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 紫苑村の中心地には、村人たちが様々なことに利用するため、周囲の住居以上に大きな集会所が建っていた。

三角の茅葺屋根が印象的な建物内は、畳が張られて机や座布団と言ったものが備え付けられている。

そして、とある晴れた日の午前中、中では村の子供たちが集まっていた。




 「は~い。じゃあこの問題を解いてみてね~」


 そう言って簡単な加算の問題を記した和紙を掲げる。

すると、幼い子供たちは一斉に筆を取り、木材を張り合わせただけの簡素な机、その上へ置かれた紙とにらめっこを始めた。


「せつおねえちゃ~ん」


 暫くすると、そのうちの一人に名前を呼ばれる。

分からないところがあったのだろう。

横に居る自分よりも15センチほど背の低い守り神、太白と目を見合わせると、互いに頷き傍らへ向かった。




 せつは、紫苑村に住む少女だ。

成人を目前に控えた彼女は周囲より頭も面倒見も良く、それゆえ忙しい大人の代わりに、こうして月に数度開かれる勉強会の先生役を任されていた。


 太白はそれを補佐、というよりむしろ監督してくれている。

彼の先生歴はせつの両親が生まれるよりずっと前かららしく、教え方や解への導き方を熟知しているためとても頼りになっていた。




「そしたらそこを繰り上げて……そうそう!正解!」


「えへへ。せつおねーちゃんありがと~!」


「うんうん。残りも頑張ってね」


「は~い!」


 一通り教え終わると、少女の元を一度離れる。

幼い子供たちは素直で吸収も早く、「若いっていいなぁ」と老人じみたことを冗談めかして考えてしまう。


 最初こそ大人から頼み込まれ、断り切れずやり始めたこの仕事だったが、今となっては毎月の楽しみとなっていた。

蓄えた知識を教え、眩しい笑顔で感謝される度、せつの心には暖かいものが流れていく。


 太白様も自分に対して同じようなことを感じているのだろうか、とふと思う。

彼は村人の信仰によって力を得ているらしいが、今まで見てきて明らかにそれ以外の感情があることは分かっていた。

いつも見守り、支えてくれる太白に大して何か出来ることは無いかと思案しつつ、別の子に付いている彼へ目を向ける。


「たいはくさま……?」


「む……。あぁ、すまぬ。考え事をしておった。で、どこじゃったかの?」


「……?」


 視線の先には柄にもなく惚け、呼びかけでようやくハッとする狐の神の姿があった。

普段であれば、ああして意識をどこかに逸らしてしまうことなどない。


「せつおねぇちゃん!」


「あっ、うん。今行くね。」


 ちょっとした違和感を訝しみながらも、仕事をこなすため声をかけてきた少年の元へ移動した。


「ここはね~、4と8で繰り上がるでしょ?そしたら2が余るから……。」


「あ!わかった!こうして……こうでしょ!」


「そう!正解!えらいね~」


「えへへ~」


「……せつ」


 正しい解答に頭を撫で褒めていると、太白がこちらへ近寄り話しかけてくる。

表情は少し曇っており、いつもは凛として美しい顔が台無しだ。

今日はそこまで暑くもないのに、うっすらと肌が汗ばんでいる。

しかも背後に広がる黄金の尻尾は、それぞれ忙しなく動いて落ち着きがない。


「太白様?どうしました?」


 見たことの無い様子になんとなく嫌なものを感じながら反応する。


「実は所用があってな。少しの間外したいのじゃが……」


「へっ」


 意外な申し出に、思わず素っ頓狂な言葉を発してしまう。

「所用」とは一体何なのだろう、自分にも言えない事なのだろうか、と考える。


「もちろん。大丈夫ですよ。みんなは私が見ておきますから」


 だが、あの太白様が濁すのだからよほど隠したいことなのだろう。

そう直感し、何も聞かずに笑顔で返した。


「っ……。すまぬな」


 すると彼は殊更に顔を曇らせる。

そして、すたすたと逃げるように集会所から出て行った。


「せつおねえちゃん。たいはくさまどこかいたいの?」


「ううん。ちょ~っと用事があるんだって。ほら、勉強の続きしようね~」


「は~い」


 子供たちに勉強を促し、彼ら彼女らを見守ることに集中する。

しかしどうにも気がかりで、飛び出していった村の守り神にいちいち意識を持っていかれた。




「はぁっ……。はぁっ……」


 集会所から少し離れた鬱蒼とした森の中、太白は早足で歩いている。

ある程度まで来ると、力を使って周囲に誰もいないことを確認した。

さらにこの後することを見られないよう念には念を入れ、数メートル範囲に人払いの結界を張る。


「くっ……」


 そうやって準備が出来たことを何度も確かめると、彼は袴の紐を解く。

続けて覚悟を決めるように喉を鳴らし、はらりと紅色の布を落とした。

青白く瑞々しい幼さの残る下半身が露出する。


「ん……♡♡」


 野外で裸体を晒すことに抵抗がないわけでは無かった。

だが、そうしなければならない理由がある。


「ふぅ♡♡ふぅ♡♡」


 神性を行使して粘度の高い液体を生み出し、自らの尻尾、その内の一本へと塗っていく。

それはかなり敏感で、擦るだけで耐えがたい甘い感覚を臀部辺りから全身に広げた。

しかも次第に卑猥なぬめり気を帯びていく先端に、自分の体の一部だというのに目が奪われる。

これがこの後体内に入ってくるのだ、と。


 毛の全てがぐちゅぐちゅに濡れきると、近くにあった木と向き合って手をつき身体を支える。

そして尻を軽く突きだして、その中央にある秘められた不浄の穴へと湿った棒を近づけていく。


「あっ♡♡」


 少し冷えたモノが触れた。

そのまま力を籠め、ナカへと押し込んでいく。


「ふぁっ♡♡っ♡♡」


 「入口」は易々と開き、侵入してくる物体を咥えこむ。

まるで遊びなれた淫乱な女性器のようだ。

誰に見られているわけでもないのに恥ずかしいが、待ちわびていた快感が嬉しくてうっすら声が漏れる。




 突如として現れた猫型亜人に襲われたあの出来事から、一週間が経っていた。

いつもであれば発情期が終わりに差し掛かり、徐々に普段の穏やかさを取り戻す頃合いだ。

しかし、太白の肉体は未だ劣情を燻ぶらせ、堪えきれない不快な疼きを生み続けていた。


 生き甲斐の一つである「子供たちの勉強を見る」ということを中断し、発散しに行かなければならないほどに。

自分を頼る無邪気な目よりも、体内を渦巻く性衝動へ気を取られてしまうほどに。


 さらに生物としての生理現象であるからか、どれだけ力を使っても激しい性欲が治まることは無かった。

神と成ってからもわずかに残っていた生き物としての性質を、今までも多少疎ましく思ったことがあるにはある。

だがむしろ愛する人間たちと似た身体の作りは、彼にとって好ましいものだった。


 今は違う。

簡単に自慰の事を考え、あまつさえ一週間前味わった肉の柱のことを考えてしまうこの肉体がただただ恨めしい。

それほどまで、村人たちとの時間を奪われるのが嫌だった。




「うぅっ……♡♡ぃっ……♡♡♡」


 くぐもった嬌声と粘ついたいやらしい水音が、木々のざわめきにかき消されていく。

狐の尻尾を持つ美少年の痴態は、段々と激しさを増していた。


 先ほどより後ろへ突き出された尻は飛び散った粘液がべっとりとこびりつき、玉のような肌が艶めかしく輝く。

しかもより強い抽送をねだっているかのように左右へ悩ましく揺れていた。


 そして中央で出入りを繰り返す金色の尻尾。

ぬちりと光沢を帯びたそれは、こなれた様子で強弱をつけながら蠢く。

同期するように小さな肉体は跳ね、びくびくといやらしく震えた。

さらに勃起しきっていない陰茎の先端からは薄い汁が糸を引き、乾いた地面に淫靡な潤いを与える。


 そんな中で太白は、心の奥から噴き出してくる罪悪感に苛まれていた。


 自分は子供たちが勉学へ集中し努力している裏で、浅ましい肛淫に耽っているのだ。

しなければろくに思考できないだとか、教師役に支障が出るといったことは関係無い。

神であるというのに肉欲へ負ける己が嫌になる。


「はぁ~っ……♡♡♡」


 じめじめと暗い自己嫌悪に陥る度、意識は逃げるように甘い心地をもたらす性感帯へ向いた。


 肉棒の先端を的確に強く前立腺へ食い込ませ、圧迫して虐める。

すると全身をずっしり重たい快楽が満たしていき、思考力までも蝕んだ。

引き抜けば、きつく咥えこんでいた尻穴は好きモノな女の性器かと思うほど卑しい音色を響かせていく。

身体から、酸っぱい汗の匂いが淫猥な湯気を立ち昇らせていた。


「んんんっ……♡♡♡」


 再度押し込み、ぐっぐっ、ぐりぐりと捏ね回す。

緩急の付いた愛撫は全身を脱力させたが、しかし尻尾の動きだけは頑として緩まらない。


 しかも柔らかな自慢の毛並みが、合わせて絶えず腸壁をこそばゆく引っ掻いていた。

痛みは与えず、たださらさらした刺激のみを生み出す。


「あふっ……♡♡♡」


 いつも力を使ってまで美しく整えている部分を、こうして自慰の道具にすることは抵抗がある。

どこか誇りまでも淫欲に穢されていくような気さえしていた。


 だが、早く絶頂して身体中を蝕むむず痒さを発散し、子供たちの元へ戻らなくてはない。

