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平素は格別のご厚誼を賜り厚く御礼申し上げます。



勤務を終え、自宅のアパートに帰ると、小鬼がベッドに寝そべっていた。





「あーあ、小鬼に侵入されちゃったね」

不敵に笑う小鬼。

「鬼を払うための豆、欲しくなぁい?」


そういって人差し指を立てる。

1万円か・・・想定よりリーズナブルだ。

独身サラリーマンの自宅内に見知らぬ少女がいるとう絶体絶命な事態。

諭吉1枚で片付くというのは、むしろありがたい。


しかし・・・この豆、ぶつけてよいのだろうか。

なんというか、罪悪感が・・・・・・

と思ったけれど、なぜか豆を持っていると「理解らせたい欲求」がふつふつと湧いてきた。

これが節分の力、これが諭吉の力、これが大人の力・・・!

小鬼に向かい、ぱらぱらと豆をまく。


「やぁ~ん、退治されちゃう~♪」

キャッキャと歓声を上げる小鬼。

血走った目でときにソフトに、ときに大胆に豆をぶつける自分。

なんだろう、知らなかった己の『癖』がムクムクと湧き上がってくる・・・


長いようで短い濃密な時間。

あっという間に豆をまき終えてしまった。



「やだー、服の中に豆が入っちゃった・・・♡」





小さな黒ビキニの中から豆を取り出し、升に収める小鬼。





「小鬼をいじめたわるーい福豆、欲しくなぁい?」

そういって9本の指を立てる。


・・・

・・・・・

・・・・・・・



満面の笑みで手を振り去っていった小鬼。

累計諭吉10枚で鬼を退治した福豆を手に入れられたのは、むしろありがたい。

ポリポリと福豆をかじると、素朴でなつかしい味がした。

・・・明日からもがんばろう。



それではまたお会いできる日までごきげんよう。

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Comments

ゼンマイうるふ

わる〜い小鬼ちゃん…… タイジシナキャ……(フゥフゥ

Anonymous

発想が天才😌 ありがたやぁ😇

カヤクグリ

また自室のベッドに…信頼してくれてるから手を出せないぐぬぬ

ゼロ

何度でも分からせてあげなきゃ…

ねず

ふぅ...

はぐ

はいアウト