだと実感させられる。

 俺の視線は、少しずつ下へ――膨らんだ胸への方へいく。カーキ色のジャケットと白いシャツ越しに、少し緊張しながらも自分の胸に触れてみる。

 ……柔らかい。自分のものだから当然なのだが、触れられたのもわかる。なんとも不思議なものだ。はじめは恐る恐る触れていたが、痛くないとわかると徐々に動きが大きくなってくる。

「ん……」

 しばらく揉んでいると、不意にぴりりと先端から強い感覚が走る。これは……なんだ?

 一度手を止めた俺は、ジャケットとシャツを脱ごうとする。襟から長い髪を出すのは面倒だ。顔やら服やらにまとわりついた髪を払うと、視界が開ける。

 眼下に広がっていたのは、上半身下着だけになったルビーナの姿だった。そう、ブラジャーを着けた、自分の上半身だ。白い、レースとフリルに彩られた、ブラジャー。今の自分が女なのだと強く実感させるとともに、途端に下着の締め付けを肌に覚える。

 ごくり、と俺の喉がなる。白状すると、女性が胸にも下着を着用するとは知識でしかなかったのだ。こうして生で――まして、自分が身に着けているなど――

「あ……」

 一瞬、意識が遠のく。全身に熱い情動が走る。それが性的な興奮であることは、俺自身と経験では断定出来なかったが、ルビーナの体が生まれ持った本能がそう告げてきた。

 俺は、震える手を胸に伸ばす。硬い衣服を脱ぎ去り、柔らかく肌触りのいいブラジャーに包まれた胸は、心地よい。そのうち、ブラジャーが邪魔に感じられてきた。外し方は知らなかったが、ルビーナの記憶が僅かに蘇り、なんの疑問も抱かず背中へと手を回した。

 ぱちり、と後ろのホックが外されると、肩紐の食い込みは弱くなるいっぽう、胸の重みは増した。

 そのまま、腕を前に出して肩紐も脱ぎ去ってしまうと、ルビーナの乳房が露わになった。

 あまり大きくはないが、形のいい方ではあるだろう。白くふにふにとした脂肪の塊が、張り付いてぷるりと揺れる。先端には、鮮やかな桃色の突起があった。これが……男のものは随分と様子が違うが、乳首なのだろう。

 そして、おそらくは先程の強い刺激を生み出した器官だろう。

 俺は、誘われるようにそこに指を這わせた。

 それは、先程とよく似た感覚でありながら、決定的な違いがあった。今回は、俺自身がそれを快感だと認識したのだった。俺は遠慮がちに沿わせていただけの指に力を入れて、その乳首を挟んでみた。

「なぁっ……に、これ」

 ……気持ちいい。胸から送られる快楽だけではなく、艶っぽい女の声も耳に入る。ルビーナの声、しかし俺が得た快楽から生み出された、俺の声だった。

「んあ……わたし、こんなことしちゃ、てる……こんな、昼間から……ああっ」

 脳裏に浮かんだルビーナの台詞と、自分の言葉として紡ぎ出す。そうすると、一人の女を悦ばせている優越感を味わいつつも、その悦ぶ女は自分自身である事の異様な倒錯感を覚え、体も心も異常に昂ぶっていくのだ。

 その昂ぶりは、また一つ新たな感覚を呼び起こした。下半身が、燃えるように熱くなりはじめたのだ。

 迷うことなく、俺は一気に革のパンツを引き下げた。むわりと汗の匂いが立つと同時に、ショーツが目に入った。こちらも、ちょっとしたアクシデント以外では見たことのない、女性の下着。ブラジャーとお揃いで、白いショーツだ。

 何より、自分がショーツを穿いているという事実に以上に興奮していた。ブラジャーもそうだ。こうして見ると可憐な装飾と心地よい肌触りは、女性を象徴しているよう。本来の俺であれば、仮に女性の下着を身に着けたとして、その向こうは女性のものではなかったはずなのだ。しかし、今はこの薄布一枚を隔て守られているのは――その背徳感が凄まじかった。

 俺は、ショーツ越しに股間へと触れる。

「……ここが、俺の……いや、あたしの……んあ」

 くに、くにと優しく股間に指を押し付ける。じんわりと熱が、そして――濡れてきているのが指先に伝わってきていた。ルビーナの指は戦士としては細く頼りないが、自分を慰めている今は関係なかった。

 ……もう、緩やかな快感では我慢できない。ショーツをずらして、ついに俺の女性器を露出させた。湿った花びらが空気に触れ、熱を放出した。しかし、俺の情欲は冷めることなく、直接そこを愛撫した。

「ああ……これが……」

 少しの陰毛、肉の花弁、過熱した穴。くぐもった声を出しながら、俺はそこを必死に探る。どこがいいのか、どうなっているのか。視覚でも確かめようと覗き込むが、陰になっていてよく見えない。

 俺はドレッサーの鏡が映り込む位置取りで、ベッドへと身を投げ出した。尻を突き出すようにしながらも、足を垂直にあげて下着を取り払ってしまい、大きく股を開いた。

 鏡は、ルビーナの痴態を隠すことなく捉えていた。よだれを垂らした大陰唇と、窄まった肛門、それらを守るような薄い陰毛。

 ルビーナが誰にも見せたことのない、ルビーナの全て。それらは今、俺のものとなっているのだ。俺は、本能に従うしかなかった。

 つぷ、穴へと指を差し入れた。摩擦係数は低く、あっさりと指は芯へと侵入していく。中はざらついていて、その凹凸ひとつひとつが快感を生み出しているようだった。

 俺はひときわ大きな喘ぎ声をあげる。あの、ギルドの受付で嘯いたときの澄ました声ではなく、肉欲からあげられた歓喜の声だった。

 下を見ても、鏡を見ても、写っているのは一心不乱に穴をほじくり続ける女。やはり、それが自分であることは何より奇妙で、最大の喜びであった。

 徐々に、穴の様子が変わってくる。溢れ出る愛液は徐々に粘りを増してきた。一度の動作で生まれる快楽が大きくなってきていた。

 それが何か、かつてそうしたこともあるルビーナの記憶から、呼び覚まされる。俺は、女性の絶頂を迎えようとしていた。

 膣に入れた指が前後するたび、世界が早くなった。あるいは遅くなったのかもしれなかったが、それは些細なことだった。一定でない早さと間隔で、俺は上っていった。

 それはこの体にとって経験したことのあるものだったが、俺にとっては初めての、最高の瞬間だった。

「ぁああああああぁっ!」

 全身にぞくぞくと寒気が走った。乳首は空気とさえ擦れ、痺れを生む。情婦のように開かれた両脚は、びくびくと痙攣した。指が添えられた膣からは、たらたらと液体が流れ出て、壊れたように開閉する肛門をも侵し、ベッドを汚した。


 ぐちゃぐちゃになっていた視界が戻ってくると、俺は脚だけをベッドのへりから投げ出して、仰向けになっていた。体の隅々まで快感は残っており、汗を吹き出している。呼吸は荒く、か細い声をはあはあと鳴らしていた。

Files

Comments

No comments found for this post.