ふぁりきゅーSide Story2 ーリン×ヒナー (Pixiv Fanbox)
Content
女子大生のヒナはドキドキしながら『FurryCute』に入店した。受付の女性がすぐに気が付いて声を掛けてくる。
「いっらしゃいませ。ご来店ありがとうございます。当店はレズビアン限定のお店になります。お客様、当店のカードはお持ちですか?」
凛音によると、受付の女性がいきなり「レズビアン限定」と言ってくるのは隠語だそうで、実際は獣化体験したいだけのTF好きのノンケの女の子も利用できるそうだ。隠語を知らない一般客はこれを聞いて帰るらしい。
「はい。『ケモッ娘』はリンで予約しています」
ヒナは会員カードを受付嬢に渡した。
「かしこまりました。合言葉をお願いできますか?」
「〝ネコネコにゃん〟」
この合言葉を言うのはいつも恥ずかしい。これを言いたくなくてこの店に入るのを断念している人もいると思う。
「ありがとうございます。それでは予約を確認いたします」
受付嬢は受付のパソコンを触り、どこかに電話を掛けた。
「既に支払い済であることも確認しました。ヒナさんですね? リンの準備は出来ているので、そちらの扉から中にお入り下さい」
「はい。ありがとうございます」
ヒナは受付の横にある動物柄の扉を開けて中に入った。
扉を開けると、通路でおっとりした雰囲気のワンピースを着たリンが立っていた。
「凛音! 久しぶり!」
ヒナがリンに声を掛けると、リンは嬉しそうに微笑んだ。
「ヒナちゃん、久しぶりだねー」
「もう一ヶ月近く会ってなかったかな。毎日SNSでは連絡取り合っているけれど」
「そうだね。ヒナちゃんとは毎日話しているけど、会うのは久しぶりだね」
久々に会った二人はお互いに微笑み合った。
「ここで立っていたら他のお客さんが来ちゃうから、部屋に行こう」
二人はわいわいおしゃべりしながらプレイルームに向かった。
「久々に会うのが『FurryCute』って言うのも何だか妙な感じだね。普通にカフェとかで会っても良かったんだけど」
「うーん、そうなんだけど。なんか最近、もふもふが不足しててさー。凛音をもふりたいなと思ったんだよ~」
ヒナが両手でもふもふする動作をしたら、リンが微笑んだ。
「あ、ヒナちゃん。ここでは凛音で呼ぶのは禁止だよ。今、わたしは『ケモッ娘』のリンなんだから!」
「あ、ごめんごめん。つい、いつもの感じで呼んじゃった」
「まあ、友達だからどっちでもいいんだけどね」
二人はそう言ってクスクス笑った。
「そういえば、『FurryCute』のホームページにリンのセクシー動画が載っていたけど、リンもエッチなことするの?」
「えぇー! ヒナちゃん、ア、ア、アレ見たの!? やー! 恥ずかしい……」
リンはそう言うと顔を赤らめ、両手で顔を隠した。
「恥ずかしいってことは……」
「やってない、やってない、やってないよー! わたしは獣化体験をエスコートする役をやっているだけだから! 知らない女の子の裸を見るのも、わたしの裸を見られるのも恥ずかしくて無理だよぉ! あの動画はお店のマスターに推されまくって撮られただけなんだから……」
リンは恥ずかしがりまくる。
「そうなんだ。でもああやって載ってると、そっち系のお客さんから指名が入るんじゃない?」
「そう! そうなんだよぉ。わたし、獣化コントロールも全然上手くないし、『S-3』なのになんで載せられちゃっているのか……うぅ……」
たぶん、こういうリンのウブな可愛いリアクションが推されたのだろうとヒナは思った。
「指名が来たらお相手してるの?」
「してない、してない! 断ってるよ! どうしてもってお客さんには……そ、その、エッチなことは無しの条件で受けることもあるけど……」
「ほぉ……」
「わ、わたしは「女の子がTFするのが好き」なだけで、そっちの気はないからね!」
「わかってる、わかってる」
「本当かなぁ……」
ヒナが誤解していないか気になるリンであった。
「獣化薬を飲むのはヒナちゃんじゃなくて、わたしでいいの?」
「うん。獣化薬は客よりキャストに使ってもらった方が安いからね。本当は二人でTFできたら良かったんだけど……今ちょうど金欠気味なもんで」
「それなら、わたしがヒナちゃんの獣化薬の分のお金を出してあげてもいいよ?」
「ううん。今日はいいの。リンの獣化を見せて」
「それならいいけど……TFしてるところをまじまじと見られるのは恥ずかしいなぁ」
