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 畳が張られた10畳ほどの部屋へ、障子越しに朝の強い光が差し込んでいる。

箪笥や、水の入った陶器製の壺は磨かれた表面で陽光を反射し、眩しく輝く。

中央では純白の覆いに包まれた布団がやや乱れており、家主が数刻前に起床したことが分かった。


 その家主は、隅に置かれた大きな姿見で自らの姿を観察している。


 130センチほどしかない体高の頭頂部からは、尖った三角形の耳が威厳を持って高くそびえ立つ。

仄かに水気を纏うそれは紛れもなく狐の耳であり、外側には黄金色の体毛が、内側には無垢な白さの体毛が生え揃い均一な長さに整えられている。

さらに外側と同じ色で、同じ様に枝毛一つ無いほど整えられた真っ直ぐな髪の毛が肩甲骨の辺りまで伸びていた。


 鏡を凝視するのは力強い釣り目で、ぴしゃりとした輪郭の鋭く凛々しい顔つきをしている。

子供のような身長とは不釣り合いだが、病的なまでに青白い肌やのっぺりした胴体と相まってむしろ不思議な神々しさを生む。

本来、この年であればもっと下腹が膨らんでいるはずだ。


 だがそれもそのはずで、彼はこの地に守り神として祀られている太白(たいはく)と呼ばれる者だった。

証拠のように、背後には四本の立派な尻尾が付いている。


「うむ」


 太白は見た目相応の高さだが妙に艶のある声を出して頷くと、傍らに置いていた巫女装束を着た。

半袖の白衣と緋色の袴は本来であれば神職が身に着ける物だったが、ここ紫峰神社(しほうじんじゃ)にはそういった者はいない。

代わりに彼が、普段着として常用していた。


「ふふ」


 肌触りのよさに笑みを零す狐の神。

丁寧に仕立てられたそれは、湯浴みを終えて火照った肉体を柔らかく包み込んだ。


「―――!!」


 そこへ、玄関の方から名前を呼ぶ聞き慣れた声が響いてくる。

最後にもう一度だけ服装に乱れが無いか確認すると、彼は早足で寝室を出た。




「太白様!俺たち結婚することになりました!」


 背の高い木々に囲まれた境内へ、興奮気味な太い声が響く。

それは目の前に立つ甚平を着た大柄の男が出していた。


「甚ちゃん、声おっきい……。まだ朝早いよ?」


 むっとした顔で彼を諫める、隣に立つ可憐で華奢な20歳ほどの女。

着ているのは紺色に染められた着物で、動きやすいようにかやや丈が短い。

身長差のある二人は、横一列に並び間で手を硬く絡め合っていた。


「おぉ、すまんすまん。太白様もすみません」


「よい。それよりお主らもようやく結婚か。めでたいのぉ」


 こちらへ頭を下げてくる大男を制し、思い出に浸る。


 彼らは麓にある農村、紫苑村(しおんむら)の住人で、名前をそれぞれ甚助、静と言った。

他の村人たちと同じように赤ん坊のころから見ていた二人の成長、何より婚姻に、深く感慨深いものを覚える。


 というのも、この甚助という男はかなりの朴念仁であり、これまで何度も静に「お願い」されて二人きりになるよう策を講じてきた。

しかも、十回や二十回ではきかないほど。

自分の努力が実ったような、仄かな達成感がある。


「みなにはもう言うたのか?」


「はい、それぞれの親父とお袋には昨日の夜もう。で、今日一番に太白様へ報告しようと思って」


「ふふ。まぁ、わしもだいぶお主らには骨を折らされたからの?」


「へへ……」


「あはは……」


 冗談めかして咎めると、甚助も静も申し訳なさそうに頭を掻いた。


「それより、何か出来ることはあるかの?めでたいことであるし、何かくれてやりたいのじゃが……」


「あ、いえ。大丈夫ですよ太白様。ね?甚ちゃん」


「おう。俺たちもういっぱい色んなもの貰ってますから」


「そうかの?それならよいが……」


 サクラリア地方の外れに存在し、特に観光する場所も無い紫苑村には、殆ど人の流入は無い。

さらに二人と同年代の青年たちは既に殆どが結婚しているため、世代の区切りと思って提案したが断られてしまった。


「であれば、何か困ったことがあればすぐ言うのじゃぞ。わしもせっかくだから何かしてやりたいのでな」


「はい。ありがとうございます。じゃあ甚ちゃん、そろそろ帰ろっか?」


「そうだな」


「では、太白様」


「うむ……あ、いや待て。」


「なんでしょう?」


 麓へ続く階段を下ろうと振り返る夫婦を止める。

そして、ふと思いついた言葉を紡いだ。


「甚助、静を幸せにしてやるのじゃぞ。そやつは長い間お主を想い続けていたでな。」


「はい!」


「静も。甚助を支えてやるのじゃぞ。お主も知っておろうが、そやつはかなり抜けた所がある」


「はい。もちろんです」


 彼らは応え、頷くと長い石段を降りていく。

人影が小さくなるまで、太白は初々しくも仲睦まじい背中を眺めていた。




「……」


 やがて人影が見えなくなると神社の方へ振り返る。


「ふぅ……♡♡♡」


 そして、身体の奥底に押さえ込んでいた熱い息を吐き出した。

こらえていた勃起が、薄い生地の袴を押し上げる。


 彼は今、毎年六月から七月の間に訪れる発情期の真っ最中だった。

800年前とある事情で神の力たる「神性」を得たが、難儀なことに耳や尻尾だけでなく、この激しい昂りが元々普通の狐だった証として残っている。

また基本的な身体の作りは人間と似ており、彼らのような様々な生理現象も存在していた。

激しい劣情を甚助、静と会っている間は何とか耐えられたが、我慢の限界が近い。


 昨夜相当自慰をしたにも関わらず早くもぶり返してくる劣情に辟易しながらも、住居へと続く石畳を早足で歩いていく。


「む?」


 すると、鋭敏な聴覚が右方でがさりという音を捉えた。

境内を覆うように張っている、侵入者を感知するための結界にも反応がある。

しかも、やや敵意を持った反応が。

気になって視線をやる。


「っ♡♡♡」


 そこには、猫のような雰囲気を持つ女が野性的な前傾姿勢で立っていた。


 ぱかりと開かれた脚には、何も身につけられていない。

だというのに山の草木で傷一つつけられておらず、ゆで卵のじみた白い肌が日光を照り返して眩しく輝く。

さらに、引き締まったふくらはぎの上にはたっぷりと肉をつけた太腿が乗っている。

筋肉だけではなく豊満な脂肪に包まれたそれは、呼吸の度たぷたぷと蠱惑的に震えた。

膝くらいまでぼさぼさの銀髪が伸び、間には同色の尻尾が垂れている。


 今の太白にとっては目の毒だ。

釘付けになる目を、どうにか引きはがそうとする。


 だが、腰はもっと太い。

前からでも背後にある媚臀が見え隠れし、太腿に負けず劣らずぷるぷると誘惑するみたく揺れているのが分かる。

あれに欲望を打ち付けたらどれだけ気持ちいいだろうか、とあるはずのない生殖本能が勝手に想像し始めてしまう。


 それほどまで男を誘ういやらしい肢体であるのに、彼女の腹部は意外にもすらりとしていた。

多少女性らしい線を描いているが、へそは窄みだらしなさは一切感じられない。


 胸も同様で、大きいわけではないがかといって小さいわけでもなかった。

むしろ姿勢もあって頂点にある桜色の尖りが下向き、やけに意識を奪う。


 不躾で、礼儀の無い視線を向けてしまうが、先ほど発情を耐えていたのもあって逸らせない。

間違いなく一級品の肉体を身勝手に堪能する。


「う♡♡」


 彼女の、瞳孔が縦で目尻が釣り上がった大きな目は細まり、そんな劣情をいたずらっぽく見つめ返していた。


 続けて桃色の薄い唇が真っ赤な舌で舐めずられる。

ちらりとしか這い出てこなかったが、ぬらぬらとよだれに濡れていたことが脳裏に焼き付く。


 小さな顔の頭頂部には、狐のものより鋭さを減らした獣耳がついていた。

猫型亜人のものであるそれは、なんとなく見覚えがあるような気がする。


「なんじゃ、あれ……」


 そして、股座から隆々とそびえ立つ巨大な肉の柱。魔羅。

既に猛りきって長さは40センチほどだろうか。

鈍いピンク色の亀頭は終端までに大きく大きくその身を広げる。


 するとカリが異様に高い。

比喩ではなく、傘の開いた松茸ほどに。

下に差す影は、ただの影であるはずなのにやたら淫靡に感じられる。


 しかも、同じくらい竿の中ほどがでっぷりと肥えていた。

張り出した余分な膨らみは、明らかに雌をハメ殺すためだけのものだ。

あまつさえ内部を通る尿道まで太いのか、底面が山のように隆起している。


 肌色から多少黒ずんだモノは彼女の手首ほど直径があり、複雑にうねる血管に巻き付かれていた。

大きさの違う蛇と蛇が絡み合い、交尾しているかのようで、どこか卑猥さがある。


 最後に所々で多少包皮がたるんでおり、そうして一見だらしない根本を、太白の小さなこぶしより倍ほどは大きいのではないかという引き締まった睾丸袋が飾った。


 人間と同じ姿形をした自分のそれと、全体的な造形の印象は似ている。

だがあまりにも太すぎるし、シルエットがうねうねと歪すぎた。


「……」


 直感的にあいつは危険だと悟る。

両性具有は村に居ないためあまり見たことが無かったが、それが原因では無い。

身体が、やけに淫猥すぎた。

腰つきも、あの男性器も。

まるで性的興奮を煽るためだけに存在するような肢体は、いやらしい搦め手を得意とする淫魔によく見られる特徴だ。


 危機感が冷静さを取り戻させた。

ひとまず正体を探るため、捕縛しようと体内の力を巡らせる。


「うぁ……♡♡♡」


 そこで、狐の鋭敏な嗅覚が奴のものだろう匂いを捉えた。

ヒトの体臭を濃くし、甘ったるさを足した刺激的で蠱惑的な香りがする。

さらにただいやらしいというだけではない。

嗅いでいるだけで股間が苛立ち、ぐつぐつと煮え滾る。

理性が奪われ、快楽を貪りたいという獣の本能が顔を出していく。

どうにか一度、もうする必要が無いが獣だった頃からの癖でし続けている呼吸を意識して止める。


 まずいと思った。

とりあえず自由を奪おうと思い準備していた捕縛の術は、対象を潰してしまわないよう繊細な力の加減が重要であり、この状態では上手く扱えないだろう。

かといって軽々に命を奪ってしまっていいのだろうか。

それにこの地域はここ数百年あまりにも平和だったため、使うとすれば久しぶりの行使だった。


 思考は巡っていくが、うまく纏まってくれない。

考えている間にも身体がどんどん発情していく。

陰茎は大量の我慢汁を吐き出し、袴はべとべとになっていることだろう。


「くぁっ」


 そんな大きな隙をついて亜人はこちらへ飛びかかり、地面へ押し倒してきた。

