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いつも支援頂きありがとうございます。
ご無沙汰しております。がおうです。

更新がいつもの事ながら飛び飛びで申し訳ないです!
今回はキャラクターの配色について考えたいと思います。
サンプルとして僕がデザインした「湊あくあ」と「餅月ひまり」の解説をしていきます。

「湊あくあ」はホロライブ所属のバーチャルユーチューバーです。
ユーチューブ登録者16万人、Twitter12万人、bilibili 登録者36万人
全ブイチューバー中、投げ銭ランキングで月間1位を何度も獲得しています。

デザインした当時はここまで人気を獲得するとは思っていませんでした。
特にバズるきっかけがあったわけでもなく、ここまでファンを獲得できたのは
彼女の日々の努力の賜物だと思います。

デザイン面でも1%くらいは貢献できていたのかな?と自負しております。
ファンアートも比較的多く、二次創作した方から描きやすい、
シンプルながら特徴的である、と声を頂きました。

キャラクターをデザインするにあたって、
近年の潮流を鑑みますと、二次創作されやすいキャラクターデザイン
であることは重要だと考えていました。
ですので狙ってデザインや配色を練りました。
要点を4つにまとめましたので、長いですが
読んで頂けると嬉しいです。


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①配色は支配色と補色+さし色で構成!

湊あくあの配色での支配色は、メイド服のやや濃いめの彩度の低め(ダルトーン)のブルー
補色として髪の毛の明るい(ライトトーン)のピンクで構成しています。
そこにさし色として水色を入れています。
※正確には補色ではないので…後述します。

割合としては、支配色が6,7割、補色が2割、さし色が1割くらいでしょうか。
キャラクターだけでなく、インテリアや、世の中にあるいろんなところに応用されている
構成の割合だと思います。
支配色と補色が同様の割合にしてしまうと
お互いの色が協調され過ぎてしまいますし、
画面のまとまりを損なうと思います。

色数が多すぎると、キャラクターの特徴的な要素を失います。
シンプルな構成の方が覚えても貰いやすいです。
色を増やすとしても、メイン2色+さし色にモノトーン(白、黒、グレー)
で補うと色調もまとまり、印象に残りやすくなるはずです。

湊あくあの場合は、マリンメイドというモチーフがありましたので
メイド服で清楚感のある青系の色、そして僕自身の好みもありますが
若い女の子は淡いトーンのピンクとか、紫とか好みなのではと考えていて、
それを使いたかったのでピンクの髪の毛にしました。
それだけだと、色がシンプルになりすぎてしまうので
海を感じさせる水色をさし色として入れました。

中の人自身が若い女性であるので、この見た目を可愛いと
思えるか、愛着を持てるかは重要だと思いました。
可愛い色やアイテムを持った女の子を
見た時にカワイイ!と思ってもらえるのは大事
(街を歩いていて、カワイイファッションをした
女の子は目に留まりますよね)

ちなみに爪にもさし色を使っています。
僕が勝手に思っていることですが、
女の子は自分の事をブスだと本気で思っている子はいない、
常に可愛くありたい、可愛いと言われたいものだと思ってます。
もちろんそれは不特定多数ではなく、好きな人に対してです。
(ブイチューバーにおいて、好きな人=視聴者の図式が成り立つ)
だからこそ、着飾っていない時は見られたくないし
でもちゃんと綺麗にネイルとかした時は見せたくなるし
可愛いって言ってもらいたいはずなんです。
(ちなみに、髪の毛も三つ編みを入れているのは
ちょっとしたヘアアレンジをして、可愛いって気付いて欲しい
女心の現れです。)

視聴者として求めるものを考えた時に
ブイチューバーはキャラクターとしての特徴や性質も必要ですが、
演じる生身の女性がいますので、そういうリアルな女の子の
気持ちや性質をデザインに反映できたらと考えたのでした。



余談ではありますが、
出来る限りキャラクターのバストアップで特徴的なデザインやすべての色を入れるように
した方がいいと思います。
特にブイチューバーでライブ2Dで配信をメインで行うとすれば
重要になってくると思います。
パッと見た時にそのキャラクターの外見的な性質を理解してもらうためです。
これが、3Dのゲームで、TPSやクオータービューのような場合ですと
プレイヤーはずっとキャラクターの後ろ姿を見つめることになりますので
背面のデザインや色もとても重要になると思います。


②中国市場では銀髪(白髪)+軍服が人気!