そうした思いが太白に黄金の尾を使用させ、そして今なお動作を激しくさせていた。


「ふぅっ♡♡♡あんっ♡♡♡はっ♡♡♡」


 高く艶のある声が、耐えることを忘れねっとりした熱い色を帯び始める。

およそ少年から出ているとは思えないほど蠱惑的で背徳的な響きだ。

快楽に溺れた者が出すそれは、人が聞けばたちまち虜になってしまうだろう。


 そして実際彼の頭は、段々と全身を痺れさせ跳ねさせる快楽へ夢中になってきていた。

堪えていた痙攣をそのままにし、感じるままに乱れる。

やがてうっすらと、一週間前体内を蹂躙したデカ魔羅が脳裏にちらつく。


「っ♡♡♡だめじゃっ♡♡♡それはっ♡♡♡」


 ハッとして悪しき考えを振り払った。

いくら欲求不満を募らせていたとしても、十中八九こうなった原因だろう猫亜人を求めてはいけない。

それは確信できる。


「んくっ♡♡♡あぁっ♡♡♡」


 だというのに、あの熱さ、カタさ、カタチを想う度異様な興奮に包まれ、肛逆で得られる心地好さも増していく。


「ふあっ♡♡♡」


 例えば、たっぷりと傘を広げ、肉という肉を絡め取っていく亀頭。

淫乱に従順にされていった腸壁はやがて、自ら抱き着き睦み合いをねだるようになってしまった。

先端が柔らかく尖った尻尾では物足りなさを覚えてしまいそうになる。


「ひぅっ♡♡♡」


 例えば、ビキビキと逞しく全体に広がっていた血管。

ただでさえ歪な形状をよりいやらしく飾り、慣れることを許さないめちゃくちゃな摩擦刺激を生んだ。

しかも毛よりずっと太くて熱い。


「っ―――♡♡♡」


 さらに、いたずらっぽい眼光でこちらを見つめてきた大きな目。

刈り取る捕食者の目を意識しただけで、ぞくぞくした甘い感覚が背筋を迸っていく。

それは間違いなく被虐の悦びだったが、どうにも受け入れ難かった。

こんな現状を愉しんでしまってはならない。


 邪な思考に囚われないよう、後孔の法悦だけに集中しようと思い至る。

片手で金色の尾をもう一つ、粘液で濡らす。


「んあぁっ♡♡♡はっ♡♡♡はっ♡♡♡」


 続けて、先に入れていた一本と同時に挿入し二輪挿しとした。

小さな体内はぬめり気を持った肉で満たされ、圧迫感が凄まじい。

ピストンを始めれば解れた括約筋が著しく擦れ、発情しきっているGスポットが二方向から潰される。

脚ががくがく震え、飲み込むのを忘れたよだれが口の端から垂れていく。


「ふあぁぁっ……♡♡♡」


 くすぐるように優しく撫でくり回すと、ついには腰と手が脱力しきり立っていられそうもなくなった。

へなへなと生まれたての小鹿みたく膝を折り、地面に四つん這いとなる。

自らの尻尾をアナルに挿入しつつ、頼りない動きで体勢を変える半裸の太白は相当に情けない。


「う゛ぅぅ……♡♡♡」


 やがて臀部を少し上げた恰好で落ち着くと、まずは強く強く快楽のスイッチを押す。

うっとりしてしまうような感覚が腹の底から膨れ上がり、胴体だけでなく四肢も含めて幸せにしていく。

嬌声はまさしく「搾り出された」といった具合で、低くはしたなかった。


「うっ♡♡♡ひっ♡♡♡お゛っ♡♡♡」


 むぎゅ、むぎゅ、むぎゅ、と繰り返せばその度嗚咽のような喘ぎが漏れ、下半身がびくつく。

ほったらかしにされているペニスは、やや色の濃い我慢汁を動きに合わせて放出する。


 段々と凛々しさを失い、ふやけていく表情。

気高そうに空へ向けて尖っていた狐耳は先端が軽く倒れてしまっている。

それは、快楽に溺れないようにするという意思も同様に萎びてしまったかのよう。


 さらに開かれた額で汗の雫が浮き、雨のように煌めく細い金髪が貼り付いて乱れていた。

とろんと垂れ下がった目元や口元を飾り、なおさらいやらしく蕩けた顔を強調する。


「あっ♡♡♡あっ♡♡♡あっ♡♡♡」


 動作をプレスからピストンに変えると、喉は小刻みに卑猥な音色を鳴らしていく。

自らと繋がっているはしたない結合部からは、たっぷりと空気を含ませた水音が響いた。

じわじわと膨らんでいく風船のようだった快感は、激しく脳天を突き上げるものに変わる。


 相変わらず甘く、しかし強く迸る刺激だ。

頭の中にある「よけいなもの」が、頭の片隅にでも入れておかなければならなかったものが、どこかへ押し出されていく。

だが早く絶頂しないといけないという事実だけは残っていて、動作を素早く激しくさせた。


「あぁっ♡♡♡はぁっ♡♡♡」


 尻尾を回転させ、ナカをブラシのように洗浄する。

その様子はまるで女を悦ばせるために使われる淫具のようだった。

肉欲に塗れきった腸壁は大幅に増えた摩擦をいたく嬉しがり、たまらない感覚を生み出す。

浅ましい穴ほじりに、どんどんと溺れていく。


「うぅぅっ♡♡♡ひあぁっ♡♡♡」


 同時にGスポットも捏ね回せば、徐々にこみ上げる痺れがあった。

ずっと求めていたものだと、それに慣れつつある肉体が気づく。

すると意識は一点に集中した。


「ほぁっ♡♡♡クるのじゃぁっ♡♡♡これぇっ♡♡♡」


 肛虐を継続しつつ、滲み出てくる多幸感に身を委ね、浸す。

つい一週間前まで処女だったカラダは、今やどうすれば頂点に至ることが出来るかはっきりと理解していた。

思考が甘くなり、暗く暖かい場所へ沈んでいく。


「はっ♡♡♡イっ♡♡♡―――♡♡♡♡」


 そして殴りつけるような圧迫をした刹那、太白は下半身をびくつかせて頭を地面へと埋め、声にならないメス声をなりふり構わず周囲へ響かせた。

気だるく重たい法悦がずっしりとのしかかってきて、全てを支配する。

ペニスからは精液が強制的にひりだされていく。

有無を言わせない、絶対的な気持ちよさだ。

だが、どこか物足りなくもあった。


「ふぅっ♡♡♡あぁっ……♡♡♡」


 やがて長いアクメを終えてくぱくぱと拡縮を繰り返す尻穴から、二本の尻尾を抜いていく。

括約筋は時折勝手に締め付け、「もっとしたい」とでも言いたげで、実際まだ身を焼いていた劣情はいくらか残っている。


 やはり、あの猫亜人のチンポでなければ完全に発散しきることは難しいのだろうか。

冷静になった頭が、あってはならない考えを思考する。


 とはいえ当初の目的通り、しばらく気を取られることはなさそうだった。


「っ……」


 そこで、太白は何のため自慰をしていたかを思い出す。

ひとえに、自分を求め待ってくれている子供たちのためだ。

時間の感覚は快楽によって失せており、集会所を離れてどれだけ経ったのか分からない。


 手早く脱ぎ捨てていた袴を着直し、汗と粘液、土で汚れてしまった箇所を浄化する。


「うむ……」


 続けて鏡を作り全身におかしいところが無いか確認したら、残り汁で淫香を放つ場所から駆け出す。

しかし、唯一身体だけには、多幸感の余韻や火照りが残ってしまっていた。




「だから、そんなに謝らないでください。太白様」


「じゃが……」


 目の前に立つ大人びた少女、せつは、太白が頭を上げ見上げると優しい笑顔を浮かべている。

ただ、そこには気遣いや配慮と言ったものが見られた。

彼女にそんな表情をさせてしまったことへ、酷く罪悪感を覚える。

いくら成人間近とはいえ、まだ子供なのだ。

慣れている自分がもっと多くの仕事をこなして、甘えさせてやりたいと思う。


「私一人でもみんなの面倒は見れましたし。それに、戻ってきてからすごく頑張って……っていうと上からですけど、してくれたじゃないですか!」


「それは、そうなのじゃが……」


 どれだけ言葉をかけられても、気持ちは収まっていかない。

元々あった予定を狂わせ迷惑をかけた原因が浅ましい性欲とあれば、それも当然のことだった。


「というか太白様、お熱でもあるんですか?」


「む?」


「顔がいつもより赤いような気がします」


「い、いや。用事が身体を動かす物でな。それで少し汗をかいた」


 ごまかそうとして、歯切れが悪くなってしまう。

もし用事が何だったか聞かれたら、上手く嘘をつけるか不安になる。


「そうですか。って、神様が体調悪くなるわけないですよね。えへへ」


「あ、あぁ。そうじゃな」


 だがせつは一人納得したようで、頭を掻きながら照れ笑いを浮かべた。


「本当にすまぬな。次からはお主に迷惑をかけぬことを約束する」


 その姿があまりにも無垢かつ健気で、再度謝罪をする。


「大丈夫ですよ。気にしてませんから。迷惑だとも思ってませんし」


 真っすぐ見つめてくる目は、言葉に嘘が無いことを証明していた。

本当に、全く気にしていないようだ。


「そうか?で、あれば最後に何か一つ、わしに出来そうなことがあれば言ってくれ」


「え?」


「いやなに、このままではわしの気持ちも収まらぬのでな。一人であやつらを見た褒美とでも思ってくれればよい」


「う~ん……そうですね」


 考え込む少女。


「あ、じゃあ」


 やがて何かを思いつき、一歩近づいてくる。


「その尻尾と耳、触らせてください!」


「へ?」


 あまりにも意外で、威厳もへったくれもない惚けた声が出た。


「実は、前からず~っと太白様のお耳と尻尾、触ってみたくて……でもいつ見てもすっごく綺麗に手入れされてるから失礼かな~って思ってて……」


「あ、あぁ……」


「だからずっと想像してたんです。毛は柔らかいのか硬いのか、あったかいのか冷たいのか、先っぽは、付け根はどうなってるんだろうとか……」