手は手で拘束され、下半身は体重をかけて圧し掛かられる。

幼い少年のような細い腰回りは完全に上から包み込まれていた。

想った通り尻は弾力と豊かさを併せ持ち、みっちりと密着してくる。

袴の中で勃起していたペニスは当然、強大なモノによってごりごりと自分の腹へ当てられた。


 触れ合ってみれば、自らのそれよりもずっと硬い。

絶えず脈動してもおり、密着していると振動が緩い快楽を発生させる。


 どうにかこの状態から脱しようと思ったが、やはり力の出力を間違えば殺しかねないという懸念があった。

かといってこの小さな身体単体に振りほどく膂力は無い。

この期に及んで、神性を行使するべきか悩んでしまう。


「ふーっ♡♡♡ふーっ♡♡♡」


 馬乗りになった「彼女」は激しく乱れた呼吸で、喜色満面の笑みを浮かべている。

獲物を捕らえ、勝ち誇る捕食者を想起させた。


 近くで見るとやはり相当美しい。

まつげが長くて、印象の強い猫目がさらにぱっちりしている。

そこには威圧感と愛らしさが同居した

唇には艶とハリがあり、よだれで濡れてより色っぽく煌めく。

しかも薄いのに柔らかそうだ。


「んむっ♡♡♡」


 見惚れていると顔が近づき、むにゅりと口元に甘い感触がくっついた。

火照り、湿ったものは太白の蕾に吸い付いたかと思えば動き始め食んでくる。


 発情した粘膜同士の睦み合いに、一応の抵抗としてばたつかせていた脚が脱力していく。

肉体は熱さを増し、耐えがたいむらつきに置き換わっていった。


 このまま身を委ねれば、発情期で際限なく溜まり続ける劣情を発散できるだろうか。


 危険な考えが浮かび、一瞬顎が緩む。


 猫娘は獲物の隙を見逃さない。


「んぇっ♡♡♡」


 開いた口に、大量の粘液を纏った猛々しい肉ベロがねじ込まれた。

反射的に押し返そうとする太白の舌は容易く制圧され、余すことなくみっちり巻き付かれる。


「んぅっ♡♡♡」


 間髪入れず、うねって蠢いてきた。

周囲にはぬめり気のある音が響く。

痺れるような心地に顎はもっと緩んで無様な姿を晒す。


「こりぇっ♡♡♡」


 唾液は水飴を濃くしたような味がした。

量も多く、彼女に押し込まれると飲んでしまう。

ぬとついた液体はゆっくりと胃へ落ちていく。


「ひゃっ♡♡♡ひゃめっ♡♡♡」


 愛撫は口腔へ及び始める。

内頬が舐められて背筋がぞくぞくし、歯列をなぞられて歯が抜けてしまいそうな浮ついた性感に襲われた。

手足はもはや動かせる気配すら無く、豊満な女体の拘束は最早あまり意味をなしていない。


「……♡♡♡」


 上から降り注ぎ続けている視線は、喉が鳴る度愉しそうに目尻を釣り上げた。

にんまりという擬音が似合いそうな表情はまるで、自身の狙いが上手くいったことを悦んでいるかのようだ。


「っ♡♡♡ましゃかっ♡♡♡んぁぁっ♡♡♡」


 気づいた時には手遅れで、ぶわっと全身にむず痒い疼きが広がっていく。

思考は強烈な射精欲でかき消される。

亜人のよだれは媚薬だったのだ。

そう考えることすら、もう出来なくなっていた。


 満足げな顔が離れていく。

仕舞われていく、蹂躙してきた真っ赤な触手に目が奪われる。

無意識に、残っていた液体を飲み込んだ。


「ふーっ♡♡♡ふーっ♡♡♡」


 体内の火照りを逃がすため、けだもののような荒い息遣いをする。

少しでも意識しないと呼吸は再開されてしまう。

身体はあまりにも熱いのに、くにゃくにゃで動く気配すら無い。

着ている巫女装束は、汗でじっとりと不快な湿り気を帯びている。


 彼女は上体を起こし、「獲物」の太腿に腰を下ろすと、出来上がった姿を上から見下ろしてきた。

腰元からそそり立つ剛直はすっかり我慢汁塗れになっており、先ほどよりもてらてらと艶めかしく輝いている。


 相応に匂いもひどい。

発情期故かなり性臭が漂ってしまっている太白の寝所よりも数段上の、自らが優秀なオスであることを誇示するかのような濃い異臭だ。

嗅いでいるだけで鼻が曲がりそうだが、一応男性の肉体であっても頭が茹で上がりそうになるほどのいやらしさだった。

対抗しようとばかりに、股間のモノがこれまでにないほどずきずきといきり立っていく。


「……♡♡♡」


 下腹部の膨らみを一瞥され、勝ち誇ったようなにやけ面で舌なめずりされた。

続けて亜人が両手指を持ち上げると、先の尖った爪が伸びていく。


「なぁっ♡♡きっ、きさまっ♡♡♡うぅっ♡♡♡」


 それらを使い、袴が引き裂かれた。

肌に当たってはいないが、村の仕立て屋から奉納された大切な物が傷つけられ、蕩けた頭でも屈辱と怒りが湧いてくる。

だが発情はそれよりも強い。


 側部と分かたれ、めくれるようになった布が力任せに引っ張られていく。

するとびりびりという音と共に、股間が露出し10センチほどで皮を被った子供ペニスが外気に触れる。


「っ♡♡♡」


 こうして見ると、奥にある肉柱との差は歴然だった。

長さも太さも、円周に張り巡らされた血管も、恥ずかしげもなく堂々と姿を現す先端も何もかもがあちらは禍々しく、雄々しい。

亀頭や竿、金玉といった構造は同じなのに、それぞれ別の生物の性器なのではと感じてしまうほど違う。


 野外で無理矢理さらけ出されたのも相まって、恥ずかしさが湧き出した。

サイズやカタチなど元々あまりこだわっていなかった事のはずだが、何故か敗北を感じてしまう。


「くひっ♡♡♡」


 するとさらに屈辱を与えようと動き出す猫女。

彼女は四つん這いになり、肉棒同士が当たるように位置を調整した。

べちゃり、と先走りでねちょねちょになった先っぽが、小さな陰茎に押し付けられる。


「んぁっ♡♡♡」


 触れると、容姿や衣服越しだけでは分からなかったコトが分かった。

それは溶かされてしまいそうなほどの熱や、弾力のある感触、カリ首や尿道による隆起で起伏に富んだ裏筋など。


「やめっ♡♡♡やめるのじゃっ♡♡♡」


 ゆっくり前後に擦られ始めると、それを嫌でも教え込まれる。

段差が引っ掛かって摩擦にアクセントを加え、「冠」の谷間へペニスが入ると左右からも愛撫されていく。

巨大な海綿体へ血を充填するためか常に行われている微細な脈動で、振動刺激にも苛まれた。


「んひっ♡♡♡なんじゃっ♡♡♡これぇっ♡♡♡」


 段々と睦み合いには淫靡な水音が重なってくる。

滑りも増し、かなり気持ちよくて脱力しきっているはずの四肢が繰り返し跳ねた。

下腹部も時折浮き、まるで自分から太マラへなすりつけたようになる。


「ふーっ♡♡♡」


「っ♡♡♡こやつっ♡♡♡」


 吹きかけられた仄かに甘い息、続けて一緒に入ってくる濃いフェロモンに顔を向けると、得意げな表情で視姦されていた事に気づいた。

片側を釣り上げた美しい唇の忌々しい嘲笑に、うっすらと背筋がぞわつく。

不意に襲いきた仄暗い官能は、媚香を嗅がされたからだけではないようだった。

少しずつ今の異常な状況へ呑み込まれていることに恐怖を抱く。

発情期でいくら性欲が高まっているとはいえ、自分は強姦されているのだ。


 なのに、意志を強く持っていないと気持ちよさへ夢中になってしまう。


「っあ♡♡♡そこはっ♡♡♡」


 先端は移動し、だらんと尻の方へ垂れ下がっていた睾丸をかわいがり始める。

ただ単に汁を塗り付けるような仕草で、動きの優しさゆえ腹の底から切なさだけが上がってきた。

快感は蓄積されていき、陰茎を扱かれる強い刺激が欲しくなってしまう。


「んっ♡♡♡ふぅっ♡♡♡」


 もどかしく甘い感覚に、いやらしい吐息が出て行く。

おまけに表情筋は緩み、だらしのない姿を晒している事だろう。

情けなくて恥ずかしいのに心臓は嬉しそうな早鐘を打った。


「くあっ♡♡♡魔羅があついっ♡♡♡なんじゃっ♡♡♡これぇっ♡♡♡」


 すると、既にひどく発情しガチガチになっていた男根がさらに硬く、大きくなっていくような錯覚に陥る。

実際には変化していないのだろうが、血液が激しく巡って脈動し異様なほど熱い。


「いやっ♡♡♡これはっ♡♡♡」


 そこで、先ほど我慢汁をたっぷり擦り付けられていたことに気づいた。

つまり、亜人の体液は唾液以外も媚薬なのだろうという考えに行きつく。


 その事実は、これから金玉も同じように煮え滾らされてしまうことを意味していた。


「やめろっ♡♡♡やめるのじゃっ♡♡」


「……♡♡♡」


 しかし相変わらず脱力しきった肉体は動くことが無い。

抵抗できず、甘ったるさを溜めていくだけ。


「あぁぁっ♡♡♡ふーっ♡♡♡ふーっ♡♡♡」


 やがて精巣が精力的に活動しだす。

充填されていく生殖液は、放出を求めて飢餓に似た不快感を生み出していく。

強烈な衝動は、力が入らないはずの腰を突き動かした。


「ふっ♡♡♡ふっ♡♡♡うぅっ♡♡♡」


 寝そべったまま、へこへことはしたない動作で天を衝く。

振り乱される肉棒は腹に当たって情けない音を立てるが、「欲しいもの」はろくに与えてくれない。

また、いつの間にか剛直が離れて金玉は自由になり、会陰に当たって同じ音を立てながら緩い快感をもたらす。

二つとも空気に触れるだけで気持ちいいほど敏感になっていても、しかし摩擦されなければいつまで経っても射精には至れなそうだった。


「うぁぁっ♡♡♡くれっ♡♡♡くれぇっ♡♡♡」


 当てる対象を求めて、こうなった原因たる猫女にねだるような浅ましい視線を送ってしまう。


 返って来るのは、力ある相手を屈服させたことで優越感に浸る顔つき。

満足げに細められた淫靡で流麗な目は、目尻を跳ね上げぬらついて少年を穢す悦びを滲ませつつ見てきていた。

まじまじと観察し、脳裏に刻み付け、一生の記憶とするために。


 だが、今は快楽以外考えられない。

目論見通りのあられもない痴態を晒してしまう。


「あっ♡♡♡あぁっ♡♡♡」


 そこへ、ちょうど突き上げた時先端と当たる位置になにやら硬い物体が差し出された。

何らかの粘々した液体でぬるつき、そびえ立って受け止めてくれるモノへ夢中になって何度も擦り付けてしまう。

下腹部からの性感は少し焦らされただけあって、さらに媚薬を塗られて敏感になっているだけあってこれまで感じたことが無いほどだった。

腰は徐々に速度を上げ、また肉棒の側面でも味わうためいやらしくくねる。


「こっ♡♡♡こしっ♡♡♡とまらぬっ♡♡♡」


 モノが彼女のチンポであることは分かっていた。

しかし一度幸福を味わってしまえば止められない。

「腰以外動かせないのだから仕方ない」、「一度発散してすっきりしたら捕えてやる」といった負け惜しみじみた言い訳を考えつつ、自分より逞しい太マラを使った恥ずかしい自慰に浸る。