何だいそれは…というサブタイトルですが、
今ブイチューバーとして人気を獲得するのであれば
ユーチューブだけでなく、中国市場が非常に重要になってきていると聞きます。
餅月ひまりの場合は、軍服、月の兎人、というモチーフでした。
中国のユーチューブといえる、bilibili 。その市場を強く意識した
デザインと配色で構成しました。

すでに湊あくあをデザインしていたのでそれと被らないような配色に
する必要がありましたので、さし色として使った水色を支配色に
しました。
軍服は通常ダークなトーンが多いですが、可愛らしい印象を
与えるためにライトトーンで構成しました。
それだけだと引き締まりませんから、
襟の部分やブーツに黒を入れています。
支配色の次に割合の多い、補色になっている髪の毛の色は
月を想起させる銀色、さし色に黄色を入れています。
近年のファッションでは髪の毛全体を染めるのではなく
インナーカラーを入れるという事が流行していたので、デザインに取り入れています。
インナーカラーに入れることで、髪の毛が揺れた時に三日月のようにも
見えることを考えました。




後述にもつながる話ではありますが、
どう描けば売れるのか…?
自分の描きたいもの以上に、商業で描く以上は
売れるものを意識しないといけないと思います。
だって売れなかったら次の仕事にも繋がらないですから。
日本と中国では文化が異なりますし、受け入れられる
ものに違いがあると思います。
キャラクターや商品を展開していく上で
市場に合わせる事は必要だと感じます。


③パターンにとらわれてもいい!

今までの配色の話で支配色と補色+さし色と書きましたが、
正確に補色とは、色相環の正反対の位置にある色です。
例えば、セブンイレブンの看板の赤と緑など。
キャラクターでいうと、fateのセイバーの青と、黄(金)色など。

ですのでここで説明した補色とは少し異なるものですが、
あくまで支配色を補う色という意味で考えて頂けると助かります。
湊あくあの場合、髪の毛のメインカラーのピンクから一番遠い色を
インナーカラーとして使っています。
補色ほど遠い色ではありませんが、遠い色を
使う事でお互いの色を引き立てあうことができます。

配色で悩んでいる時、どうしても色がまとまらない時は
すでにある配色のパターンがありますので、それを応用すると
とても創作が楽になると思います。
(せっかくなら自分の好きなキャラクターやヒットした
キャラクターからヒントを得よう)

例えばセイバーさんの配色は王道なんです。セイバーさんに
なっちゃうしな…と思わないでその配色を堂々と真似しましょう。
僕のデザインしたラストイデアというゲームのルーシアというキャラクターと
スカーレットというキャラクターの配色パターンはとても似ています。
ダメ押しでもう一人、イリーナというキャラクターも似ています。






なんてこったい…一つのゲームで3人も同じ配色のパターンを使っています。
なんて芸の無いやつなんだ…驚きです。

音楽でコード進行というものがあります。
ヒットしたポップ音楽で同じコード進行、似たコード進行は
たくさん存在します。
それは曲を構成する要素ではありますが、
曲の個別性や著作権を決定づけるものではありません。
ですから、パターンにはめることを恐れる必要はないのです。

絵を描く人でセンスが優れた人ばかりではないと思います。
(僕のその一人)
そんな人でも、配色のコツやパターンを少し知っていれば
ある程度形になるのではと思います。


④売れる色とは?

昔にあるデザインの本を読んでいて、
書籍の色によって売り上げに変化があるのかを調べたところ、
売れている本の表紙は青系が多く、
また、売れていない本の表紙は緑が多かったそうです。

かなり昔に読んだので詳細を覚えてはいないのですが、
それ以来僕はキャラクターの色には極力緑は使わないように
しています。
緑色自体の扱いがとても難しいため、という理由もあります。
もし広範囲に使う場合はすごく彩度を抑えるか、アクセントとして
彩度をとても高めにして入れます。
ヒロインキャラクターのメインのカラーを青々とした緑にするのは
すごく難しいと個人的には思います。

例えば、髪色が緑のキャラクター。
今までヒットしたヒロインキャラクターを思い返してみても、
あまり思いつきません。(主観ですが)
ブイチューバーで一番有名なキズナアイは黒(茶色)髪+ピンク色です。

趣味で絵を描くのであれば、そのような事は意識する必要は
ないと思いますが…
仕事として、世にキャラクターを送り出して、
受け入れてもらうためには必要なことなのかなと
考えています。


☆最後に☆

絵を描いている人に少しでも助けになればという気持ちで書きました。
途中で何を書いているのかわからなくなってしまい、
やっぱり絵で表現する方が伝えられるよねと思ってしまいました。すいません。
でもこんな長くてつたない文章を、
最後まで読んで頂いてありがとうございます。

次に書くとすれば、肌の塗りなど
個別の部位について思っている事など更新できたらと思います。
それではまた次回に。





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