「うむ……」


 かなり思いが強いのか、すらすらと出てくる早口に若干気圧される。

そういえば、耳や尻尾は他の部位よりもずっと敏感なため、あまり村人たちに触らせたことは無かった。


「あ、ごめんなさい……。私ばっかり喋っちゃって……」


 しかしその本気度を見て、願いを叶えてやれば償いになりそうだと思う。


「よい。して、触ってみるかの?」


「いいんですか……?」


 許可すれば彼女は伏し目がちにおずおずと尋ねてくる。


「うむ。じゃが優しくな?お主らの身体には無い場所じゃが、しっかり感覚が通っておる」


「はっ、はいっ!」


 応じ、頭を差し出せば、少し緊張した手がまず天へ突き出す耳へと伸びてきた。

そして均一な長さに整えた毛へ当たる。


「ふわ……やわらかい……」


「む」


 触り方は言いつけ通り優しくて、自ら触れる時と異なりややくすぐったい。

だが同時に心地よさもある。

ともすれば、先ほど味わった尻穴快楽を想起させるような感覚だ。

猫のように目を細めつつも、そうした考えを気取らせないよう耐える。


「毛の奥はこうなってるんですね。あったかいです……」


「うむ」


 外側が軽く握られた。

掌は仄かに汗ばんでいるが、狐耳よりも体温は低いようで少し冷たい。

ひんやりした感触は存外に気持ちよく、慣れない刺激というのも相まって自然と身を委ねる。


「あ、ぴょこぴょこ動いててかわいい……」


「ふふ。ちゃんとわしの耳じゃからの。向きも変えられるんじゃぞ?ほれ」


「わっ」


 正面から左右へ90度ずつ向きを変えてやると、感嘆の声があがった。


「んっ……」


 反応が可愛らしくて何度か繰り返すが、動作は陰茎を扱くのと似ており徐々に熱が溜まっていく。

このまま続ければ、「あそこ」に当たればまずいかもしれないと思い回転を止める。


「どうじゃ?あぁ、それと内側には触れるでないぞ?外側よりずっと敏感じゃ……んぁっ♡♡」


「太白様っ!?」


 そして注意しようと口を開いたその刹那、せつの親指は性感帯に等しい感度の内面、白い毛の生えた場所を愛撫した。

堪えることのできなかった喘ぎが溢れ出し、首筋から上がぴくりと痙攣する。

全身には、染み入るような甘さが広がっていく。


 同時に、手をかぶせていた彼女は驚きの声をあげた。


「ごっ、ごめんなさい!わたっ、私夢中でっ!」


 焦り、申し訳なさそうに謝ってくる。


「よい。自分でも滅多に触らぬ場所でな。少し驚いてしまっただけじゃ」


「ほんとですか……?」


 潤みかけた瞳は、まさしく何か悪いことをしでかした子供だ。

しかし、悪いのは少女ではない。


 むしろ、劣情を制御しきれない自分自身だと太白は思う。

子供の前であんな声をあげてしまうなんて。

消えかけていた罪悪感が、心を再度浸食し始めた。


「あぁ。じゃからそんなに謝るでない。わしは全く、一切、全然気にしておらぬよ」


「ん……。はい!」


 そんな気持ちをおくびにも出さず語気を強めて慰めれば、せつはすぐ立ち直る。

そうした素直さが、少し羨ましい。


「して、まだ触るかの?」


「う~ん。いや、そろそろ帰ります!……でも、また触らせてくれますか?」


「うむ、よかろう。次の勉強会の時にでも。それと尻尾もな」


「やった!」


 先ほどまで暗かった表情は、今や眩しい笑顔になっている。

ひとまず予定を狂わせたことの償いは出来たのではないかとほっとした。


「じゃあ太白様、また!」


「あぁ」


 言って彼女は背を向け、両側が田んぼに囲まれているあぜ道を歩いていく。


 しばらくそれを見送ると、思案を始めた。

頭にあるのは先ほど嬌声を上げてしまったこと、そして未だ消えきらないむず痒い発情のこと。


「むぅ……」


 太白の尻尾は、耳と同じように敏感である。

つまりこのまま触らせてしまえば恐らく、というか十中八九また同じことが起きてしまう。


 勉強会についても、その他村人たちとの行事についても同様だ。

いつ終わるとも分からない不快な感覚で、何度も抜け出して彼らへ迷惑をかけるわけにはいかない。

心を蝕んでいる深い罪悪感が、暗い選択肢について考えさせた。


 つまり、どんどんと溜まってしまう性欲を綺麗さっぱり発散する必要がある。

だが、明らかに自慰では物足りない。

そもそも先ほどの勉強会が始まる前にも、紫峰神社で肛虐を繰り返してはいた。

だというのに、「ああ」なってしまったのだ。


「くっ……」


 脳裏に浮かんでくるのは、忌々しい猫亜人の顔。

そして熱くうねる舌と、巨大でみっちりとナカを満たし、掻き毟ってくるチンポ。


「ふぅ……♡」


 一週間前犯されてから二日間、性欲に悩まされることは無かったのを思い出す。

さらに、味わわされた異常と言える快楽も。


 最悪ではあるが、一つの方法が浮かんだ。







 亜人を捕えておくため作り出した空間へと入る。

そこは、牢獄とは思えないほど風流な雰囲気だ。


 周囲は背の高い木々に囲まれており、ざわめく枝葉が金色の夕陽に照らされている。

そして中央にぽつんと建てられた十畳ほどの小屋。


「む……♡♡」


 中へと上がれば、感じるはずの畳や障子の香りは無く、代わりとでも言いたげに芳醇な乾いた精液の匂いが支配していた。

隅で横向きに寝ていた精液の主は、やがてこちらに気づくと素早く立ち上がり前傾の戦闘姿勢をとる。


「―――!!」


 興奮した息遣いと共に、大きな目を恨めしそうに歪め、向けてきた。

監禁した相手への強い怒りがひしひしと伝わってくる。


 だが、獲物を絡め取るための疑似餌じみた美貌には全く影響しない。

あれほど辛酸を舐めさせられた太白でさえ、やはり美しいと思う。


 敵意を剥き出しにした目元がまずそうだ。

切れ長のまぶたが長いまつ毛に飾られ艶めかしくも可憐で、険のある感情が宿ると背筋にぞわりとしたものが走っていく。

熱烈すぎるベーゼを繰り返した潤みのある薄い唇も、奥にある真っ赤で熱い肉触手も、こんな時だというのにひどく意識を吸われる。

あの淫猥すぎる粘膜たちで行われるなめくじのそれに似た口交尾だけが、唯一自慰で味わえず心のどこかで欲していた感覚だった。

だらしないぼさぼさで伸ばしっぱなしの銀髪が、かえって彼女に野性的な魅力を足す。


 下方には、やはり巨大な腰があった。

重たげで豊かな丸さの肉に張られた、依然として瑞々しく、暁光を眩しく照り返す滑らかな白肌の調和がいやらしい。

触れれば、擦り付ければ、すべすべともちもちのハーモニーで容易く高められてしまうだろう。

寝汗でもかいたのか、表面から香り立つ濃い体臭がよりすけべな甘酸っぱさを帯びている。


 だがそれらよりも釘付けになってしまう、萎えてだらりぶら下がったオスマラ。

ここへ来た目的たるモノは、そのままでも太白のものより相当長く太い。

砲身にはあれほど多くの血管が隆起していただろうか。

さらにずる剥けの突起はうっすら湿り気を帯びており、鈍い桃色に煌めいていた。


「っ♡♡」


 あれから一週間、萎えたままでも記憶の中で見ていた物体よりずっと禍々しい肉棒に、半ば賭けだった選択が現実味を帯びる。

つまり、アレであれば性欲の完全な発散は叶うだろう、と。

ただでさえ、勃起していなくとも常識外れのカタチなのだ。

内部を血で充たせばどうなってしまうのか、最早想像すらできない。


 紫苑村の人々のため、前の生活を取り戻すため、と自分に言い聞かせつつ袴の紐を解く。


「くっ……」


「!?」


 そして、床へ落とし素肌を晒した。

猫亜人は突然の事に困惑の表情を浮かべ、しかし次の瞬間には肉棒が徐々に鎌首をもたげていく。

重たいだろう身を、早くも先端からよだれを滲ませながら自らの力だけでそそり立たせていく。

ビキ、ビキと音が鳴っていると錯覚してしまう。


「ふぅっ♡♡」


 やがて40センチほどにまで膨れ上がり天を向くまでの光景には、強烈な雄々しさが感じられた。

肉柱は威容を見せびらかすかのように時折痙攣し、ゆっくりと揺れ動いている。

人体の一部であるのに、やたらでこぼこした形状だ。

特にカリと、中央部の出っ張りは相変わらず凄まじい。

卑猥な曲線を描く女体と比べても、所々のシルエットにメリハリが付きすぎていた。


「……♡」


 浅ましくも快楽を期待していることを自覚しながら、背を向ける。

続けて尻を突き出し、尻尾を左右へどかして意図を伝えるべく手で谷間を広げる。

先ほどの自慰によって肛門は未だひくつき、空気の流れによって若干濡れていることが分かった。


「くひっ♡♡♡」


 背後から聞こえてくる不快な笑い声は、「意図」が伝わったことを証明している。

肩越しに首だけで振り向けば、あれほど憎しみを表していた目つきはすっかり好色で淫靡なものへと変化していた。


「うぅ……♡♡」


 鋭い視線に射すくめられるだけで、背筋にはぞくぞくしたものが駆け上がっていく。

蛇に睨まれた蛙はこのような感情を覚えるのかと思ったが、それにしては官能的だった。

生娘が意中の男と性交する時の、期待と恐怖が入り混じった気持ちが近いのだろうか、という思考が浮かぶ。


「あっ♡♡♡」


 そんなことを考えていれば、いつの間にか猫亜人は太白の腰へと顔を埋めている。