「くひっ♡♡♡」


 笑い声が聞こえた。

不快だったが、肉柱の位置が少し下がり、亀頭だけでなく根本までぴったりとくっ付いて摩擦できるようになるとどうでもよくなる。

ぬちゅぬちゅ、ぐちゅぐちゅと性的な音が響く。

男の生殖器同士での力強く背徳的なまぐわいは、異様なまでに甘美だ。

呼吸によって淫猥な香りを取り込む度、少しずつぞわぞわした感覚が身体へ渦巻いていく。


「ふあっ♡♡♡きもちいいっ……♡♡♡きもちいいのじゃぁ……♡♡♡」


 頭はすっかり蕩けてしまっていた。

建前は消え最早どうすればより快楽を得ることが出来るか、ということしか考えていられない。

尿道による隆起を利用して側面にも当てて包皮を剥き、高い出っ張りを露出した先端に当てて、段差を使ってカリを舐めまわしてもらう。


「んぅ……♡♡♡でる♡♡♡でるぅ……♡♡♡」


 そうして、陰茎のむずつきが最高潮になってきた。

睾丸からはたっぷりした量の精液が昇ってきて、根本に充填されていく。

全身が引き攣り、あらゆる感覚が下腹部の突起へ集中する。


「くぁっ♡♡♡あぁぁっ♡♡♡♡」


 熱いものが棒の内部を擦りながら駆け上がっていき、どぴゅ、どぴゅと先端から勢いよく吐き出され始めた。

それは腹へとかかっていく。

発情期故慣れ、飽きてきてもいた快楽より何倍も上の、これまで味わったことが無いほどの幸福感に満たされる。

射精中のペニスをすり合わせれば、太白は全身を襲う法悦により深く酔いしれた。





「ふぅっ♡♡♡ふぅっ♡♡♡」


 少しして、未だ肉体には甘い快楽電流が迸っている。

余韻は長く続き、荒い呼吸で肩を上下させるだけでも気持ちいい。

それだけ並外れたものをもたらす放出だった。

なんだか全身が、いつもよりぐったりとしているほどだ。

しかし大量に出したはずの精液の匂いは、ふたなり女が漂わせる濃い我慢汁の匂いでかき消され、まるで漂ってこない。


「っぁあ♡♡♡まだっ♡♡♡からだぁ……♡♡♡」


 あれほど気持ちよくなったにも関わらず、身体をむらつかせ頭をふやけさせる性衝動は全く減っていなかった。

むしろ本能が「もっと味わわせろ」と渇望し、先ほどより強くなっている。


「くひひっ♡♡♡」


「なっ♡♡♡まっ♡♡♡まてっ♡♡♡」


 猫亜人はそんな浅ましい心を見透かしたかのように、今度は自分から動き始めた。

太い逸物で貧弱な狐ペニスをぎゅうぎゅうに圧迫しつつ、長いストロークで擦っていく。


「まつのじゃっ♡♡♡だしたばかりっ♡♡♡でっ♡♡♡んひぃっ♡♡♡」


 絶えず腰が震え手足がばたついてしまうのは、射精直後だからというだけではない。

ひとえに、彼女の性技によるものだ。


 やや直線的だった太白の動作とは違い、回転の動作も足されている。

すると縦方向だけでなく横方向の摩擦が生まれ、また肉マラをうねる血管が摩擦具合に強弱をつけていた。


「んあぁぁっ♡♡♡せんたんっ♡♡♡ぐりぐりするなぁっ♡♡♡」


 さらに並外れた巨大さの肉棒を押し当てる場所も常に変化し、快感に緩急がつく。

カリの辺りをカリで重点的に愛撫されると、ひどく強い刺激がもたらされる。


「ふあぁぁ……♡♡♡」


 かと思えば竿、金玉といった敏感すぎない場所と睦み合い、甘さと切なさの混じるチンポ交尾を味わわせてきた。


「……♡♡♡」


「っ♡♡♡そんな目でみるなぁ……♡♡♡」


 オスとしての「本当の腰振り」を見せつけられながら、どうだとでも言いたげな表情で見下される。

薄くとも艶めいて色っぽい唇は、にちゃりと下卑た笑みを浮かべていてもなお美しい。

胡乱に細められた零れそうなほどの瞳も同じだ。

嫌なのに、思わず見惚れてしまいそうなほど。


「ひあぁっ♡♡♡」


 言葉で抵抗したのが気に入らなかったのか、素早いピストンで亀頭を責められ喘がされる。

一心不乱な性交に似た卑猥な水音は、脳内をつんと彩度の高いピンク色に染めていく。


「いやっ♡♡♡いやじゃぁっ……♡♡♡なんでっ♡♡♡なんでこんなに気持ちいいんじゃぁッ♡♡♡」


 背徳的なまぐわいに溺れていく太白。

無意識か意識的にか、腰は再び亜人の剛直へ反応を返すように動き始めている。

段差の多い裏筋と裏筋をべったりとくっつけ合い、淫靡な生殖器で情熱的に絡み合う。


 整った黄金の毛髪は散らばり、土が付いて汚れてしまっていた。

四本の尻尾もそうして汚れつつ、快楽の大きさを物語るみたく天を向いたり、うねうね、ぶんぶんと振り乱される。

はたから見れば、悦んでいるとも思われてしまうだろう。


 そして身体からは汗が数多く滲み出し、甘酸っぱくもやや獣臭さのある匂いを立ち昇らせていた。

猫娘は時折深く呼吸をすると、肉棒を激しく脈動させ、鈴口からは多量の先走りを迸らせる。


 すると今度は狐が鼻を鳴らし、鋭かった顔つきを媚香で蕩けさせていく。

目尻はうっとりと下がり唇は口付けをせがむ女さながらに緩み、肌はしっとりと赤らんだあまりに無防備な、「けだもの」の前では決してしてはいけない表情だ。

元は険のある雰囲気だけあって、大きな差が蠱惑的に興奮を煽ってしまうだろう。


「んむっ♡♡♡」


 当然のようにキスをされる。


「んぇっ♡♡♡んんんっ♡♡♡」


 しかも今回はすぐにどろついて猛り狂った舌が侵入し、先ほど媚薬を飲まされて敏感になっている、抵抗を見せない口腔粘膜を片っ端から蹂躙していく。

柔らかく熱い肉を貪るような動作だった。

頬の裏に密着し、顔面を膨らまさんばかりに力を入れて擦る。

間でかき混ぜられたよだれは粘々した下品すぎる音色を響かせつつ、泡立って溢れ出す。

それらは猫娘によって啜られるか舐め取られ、ごくごくとやけに喉を鳴らしながら嚥下されていった。


「ふあぁぁっ……♡♡♡」


 上あごが丹念にやすられると、むず痒くも幸せな心地に肉体全てが支配される。

彼女のベロはかなりざらついており、微細な刺激がいくつも重なりあって有無を言わせない。

ぐったりと脱力しきった四肢に、与えられる深い官能を骨の髄まで味わわされていく。


 どこか、肉棒を扱いた時とは異なるふわふわしてしまう感覚だ。

これまでに無い不思議な惚けに恐怖を感じてしまうが、だとしてもあまりに好い。


「んへぇっ♡♡♡しっ♡♡♡しはっ♡♡♡」


 そうして快楽を受け入れやすくなっていると、赤々と火照った肉同士でなめくじのような性交が始まる。

雄は長いカラダで雌へぐるぐるに巻き付き、ねっとり締め上げていく。

動作は支配的であり、獲物へ巻き付く蛇さながらに弱らせることを目的としていた。


「ひゃっ♡♡♡ひゃめりょっ♡♡♡あぁぁぁ……♡♡♡」


 雄がうねり波打ちつつ、力を無くして軟化していく雌の逃げ場をどんどんと奪う。

互いの隙間は殆ど零になっていき、しまいには纏っていた粘液が搾り出ていくほどだ。


「うぅぅぅ……♡♡♡」


 そんな著しい密着をしつつ、雄がとぐろを巻いた状態のままで全身をうぞうぞ蠢かせて摩擦し合う。

微かに残っていた液体はぶじゅぶじゅと淫猥な音を立てる。

敏感な雌は、暴力に等しい愛撫を何もできずただ受け入れるだけだった。


 その持ち主の全身は、熱烈な接吻によって小刻みに震えている。

唇の貪られ方は異様で、上から大口を開いた亜人にぱっくりと咥えこまれ、もごもごと頬を出っ張らせながら蹂躙されていた。

外から中の様子は見えないが、誰が見ても太白が犯されていると思う事だろう。


 実際彼はあまりの事に何も反応できないでいた。

元より身体が殆ど動かせなくはあったが、こうして上下をいっぺんに責められていると無力感が強い。


「むふぅっ♡♡♡」


 ろくに抵抗出来ないのをいいことに、激しさを増す兜合わせ。

しかも裏筋の周辺をこりこりと集中的に引っかけてきて、高い山と深い谷の段差を小さな陰茎に教えてくる。

柔らかくて弾性に富んだ亀頭と、対して異常に硬くともたるんだ表皮により滑らかな竿の合わせ技は絶品と言っていい。

非道徳なチンポセックスで、「二発目」の予兆が少しずつこみ上げてきている。


「あっ♡♡♡はっ♡♡♡ふあぁっ♡♡♡」


 粘っこい腰使いだ。

まるで恋人同士が指や舌を絡ませ甘ったるくいちゃつく時のように、ぬらつき濡れそぼったオスマラの敏感な場所ですり寄ってくる。

必然快楽も甘く、思わず陶酔してしまって喉からはくぐもった喘ぎ声が漏れ出す。


「っ♡♡♡んあっ♡♡♡あぁっ♡♡♡」


「……♡♡♡」


 下腹部が一人でに動き出していた。

それは紛れもなく強姦だったこれまでの責めを合意ある交尾にしてしまう浅ましい行動だったが、その分心地の好さは倍増する。

最初こそおっかなびっくりだった突き出しは、徐々に意志が籠っていく。

互いに肉棒をぐいぐいと押し付け合い、二人で肉欲を貪るのはたまらない。