「何をいまさら! お客さん相手にいつも見られているんでしょ?」
「そ、それはそうだけど……友達にじっと見られるっていうのが恥ずかしいんだよぉ」
「それじゃあ、私は今からお客さんになる」
「あー、なんか自分はTFしないからって、なんだかズルい……」
「ちゃんとリンを観察する対価は払っているからね。さぁ、早くもふりたいから変身してよ!」
「わ、わかったよ……」
ヒナに急かされてリンはワンピースを脱いだ。
「あ、スク水だ」
「うぅ……そんなにじっくり見ないで……恥ずかしい」
リンがワンピースの下に着ていたのは紺色のワンピースだった。
「スク水じゃなくて、ビキニにしたらいいのに。この店の標準衣装でしょ? ビキニだったら可愛いものいっぱいあるし」
「そ、そんな。ビキニなんてセクシーなもの着れないよ。肌の露出が多すぎる」
「そうかなぁ。リンもビキニを着た方がいいと思うけどなぁ。ホームページの動画みたいに」
「あ、あれはお店のマスターの指示だから着たの!」
これ以上水着の話をしたくないリンは獣化薬をささっと飲んだ。
「今日はパンダだね。ホームページに得意な獣化がパンダって書いていたから」
「うぅ……見られてる……そう、やっと獣化コントロールができる動物が見付かったの。いろんな動物を試してみたんだけど、うまく獣化コントロールができなくて……しかもいつも中途半端な獣化の姿で止まっちゃうから困ってたんだ」
リンは体が熱くなってきたのか、手をパタパタさせて顔に風を送っていた。
「そうだね。私達が初めて『FurryCute』に来て、キツネにTFした時もリンはちゃんと狐になれずにすごい状態になっていたよね」
「きゃー! ヒナちゃん、初めてTFした時のことは思い出させないで! 全然上手く獣化できなかったのに、それが逆に珍しいって……あの時の『ケモッ娘』のユウカさんにスカウトされちゃったし」
リンは初めて獣化した時のことを思い出して顔を赤らめた。
「ユウカさんは元気なの?」
「うん、元気だよ。たまに外で一緒にお茶したりしてるよ」
「いいなぁ、今度、私もそのお茶会に混ぜてよ」
「了解。ユウカさんに話してみる。あ、でも、外ではこの店の話は厳禁だからね」
「わかってるって」
リンは人差し指を立ててヒナに念を押した。
「ふぅ……体があったまってきた。どこからでも獣化させることができるよ。ヒナちゃん、どこからがいい?」
「それじゃあ、シッポかな」
「わかった」
リンはくるりと反転して、お尻をヒナの方に向けた。
「この水着ね、ちゃんと、シッポが出しやすいように、シッポが生える位置に切れ目が入っているんだ」
リンはそう言って、ゆっくりと深呼吸した。
「ふぅ……んっ」
リンが目を細めると、お尻の付け根が少しずつ少しずつ盛り上がっていく。
「おぉ、シッポが生えてきたね」
ヒナは突き出されたリンのお尻をまじまじと見ている。リンは恥ずかしいが我慢した。
「ん……んん……」
リンのお尻の付け根は少し盛り上がると、水着の隙間からふさふさした毛玉をひょこっと出した。
「かわいいっ!」
ヒナが水着から顔を覗かせたシッポに言った。
水着の切れ目からはみ出てきたシッポはどんどん大きくなり、白くて丸いシッポが形成された。
「何だか水着だと体との接点が見えないから、水着に毛玉をくっつけたみたいに見える。バニーガールっぽい」
「バニーガール……そう言われればそんな感じかも」
このヒナの意見にはリンも納得だった。
「えいっ!」
「やんっ!」
ヒナがリンのシッポを掴み、リンがビクッと体を震わせた。
「手触りもいいね~」
「もぉ……わたしはあまり敏感な方じゃないからいいけど、急にシッポを掴まれるとビックリするから」
「へへへ、ごめんごめん。見てるとつい触りたくなって」
ヒナはそう言って、リンのシッポを触り続ける。
「ん……はぁはぁ……そんなにシッポを触られ続けると、体のあちこちが一気にTFしちゃいそうになるよ」
「それもいいかもね。私達、TF好きでネットで知り合った仲だし」
「そうだけど……それじゃあ、獣化コントロールできてないことになるじゃない。わたしはちゃんとコントロールしてるところをヒナちゃんに見て欲しいなぁ」
シッポを撫で続けるヒナにリンは言った。
「なるほど。それじゃあ、次は胴体の獣化をお願いしようかな」
「胴体ね、わかった。はふぅ……」
リンは続いて胴体を獣化させる。
「ねぇ、直接獣化しているところは水着で見えないからハグしててもいい?」
