せびりサンタ2023。 (Pixiv Fanbox)
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平素は格別のご厚誼を賜り厚くお礼申し上げます。
12月になり、街のお店はすっかりクリスマスモード。
どうせ仕事が忙しくて自分には無縁だとため息をつきながら家に帰ると、なぜか自室のベッドに猫耳サンタが寝転んでいた。
「せびりサンタからのプレゼント! ルーレット1回5万円ですにゃん♡」
かわいらしくアピールする猫耳サンタ。
プレゼントといいつつ金銭を要求。しかもかなりの金額。そのうえルーレットの面積配分がヤバい。
・・・しかし、どうせ特にクリスマスに予定もない身の上。
せっかくだから回してみた。
グルグル・・・
グルグルグル・・・・・
グルグルグルグル・・・・・・・ピタ。
なんだか一番良さそうなところに止まった。
せびりスペシャル、とは・・・?
明らかに狼狽しているサンタ。
どんなプレゼントがもらえるのか、じっと見つめていると・・・
ぐいっ。
目線を反らし、屈辱的な表情を浮かべながら、サンタが披露したのはメリークリスマスの文字。
ふーん、最高のクリスマスプレゼントじゃん。
平静を装いつつ、ぎりぎりまで文字に顔を寄せ、眼球の血流を全開にして限界まで見開いた真っ赤な目でプレゼントをガン見していると、目の前に先ほどのルーレットがずいっと押し付けられた。
転んでもタダでは起きない、さすがだ・・・。
追加料金を徴収し、即座に撤収する猫耳サンタ。
残されたのはいつもの自分の部屋と自分のベッド。
明日に備えて布団に入ると、ほのかに体温のぬくもりが残っていた。
・・・おやすみなさい、明日もがんばろう。
それではまたお会いできる日までごきげんよう。