間で潰れた粘液が、狐の神の卑しさを囃し立てる音を鳴らす。


 劣情に溺れきり、視線を絡ませ合うとより気持ちがいい。

亜人の大きな瞳は真っすぐかつ情熱的で、こちらを強く求めているのが伝わってくる。

ひしひしと浴びせられるのは強烈な性欲だけだったが、発情しきった肉体で受け取ると激しい疼きになった。


「あ……♡♡♡」


「くひっ♡♡♡」


 目を決して逸らさず合わせながら、キスは終わり彼女は上体を起こし、太白の太ももへと座り直す。

本来であれば拘束が解け喜ぶべきなのに、名残惜しさを感じてしまった。

ペニスも痙攣して睦み合いをせがむ。


 股座から空へそそり立つチンポは、全身を我慢汁で濡らしつつ日光を反射して眩しくも淫猥に輝いていた。


「あっ♡♡♡」


 そしてチンポが手で持たれ、倒されていくと再度肉棒同士で密着し重なり合う。

猫女の両手は、大きく開かれて二つをいっぺんに持った。

柔らかい指の感触がペニスの上側へ当たり、反対側に最早慣れ始めた硬い感触が当たっている。


 こうして見ると、それぞれの太さは明らかに違う。

自分のが親指サイズなら、乗ってきているのはこぶし大だと思った。

しかもずる剥けで鈍い肉色の亀頭が恥ずかしげもなく姿を現しており、皮を被り直して露出を恥じらうペニスとの差は大きい。

だが例え皮を被っていなかったとしても、比べるまでもないほど差は歴然だっただろう。


「あぁっ♡♡♡」


 そのまま自慰をするように扱かれていく。

人からされるという今まで味わったことの無い感覚に、先ほどまで愛し合っていたチンポが加わると悦びもひとしおだった。

何より快楽の種類がまるで異なる。


 天面からはしっとりした肌が丁寧に摩擦し、まろやかな甘みがもたらされた。

大して底面は高頻度でびくつくモノによって強く擦れ、さらに血管の脈動による振動で苛まれている。


「っ♡♡♡」


 その蠢きは、明らかに射精の前兆だと気づく。

考えてみれば、先ほどから絶えず我慢汁を吐き出し腹を汚してきていた。

つまり彼女は獲物に向けて精液を迸らせ、ぶっかけるため体勢を変えたのだ。


「ひゃっ♡♡♡やめりょっ♡♡♡」


 蹂躙され呂律の回らない舌で何とか抵抗の言葉を紡ぐが、相変わらず身体は性感への反応以外で殆ど動かない。

微かな身じろぎはむしろ刺激を産む。


「くひっ♡♡♡ふぅっ♡♡♡ふぅっ♡♡♡」


 にちゃついた笑みを浮かべつつ、相当荒い呼吸をしている亜人。

悩ましげに細められた瞳から送られる視線は、白衣が乱れて多少覗く胸元や二人のよだれに塗れた口、蕩けた目へと刺さる。

オナニーのオカズにされているのだと分かった。

特にはだけた胸がお気に入りらしく、見られると肉棒が激しく痙攣する。


「見るなっ♡♡♡みるにゃぁっ♡♡♡」


 恥ずかしくて屈辱的で声を出すが、逆効果らしくびくつきは増え、眼差しも脂っこくなっていく。


「うっ……♡♡♡あぁぁ♡♡♡」


 そうやって下卑た獣欲に晒されているのに、太白も絶頂が近づいていた。

意識が放出へ向き、段々と他の事がどうでもよくなる。

股間から送られてくる強い悦びに支配されていく。


「んぅ……♡♡♡はぁ……♡♡♡」


 猫女も同じのようだ。

集中しておざなりになった、だがやけに艶めかしい喘ぎが、水音の奥から聞こえてくる。


「いやっ♡♡♡いやじゃぁ……♡♡♡」


 うわごとのように抵抗を呟く。

しかしやがて、身体の奥底からは熱くて濃い汁がこみ上げてきた。


「ふぅっ♡♡♡うぅっ♡♡♡」


 尿道を駆け上がってきた精液が鈴口から放出されていき、下腹部へと垂れる。

嫌な迎え方であるのに法悦はあまりに好く、思わず酔いしれた。


「んっ♡♡♡んぁっ♡♡♡ふ~っ♡♡♡」


「ひっ♡♡♡」


 続けて、上に乗っていた忌々しい肉の柱も、手から解放され反り上がりながら体液をぶちまけていく。

同じ男性の生殖器であるのに、その勢いはまるで違った。


 「それ」は猛々しく上下左右に暴れつつ先端から大量の白濁液を撒き散らす。

たった一度の脈動で、太白が出した全ての精液よりもずっと多い。

しかも量を維持したまま、三度、四度、五度、と永遠に感じられるくらい続く。


「なっ♡♡♡なんじゃこれっ♡♡♡」


 さらに液体は顔や上半身へ降り注ぐと重たい音を鳴らす。

熱さも並外れており、発情し火照りきった今の体温よりも高い。

きっと、比喩ではなく巨大な金玉の中でぐつぐつと煮え滾っていたのだろう。


「っ♡♡♡」


 そして、空気に触れると甘くも青臭いオスの異臭を漂わせ始めた。







「甚ちゃん、お米どう?」


「あぁ、いい感じだと思うぞ。多分もう少しで炊けるんじゃないか?」


「そっか。私の方は準備できたよ~」


 甚助は紫峰神社から帰宅した後、朝食の準備をしていた。

結婚したら親とは別々に暮らすことが一般的な紫苑村の例にならい、今日からは静と二人きりでの生活だ。

家屋は彼女の両親が、気が早くもあらかじめ用意してくれていた。


 今回の炊事において彼の役目は米を炊くことであり、土間に椅子を置いて座り、鍋から昇りたつ湯気の様子を睨みつけている。


「太白様、喜んでくれてたね」


「そうだな。……なぁ、何かくださるってやつ、もしかして頼んだ方がよかったか?」


「え~なんで?」


「そりゃ、これから俺たち色々と必要だろうし……」


 言ったはいいものの、やはりなんだか忍びなくて尻すぼみになってしまう。


「う~ん……」


 隣に椅子を置き、思案しながら寄りかかってくる静。


「いや、やっぱり大丈夫かな。お母さんたちから色々お古も貰ってるし。」


「そうか」


「うん。それに……二人で居れたらそれでいい、でしょ?」


「はは。そうだな」


 照れくさくて、顔を見合わせながら互いに笑みが零れた。


「それよりさ、今日の太白様、ちょっと変じゃなかった?」


 彼女の言葉に、先ほどの事を思い出す。

だが、特に違和感は無い。


「……そうか?」


 返答に静は再度中空を見つめ、考えている。


「うん。やっぱりそうだよ。なんかね、いつもより耳とか尻尾とかがそわそわしてたって言うか、こう、くねくねしてて……」


 そして擬音に合わせ手を伸ばし動かす。


「んん?そうだったかなぁ……」


 しかし言われてみても、結局気づくところは無かった。


「そうだよ!も~。甚ちゃんはそういう所あるからな~。私の時だってそうだったし~」


「う。それを言われると弱いな……」


「えへへ。でしょ?」


「じゃあ、今度また会いに行ってみるか」


「うん。……あ、甚ちゃん!お米!」


「おっ、おうっ」


 いつの間にか吹きこぼれ始めていた土鍋を、手拭いを使って火から離す。

土間には、炊けた米のいい香りが漂っていた。


 紫苑村の平和な時間は、ゆったりと流れていく。







「ふ~♡♡♡くひひっ♡♡♡」


 忌々しく得意げに笑う猫亜人の射精は、数分ほど継続した。

その間全く勢いも量も衰えることはなかったため、周囲、とりわけ肉体はどろどろに汚されてしまっている。


「あぁぁぁ……♡♡♡あたまっ♡♡♡とろけてぇ……♡♡♡」


 しかも匂い立つ生臭くていやらしい性臭によって、太白は理性を蕩かされていた。

相変わらず肉体は重たく、快楽に支配されて殆ど動かせない。

そして何故だか、先ほどから肛門がひくひくと拡縮を繰り返す。


 着ている巫女装束は様々な体液で淫猥な湿り気を帯び、不快に肌へ貼り付いていた。


「んぁ?♡♡♡」


 すると太ももへ下ろしていた腰を上げる「彼女」。

汗でしっとりした肌は貼り付いており、名残惜しむように離れていく。


「♪~♡♡♡」


「う……♡♡♡」


 こちらへ尻を向け四つん這いで移動されると、左右へ分かれた銀色の長髪に強調された、揺れて乱れる肉へ釘付けになった。

豊満なそれは身体から大きく張り出しているが、垂れやたるみは全く無い。

中から膨らませているのかと思うほどぱんぱんで、日光を跳ね返して真っ白だ。

あまりに眩しいが、視線を逸らすことはできない。


 歩行の度左右の淫らな尻たぶが左へ右へと移動し、互いへ食い込み合ってひしゃげる。

さらに上下にも弾み、観察する者をひどく誘惑してきた。


 小さなペニスはまだ出し足りなそうに勃起していく。


「っ♡♡♡」


「……♡♡♡」


 だがすぐ猫女は全身で向き直り、目と目を見合わせてくる。

しかも、何か言いたげな喜色満面の笑みで。


 にやけ面に嫌悪感を覚えて顔を背けると、そのまま足を開かされ膝を立てられ、間に入られた。

続けて亜人は股間へと頭を埋めていく。


 しゃぶられるのだろうか。


「んぃっ♡♡♡なっ♡♡♡」