「うーん……しょうがない。いいよ」
「やった!」
ヒナは喜んで後ろからリンを抱き締めた。
「それじゃあ、TFするよ。んっ……」
ヒナがリンを抱き締めていると、水着が少しずつ膨らんでくるのを感じた。体中に獣毛が生えてきているようだ。
「んー、毛が生えかけだと水着越しでもチクチク感じる」
「そりゃそうだよ、ヒナちゃん。生えかけの獣毛はまだ短いから刺さっちゃうよ。でもすぐにもこもこになると思うけど」
「あっ、チクチクしなくなってきた」
ヒナが抱えているリンのお腹が膨らみ、グッと手で押すと少し凹んだ。獣毛に覆われたことで、体の稜線が膨らんで見える。
「うわっ、首にも獣毛が! 抱き付いているから目の前に毛が伸びてきてビックリした」
「えへへ、首回りも胴体かなっと思ってTFさせちゃった。ね? 結構獣化コントロールできてるでしょ?」
珍しくリンが得意気に言った。ヒナがリクエストした胴体の獣化は終わったようだ。ヒナはハグをやめてリンから少し離れた。
「ふぅ、面白かった。すごい……リン。ちゃんと獣化コントロールできるようになったんだね」
「まぁ、まだパンダだけだけどね」
ヒナに素直に褒められてリンは少し照れた。胴体がパンダ化したおかげで、水着が破裂寸前に膨張している。水着に覆われていない肩や首周り、腰下やお尻周りは獣毛がはみ出している。
「よく見るとすごい状態だね……パンパン……」
「うぅ、じろじろ見ないで……もう次は手足を獣化させるよ」
「いいよ。あ、それじゃあ、片手を前に出してよ。じっくり獣化するところを見たいから」
「はい……手ならそんなに恥ずかしくないか」
リンは右手をヒナの方に出した。ヒナはワクワクしながらリンの右手を凝視する。
「んっ……」
リンの手足が太くなり始めた。
「あっ、手の爪が鋭くなってきたね」
「うん……そういうイメージをしたから……はぅ……」
手足は同時に同じような変化を遂げていく。指が太さを増し、手のひら全体が大きくなり、肉球が出現し始め、人肌が黒い獣毛に覆われていく。
「あっ、獣化のスピードが結構速いね」
「うん……このまま……肌が露出してるところは全部毛で覆っちゃおう……んっ……」
手先から肩に向けて、足先から腰に向けて、人肌の部分が黒い毛で覆われていく。
「あっ、リン、もう自分のやりたいように獣化してるなぁ!」
「はむぅ……だ、だって、自分の獣化途中の姿見られるのは何だか恥ずかしいんだもん……あぅ……見るのは好きだけど……」
「いいよ、やりたいように変身して。私はこっから見ておくから」
「むぅ……恥ずかしいって言ってるのに……はぁぅ……んっ!」
リンの鼻と口先が前方へと突出し始めた。マズルが形成され始めたのだ。耳の位置も高くなりながら形がまん丸に変わっていく。目の周りに大きな隈ができたようにパンダ特有の黒丸い模様ができて、顔全体は白い獣毛で覆われてゆく。
髪の色は徐々に白く染まり、短くなって頭の獣毛と同化した。
「はぁはぁはぁはぁ……さすがに一気に獣化させすぎちゃったかな……ちょっと疲れた」
リンはぺたんとその場に座った。
「おぉー! パンダだ! スク水を着たパンダが座ってる!」
「えへへ。ちゃんとパンダになってるでしょ?」
パンダ化したリンはそう言って片手を上げる。大きな前足に大きな肉球。
「えいっ!」
「わぁ! ヒナちゃん、正面から飛びつくのもビックリするからイキナリはやめようよぉ」
「だってもう我慢できなかったんだもん。満足するまでもふらせてね」
「い、いいけど……」
リンのお腹で頭をぐりぐりするヒナ。完全にもふりモードだ。
「むっ……水着のままだと全然もふもふ感が楽しめない。リン、脱いで」
「えぇー! 水着脱いだら裸になっちゃうじゃないー! 恥ずかしいよぉ!!」
「何言ってるの! 一緒に温泉入った仲じゃない! もう裸はお互い見てるでしょ! 狐にTFした時も見たし」
「そ、そうだけど……い、いや、でもでも……」
恥ずかしそうにリンは器用に前足で顔を覆う。
「でもじゃなーい。さあ、脱いで脱いで。全身毛で覆われているから素肌は見えないよ。ケモセーフ、ケモセーフ!」
「うぅ……わかったぁ……ぐすっ」
リンは立ち上がってスク水を脱ごうと試みた。しかし、ピチピチ以上にピチピチした状態になっているため脱ぐのが難しい。しかも前足の指が太くなっているため、肩に掛かる紐をずらせない。爪で紐を引っ掛けると破いてしまいそうだ。
「うぅ、ごめん、ヒナちゃん……一人で脱げない……手伝ってぇ……」