さらに、尻たぶを押さえる手に手を覆いかぶせてきた。

どちらのものとも知れない興奮で火照った体温が、互いの肉体を巡っていく。


「ふ~っ♡♡♡」


「っ♡♡」


 いやらしく湿った息が中心部へ吹きかけられる。

濡れているため、やけに風を感じてくすぐったい。

からかうような責めが腹立たしくて声を抑えることを決意する。


「はぁ~♡♡♡」


「ぁっ♡♡」


 二度目のため息はよりしっとりしており、ねっとりと絡みついてくるかのようだ。

ピンク色の温もりが谷間へと広がっていき、むずむずした心地を与えてくる。

下半身が軽く跳ね、思わず甘ったるい喘ぎが出そうになった。


「ふぅ~~~♡♡♡」


「っぅぅ♡♡♡」


 続くやけに長い吐息で、腕や顎、尻尾にまで力が入る。

折角恥辱に耐えながら秘部をさらけ出したというのに、襲ってくるのはもっと恥辱を重ねる意地悪ばかりだ。

もどかしくて仕方がなく、心が後孔での激しい交尾を求め始めてしまう。

だが、前回どうにか我慢した「おねだり」を再度耐えるため、口を堅く結ぶ。


「ふっ♡♡ふっ♡♡ふっ♡♡」


「~~~♡♡♡」


 小刻みな刺激に全身が震えた。

肘は気を付けでもするようにぴったりと身体へくっつき、脚も互いに擦り合っている。

間で太腿によって睾丸が揉まれ、ペニスの先端からは浅ましくも我慢汁が滴り落ちていく。


「んれぇ♡♡♡」


「ひゃぅっ♡♡♡」


 そこへ、尻穴をべっとりと一舐めされれば嬌声があがってしまうのも当然だった。

相当にざらつき、ぬめついた感触が性感をやすり、弱くなるようふやかす。

媚薬唾液はひどく熱くて、記憶よりも早く耐えがたい疼きを生ませる。


「んぇ~~~♡♡♡」


「っ♡♡♡くぅっ♡♡♡」


 舌先が肛門の皺を丹念に伸ばすように蠢く。

次第に当たる面積は増え、はしたなく発情した女の出す水音が鳴り始めた。

ぐぢゅ、ぬぢゅ、という響きは時間が経つごとにより粘っこくなっていく。

絡む部分のじれったい火照りも。


「はっ♡♡♡はっ♡♡♡」


「んひっ♡♡♡」


 しかし内部へ入ってくる様子は無い。

強烈に熱烈に肉を意識させるだけさせて、表面ばかりを舐ってくる。

動きはまるで、愛おしい恋人の性器へするみたいだった。

後に控える本番がスムーズになるよう体液で濡らし、内部が柔らかく解れるよう緩い刺激を与え続けてくる。

交尾で互いに最高の悦びを得るための前戯に、否応無く思考は蕩けていく。


「ふっ♡♡♡ふっ♡♡♡ふぅ~♡♡♡」


「ぁっ♡♡♡っ♡♡♡ぅぁ♡♡♡」


 そうして媚毒に塗れた秘所を乾かし犯す冷たい吐息。

太白は不意打ちに口をぱくぱく動かし、まぶたを緩く閉じる。

表情は卑猥の一言で、目尻は垂れ下がり唇がふるふると震えていた。

顔中に張り巡らされた筋肉が、全て脱力してしまっている。

逃げたくてか、むしろ快楽に対する反応でか、小屋の角、太い柱のある前方へとよちよち歩きで進んでいく。


「ふぅ~~♡♡♡」


「んぃっ♡♡♡」


「ふぅっ♡♡♡」


「~~~っ♡♡♡」


「―――♡♡♡」


「ぅぁぁっ♡♡♡」


 やがて、長いものや強いもの、反対に細い吹きつけを食らいながらも、ようやく柱へ肩と既に解放されていた腕で抱き着けた。

だがすっかり猫亜人のよだれは蒸発し、砂糖を煮詰めたのと似た甘ったるい香りを強く放ち始めている。

さらに、興奮しきったオスの汗や性が混じった青臭く鼻につく匂いが混じり合う。

今の彼にとっては、一週間前の事件を想起させる麻薬だった。


「っ♡♡♡」


 早くあの時と同じ、激しくて貪るようなえっちがしたい。

ふやけだした頭は、最後には耐えきったことを忘れただ途中行われた責めのことだけを思い出していた。

支えを手に入れて動きやすくなったことで、無意識に小ぶりで可愛らしい尻を左右へ振って誘惑してしまう。


「ちゅっ♡♡♡」


「っぁ♡♡♡」


 すると、柔らかくぷるりとした唇によるキスが襲ってきた。

啄むような一瞬の出来事ではあったが、滑らかさという新たな感触に容易く身体の芯が痺れていく。

本来であれば不浄である穴へのキス、という事実も多少腹の底を浮つかせる。

浅ましい無意識がもっと欲しがって、しかし「しやすい」ように、ゆっくりと腰を揺らして次を誘った。


「ちゅっ♡♡♡ちゅっ♡♡♡ちゅっ♡♡♡」


「ふぁ……♡♡♡」


 今度は尻たぶへされる。

しかも何度も、まぶすように広い範囲に繰り返されていく。

湧き起こる疼きはぞわつきが強く、弱点の近辺でしかないというのにやたら官能的だった。

もじもじうねうねと、中心との接触をねだるように足が動くほど。


「くひっ♡♡♡……んぢゅ♡♡♡」


「ひゃっ♡♡♡」


 そんな中心部分へ、浅ましくもいやらしい姿のご褒美みたく、唾液を纏いぬめり気を増した粘膜が吸い付いてくる。

吸引は粘膜をぴったり密着させるためのもので、そのまま上下左右に蠢きながら肛門を揉みしだく。

悦びの反応として行われるひくつきは、さらなる摩擦を呼んだ。


 また少し上、尻尾の生え際に近い場所を高い鼻先がくすぐっている。

そこはやたらに敏感で、このまま尻尾までも触られたらどうなってしまうのか、と思った。

恐怖と、もたらされそうな快楽への期待が同居する。


 そんな太白の考えを知ってか、それとも単に尻穴を舐る際邪魔だっただけか、猫女の左手は尻から離れ、近づいてきていた。


「ひぅっ♡♡♡」


 やがてふさふさと生え揃った毛ごと、芯は細い四つの尾がいっぺんに少し強い力で掴まれる。

たったそれだけでじんわりした甘い痺れが腰へ広がっていく。

少ない触られた記憶の中で、こんなにも気持ちいいと感じたことは無かった。

それほど著しく興奮してしまっているという事なのだろうか。


「んっ。くくっ♡♡♡」


「やっ♡♡♡やめっ♡♡♡んふぅっ♡♡♡」


 亜人は口づけをしたまま一瞬驚いたが、すぐ気づいたように喉を鳴らし指先を波打つように動かす。

すると尻尾たちは互い違いに身を押し付け、それぞれ汗でしっとりした柔毛をなすり付け愛撫しあう。

肉同士の接触による摩擦とむず痒さで悩ましい心地だ。

肺の中で熱された湿っぽい吐息が溢れ出る。


「ぢゅぅぅぅ♡♡♡」


「はぁぁんっ♡♡♡」


 さらに尻穴への一際強い吸い上げとくれば、遂に大きくあられもない嬌声を迸らせてしまう。

未だ絶頂のスイッチたる前立腺を、どころか腸内を責められてすらいないのに、派手にヨがってしまうほど肉体はたっぷりと法悦を溜め込んでいた。

激しくも暖かな解放を求めて、へそ下がきゅんきゅん疼く。


「はっ♡♡♡あっ♡♡♡」


「んぇ♡♡♡」


「ひぁっ♡♡♡」


 忌々しい雌猫は、左手を上下させ始めた。

男性器での自慰を彷彿とさせるような動作は、しかし相変わらず重たくてこみ上げるような女の官能をもたらす。


 しかもキスを舌先での舐めへと変え、責め手を絶対に慣れさせない。

皮膚と皮膚が擦れる乾いた音に、反面やたらと粘々した音が響いて耳までも犯す。


 そうした淫行は、太白に右尻から離れていく肌の感触を気づかせなかった。


「んぁっ♡♡♡そこぉっ♡♡♡」


 五指が取り囲むように、だらしなく下を向くやや勃起の弱い子供ペニス、その皮の被った亀頭を摘まむ。

人肌が当たって始めて、我慢汁ですっかり濡れそぼっていることが分かる。

するはずの鼻をつく性臭は、甘く青臭い「彼女」のものにかき消され、まるで漂ってきていなかった。


「ふぁぁっ♡♡♡」


 そして当然、反対側にある肉の棒たちと同じように、ちゅこちゅこ上下に扱かれていく。

だが動きそのものは明らかに意味合いが違う。

指の先端だけを利用した優しい責めが小ささを表しているみたいで、元々拘っていたことでもないはずなのに何故だか惨めさを掻き立てられる。


「うぁぁ♡♡♡これっ♡♡♡いやじゃぁ……♡♡♡」


 心を蝕む劣等感は、恐らく先ほども見た巨大で逞しいオスマラのせいだろう。

やはり感じたこと無いはずの、男として、雄として敗北する情けなさを感じた。

しかし同時に、ぞくぞくと背筋を駆け上がってくるナニカも。


「んれぇっ♡♡♡んむっ♡♡♡ぇ……♡♡♡」


 不思議な二つの思いに苛まれる彼を尻目に、下半身についている穴は存在を主張するみたく拡縮を繰り返し続けている。

幸せな温もりと痺れを全身へ広げ、蕩けさせていく。


「あぁっ♡♡♡んぅぅっ……♡♡♡」


 早くも肉棒から前兆である性感が滲み出してきていた。

思考は段々と放出に支配され、気持ちよくなることしか考えられなくなる。

身体を支える膝や腕が震えて立っているのもやっとになり、対してかかとは浮いてつま先立ちになってしまう。


「くひひっ♡♡♡」


 堪えきれない愛撫はまるで停止する気配がない。

むしろ次第に勢いを増し、乳しぼりみたく白濁を搾り出そうとしてくる。


 肛門はよだれ塗れの熱い舌で舐め回され、尻尾とペニスはめちゃくちゃにコかれていく。


「んぇぇっ♡♡♡」


「あっ♡♡♡やぁっ♡♡♡だめっ♡♡♡なのじゃぁっ……♡♡♡―――♡♡♡♡」


 やがてべとぉ、と熱い粘膜が敏感な穴へ擦り付けられた瞬間、股間のものからは濃くどろどろした液体が勢いよく吐き出され始めた。

猫亜人のものとは比べるまでも無いが、太白にとってはこれまで味わったことの無いような強い絶頂で、放出感だ。