 そう考えたが、実際に襲ってきたのはぬとぬとしてざらついた、十中八九舌による菊門への愛撫だった。

一舐めの後、先端がほじくるように蠢いてくる。


「やっ♡♡♡やめんかっ♡♡♡くあぁっ♡♡♡」


 太白にとってそこは、なんの意味も為さない場所だった。

神である彼に排泄は不要で、ただ人型の肉体を得る時付随したものである。


 だが、見た目や感じられる魔力からして普通の猫型亜人らしい彼女にとっては別のはずだった。

不浄の穴を粘膜で触れることに、抵抗が無いはずは無い。


「んぅっ♡♡♡あぁっ♡♡♡」


 しかし責めは先ほどのキスみたく熱烈だ。

よだれを丹念に塗り込むように器用でねっとりしたベロを押し付け、絶えず淫靡な水音を鳴らしている。

ペニスのような性感帯でないはずがやけに心地好くて、這い回られる度次第に解れていく。


「はっ♡♡♡まてっ♡♡♡」


 すると、貪欲な肉触手は少しずつ少しずつ窄まりへと侵入し始めた。

決して焦らず、肛門が自発的に開くのを待ちながら、引き締まっていた場所の内側を舐り回す。


 後孔を弄られるなど不快だと思っていたが、あるのは異物感と不思議な甘い感覚だった。

身体の奥からじんわりした幸せが滲み出し、得も言われぬ悦びを生む。


「っ♡♡♡まさかっ♡♡♡」


 奴の体液が媚薬であることを思い出す。

このまま弄られれば、腸も性感帯として発達させられてしまうかもしれない。


「ふあぁっ♡♡♡」


 だがすぐ、親指大のぬめった肉棒は括約筋を越えて太白の穴を貫通し、内部へと侵入した。

肉体を貫かれる、という初めての体験に目を白黒させて喘ぐ。

イケない事だと直感で分かるのに、全身はびくびくと痙攣する。


「んぅぅっ♡♡♡ふあ……♡♡♡」


 出した分の空気を補給すれば、当然周囲に漂っていたひどく湿っぽい精液臭を吸い込み、頭がふやける代わりに尻穴快楽がよりはっきりとした。


「ひゃっ♡♡♡ひゃめっ……♡♡♡くぅぅ♡♡♡」


 やや馴染んできた舌は前後に動き出す。

想起するのはまだ獣だった頃に味わった排泄の放出感だが、それよりもやたら性的だった。


「はっ♡♡♡あっ♡♡♡あっ♡♡♡」


 粘々した交尾音も響いており、音量を増すごとに喉からは無意識で甘い声が出て行く。

むずむずした心地にまるで抗えず、思わず浸ってしまう。


「んぁっ♡♡♡おくぅ……♡♡♡」


 亜人の粘膜はさらに奥へと進み始めた。

想像よりもずっと長いようで、恥骨の裏からへそ裏辺りまで指より太くて熱いものが腸壁を擦っていく。

体内に触覚が存在するのかなど考えたことも無かったが、「どこにいるか」確かに伝わってくる。

しかもぬめつきや猫型亜人特有の激しいざらつきまで明確に分かった。


 太白の脚は、逃げられないようがっちりと腕が回され固定されている。

するとびくつきまで吸収されてしまい、上手く快楽が逃がせない。


「ふあぁぁ……♡♡♡やめろぉ……♡♡♡なめるなぁ……♡♡♡」


 もう少しだけ先端が深いところまで到達すると、今度は蠢いてきた。

ちろちろとした緩い動作だったが、こそばゆく蠱惑的な官能へ夢中になってしまう。

刺激自体は弱いはずなのに、全身が重たく痺れるほど好い。


「はっ……♡♡♡んっ♡♡♡ふぅっ……♡♡♡」


 女のような声が漏れ出る。

頭を捩ってどうにか耐えようとしていると、自分の股間から銀色の猫耳が顔を出していた。

可愛らしく幅の広い三角形は明らかにこちらを向き、獲物が出すいやらしい音を聞いている。

おまけに細長い尻尾は空へと伸びながら揺れ動き、かなり機嫌が良さそうだ。


「っ♡♡♡ぅ♡♡♡ん……♡♡♡」


 調子に乗らせたくなくて、どうにか湧き上がってくるものを堰き止める。


「ああぁぁっ♡♡♡やっ♡♡♡よせぇっ♡♡♡んんんっ♡♡♡」


 だがすぐ肉触手は総身を腸壁に密着させ、素早い動きでやすり掛けしてきた。

耐えられず大きくはしたない喘ぎが溢れ出していく。


「くあぁっ♡♡♡こんなっ♡♡♡ときにぃっ♡♡♡ひぃぃっ♡♡♡」


 さらに媚薬唾液が効いてきたのか、肉の感覚は鋭敏になる。

ぎゅっと四肢が引き攣り腰が突き上がろうとするが、相変わらず押さえ込まれており身を焼くような性感に曝された。

ぱちぱちと視界には電流が弾け、思考が停止してしまう。

身体をいいように弄ばれて屈辱的なのに、発情に発情を重ねられているため気持ちいいことには逆らえない。


「はっ♡♡♡はっ♡♡♡ふぅっ♡♡♡ふぅっ♡♡♡」


 数十秒経って責め手が止まった時、目からは涙が零れだしていた。

腋や背中、脚裏など何かとくっ付いている部分は汗でびしょびしょだ。

周囲へ漂っている青臭い匂いから自分のものらしい酸味のある匂いが仄かに香り、やや恥ずかしい。


「う……♡♡♡」


 そして菊門から少し先、腸壁の丹田に近い位置が激しく疼いていた。

何の部位なのかいまいち分からないが、むず痒い不快感を発している。


「ふぁ……♡♡♡」


 少しずつ抜かれていく舌。

もう間もなく全て出るという所で止まる。

先端は、こりこりした感触の「そこ」へうっすら触れていた。


「いっ♡♡♡なんじゃっ♡♡♡」


 そのままぐっと押し込まれ、多幸感と共に大きな嬌声が自然と迸る。


「あっ♡♡♡あっ♡♡♡なっ♡♡♡なんっ♡♡♡あぁっ♡♡♡」


 続けて繰り返されると肉体はふわふわした甘ったるい心地に支配され、やはり否応なく喘がされた。

強い快楽であるのに、ペニスの時とはまるで違う。

意志が流されそうな恐ろしさがありつつ、溺れて恍惚としてしまう深い感覚だ。

まずいと思うが、それ以上に好い。


 穴を犯され気持ちよくなるなど、まるで人間の女のようだと思う。


「ふあぁ……♡♡♡んっ♡♡♡んっ♡♡♡」


 そう思うと、何故だか身を包む法悦は強くなった。

口から出て行く音も高く悩ましいものになる。


 先ほどから身体が熱い。

発情による火照りとはまた異なり、ほっこりと腹の底から暖かくなっていく。


「んぅっ♡♡♡よせぇ……♡♡♡」


 突きこみは飴玉へするような舐める動きに変わる。

「そこ」、前立腺は摩擦と引っかけによって緩く四方から刺激され、腰全体が浮き上がって行きそうになった。

強かった責めから急に優しくなると、肉体は勝手に身を任せようとしてしまう。

強姦してくる亜人に全てを委ね、気持ちよくしてもらおうと脱力しきってしまう。


「あぁぁ……♡♡♡ふぅっ♡♡♡しりが……♡♡♡あつい……♡♡♡」


 襲ってくる愛撫へ夢中になる。

動きは愉しげかつ積極的で、何か美味い物でも食べているみたいだ。

ベロは性感帯を包み、密着させたままべろんと擦る。

ぞわぞわが全身を支配し、視界に映っている空や雲が上手く認識できない。


「はふぅ……♡♡♡」


 時折先端が小刻みに波打って、猫が牛乳を飲むように前後していく。

すると性感はじりじり昂っていき、どこかへ向けて着実に確実に近づいているのが分かる。


「やっ♡♡♡なにかっ♡♡♡クるぅっ……♡♡♡」


 少しずつ切なさが集まっていくのは射精と似ているが、ペニスは反応せずむしろ萎えていた。

代わりに五感が下腹部の奥へと集中する。


「ひゃめっ♡♡♡ひっ♡♡♡いまっ♡♡♡それぇっ♡♡♡」


 それを強制的に押し上げるためか、舌による圧し潰しが再開された。

情け容赦のないピストンは的確に「Gスポット」を攻撃し、大きくひしゃげさせて著しい法悦を生ませる。

じわりじわりと溜まっていたものが解放を目指して一気に高まり、四肢が絶えずばたつく。

呼吸が小刻みに震えていた。

未知の、だが異様に幸せな感覚が全身に迸っていく。


「っ♡♡♡あっ♡♡♡イっ♡♡♡―――♡♡♡♡」


 意識が甘ったるく嬉しいどこかへ落ちる。

そこにはこれまで得たことの無い圧倒的に満ち足りた心地が広がっていた。

何故か、現実とは違う世界に居るような気になる。

猫女や紫苑村の事が掻き消え、白だかけばけばしい桃色だかに塗り潰されていく。


 それが、一分か二分か、とにかく今まで味わっていた頂点よりずっと長く強く続いていた。


「はひっ♡♡♡はっ♡♡♡はっ♡♡♡んぁ♡♡♡」


 亜人の粘膜が出て行く感触がある。

抜けきると肛門は収縮を繰り返す。

視界の隅では、自分の足の間で彼女が上体を起こし膝立ちになるところが見えていた。

やけに興奮しているようで、舌なめずりしながら肩を激しく上下させている。


 そして隆々とそびえ立つデカ魔羅。

少し前より若干膨らんでいるような気さえするそれは、やはり先っぽが異様に大きい。

ベロが点だとすれば明らかに面で、五本分かそれ以上の太さは確実にあるだろう。

大量の白濁した粘液を滴らせ、長い砲身をぬるぬるのてかてかに煌めかせている。