リンは半泣き顔でヒナに助けを求めた。
「もぉー、世話が焼けるねぇ、ふふふ。はい、身長高くなっているから座って」
「うん……」
リンが腰を下ろすと、ヒナはリンの肩に掛かっているスク水の紐の部分を外し始めた。
「むっ、体が大きくなっているのと毛が邪魔して脱がしにくい……」
「ダメそう?」
「いや、頑張ればいけそう。リンはそのままだらんと座ってて」
「うぅ~、本物のパンダみたいな扱い……」
ヒナががんばって、パンダ化したリンのスク水を上から下へと下ろしていく。
「よし、肩の紐が外れた! あとはこれを下ろしていくだけ」
「ひゃんっ! 胸のところをずらす時はゆっくりやってよ」
「あれ? そこは敏感だった? ごめんごめん」
ヒナはくるくるとリンの体周りを回りながらスク水をずらしていく。
「リン立って!」
「うん」
「よし、股間まできた。一気にずらすよ!」
「うぅ……恥ずかしいけどいいよ」
ついにスク水はリンの体から離れ、あとは足に引っかかるのを下ろしていくのみだ。
「はぁ~終わった。水着が脱げた~」
「ヒナちゃん……一つ思ったんだけど、もしかして、わたしが人化していたら脱ぐのは簡単だったんじゃ……」
「え? 人化もできるの?」
「うん……獣⇔人の姿を自由にできるようになるのが獣化コントロールだから……」
「そういうのはもっと早く言ってよー!」
「だって、ヒナちゃんが頑張っているから水を差すのもなぁって……」
「もぉー!」
ヒナが文句を言った後、二人は笑い合った。
「それじゃあ、リン、もふもふさせて」
「いいよ」
「えいっ! んー、イイ……」
「ちょっとくすぐったい……」
ヒナはリンに後ろから抱き付いた。思いっきり腕を伸ばしてリンを抱き締める。リンに触れている顔も手もすべてがふさふさだ。
「あー、癒されるぅ~。リンをこのままお持ち帰りしたい……」
「それはできないよ。獣化できるのはお店の中だけだもん」
「もったいないなぁ。せっかくこんな技術があるのに、外では誰もTFできないなんて」
「やっぱり悪いことをする人がいるからじゃない?」
「そっかぁ……」
「やっ! そ、そこはダメだよ!」
リンは小さく体を震わせた。
「あれ、突起がある? あ! 乳首!」
「うぅ、恥ずかしい……そうだよ……もっと触るところ下げて下げて」
「あれ? でもおっぱいってこんな位置にあったっけ?」
「んっ……正確に言うとそこは複乳だよ。パンダは二対あるから……」
「そうなんだ! それは知らなかった!」
そう言いつつ、ヒナはリンの複乳を触る。
「ちょ、ちょっと、ヒナちゃん!」
「人には本来なかった体の部位でも感じるの?」
「そう……だよ……んんっ」
「ん? 何だか膨らんできているような……」
「あっ……ダメ……コントロールができない……」
「おぉぉ、どんどんおっきくなってる!」
「はぁ……はぁ……やっぱりおっきくなっちゃった……」
ヒナは抱き付くのをやめ、リンのお腹側に周った。ヒナはリンの胸を見てビックリした。
「え? リン……そんなに巨乳だったっけ?」
「うぅ……違うよ……うぅ……頑張って抑えてたのに……やっぱり中途半端になっちゃった……わたしは何でか、獣化するとおっぱいも大きくなるの……複乳も一緒に……うぅ……」
リンにたわわに実った四つのおっぱい。しかし、獣毛に覆われて乳首は見えない。
「おっぱいパンダ……」
「うぅ……変な名前付けないでよぉ」
「よーし、今度は前からもふもふさせてもらうぞー!」
「きゃぁ!」
「あっ、これはこれでいいなぁ。もふもふに程よい硬さのおっぱい……」
「もー、ヒナちゃんったら……顔を埋めるのはいいけど、乳首は触らないでね」
「りょーかい」
プレイタイムの時間切れが来るまで、ヒナはパンダ化したリンをもふもふしながら、おしゃべりに花を咲かせた。
「はー、今日は思いっきりもふもふした!」
「満足そうで良かったよ」
「お金貯めて今度は私も獣化しようかなぁ」
「だから今日、ヒナちゃんの分を出してあげるって言ったのに……」
「今日はそれでいいの。人として凛音をもふりたかったから」
「あっ! リンだよ、リン!」
「あっ、ついうっかり」
「それじゃあ、また! 気を付けて帰ってね!」
「うん! また帰ったら連絡するよー!」
リンに見送られてヒナは店を出て行った。
『FurryCute』には様々な望みや想いを持った客が来る。動物に変身してもらった友達と和気藹々とする。これもまた一つの利用の形である。