 力が抜けた肉体は少しずつ畳へずり落ちていき、寝そべった中で尻だけを突き上げた無様な恰好となる。

崩れ落ちた彼はしばらく、見る物を誘惑するはしたなくていやらしい痙攣を続けた。







「ふっ♡♡♡ふーっ♡♡♡ふっ♡♡♡ふぅっ♡♡♡」


 壮絶なオスの絶頂を終えても、太白は未だ全身を快楽に支配されていた。

普通であれば昂った気分が落ち着いていくはずだが、燃え盛るような性欲はまだまだ残っている。


「くぁぁ……♡♡♡あつい……♡♡♡」


 特に尻穴周辺はひどい。

塗りたくられた媚薬唾液が本格的に効き始めたのか、やたらと敏感でひくつくだけでも気持ちよかった。


「ひひ……♡♡♡」


「っ♡♡♡」


 最早うっすらと伝わってくる下卑た視線でさえ感じてしまいそうだ。

恥ずかしくて手や尻尾で隠したいのに、身体は甘く痺れあまり言う事を聞かない。


「あ……♡♡♡」


 そうした熱が冷めやらぬうちに、伸びてきた手が細い腰を掴んでくる。

続けて、恐らく彼女が挿入しやすいのだろう高い位置まで持ち上げられていく。

体格差故かなり無理のある体勢だ。

膝は少し浮き上がり、逆に頭が畳へ押し付けられる。

これでは背後の様子を伺う事すら叶わない。


「んぁっ♡♡♡」


「くひっ♡♡♡」


 そして、尻たぶを押し退けながら中心地へきつく密着してくるチンポの幹。

起伏の激しい表面は早くも体液でべとべとになっており、「互い」が濡れそぼっているからかわずかな摩擦で卑猥な音が鳴る。

触れ合っているだけで、我慢できないとでも言いたげなむらむらした熱が痛いほど伝わってきていた。

しかも、我慢汁を鈴口へ送る尿道の蠢きが微細な振動を生む。


「ふぁぁ……♡♡♡」


 肉棒はすぐさま下へと滑り始めた。

淫らな陰唇は波打つ血管によって揉まれ、愛されていく。

間にある液体は空気と攪拌され、処女であれば耳を塞ぎたくなるような生々しさの粘音が響いた。


「んっ♡♡♡」


 やがて、張り出したえらが臀部に軽く食い込む。

そのまま何度かくいくいと腰が引かれれば、性交時腸肉をたっぷり纏いながら抜けていくカリが否応なしに思い出された。

無意識にその快楽を求め、下腹部を揺らしてこちらから媚びてしまう。


「はぁっ♡♡♡」


 すると先端は折り返して上へと離れていき、また擦れ合いが始まる。

なんとも悩ましい官能だ。

特に反りの激しい真ん中の辺りが数回往復して肛門を強く圧迫し、期待を煽ってくる。

こんなカタチの物体がナカに入ったら、どれほど気持ちよくされてしまうのだろう、と。

妄想して全身に鳥肌が立つ。

そうしてたっぷりと時間をかけながら根本までたどり着いた。

熱く滾った金玉が、男性器に軽く当たってくる。


「ふっ♡♡♡ふっ♡♡♡」


「あっ♡♡♡んぁっ♡♡♡」


 すると今度はピストンを思わせるような前後の腰振りが開始された。

肌と肌が打ち合って乾いた音が鳴り、衝突の振動が上半身まで伝わってくる。

しかし、実際に挿入されているわけではないのだ。

空セックスはセックスを想起させるだけさせて、肝心の法悦だけは決して与えてくれない。

腹の底がひどく疼き、膣口は拡がって閉じてオスマラとの逢瀬をせがむ。


「くひひっ♡♡♡」


「やぁっ♡♡♡んっ♡♡♡」


 だが、猫亜人は求めに応じてくれない。

それどころかより動きを速め、理想と現実の差をまざまざと見せつけてくる。


 焦らされている、と思った。

そういえば先ほども肛門を舐めるだけ舐めて、内部は犯されなかったことに気づく。

もしこのまま続けられれば、せっかくの選択が無駄になる。

あれほど避けていた最後の手段なのに、ただ性欲を高められただけで終わっては意味がない。


どうすればいいのか察しは付いたが意図を確かめるため、彼はなんとか腕に力を入れて上体を起こし、四つん這いになる。

そして、肩越しに振り返り顔を見上げた。


「っ♡♡♡」


「……♡♡♡」


 感じるのはじとっと粘ついた視線。

美少年を弄ぶ愉悦で外側を釣り上げた目には、冷たい怒りの感情も含まれている。

すぐに、この場所へ監禁し、自由を奪ったことへの憤りだと悟った。

さらにはどうにかして彼女の留飲を下げなければ、絶対に挿入してはもらえないのだとも。


「っあ♡♡♡ぅっ♡♡♡」


 右手が離れていき、その手を使ってチンポでぺちぺちと尻を叩いてくる。

明らかに自分の優位を確信している動きだった。

細かく跳ねる背中や耳、尻尾を見ては、下卑た笑みを深くしている。

やがて目線が顔へ戻ってくると、「早くしろ」とでも言いたげにまぶたが緩む。


「くっ♡♡♡このようなっ♡♡♡やつにっ……♡♡♡」


 こんな状況になったのも、奴と性交に及ぶことを選んだのも太白自身の選択だ。

そこに対する不満は無い。

だが元はと言えばこの猫型亜人が襲い掛かってきたからで、原因は彼女にある。

だというのに、なぜここまで屈辱的な仕打ちを受けなければならないのだろうか。

一思いに殺してしまおうかとすら考える。


「くぅっ……」


 しかし、そこでせつの、甚助や静の、「太白様」と呼び慕ってくれる村人たちの顔が浮かんだ。


 ここでこいつを殺したら、果たして彼ら彼女らと前までのように接することができるのか。

一生この性欲が解消されなくなるとしたら、自分はろくに紫苑村の人々と関われなくなり、やがて忘れ去られてしまうのではないか。

そうなってしまえば待っているのは、神としての、存在としての死だ。

けれどもそれ以上に、あの笑顔を、眼差しを見られなくなってしまう事への恐怖を感じた。


「……のむ」


「……♡♡♡」


 村人たちに迷惑をかけないため、目を合わせて重たく閉じた口を開く。

視線の先にあるいやらしい笑みがどんどんと深くなっていくのが分かる。


「頼むっ♡♡わしの尻穴にっ♡♡お主の魔羅をくれぇっ♡♡」


 発情で息が上がっているのもあって、想像していたよりはしたなく上擦った声が出た。


「ひひっ♡♡♡」


 言葉が分かっているのか、嘲笑が聞こえる。


「あっ♡♡♡」


 続けてたっぷりと粘液に塗れた亀頭が、ようやくアナルとくっ付いた。

たったそれだけで膣口はくぱくぱ蠢いて悦びを表現する。

全身も、ついにくる挿入を予感して身構えてしまう。


「っ♡♡♡……へ?」


 しかし、どれだけ待ってもあのこじ開けられる感覚が来ない。


「んっ♡♡♡」


 それどころか、我慢汁を再度塗りたくってくる。

鳴り響く音はぬちぬちと淫猥に過ぎ、ひどく劣情がそそられるが求めているものは違う。

これ以上何が欲しいのだと考え、気づく。


「す……すまなかった。お主をこんなところに閉じ込めて……」


「くひっ♡♡♡」


 聞こえてくるのは、相手を思い通りにして出る上機嫌そうな笑いだ。


「ここから出すと約束する……。わしの身体も、ある程度なら好きにしてよいっ……ふあっ♡♡♡」


 謝罪が正しいと示すように、先端が少しナカへめり込む。

腰も左右両方ががっしり掴まれる。


「じゃからっ……じゃからお主の魔羅をっ!わしにっ♡♡わしにいれてくれぇっ♡♡♡」


「ふぅ~っ♡♡♡」


 背後から満足げな息が吐かれた。

甘ったるくも青臭い「猫亜人の香り」が鼻腔をくすぐり、腸壁をとろとろにする。


「あぁぁっ♡♡♡」


 そして、逞しく雄々しいオスの魔羅が括約筋を越えて、体内へと遂に侵入し始めた。

熱くぬめった、尻尾とは違う硬くて太いモノが性器を拡げつつ摩擦してくる。


「んぁぁぁ……♡♡♡」


「ひひひっ♡♡♡はふぅ♡♡♡」


 一週間ぶりの再会を愉しむようにゆっくり、ゆっくりと挿入されていく。


 太白の心はとろみのついたしあわせに浸され、肉体は悦びに打ちひしがれ反っていった。

尻穴は熱烈な口淫をする唇さながらにチンポを咥えこみ、決して離そうとしない。

再会を堪能しているのは彼も同じだった。

自然と目を閉じ、求めていた尻穴交尾を味わおうと深く集中する。


「~~~♡♡♡」


「はぁんっ……♡♡♡」


 肉棒が半分ほど入ったところで、腰を揺するだけの軽い抽送が行われた。

中太りはその肥えた身で入口を虐め、排泄に似た解放感を性感と共に与えてくる。

さらに密着しあった肉同士から辛うじて掻き出される粘液が、ひどく下品で猥雑な水音を鳴らす。


「っ♡♡♡」


 狐耳は向きを変え、聞こえやすくなるよう浅ましく動いていた。

それは持ち主が、少しでも快楽を貪ろうとしていることを痛いほど表している。


「くひっ♡♡♡」


「あぁぁっ♡♡♡」


 するとサービスでもするみたく前後運動が繰り返されていく。

しかも捻る動作が加えられており、響きのいやらしさも擦れ具合も増幅した。

こうまで結合部を混ぜられては泡立ち濁った「本気汁」が出来、異様なまでの緩慢さで滴っているかもしれない。


「んふぅぅ……♡♡♡」


 やがて満足したのか、奥への挿入がまた始まる。

細い尾に合わせ狭まっていた腸壁は、コブのように腫れあがった亀頭で耕されていく。

拡張されていくのは格別だ。

摩擦刺激が段違いで、思わず悩まし気に湿った息が溢れ出してしまう。

身体は前へ伸びようとするが、捕える猫亜人の手が決して逃がさない。


「あっ♡♡♡」


「……♡♡♡」


 そうして下腹部同士が接触し、チンポが全て入りきった。