 さらにデカ魔羅を扱く右手が、萎えることを防ぐ。

やや黒さのある怒張した陰茎へと絡みつく白魚のような指は、それだけでかなり淫猥だ。

慣れているのだろう、人差し指の先端が裏筋をくすぐったり、親指と輪っかを作って、回りきってはいないがカリ首を愛撫していく。

塗り広げられていく体液は、不思議に全体を彩る。


「あ……♡♡♡ふぅ♡♡♡ふぅ♡♡♡」


 なんとなく、次はアレを入れようとしているのだと分かった。

だがアクメの余韻で未だ肉体は重たく、なにより動かそうという気に一切ならない。

さらに太白は、いまいち思考が上手く働いていなかった。

入れられることの危険さにも思い至れない。


 ぐちゃぐちゃに濡れた性器同士のくっつく音が、やけに遠くから聞こえる。

腰が掴まれ、絶対に離さないとばかりに指が食い込んでいく。


「っ♡♡♡なっ♡♡♡やめろっ♡♡♡」


 そこでやっと頭が状況を認知し、理解し始めた。

今がどれだけ非常事態であるかということも。

発情を深め続けている肉体にあんな太いものを味わわされれば明らかにまずい。


 だというのについ先ほどまで、絶頂の余韻で全くそう考えられなくなっていた。

どうにか逃げようと身体を捩る。


「お゛お゛ぉ゛っ♡♡♡♡」


 しかしその瞬間恐ろしいほど猛り狂った肉槍は菊門をこじ開け、一気に太白の体内へと侵入した。

勢いが凄まじかったものの痛みは感じず、ただぐっぽり広げられる感覚と思わず汚い声が出るほどの快楽だけがある。

地面より15センチほどと肉槍と平行に浮かされた下半身から、大きく甲高い音が響く。

性で淀んだ空気も押し込まれてきて、鼻腔を淫らにくすぐった。


「へっ♡♡♡へっ♡♡♡」


 太白の小さな肉体は巨大なチンポを自然と締め付けてしまっている。

熱烈な愛撫を受け続け蕩けた肉の一つ一つがやわやわと膣みたく絡みつく。

異物感は凄まじく、上手く息が出来ない。


「なんっ♡♡♡これぇっ♡♡♡」


 さらに媚薬唾液を塗り込まれ敏感になりすぎている腸壁からは、肉体を貫き持ち上げてくる、見て分かった気になっていた非常識なモノのカタチがはっきり伝わってきた。


 奥で広い範囲を占め、尿道口から熱く粘々した我慢汁を垂れ流している亀頭。

幹との高低差は2センチ以上あり、そんなカリにみっちり纏わりついたひだがどうなってしまうのか、想像もつかない。


 そしてもう少し手前には特徴的だった中太りがある。

円周には血管を張り巡らせており、ともすれば先端よりもいかがわしい形状だ。

呼吸で双方が身じろぎするだけでも、肉棒はその猥雑な姿によって責めてきた。

メスを啼かすためだけにある二つのいやらしく肥えた部位に大きな恐怖を覚える。


「んぐぅぅぅ♡♡♡」


 ゆっくりした引き抜きが始まった。

半ば考えていた通り竿全体でとぐろを巻く血管が、中央にあるコブ状の膨らみが、先端の強烈な突起が、全て性感帯と化している腸を掻き毟る。

出っ張りはナカの肉を捕えては滑り、捕えては滑りと繰り返す。

ただでさえ双方密着していて摩擦が著しいのに、強烈な段差と相まって自然に目が上向き、頭が振り乱された。

身体の内側から支えていた剛直が無くなることで、胴体は少し地面へと垂れ下がる。


「かっ♡♡♡はっ♡♡♡」


 そして再度の挿入で持ち上がっていく。

重力によって正面側はひどく擦れ、特に前立腺は常に苛まれていた。

あれほど喘がされた舌をゆうに超える刺激で、何も抵抗できない。

唯一出来るのは声をあげ全身を震わせることだけ。


 しかも狭い腸内が相当気持ちいいようで、チンポは何度も痙攣していた。

都度内壁へ食い込み、突発的で強い愛撫を発生させる。


「あ゛あ゛ぁぁぁ♡♡♡」


「くひひっ♡♡♡」


 抽送は無慈悲にも止まない。

それどころか抽送によって発される濁った嬌声を楽しんでいるようだ。

少しずつ加速していき、ぐりぐりとした意地悪な腰つきも混じるようになる。

結合部からは粘度の高い音色が響いていた。


「うぅぅっ♡♡♡そこっ♡♡♡よせぇっ♡♡♡っ♡♡♡あぁっ♡♡♡」


 やがて亀頭が「Gスポット」をだけを捏ね回しだす。

前後左右に揺らめき、太白自身の体重も使って潰されていく。

亜人からしてみれば肉棒をいきり立たせ軽く身体を動かす簡単な動作だろうが、されている方はたまったものではない。

恐ろしいほど多幸感が溢れて、意識は甘ったるく蕩ける。


「んぃっ♡♡♡だめじゃっ♡♡♡またぁっ……♡♡♡お゛っ♡♡♡」


 徐々に先ほど味わった感覚とその予兆が鎌首をもたげていく。

吐き出す息が凍えている時みたく震え、びくつきがこみ上げて止まらない。

デカ魔羅にうっとりと陶酔してしまう。


「あっ♡♡♡クるぅっ♡♡♡っぁぁ♡♡♡♡」


 世界が暗く白くなっていき、ずん、とした重たく心地好い痺れが全身を支配していく。

不思議な満足感だった。

何かを達成したわけでもやり遂げたわけでもないのに、それどころか今無理矢理犯されているのにひどく充ち足りた気分になる。

さらに絶頂は長い。

時間が経つのも忘れ、惚けた顔で与えられる官能にひたすら溺れた。


「ふあぁぁ……♡♡♡」


「……♡♡♡」


 そんなはしたない表情を、すぐそこで視姦している猫女。

いつの間にか肉棒を全てナカへ収め上体も近くまで倒してきており、嬉しそうなにんまりした笑顔が直上にあった。

獲物を手籠めにした充足感に浸っているようで、若干目を細め穴が開きそうなほど見つめてきている。

しかし玉のような肌は紅潮し全体にうっすら汗が浮かび、甘美で生々しい体臭が香りたって興奮を露わにしてもいた。


 両腕は両手で地面に固定され、身体も全く動かせる気配が無い。


「はぁっ♡♡♡はぁっ♡♡♡」


 アクメの余韻が終わり思考力が戻ってくる。


「っ♡♡♡」


「くひっ♡♡♡」


 だらしなく緩んでいた表情筋を引き締め睨むが、まるで効いていない。

自分は今舐められているのだと思うと、怒りや屈辱が沸いた。


「ふっ♡♡♡」


「んお゛ぉっ♡♡♡」


 そうした感情は力強い突きこみ一つで霧散する。

体格差ゆえ身体を倒した正常位でもストロークは相当長く重たい。

腰と尻が打ち合って甲高くやや水っぽい音が響く。

また緩んでしまった表情は、上からじろじろと観察されていた。


「ふっ♡♡♡ふっ♡♡♡」


「お゛っ♡♡♡おひっ♡♡♡」


 一切容赦のないピストンだ。

単なる抜き差しであっても大きく喘がされてしまうのに、明確にヨがらせるという意図があっては何も繕うことができない。

脚が突っ張って暴れてを繰り返してどうにか快楽を逃がすが、手はそうもいかなかった。

代わりに舌を突き出した無様な顔を晒す。


 さらに亜人は亀頭で円を描き腸肉をたっぷり纏わせた。


「おひぃぃっ……♡♡♡」


 続けて肛門へ向けて掻き毟られる。

すると視界は明滅し、頭がじゅくじゅくに溶かされていく。

まろやかだが異様に強い刺激だった。

与えてくる猫女へ愛おしさすら湧きかける。


「んむっ♡♡♡」


 そこへ優しいバードキスをされれば、性感に甘ったるさが足された。

唇に触れたハリと潤いのある粘膜は、激しい抽送で全身が沸き立った太白を癒す。


「んんんっ♡♡♡」


 肉棒が緩慢に奥を目指して進む。

無意識に締まっていた腸壁は逞しい肉棒と熱烈に幸せそうに絡み合った。

腹の奥からは、濡れた物同士が著しく擦れる粘つきすぎた音が聞こえてくるかのようだ。

悦びか、屈辱からか涙を零しながら、後孔での蠱惑的な交尾に溺れていく。


「ふぁ……♡♡♡」


 やがて腰同士が密着し直すと、同時に口付けは終わった。

うっすらと名残惜しさを感じてしまうのが悔しい。


「はぁんっ♡♡♡やめっ♡♡♡やめろっ♡♡♡」


 先端が奥でグラインドし始める。

へそ裏で巨大な膨らみが蠢いているのが分かった。

抵抗の言葉を吐いたものの、気を抜くと蕩けた目で恍惚としたメスの顔になってしまう。


「……♡♡♡」


「っ♡♡♡」


 動作を続けつつじっとりと見てくる猫女。

真っすぐに視線を送るのは尾部を垂れ下げた淫蕩な目だ。

チンポからの快楽と太白を組み伏せる快楽を貪り、余裕を持ちながら愉しんでいるのがはっきり分かる。


 そして時折悩ましい喘ぎを漏らして開かれっぱなしになる口は、先ほど睦み合ったのもあってついつい目線が行った。

媚薬唾液でぬらりと光沢を発しており、溢れてくる砂糖のような甘い匂いの息に思わず鼻を鳴らす。


 しっとりした肌や髪も酸味が含まれた体臭を香らせ、堕落を誘ってくる。


 欲望に忠実な姿に、なんとなく釘付けになってしまう。

発情期故か、そもそも自分でも気づいていなかった本性がそうさせるのかは判然としなかった。


