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 音いじりはDAW(デジタルオーディオワークステーション)を使ってやるのですが、それに様々なプラグインを導入して音を出したり効果を付けたりします。

 本格的に音楽やってるわけじゃないのでフリーや安いプラグインを多用してます。そのプラグインのお気に入りをメモがてらに。


◆シンセ

 いつも使ってるMuTools MUXモジュラーシンセ。様々なモジュールを自分で繋ぎ合わせて自分でシンセを組み立てて鳴らすことができます。

 一般的なシンセはオシレーター(音を出すパーツ)とゲート(音をスピーカーに流すパーツ)が同期しているのですが、モジュラーシンセはそれらを非同期で動かすことができます。

 要するにリズムとメロディが同期しない複雑でヘンテコな音が出せます。変態的な音を作りたいときはだいたいこれです。


 AAS Multiphonics CV-2。これもモジュラーシンセです。

 AASのシンセは非常に滑らか艷やかな音がします。またこのメーカーは物理モデリング(弦の振動や胴鳴りを物理演算で再現して鳴らすシンセ)が得意で、CV-2にもObjeqFilterという物理モデリングモジュールが入っています。

 電子音はもちろん出るし綺麗なんですが、モジュラーシンセなのに太鼓や弦の音やのアコースティック(現実の楽器)っぽい音が得意というヘンテコモジュラーシンセ。


 このメーカーはChromaphoneという物理モデリングシンセを作っているのですが、同じ仕様のものがモジュールとして組み込まれているのでシンセの仕組みが分かっていればこっちの方が使い勝手が良いと思います。


 Multiphonics CV-2 Effectというのも同梱されていて、他のシンセの音にCV-2で効果をつけることもできます。

 Surge XT。オープンソースのフリーシンセサイザーです。

 音はSerumみたいにエグくない、Spireみたいに太くない、Thornみたいに滑らかでない、SynthMasterみたいに伸びやかでない。これといった個性がないのですが、逆に言うと汎用的で何にでも使えます。


 特筆すべきは大量にあるオシレーター。一般的なものからウェーブテーブル方式からFMからなんでもあり…というのは最近のシンセではよくあるんですが、そこに更にTwistというMutable Instruments Plaitsというユーロラックモジュラーシンセのオシレーターを模したものや、ゲームボーイなどに入っているS&Hノイズオシレーターなどよりどりみどりに入っています。


 ついでになぜかエフェクタ部ではなくフィルタ部としてウェーブシェイパーが内蔵されていて、そこにあるWestCoast Foldがとても気持ちいい歪み方をします。つまみを上げると音色がまるで変わるので、あぁこれは効果じゃなくてオシレーターの音自体を変えてしまうパーツでだからここにあるのか、というカンジ。

 これもモジュラーシンセと同じく、いい音を出したいというよりシンセシスするのが大好きな人向け変態チックシンセです。


 ついでにSurge XT Effectというエフェクタが同梱されていて、Surgeのエフェクタやウェーブシェイパーのみが使えます。便利。

◆エフェクター

 Shattered Glass Audio SGA1566。フリーのサチュレーター(音を歪ませ飽和させる効果)です。

 ソフトシンセはデジタルなので凄い綺麗な音がするのですが、綺麗すぎると耳が痛かったり薄っぺらい音に聞こえるものなので、それをかすかに歪ませ汚してアナログ感を加えます。これは真空管アンプを模した効果を加えて音を太くしてくれます。


 デジタルな波形はアナログと違い階段状で、周波数が高い音ほどこの段差が激しくなってジャリジャリするのですが、このプラグインはオーバーサンプリング(内部でより高解像度で処理してから音を出す)機能がついてます。オーバーサンプリングを4xに切り替えるとたしかに滑らかになって聴き心地が良くなります。