欲望に塗れたオスとメスは、二人きりの空間で深く繋がる悦びをただただ享受する。


 真っ白な美少年の肢体は、呼吸の度緩やかに痙攣していた。

同時にナカもひくつき、異物を排除、もしくは歓迎するため狭まっていく。

くっついて伝わってるのはカタさと淫靡かつ剛健なカタチだ。


 特に亀頭が卑猥すぎる。

先の方は穴への侵入をスムーズにするため他より細くなっているが、それでも太い。

しかも絶えずひどく熱された液体を吐き出し、むらむらと最深部を疼かせていく。


 そこから少しずつ円周が増していき、カリの手前から一気に広がる。

強調するみたく付け根も細くて、他人が出した精液を、入れられた者のいやらしい肉を掻き出すのに特化しすぎていた。

一週間前も散々啼かされた箇所に、どうしてもはしたない期待をしてしまう。

更なる耐えがたい疼きが、奥を狂おしく焼く。


「ぅぁっ……♡♡♡」


 欲望を煮えたぎらせた魔羅は、久しぶりに再会した尻穴の様子を確かめるべく上下左右に蠢いた。

すると具合の好さに悦んだのか強く脈打つ。


「っ♡♡♡ふーっ♡♡♡」


 既に焦れていた太白の腰は、自然と揺らめいてしまう。

早く交尾の快楽が欲しくて、無意識にふりふりと浅ましいチン媚びを行った。


「くひひっ♡♡♡」


「んぁっ♡♡♡はよせいっ♡♡♡はやくっ♡♡♡しろぉっ♡♡♡」


 猫亜人は上機嫌に笑う。

左手で尻尾を掴んできて、右手では愛おし気に尻を撫で回してくる。


 堪えきれない劣情が、下腹部をひときわ大きく跳ねさせた。


「ふぅ~♡♡♡」


「っあぁぁっ♡♡♡」


 そしてようやく肉棒が、期待で抱き着いていた淫肉を纏わりつかせながら引き抜かれていく。

感じるのは圧倒的な多幸感だった。

自らの尻尾で行う自慰とは比にならない。

表皮には鳥肌が立ち、思考が毒々しい桃色に満たされていく。

身体が小刻みに絶え間なく跳ね続ける。


「ひあぁっ♡♡♡あぁぁ……♡♡♡」


 中太りが肛門を少しずつ押し広げ、甘ったるく激しい排泄の悦びを味わわせてきた。

ピークを過ぎると激しさは消え、ただただ甘い満ち足りた心地に浸される。


「うっ♡♡♡ふぁっ♡♡♡ひっ♡♡♡」


 少し進むとやたらにボコボコした所があり、ランダムな摩擦刺激に苛まれていく。

血を充填させるため絶えず波打ち続けている血管が、まるで息つく暇を与えてくれない。

ひどい痙攣を繰り返す結合部から、ぐちぃ、ぬちょ、にち、という音が響いてくる。

恥ずかしいと感じる心はセックスと、既に鎌首をもたげてきている絶頂の予感に埋めつくされていた。


「っ♡♡♡」


 やがて最後の亀頭部分へと到達する。

軽く外へ向けての力が加えられているが、まるで出て行く気配が無い。

それはカリ自体の異様な厚みもあるが、「行かないで」とでも言いたげにきつく締まる太白の後孔ゆえでもあった。


「ふぅっ♡♡♡ひひっ♡♡♡」


「はぁぁぁっ……♡♡♡」


 猫女はどうにか抜こうと、徐々に力を強めながらぐりぐり動く。


 すると当然はしたない後孔は揉み込まれる。

しかも返しのようなカタチのせいでしっかりと捉えられ、中太りの時よりずっと著しい性感が襲いきた。

嬉しがり緩んでしまうのがもったいなくて、まだ味わっていたくてやや霞んだ意識の中貪欲に力を籠め閉じる。


「ひぁぁっ♡♡♡これっ♡♡♡クるのじゃっ……♡♡♡」


「くひっ♡♡♡」


 浅ましい。

頭の中に残っていた冷静な部分がそう思うが、散々焦らされたため最早我慢の限界で、彼はありていに言えば早くチンポでイきたかった。

腰を揺らして摩擦を増やし、身体を支配し始めている幸せな感覚に集中する。

呼吸の度、むっとする刺激的な我慢汁の香りがよりメスアクメへと陶酔させていく。


 狐耳をつけた美少年の顔は、少年らしからぬ悦びに蕩け、穢れきっていた。


「あっ♡♡♡」


 ようやく魔羅先端の出っ張りが、狭い尻穴から這い出す。


「イっ♡♡♡―――♡♡♡♡」


 その刹那、太白は一気に脱力し、亜人に下半身を支えられながら大きく肉体を跳ねさせ始めた。

視界は気だるく暗くなり、見えているものの意味を理解できなくなる。

代わりに思考へ浸食してくるのは、性感を伴った強烈な甘さだ。

あまりに甘くて、何をする気にもならず、ただただ長い時間続く心地好さにぼーっと打ちひしがれた。


「はぁっ♡♡♡はぁっ♡♡♡」


 次第に感覚が戻ってくる。


「っ♡♡♡あぁぁっ♡♡♡」


 すると、今自分が置かれている状況に気づいた。


「ひひひっ♡♡♡」


 あれほど快楽で虐めぬいてきたカリが、早いペースでくぷくぷと尻穴を出入りしている。

響く音は唇で空気を破裂させるのに似てやたら冗談みたいだ。

だが責め自体は苛烈で、一度の絶頂で解れきり感度も増した淫肉にされればひとたまりもない。

引っ掛かっていたものを排出する快楽が襲ってきたかと思えばすぐ、押し拡げられるメスの幸福が来て、それが何度も繰り返される。

また身体は小刻みな震えが止まらなくなり、一気に法悦で満たされていく。


「んぉ゛ぉぉっ♡♡♡そこぉっ♡♡♡だめじゃぁっ♡♡♡」


 さらに亜人の的確な体重移動により、突かれる度先端が前立腺に当たっていた。

巨大さゆえ、圧迫はあまりに強く重たい。

高温に熱された亀頭と無理矢理キスさせられる毎に、身を焼き尽くすような刺激がもたらされて声が抑えられなくなる。

挿入は浅いというのに、ひどい愛撫だった。


「お゛っ♡♡♡そんなっ♡♡♡これぇっ♡♡♡」


 求めていたチンポにイかされ、満足し落ち着こうとする気持ちが強制的に頂点へ向けられる。


「……♡♡♡」


 そんな最中目を合わせずともひしひしと感じられる彼女の視線。

粘っこく淫猥な、零れんばかりに大きな瞳から送られるそれは、肌をのたうちむず痒い疼きを生む。

特に普段は隠れて見えない、汗ばみ蒸れて匂いたっていそうなうなじが恥ずかしい。

視姦されると何故だか性器のような秘すべき場所に思えてしまう。


「んぃぃっ♡♡♡」


 そして、ずっと握られたままだった尻尾のうち一本が持たれ、軽く扱かれつつ先っぽへ手繰られていく。

続けてやや遊びを持ちながら、天井を向いて伸ばされた。


「んぁ~ん♡♡♡」


「んはぁっ♡♡♡」


 次の瞬間、尖った部分が何か暖かく湿ったものに包まれる。

相当粘液でぬかるんでおり、猫亜人の口内だとすぐ分かった。


「んふ~♡♡♡」


「っ♡♡♡ぁぁっ……♡♡♡」


 挨拶でもするかのように、ちろちろとよだれを纏う舌が舐め回してくる。

押し寄せてくるものは肛門の性感と同じで甘い。

開発されきってしまえば、ここだけで絶頂できそうな気さえした。

しかも彼女の体液は強い媚薬なのだ。

憶測は確信に変わる。


「んぅぅぅ……♡♡♡」


 やがて初対面を終えると、一週間前の激しい口交尾を彷彿とさせる動きで肉触手にみっとり巻き付かれた。

呼吸による微細な振動、下方で行われているセックスの揺れだけでもざらついた感触がかなり擦れる。


「やぁぁっ♡♡♡吸うでないっ♡♡♡」


 続く責めは熱烈なフェラチオのように啜り、唇と舌とで扱くといった具合だ。

毛皮がどんどん湿潤になっていき、卑猥な音色を結合部から響く音に足す。

さらに零れた汁が滴って毛の一本一本を濡らし、同時にむず痒い刺激も与えてきた。


「んぁぁっ♡♡♡クるぅ……♡♡♡」


 複数の快楽で連続絶頂が鎌首をもたげていく。


「むふ~っ♡♡♡んっ♡♡♡ふ~っ♡♡♡」


 対して亜人も限界が近づいているらしく、息遣いが悩ましくなってきている。

カリが肛門を通過する度、チンポ全体はびくつき唾液を多量にナカへ迸らせた。

少しずつ前立腺への突きこみも精彩を欠きつつあるが、荒々しさがかえって慣れない愛撫を生み出す。

先ほどまでよりぐちゃぐちゃにかき混ぜられる腸壁は、いたく悦び一際貪欲に締まる。

すると出っ張りが沢山の肉を捕まえ、互いに弱いところを激しく摩擦しあう。


「んぉ゛ぉぉぉ……♡♡♡この魔羅っ♡♡♡たまらぬぅ……♡♡♡」


 あまりにも気持ちいい、と純粋に思った。

ふたなり猫女から、その太マラから与えられる快感へ溺れ、愉しんでしまうのも悪くは無いのかもしれない。

身体を蝕む獣欲のまま、メス交尾に耽る自分を誰が非難できようか。

そもそもこれは、村人たちと心穏やかに接するためなのだ。

秘め事の一つや二つ、彼らにだってあるだろう。


 そんな危うげな考えが太白の頭を満たしていった。


「ふぅっ♡♡♡ふぅっ♡♡♡」


「くぁっ♡♡♡はぁんっ♡♡♡」


 雄と雌は、ただただ押し寄せてくる絶頂に集中している。

焦点の合わない目でどこか一点を見つめ、顔を緩ませ、脱力したともすればだらしないと言える姿を晒す。

しかし腰だけはずっと動いていて、浅ましさを表す淫靡な水音を絶えず響かせていた。

また鼻や口といった呼吸器も必死に鳴らし、セックスのためのエネルギーを補給し、周囲に漂うじっとりと粘つく性の香りを楽しんでいる。


「ふぁっ♡♡♡イくっ♡♡♡イくぅっ♡♡♡―――♡♡♡♡」


 やがて狐耳の美少年はよく通る声であられもない喘ぎをあげ、全身を大きく震わせ始めた。

多幸感に満たされ、辛うじて胴体を支えていた四肢はぐったりしていく。

痙攣するごとに、喉からは自然と女が出すような甘い音が奏でられる。