「くひっ♡♡♡」


 唐突に雰囲気が嗜虐的なものへ変わる。

ゆっくりとチンポが引かれていく。

肉を肛門へ向かって掻き出そうとする高いカリを感じた。


「くぁぁぁぁ……♡♡♡」


 20センチほどと長く抜かれると一度止まる。

視線は今や、拘束中の獲物がこれからどんな顔をするか一つも見逃さないような鋭さだ。


「お゛ふぅっ♡♡♡ひっ♡♡♡ひっ♡♡♡」


 たっぷりと予備動作を取った急激な突きこみがナカを襲う。

大きな、とても大きな濡れた肌同士の衝突音がして、全身が衝撃と著しい性感でびりびりと痺れる。

両足は跳ねあがり、空を向いたままだらしなく痙攣した。

無様なトロけ顔を、彼女が所望した通りに晒す。


「お゛ぉぉ゛っ……♡♡♡」


 そうして悦んでいる膣を、チンポはまた入口方向へと擦りたくる。

きつく締まった肉は自ら先端と中ほどにある段差へと抱き着き、思う存分愛してもらう。


「んお゛ぉぉっ♡♡♡♡」


 二度目の突進がなされた。

太白は牛に似た声をあげながら、緩急の付いたオスらしいセックスにただただ啼かされるだけ。

迸る快楽はあらゆる思考力を奪い、獣じみた嬌声を出させ無様な顔を晒させる。


 きっとこれを見るのが目的だったのだろう。

亜人の艶やかな目は開かれ、零れんばかりの瞳は無邪気に爛々と輝き、目尻は強気に跳ねあがっていた。


「やめぇ……♡♡♡ん゛ぅぅぅ……♡♡♡」


 三度目の準備が整っていく。

正直なところ、カラダだけでなく心までも仄かに期待感を滲ませていた。

そんな内側までも見透かされていたらと思うと、恥ずかしくてたまらない。


「ふっ♡♡♡」


「お゛ひぃぃっ♡♡♡♡」


 これまでで一番うるさい音が鳴った。

相応に性感もひどく強い。

誰かが聞けば喉を痛めるのではと心配するくらい長く大きな喘ぎが溢れ出す。


「くひひっ♡♡♡」


「あ゛ぁぁぁぁっ♡♡♡」


 しかも奥が捏ねられ、それが長く後を引く。

頭がどうにかなってしまいそうだった。

腰は猫女を押しのけてしまいそうなほど激しく痙攣し、脚もどこかへ飛んでいきそうだ。

だというのに彼女が静止して快楽が収まっていくと、全く動かせないほど脱力していく。


 嫌なはずなのに、駄目なはずなのに、早くこの状況をなんとかしないといけないのに、と考えても実行に移す気は起きない。

そして、もしもう一度されてしまえばあの甘ったるく痺れる幸せな感覚を味わわされることが直感的に分かった。


「あぁっ……♡♡♡」


 予備動作は、平常時でも聞けば発情しそうなほど卑猥な音を鳴らしながらすぐに終わる。

「早く絶頂したくて」、欲しがるような目を向けてしまう。


「ふーっ♡♡♡」


「んひ……♡♡♡」


 少しチンポの向きが変わり、亀頭が著しく上側に食い込んだ。

前立腺にも中太りが密着し、ぐんにゃりとひしゃげさせられる。

さらに腹の一部分がぼこっと膨らんでいた。

このまま突きこまれれば、無慈悲で強烈な摩擦によってそれはそれは気持ちよくイけるだろうと思う。

手足には、ぎゅっと力が入っていく。


「くひひ♡♡♡」


「んぅ……♡♡♡」


 だが肝心の突きこみが来ない。

亜人のいたずらっぽい顔を見るに焦らされているのだ。

苛立ちを覚えるが、絶頂への渇望はそれ以上だった。

自然と腰が誘うように揺れる。


「は……♡♡♡ん♡♡♡」


 小さな水音が響き、淫猥な息も漏れ出した。

緩い快楽がもたらされるが、かえってもどかしさが募る。

目を細め与えられる感覚に浸ってしまうのが恥ずかしい。


「ふぅ~っ♡♡♡」


「ひゃっ♡♡♡ふンっ♡♡♡」


 彼女は応じるように陰茎を蠢かしてきた。

肉同士の絡み合いはよりいやらしく密接になり、鳴る音も大きく淫らになる。

しかし今欲しいのはこれではない。

求めているのは激しく狂おしいピストンであり、他の何をされたところで満足は出来なかった。


「っ♡♡♡うっ♡♡♡」


 口がはしたない懇願の言葉を紡ぎかける。

どうにか喉元で堰き止めるが、耐えきれなくなるのは時間の問題だ。

絶えず下腹部から送られてくる幸福感が、我慢をじりじりと削り取っていく。


「……♡♡♡」


 口角を釣り上げ下卑た笑みを浮かべる猫女は、自分からする気は無いようだった。

むしろ次第に堕ちていく太白を愉しげに観察し、すけべな「おねだり」を今か今かと待っている。

一層香り立つようになった汗とフェロモンの混じった甘酸っぱい匂いが、敗北宣言にも等しい「おねだり」の意味にもやをかけていく。


「それはっ♡♡♡だめっ♡♡♡だめじゃぁっ……♡♡♡」


 そんな中で、何の奇跡か神としての矜持が劣情をぎりぎりで押し留めた。

快感が比較的弱いうちに頭を振り乱して煩悩を頭から追い出し、意地の悪い責めを絶対に耐えきるという意志が少しずつ芽生える。

腰を止め、脳裏につい数刻前の甚助と静の姿を思い浮かべた。





「ふぅっ♡♡ふぅっ♡♡」


「……」


 どれほど経っただろうか。

もどかしい快楽によるいつ終わるか分からない責めは時間の感覚を奪い、抵抗力を削ぎ落そうとしてくる。

体内の火照りは精神を粘着質に苛み、堕落を誘う。

だが太白はその間中亜人を睨みつけ、喘ぎながらも変わらない反抗の意思を示し続けた。

神の強靭な肉体が、早くもアナルでの性感に慣れつつあるのが大きかったかもしれない。


「ふんっ♡♡」


「ふーっ……」


 大して彼女は余裕そうな表情が消え失せ、段々と苛立ってきている。

目は野性の獣みたくぎらぎらと輝き、吐息にも甘さが無い。

やがてチンポの動きは止まった。


「はぁっ♡♡ふふ♡♡お主の好きにはさせんぞ♡♡」


 少し上擦った声で勝利宣言にも似た言葉を叩きつける。

正直なところ長い愛撫によって絶頂直前で維持され、何かのきっかけでイきかねない状態ではあったが、心が負けを認めてしまうことは防げた。

反撃の準備を密かに整えていく。


「っ……」


 忌々しげな反応が返って来て、腕を押さえつけてくる手に力が籠り再度あの突きこみが準備されていると分かる。


「ふっ♡♡♡」


「くぁぁっ♡♡♡」


 続けて「四回目」が襲ってきて、全身が甘い痺れに犯されていく。


 確かに肉体は恐ろしく敏感にされている。

しかし、釣られて精神までも掌握されることはどうにか耐えられそうだった。


「ふっ♡♡♡ふっ♡♡♡」


「んぅっ♡♡♡はぁっ♡♡♡」


 猫亜人による本気の抽送は続く。

激しくはあるが先ほどより乱雑だ。

それでも自然に喘ぎ声は出て、アクメの予兆が押し寄せてくる。


「ふーっ♡♡♡ふーっ♡♡♡」


「んひっ♡♡♡お゛っ♡♡♡」


 そして焦らしとひどく狭い腸壁で相当追い込まれていたのだろう。

彼女の呼吸は荒く、ナカのチンポも絶えず痙攣し始めた。

ストロークは長くなって大量の汁が結合部から掻き出され、袴を濡らしていく。

響き渡る音はぐちゃぐちゃと音量が大きく派手で、青臭い先走りの匂いまで漂ってくる。


「ふぅっ……♡♡♡」


 薄くもっちりした朱唇から漏れ出て行く切なげな吐息。


「んっ……♡♡♡」


「くぁっ♡♡♡あぁぁっ♡♡♡―――♡♡♡♡」


 続けて剛直の先端は精液をナカへと放出した。

腸内が重たく熱いおびただしい量の液体で満たされていく。

発射口はごぷごぷとおよそ人体では考えられない勢いで睾丸の中身を吐き出し、気持ちよさそうに長く長く震えている。


 同時に太白も心地よく幸せな感覚に包まれた。

意志を強く持てば、強い快楽をただ快楽として享受できる。

自分がこいつを利用しているのだ。

そう思考の隅っこでうっすらと考えながら、彼は甘ったるいひと時をすんでのところで楽しんでいた。


「フーッ♡♡♡」


「わぷっ♡♡♡」


 やがて互いの絶頂が収まろうかという時、亜人は上体を寝そべらせてきた。

巨乳というほどではないが確かな量感のある乳房が左右から顔を包み込む。

胸の間からは甘みの濃いフェロモンが香り、意識を少しずつ陶酔させていく。

獲物をしっかりと押さえ込み、確実に仕留めるための体位だ。


 油断せず、手遅れとなる前に拘束の準備を進めた。


「くひっ♡♡♡」


「むぐっ♡♡♡」


 体格差を活かし、下ではやや長い往復の抽送が再開される。

一度すっきりして冷静さを取り戻したからか、チンポを前立腺に強く当てた精度が高い動きで先ほどよりもかなり好い。

しかも粘っこい精液は滑りと共に腸壁への圧迫を増し、鳴る水音も処女が聞くだけで顔を赤らめそうなほど下品で卑猥になっていた。

濡れた肌同士がぶつかるぱちゅぱちゅとした音も、体臭に重なってくる甘臭い匂いもいやらしい。


「んぁぁっ♡♡♡」


 織り交ぜられるナカを掻き回すみたいな円運動で、腸壁に白濁が塗り込まれていく。