 サチュレーターは様々なメーカーが作っているのを色々試してみたのですがこれが一番私好みです。真空管アンプで鳴らしたっぽ~い!ってなります。


 欠点はオーバーサンプリング処理が激重で、私のRyzen5のPCでオーバーサンプリング4xのCPU Highで動かすとこれだけでCPUの30%を消費します。

 まぁ、一番最後の全部の音がまとまって出るマスターに1個刺してアンプ感を加えるために使うので重くてもなんとかなりますが、それにしても…_(:3」∠)_

 Creative Intent Tantrum。ディストーション(音を歪ませ飽和させる効果)です。

 サチュレーターと説明が同じになっちゃいますが、ディストーションはより激しい歪みを加えるエフェクターです。


 ディストーションというと一般的にはエレキギターに使うもので、シャカシャカペンペンしか鳴らないエレキギターを重く激しい音にするのに使います。

 しかしこのTantramはシンセ用で、エレキギター用みたいにモコモコせずクリアな音のまま歪んでいきます。

 最後にOutput Mixで原音とブレンドできるので、かすかに混ぜてサチュレーターのようにも使えます。


 昔セールの時に買ったんですが、このメーカー潰れちゃったんですよね。もうメンテナンスされないのでいつまで使えるんだろう(´・ω・)

 IntegraudioとSixth Sample共同開発Deelay。ディレイ(エコー)です。

 以前ここでSurreal Machines ModneticとDiffuseを購入したエントリを書きましたが、これはその2つを合体させたような効果です。しかもフリー。


 単純に入力した音をエコーさせるのではなく、グラニュライズ(細かく粉砕して再構成する)タイプで、Diff Amtを上げるとエコーがボヤーっと滲みぼやけてだんだんリバーブ(残響音効果)っぽい音になります。


 逆再生エコーとか変調エコーとかヘンテコな処理もできて、もはやディレイだかリバーブだかどころか何の効果なのか判然としない音も出せるし、テープゆらぎやサチュレーターも内蔵されていてクラシックなテープエコーっぽい音も出せて万能です。

 これフリーで出すんだ…凄いな…。

 Valhalla VintageVerb。リバーブ(残響音)です。

 リバーブって元々は空間残響音を加えて擬似的に立体感を出すエフェクターだったんですが、最近はシンセの音を柔らかくするとか余韻を残すとかの音色作りに使われてます。そのために使うのにこれは最適だなと思います。


 これもDiffって項目があるのでグラニュライズして再構成するタイプですね。凄い素直で綺麗な残響が加わるので使い勝手がすごくいいのでこれ1個持ってれば十分です。

 リバーブのド定番らしいですが、なるほどごもっとも。

  iZotope Ozone9 Elements。マスタリングエフェクトです。

 曲を作るまではいいとして、一番難しいのがマスタリング(全体の音のバランスを整え適切な音量で完成させる作業)です。

 これはマスタリングアシスタントというのが付いていて、作った曲の一番にぎやかな部分を聞かせてやるとそれを解析して自動的にバランスと音量を整えてくれます。もう手放せない。


 基本的なマスタリングアシスタント機能しか使っていないので一番安い機能制限版のエレメンツです。そしてそれにしか使ってないのでもうOzone11が出てるのにまだ9です。

 アップグレードする必要を感じないんですが、したほうがいいのかな_(:3」∠)_

 Baby Audio Smooth Operator。

 同じような機能のOeksounds Soothe2というのがあって前々からいいな欲しいなと思ってたのですが定価32000円はムリ…と思ってたら安いこれが出て、セールでさらにお安くなって大喜び。


 使ってますが、実はこのプラグインが何をやってるのかよく分かってません。イコライザー(指定範囲の帯域を削る)とコンプレッサー(閾値を超えた音を圧縮する)とリダクション(不要なレゾナンスを削る)を同時にやってるっぽいです。

 …「不要なレゾナンス」ってなんだ、どこが有用不要か何も指定してないのにどう識別してるんだ。


 なんかモコモコして曇った音がするなとか刺々しくて耳に刺さるなという場所にこれを刺すと、何がなんだか全然分からないがとにかく音がクリアで抜けが良くなります。ただ低音にかけるとスッカスカになるのは玉に瑕。


 新しいプラグインは凄く高度で複雑で自動的な処理をするので理解の範疇を超えてますが、これは凄くいいものです。


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