「ふーっ♡♡♡くひひっ♡♡♡っ♡♡♡♡」


「っぁぁぁ♡♡♡♡」


 十秒ほどの後、長い溜息を吐き出しつつ猫亜人が射精しだした。

おびただしい量の精液でナカは瞬く間に占領されていき、こびりつかれていく。

それらは重たく、塊のようで、しかも熱くて濃い。

チンポとはまた違った満たされる心地好さが、アクメをもっと深めていった。





「んぁ……♡♡♡」


 身を役立たずにする幸せの奔流が引いていくつれ、自分の身体がうつ伏せになっている事に気づく。

甘すぎる痺れによって、何かしようという考えはまるで起きない。

辺りには、強烈に鼻へ絡みつく新鮮なオス汁の匂いが充満している。


 尻穴は熱い肉棒の先端が入ったままだ。

そして、腹は熱い汁でずっしりと重い。


「っ♡♡♡ふぁぁ……♡♡♡」


「……♡♡♡」


 頭の両脇に手が置かれ、一回戦から間を空けずに共に肉棒が挿入され始める。

腸壁は相変わらず悦び、歓迎しようと早くも狭まっていく。

すると結合部からは押し出された精液が下品な音を立てつつ溢れ、周囲をより臭くしていった。


「はっ……♡♡♡あっ♡♡♡んんんっ♡♡♡」


 生娘のように可愛らしい嬌声が漏れ出す。

肩や四肢と言った部位は充足感に打ち震え、小刻みに跳ねる。


 だが侵入してくる魔羅のカタチやサイズは凶悪だ。


「んふぅっ♡♡♡うっ♡♡♡お゛っ♡♡♡ほぉっ♡♡♡」


 次第に喘ぎは大きくはしたないものとなっていく。

当然肉体も比例して大きく跳ね、びくついた。

二度イかされ、媚薬体液を注ぎ込まれたため、焼かれるみたく凄まじい快楽に見舞われる。

そして、視界には影が差していく。


「あぁぁぁ……♡♡♡♡」


「くひっ♡♡♡」


 やがて剛直は深く深く入りきり、大きな腰が小さな尻を覆い隠すように乗る寝バックの体位となった。

かなりの体重がかけられており、力だけで逃げることは出来なそうだ。


 聞こえた笑い声に見上げれば、腕を立てじっとりと見下ろす猫亜人の目。

体格差故、身体を丸めて覗き込むようにこちらを眺めていた。


「っ♡♡♡」


 爛々と煌めく瞳からはひどく満足げで、獲物を組み敷く悦びがひしひし感じられる。

紅潮したカラダは濃い湯気を昇らせ、汗とフェロモンが混じり合ったリアルな、それゆ甘美でもある体臭によって周りを満たしていく。

唾液で湿り艶を増した口元のニヤつきは、太白が愉しんでいることを揶揄するみたいだが紛れもなく図星だ。


 しかし、だからどうした、とも思う。

どうせせっかくの快楽なのだから、しなければならないのだから、心から愉しんでしまえばいいのだ。

こうして行為に及んでいる目的はそもそも、溜まっていく一方の劣情を発散しきる事であるのだから。

彼は行為自体に慣れ、うっすらと心が堕落した結果、そう考えるようになってきていた。


「ふふ♡♡♡」


「……♡♡♡」


 むしろ自分がこのけだものを利用してやる、とばかりにいやらしい笑みを浮かべて下肢をくねらせ、次を誘う。


 すると彼女は呼応するようにニヤけを深くし、緩慢に真っ赤な舌で唇を舐めずる。

互いにひしゃげ、形を変える柔らかい粘膜はあまりにも淫猥だった。


「くひひ♡♡♡」


「あぁぁ……♡♡♡よいぞ……♡♡♡」


 狙い通り、腰同士を密着させたままのグラインドが開始される。

チンポがアナルを、腸壁を揉み、捏ね、愛していく。

肌と肌がくっ付いている場所は先ほど押し出された精液によってぐちょついており、にゅちにゅちにゅちと卑しい音を鳴らした。

粘膜たちが密着した結合部も同様の響きを絶えず奏でる。


「はぁっ……♡♡♡とろけるようじゃっ……♡♡♡」


 動きはやたらまろやかだ。

カリによる肛門虐めとは異なり、強くはあるが緩やかな刺激が身体の芯を浸す。

覆いかぶさってくる熱く豊満な肉体もたまらない。

きめ細かな表皮は吸い付くようで、湿っているのもあって粘着質な悩ましい擦れを生む。

何よりぷにっとした脂肪が疲労した下腹部を癒し、淫らにもてなす。


 発情した肉同士での貪欲な交じり合いが、クセになってしまいそうだった。


「んんっ♡♡♡そこぉっ……♡♡♡」


 少し挿入の角度が下がり、上反りが背中の裏を引っ掻くようになる。

彼の腸壁は最早亜人の媚薬体液によって余さず性感帯だ。

よって彼女の腰使い一つで感じる場所が変わり、新しい種類の快楽を食らう。

しかも反りと硬さが激しいため、食い込みはいちいちひどかった。


「ふあっ♡♡♡はふぅ……♡♡♡」


 かと思えば今度は体重がかけられ、尿道で出っ張った部分が前立腺を摺り潰さんばかりに圧す。

頭へ浸食し直接惚けさせるような感覚で、脱力した顎が垂れ下がってしまう。


「ふっ♡♡♡……ふっ♡♡♡」


「んっ♡♡♡う゛っ♡♡♡」


 そして浅くも重たいピストン。

衝撃がナカをぶるぶる震わせ、響くセックスらしい乾いた音も興奮を昂らせる。


「あぁぁ……♡♡♡おくぅ……♡♡♡」


「ひひっ♡♡♡」


 続けて最奥部を捏ねられれば、振動で欲しがりにさせられた秘部がいたく悦ぶ。

手足は強めに跳ねた。


「くぁっ♡♡♡中で暴れるなぁっ♡♡♡」


「……♡♡♡」


「ひぁ……♡♡♡はらがとけそうじゃっ……♡♡♡」


「ふぅ~♡♡♡」


「ぁっ♡♡♡たまらぬぅ……♡♡♡」


 手を変え品を変え、甘ったるい交尾はゆったりと続く。




「っ♡♡♡あぁ……♡♡♡あつぃ……♡♡♡」


 そうして精液を塗り込まれていった肉は、やがて耐えがたくてむず痒い飢えを生み、激しさを求めるようになっていった。

貫かれたくて、穿たれたくて、全身は小刻みに痙攣する。

数十分前された「虐め」が、脳裏をチラつく。


「ひぅっ♡♡♡」


 汗ばんだうなじが指でなぞられた。

すると腸壁はきゅんきゅんと締まり、オス魔羅に抱き着いて媚びる。


「ふぁぁぁっ……♡♡♡」


 続けて背筋までなぞられると上体は徐々に反らされていく。

快楽でもやがかかった視界には、痴態をじっくりと観察する猫亜人が映った。

目は鋭くぎらついて、組み敷いた少年の一挙手一投足を逃すまいとしている。

ここまで見つめていれば、太白が肉体を疼かせているのは簡単に分かるだろう。


「っ♡♡♡」


 それでも動きを荒くしないのはつまり、また焦らされているのだ。

どこまでも意地の悪いけだものにやや辟易する。


 だが同時に、ぞくぞくと妖しい官能が昇ってきてもいた。

弄ばれることを、確かに心のどこかで望んでしまっている。


「ふぅンっ♡♡♡」


 湿った腋の下がこね回されていく。

先ほどから愛撫されるのは、前戯で触れるような場所ばかりだ。

もちろん気持ちいいが、かえって渇望は昂る。

杭打ちのようなピストンをねだる浅ましい尻穴と、逞しくて長くて鉄のようなふたなりチンポへ意識が釘付けになっていく。


 我慢の限界に達し、口は自然と言葉を紡いだ。


「のう♡♡♡くれぇ……♡♡♡」


「……♡♡♡」


 豊満な肉体を支える右手に手を重ね、愛おし気にさする。


「さっきから、お主の魔羅でめちゃくちゃにされたくて仕方ないんじゃぁ……♡♡♡」


 身体を捻っていじらしい視線を送る。


「腹があつくてあつくてたまらぬ……♡♡♡お主の好きなように……♡♡♡」


 そして、腰をくねらせて交尾を求める。


「お主がしたいようにわしをっ……♡♡♡わしのナカを突いてくれ……♡♡♡♡」


 はしたない「おねだり」をするのはあまりに恥ずかしい。

しかし羞恥心は頭を甘く蕩かしていく。

膣穴を、淫乱なメスみたく痙攣させる。


「あっ♡♡♡」


「きひひっ♡♡♡」


 すると願いが通じたのか、指が手を撫で返してくる。


「ふぅ~♡♡♡」


「んんっ……♡♡♡」


 身体が寝そべってきて、上から少年の小さな体躯が全て覆われていく。

視界が、真っ暗になった。


「ふぁぁ……♡♡♡」


 被さる亜人の肉体は全てにむっちりした肉が付いており、爪先から頭頂部まで柔らかく包まれる。

特に弾力にも富んだ胸や腰、太腿はたまらない。

僅かな呼吸だけで弾んで弛み、吸い付いてもちもちかつ滑らかな感触を味わわせてきた。

触れているだけで肌が溶けそうなほど幸せにされる。


 さらに、ずっしりと圧し掛かってくる重み。

それが、上に乗る者の圧倒的な優越や有利と言ったものをひしひしと感じさせ、被虐心をどこまでもくすぐる。

しかも熱い身体には、ともすれば遠い昔の記憶にうっすら残る母の胎に似た安心感もあった。

神と成って以来感じたことの無い、暖かく蕩けるような感情だ。


「くぁぁ……♡♡♡」


 自分は今、弱弱しい子供のような立場にいる。

その事実が少しずつ、彼我の大きな体格差を性癖として太白の中に植え付けていった。


「んぉぉっ♡♡♡」


 そして緩慢だが確実に、オス魔羅が抜かれ始める。

空気が通り、鼻腔を濃厚なオス臭が、下品だがそれゆえ淫靡で妖美な香りが痺れさせていく。

べったりとこびり付いた下腹部の粘液は、圧迫で押し出されていた空気を吸いぎゅちぎゅちとやたら卑猥な音を鳴らした。

結合部からはより下品な音も響き、穢れた欲望に塗れたけだものセックスを盛り上げる。


「はッ♡♡♡ぅ゛ぅぅ……♡♡♡」


 ストロークは異常なほど長い。

だというのにやはり途中途中で中太りや血管が集中した箇所があり、ただ這い出す動きだけでもひどく尻穴を苛む。