即効性があるのか肉体は次第に疼き、より強い快楽が欲しくなってくる。

小さな肉体が勝手に自らを引き締め、総身で肉棒に抱き着く。

カラダは相当欲望に正直だった。


「んひぃっ♡♡♡う゛っ♡♡♡」


 持ち主の狐が呻く中、何かを掴むかのように硬く握られ、時折開かれると中央には大粒の汗を滲ませている青白い手指。

細っこいそれは、上に乗る女の腰つきに合わせて地面をのたうつ。

度々空へ向かって持ち上がりかけるが、結局はへなへなと落ちていく。


 下方ではこれまた頼りない脚部がバタ足を繰り返し、膝を立てたりM字に開いたり、火照った肌と相まっていやらしく揺れていた。

遂には豊満でぷるぷると肉を揺らす女の美脚に絡め取られ、先端を動かすだけとなる。


 そのまま女の媚臀は、弾みながら地面へ穴を穿つように打ち付けられ続けていく。

体重の乗ったピストンは、劣情や支配欲だけでなく怒りも感じられた。


 抵抗を許さない体格差に任せた強引で激しい一方的なレイプだ。


「ふぁっ♡♡♡んんんっ♡♡♡お゛ふっ♡♡♡」


 だが女体に覆い隠された太白は、高く艶のある声で気持ちよさそうな甘い喘ぎを周囲に響かせていた。

手も再度上から拘束され直すと、快楽を逃がす方法が口からしかない。


「んむぅっ♡♡♡っ♡♡♡ぐっ♡♡♡」


 しかしそれも双丘の谷間によって塞がれてしまう。

喉奥は、くぐもった声を鳴らすだけになる。

彼は徐々に、ペースを亜人に握られ返していた。


 もう間もなく適切な加減の捕縛術を練り上げることが出来るが、強烈な多幸感がそれを押し流そうとしてくる。


「んぅ゛っ♡♡♡ぉ゛っ♡♡♡」


 どすどすと杭を打つような、入れられる側の事を全く考えない「使う」ピストンが続くが、激しすぎる摩擦でも丈夫な神の肉体は痛み一つ感じなかった。

ナカで空気と混ざった精液は、肛門から溢れ出す時品の無い破裂音を鳴らす。

野外であるのに広がる湿っぽく淀んだ性臭が、乳汗の濃く芳醇な香りと折り重なって頭や全身を焼いてくる。

さらに突進の衝撃はひどく敏感な肉体を揺らし、むず痒い官能で苛んだ。


「フーッ♡♡♡フーッ♡♡♡」


 興奮しきったけだものの息遣いが聞こえる。

最早腸内は彼女の体液によって泥沼のようにぬかるみ、腸肉も同様に蕩けていた。

豊満な肢体は、下敷きになっている小さな身体を上から圧し潰さんばかりにより強く密着してくる。


「はぅっ……♡♡♡」


 すると白衣越しに捏ねられ始める健気に勃起した美少年の乳頭。

乗ってくる腹は脂肪で側面を、筋肉で先端を包み込み、上下や時折左右にずりずり動く

穢れを知らない蕾は、少しずつ淫靡な熱を帯びていった。

思わず肺から淡い空気が漏れ出し、うっとりとまぶたが重たくなってしまう。

アナルの刺激と呼応し、互いの心地好さを何倍にも引き上げた。


「くひひっ♡♡♡」


「んぁぁぁぁ……♡♡♡」


 それがばれてしまったようで、猫女は体重を猶更にかける。

当然胸元だけでなく、他の部位にも柔らかくハリがあって触れ合うだけで気持ちのいい女体を味わわされていく。


 何より特徴的なのは下半身だ。

たっぷりと付いた媚肉は華奢な脚を捕え、いやらしい牢獄の中に幽閉する。

湿り気を帯びた肌が、擦れる度離れたくないとばかりに肌へ吸い付いて愛おし気に愛撫していく。

しかも脂肪には弾力があり、むにむにと心地よく押し返してきた。


「んう゛っ♡♡♡」


 そして前立腺も上から押されてチンポときつく挟まれる。

感度の高い性感帯で味わう強烈な硬さと凹凸で四肢が暴れ始めた。

圧倒的な全身への快楽責めによって、急激に絶頂へと昇らされていく。


「っいぃ♡♡♡♡―――♡♡♡♡」


 背筋が激しく仰け反ろうとするが、すけべな肉体によって阻止される。

逃がせなくなった法悦は体内を反響して、意志をどろどろのじゅくじゅくに蝕む。

喘ぎ声はめちゃくちゃで、恐怖の叫びじみていた。


「ふっ♡♡♡んっ♡♡♡」


 著しく引き締まるアクメアナルは、肉棒が前後しながら堪能している。

腰使いは貪欲であり、絡め取られた腸壁がカリや亀頭を扱くのに使われた。

よっぽど気持ちいいのか、時間が経つごとにびくつきは増えていく。


「んふぅっ♡♡♡んふぅっ♡♡♡っ♡♡♡」


 太白の感覚が戻ってくると、亜人はすぐ察知して動作を再びイかせるためのものに変化させる。

複雑に混じり合った性のひどい香りを嗅がせ、男のGスポットを剛直で虐め、肉体をなすり付けて淫乱さを開花させつつある乳突起と愛し合う。

全く交尾相手へ有無を言わせない支配的な責めだった。

降りて行こうとする快感が強制的に上向き、高く高く押し上げられていく。

思考する隙すら奪われる。


「くぁぁっ♡♡♡♡ッは♡♡♡♡」


 再度甘やかな感覚が精神と肉体を浸し、どこかへ流していった。

やけに鼓動が大きく聞こえ、その度しあわせになる。

溺れさせられてしまいそうだ。


「ふぅっ♡♡♡ふぅっ♡♡♡」


 そんな中で猫女は段々と一心不乱な呼吸をしている。

全身にかけられている体重は少し緩み、代わりにチンポがきっかけを得ようと熱心に動く。

先端を狭いナカで磨き、引っかける。

そうしていると、怒りや焦りでペースを乱していたためか、早くも彼女の吐息は切なげに変化していった。

乗っている女体が大きく痙攣し、太魔羅も身勝手に暴れまわる。


「ふーっ……♡♡♡♡あぁ……♡♡♡♡」


 三発目の白濁が押し寄せてきた。

記憶通りであれば全く一発目と二発目から勢いも量も、粘り気も濃さ熱さも衰えていない。

確実にメスを孕ませるための、強く優れたオスがする中出しだ。

あまりにも熱烈すぎて、絶頂から戻り始めた太白に妊娠してしまうのではないかと思わせるほど。

徐々に脱力していく亜人は異様なまでに、それこそ自分も体験してみたいと考えてしまうくらい心地よさそうだった。





 チンポの快楽に蕩けている猫女は、驚くほど隙だらけだ。

開いていれば意志を感じられる目は閉じ、肉体は脱力して寝そべり肩をせわしなく上下させている。


 ここだ、と太白は思った。


 ぎりぎりでどうにか練りあげることが出来ていた捕縛の術を行使し、彼女の手首足首を捕える。


「っ!フーッ!」


 気づいた時にはもう遅い。

神性を操作し、大の字に四肢を広げさせた。

ようやく、立場が完全に逆転する。


「っぁ……♡♡♡」


 挿入されていた肉棒を自ら抜いていく。

結合部からは大量の精液が掻き出され、破裂音を鳴らす。

性感は甘くて、せっかくならこのまま自慰をしてしまえ、と心の弱い部分が囁いた。


「くぁぁ……♡♡♡」


 中央の太い箇所が肛門を拡げながら通り、亀頭は括約筋に引っ掛かってしばらく苛む。


「んはぁっ♡♡♡はぁっ♡♡♡はぁっ♡♡♡」


 力を籠めると、なんとか全てを引き出すことが出来た。

一度寝そべり、身体中に迸るむず痒い多幸感を追い出していく。


「っ♡♡♡まったく……♡♡」


 悪態をつきながら立ち上がる。

白衣はぐっしょりと様々な体液で濡れ、袴も同様でさらに引き裂かれた布がだらりと垂れ下がっていた。


「むぅ……」


「―――!!っ!!!」


 お気に入りを無残な姿にした亜人を、地面と垂直に浮かせて睨みつける。

彼女もこちらを睨み返し叫び声を上げてどうにか逃れようとしているが、単純な力だけで拘束を外すことは出来ない。


 どう捕えておくかを思案する。

適度に痛めつけて無罪放免、というわけには行かないだろう。

また襲いに来るどころか、村人に危害を加える可能性すらある。


 かといってやはり殺してしまうのは忍びない。

せっかく甚助と静が婚姻の契りを結んだ良い日に、血を見るのは嫌だった。


「うむ」


 やがて神社に新しく空間を作り、閉じ込めておく案を思いつく。

これならば、自分の目が届く場所に置いておける。


「む……」


 早速神社へと歩き出すと、身体がやけに重たい。

集中を乱されながら捕縛術を練り上げたせいだろうか。

一通り後処理を終えたら今日は暫く休憩することに決める。


「う……♡♡♡」


 そうして進んでいると、先ほどたっぷりと中出しされた精液が垂れてきた。

尻から粘々した音が鳴り、擦れて不快な感触が伝わってくる。


 休憩する前にもう一度湯浴みをし、念入りに身を清めよう。


 そう思い、太白は住処の引き戸を開いた。




 「殺さない」という選択は、彼の心がメス快楽を求め始めている何よりの証拠だった。

彼自身気づいていないが、得体の知れない亜人の毒牙は少しずつ、だが確実に狐の神を蝕んでいく。



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