おまけに度重なる焦らしで相当敏感になっていて、絶えず悦びきつく締まる。


「ほっ♡♡♡お゛ふぅっ♡♡♡」


 隠された誰にも見えない場所で、狐の神はまるで取り繕うことなく喘ぎ、全身を震わせ、いやらしい顔を晒した。

あけすけに快楽を堪能するのは、あまりにも気持ちがいい。

殊更今の体位が好みになっていく。


「あ゛っ♡♡♡さきっぽぉっ……♡♡♡」


 やがてカリが「入口」の裏側に当たる。

すると淫乱な腸壁は突きこみを歓迎し、少しでも愉しもうとばかりに狭まった。


「ふぅっ♡♡♡」


「んお゛ぉぉぉっ♡♡♡♡」


 期待通りすぐさま奥まで挿入される猛り狂った剛直。

卑猥な肉という肉が激しく摩擦し合い、愛し合い、深いキスを交わし合う。

まるでメスのことを考えない荒々しい打ち込みに、太白はただただヨがった。


 全身は総毛立ち、腰は飛び上がって亜人の恥骨とべっとり密着し、慟哭のような嬌声をあげる。

思考は一色に染められ、幸せがあらゆる感覚を埋め尽くす。


「あぁぁぁ♡♡♡クるぅ……♡♡♡」


「ひひひっ♡♡♡」


 再度チンポが抜かれれば、反応は阿婆擦れのようになった。

甘ったるい声で自身を襲う法悦を表現し、オスに媚びて誘う。


 村人のため行う秘め事だとしても、しかしこれはあまりにも乱れすぎているかもしれない。


 彼の辛うじて残っていた冷静な部分が思うが、それでも一度開始されてしまえば止まることは出来なかった。

もう、とにかく彼女との獣欲に塗れた交尾を堪能するだけだ。


「ふんっ♡♡♡」


「お゛ひぃっ♡♡♡♡」


 お仕置きみたいに肉棒を最深部まで押し付けられ、喉から悩ましい空気が溢れていく。

衝撃は脳天までを貫き、理性を吹き飛ばす。

しかし圧し掛かられてあまり痙攣することが出来ず、肉体に襲い来る快楽を全く逃がせない。

体内に溜まっていくぞわぞわが、早くも限界に近づいた。


「んぅぅぅ……♡♡♡ナカっ♡♡♡もってかれてっ……♡♡♡」


 そこへ亜人はゆっくりと腰を引き、緩急をつけてくる。

入れる時とはまるで違う、巨大で淫猥な形状の魔羅を徹底的に味わわせるための動きだ。

恭しく締まっている肉がご褒美のように可愛がられていく。

ともすれば肛門から掻き出されてしまいそうなのに、膣壁は甘く悦びきゅんきゅんと脈打つ。

少しでも長く堪能したくて、下腹部は魔羅による釣りさながらに少し持ち上がった。


「あっ♡♡♡あっ♡♡♡あっ♡♡♡」


 するとその体勢のままカリが尻穴にひっかかり、抜けないよう弱い力で上下する。

太白の下半身は操り人形が如く揺らされ、「チンポ遊び」に付き合わされた。

見た目の滑稽さに反して刺激は敏感な結合部に集中し、短く甘い喘ぎをあげさせられる。


「ふぁぁっ♡♡♡」


 そうしていれば当然入口は緩み、やがて抜けた。

支えを失った身体は畳へと倒れ伏す。


「うぅ……♡♡♡」


 続けて、中のモノが無くなってしまった淫蕩なメス性器は寂しくて激しく疼く。

早く満たされたい、再会したいと言わんばかりにくぱくぱとひくついているのが見なくても分かった。


「んぁ♡♡♡」


 望み通り押し寄せてくる、熱烈なキス。

「彼」も同じ気持ちだったのか表面は著しく濡れそぼっており、塗り付け求め合うようにぐちゅぐちゅ蠢く。

次第にいやらしい唇は開き、彼を深く咥えこみ始める。


「ふあぁぁっ……♡♡♡魔羅っ♡♡♡たまらぬぅっ……♡♡♡」


 別れからの逢瀬を期待して腸壁は内部でひしめいており、オスチンポがそれを遠慮なく割り開いていった。

たった一瞬居なかっただけなのに、異様なまでの幸せが狐の神を満たす。

腰は迎えるようにまた持ち上がっていく。


「あっ♡♡♡んふっ♡♡♡」


 ようやく尻と下腹部同士が密着すれば、思わず淫蕩な笑みが零れてしまうほどだ。

そのまま体重をかけられ、地面に押し付けられる。

こうして全身で乗られ包まれることに、今や心は安堵を覚えた。


「っあ♡♡♡これっ♡♡♡イくぅっ……♡♡♡―――♡♡♡♡」


「くひひっ♡♡♡♡」


 それがきっかけとなり、緩やかな挿入一つで身体の芯から深く甘ったるい感覚がこみ上げてくる。

跳ねることのできない体内を、快楽の奔流が反響していく。

まるで有無を言わせない絶頂だった。

頭が溶けて流れ出してしまいそうで、四肢も性器みたく悦びを得るための器官となる。

思考が、意識が泥沼に溺れていく。


「ふっ♡♡♡ふっ♡♡♡ふっ♡♡♡」


「ひっ♡♡♡ひぅっ♡♡♡ひぅっ♡♡♡」


 そしてきついナカは亜人によって使われていた。

今度のは、自身がただただ射精に至るための動きだ。


 力強いピストンで肺が圧迫され、息が強制的に吐き出されていく。


「あぁぁっ♡♡♡やめっ♡♡♡とめっ♡♡♡お゛っ♡♡♡お゛っ♡♡♡♡」


 徐々に性感が戻ってくると、衝撃に気持ちよさが混ざってより無様な声を上げさせられる。

人間が食らえば潰されてしまいそうだった。

もし潰されなくとも、かなり怪我を負うことは確かだ。

だが神の肉体は頑丈であり、オスの獣欲に任せた動きを受け止め大きく喘ぐ。

ともすれば、クセになってしまいそうなほど。


「はぁンっ♡♡♡いいっ♡♡♡お゛ひっ♡♡♡もっとっ♡♡♡もっとじゃぁっ♡♡♡♡」


「はぁっ♡♡♡ひひっ♡♡♡」


 実際、彼は徐々にはしたなくさらなる激しさをねだり始め、下腹部を持ち上げ迎え腰でチンポに媚び始めていた。

肌同士がぶつかる甲高い音が小屋の外まで響き渡り、それぞれが放つむせかえる様な汗の匂いで周囲には霧が立ち込めている。

ひとたび吸えば、何も知らぬ処女でも股を濡らしそうなほど淫猥なものが。


「ふーっ♡♡♡ふーっ♡♡♡んはぁっ♡♡♡」


「はふっ♡♡♡♡んんんっ♡♡♡♡」


 当然本人たちも時間が経つごとに言葉数を少なくして呼吸を乱し、背筋をぞくぞくと震わせていく。


 太白の脳内は連続アクメへの期待に満ちていた。

意識全てが尻穴へと集中し、少しでも心地好さを貪ろうとしている。


 犯してくる魔羅も、品無く絶えず大量の我慢汁を迸らせ、びくつきながら身体を膨らませていく。

表面全体を這いずる血管たちも大きく脈打って、刀身を赤熱させた。


「あっ♡♡♡っ♡♡♡イくっ♡♡♡イくのじゃぁっ……♡♡♡♡」


「~~~っ♡♡♡ふぅ~~っ♡♡♡」


 やがて、二匹のけだものの火照り湿り気を帯びた肉体が小刻みに震えだす。


「ああっ♡♡♡お゛っ♡♡♡ほぉっ♡♡♡―――♡♡♡♡♡」


「んっ♡♡♡♡はぁ~っ♡♡♡♡」


 そして、二匹は同時に脱力し床へぐったりと倒れ伏した。


「んーーっ♡♡♡♡ひぃっ♡♡♡♡ひぃっ♡♡♡♡」


 柔らかい重みの中で、声帯からみっともない音を出しつつイく狐の神。

あらゆるものを塗り潰すような幸福感に襲われ、溺れていく。

800年生きてきて感じたことの無い感覚だった。

しかし、知らないから恐ろしいと思う事すらできない。

とにかく彼は、絶頂を終えるまでひたすら惚け続けた。







 そして数刻後。


「ふぅ……」


 全身を清め、服装も整え終わり、精液臭い空間の中で太白は息をつく。

あの後もけだもの交尾は数回戦続いた。

傍らでは体力を使い切ったのだろう猫女が寝息を立てている。


「うむ」


 彼の目論見は、かなり後ろ向きではあったが確かに成功していた。

あれほど全身を蝕んでいた不快な疼きは、元から無かったかのように綺麗さっぱり消えている。

代わりに若干の疲れと気怠さがあるが、行為自体が相当に激しかったため仕方ないだろう。

いちいち思考を乱されるよりはずっとマシだと思った。

これで村人たちと、前までのように接することができる。


「……」


 視線を右下へと動かせばある、やりたいことをやりきって穏やかな亜人の寝顔。

彼女のせいでこんな身体になったのではあるが、今となってはあまり怒りが沸いてこない。

むしろ一連の出来事を、新しい楽しみや、神という役割を気にせず欲望のまま乱れる場が出来たと前向きに捉えていた。


「……よし」


 これからも溜まればセックスする関係を築くため、紫峰神社の境内で「放し飼い」にすることを決める。

だが決して村人にはバレてしまわないよう、結界を張る等色々と準備をしなければならない。

そのために狐の神は一度、未だ斜陽の差し続けている空間を後にした。






「ん……」


 太白が出ていってから少しして、猫亜人は一人目を覚ます。

周囲を見回し一瞬「またこの景色か」と辟易するが、やがて身体に射精や神を抱く悦びが残っている事に気づいた。

しかも辺りは飛び散った精液でひどく臭い。

先ほどまで行っていた交尾の様子は、思い出せば映像として記録したみたいにありありと脳裏へ蘇ってくる。


「くひひっ♡♡♡」


 すると彼女の萎えていた、しかし体液がべっとりとこびりついて濃い性臭を放つオス魔羅は、どくどくと脈打ちながら勃起していく。

尿道に残っていた汁が、興奮で先端から吐き出される。

そして徐々に爛々と輝く瞳は、どす黒く粘ついた確かな悪意に満ちていた。

これからあの美しい少年を、どう淫猥ではしたない、自分好みのマゾメスに変えてしまおうか、と。



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