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『グレイベアさん危険です! あのダイナドッグさんの連絡が途絶えたんですよ! 敵の手に堕ちてしまったのなら罠が張られているかもしれません。もう少し状況を調べてから向かうべきです!』  ダイナドッグは、グレイベアの尊敬するバーニーズマウンテンドッグ獣人のベテランヒーローであり師匠だ。グレイベアが小さな頃からヒーローとして活動しており、その目覚ましい活躍、ヴィランと戦う姿の雄々しさ、そして市民を悪の手から救い出す際、人々を安心させる為に見せる優しい笑顔。その姿全てに憧れ、いつしかグレイベアはヒーローを目指すようになっていた。そして努力の末ヒーローとなり、憧れのダイナドッグに弟子入りしたのだ。 「師匠……」  そんなグレイベアが尊敬するダイナドッグが、近頃幅を利かせているヴィラン組織の潜入捜査に赴いてから連絡が取れなくなってしまった。  あの師匠がヴィランの手に堕ちるはずがない。グレイベアはダイナドッグに全幅の信頼を寄せていたが、胸騒ぎは収まらなかった。だからこうしてヒーロー本部の皆の制止を振り切り、一人ヴィラン組織への潜入を試みようとしているのだ。 「……しかし、どうにも張り付きすぎじゃねえか」  熊獣人であるグレイベアの身体はいつものヒーロースーツではなく、光を飲み込む漆黒の全身タイツに覆われていた。腹部には白色で178の数字が大きく描かれており、手足には銀色のグローブを嵌め、腰には銀色のベルトを巻いている。頭には額に白い豚鼻のマークが描かれたマスクを被っており、マズルを残し目元すら覆うそれを被った者は皆等しく獣人としての個性を剥奪される。  この異様な装いはヴィラン組織が従える戦闘員、雄豚戦闘員達の正装だ。組織の総統と幹部は皆豚獣人で構成されており、どうにも雄豚戦闘員という名称、タイツのデザインはそのヴィラン達の趣味のようだ。  グレイベアが着ている物は気絶させた雄豚戦闘員から奪った物だが……伸縮性に優れた素材を使っているのか、グレイベアよりも横幅のでかい戦闘員が着ていたのにも関わらず、ぴっちりとその肉体にフィットしていた。 (ヴィランの趣味はわからねぇな)  グレイベアにぴっちりと張り付く戦闘員タイツは、その鍛え上げられた腕や足の筋肉の膨らみを綺麗に浮き立たせていた。自慢の胸筋と割れた腹筋──それに留まらず、その下の股座、左曲がりの雄の象徴や尻の割れ目すらくっきりと浮かび上がらせている。これではタイツを着ている意味は薄く、この姿で外を出歩けばただの変質者だ。  趣味の悪い衣装だとグレイベアは思うが、潜入捜査をする為にはこれを着る他ない。このタイツには座標転移機能が備わっており、このタイツを着用した者を雄豚ヴィラン組織の拠点へと転移させる事ができるのだから。 「! 来たな!」  グレイベアが意気込んでいると、黒タイツが見慣れた鈍い光を発し始めた。それは転移が始まる前兆──今このタイツは雄豚ヴィラン組織の拠点へとグレイベアを誘おうとしてるのだ。 (師匠……! 無事でいてください……!)  タイツの発光が強まる。地に着いた足が浮かび上がる感覚と共に、視界が白に染まった。 ***** 「……よし、ヒーローに捕らえられた者共も全員無事に戻ったな? おいお前、点呼を始めろ」  白んだ視界が元に戻ると、そこは天井、壁、床のどれもが黒に染まった広間の中だった。グレイベアは気を付けの姿勢で立っており、その前後左右、斜め全てに等間隔になるよう、黒のタイツに全身を包んだ獣人──雄豚戦闘員達が整列していた。 「イ゛ィーッ! 了解致しました、ワイルドピッグ様! ……ただいまより点呼を開始する! 150号!」 「イ゛ィーッ!」  ワイルドピッグと呼ばれた軍服姿の豚獣人に指名された戦闘員が、列から外れると前に立ち大きな声で点呼を始めた。番号を呼ばれた戦闘員達は素早く敬礼を行い、独特な奇声を上げて答える。この奇声は雄豚戦闘員達の掛け声のようなもので、幹部からの命令に答える時や人々を襲う際、ヒーローから攻撃を受けた時に上げる呻き声でも同じ声を上げるのだ。 (俺の番号は178……怪しまれないよう振る舞わねえと……)  『フリ』とは言え、悪の手先の衣装に身を包みながら敬礼を行うのは屈辱であったが、四の五の言ってはいられない。あの師匠であるベテランヒーロー、ダイナドッグも正義の為だとこの趣味の悪い衣装を纏い雄豚戦闘員として振る舞ったはずなのだ。弟子である自分もできなくてどうする、とグレイベアは屈辱と羞恥心を押し殺した。 「176号!」 「イ゛ィーッ!」 「177号!」 「イ゛ィーッ!」 「178号!」  戦闘員達の奇声が響く中、とうとうグレイベアの番号が呼ばれる。少し顔が熱くなるのを感じながら、両足を揃えて左手を腰に付け、右手の指を揃え額の前へと持っていく。 「っ、イーッ!」  グレイベアの掛け声が広間に響く。おかしな所は無かっただろうかと一瞬の不安に駆られるが、何事も無く次の番号が呼ばれ点呼は続いていった。 (どうやら怪しまれてはいないみてえだな)  グレイべアは気を付けの姿勢をとりほっと一息着くと、この広間の違和感に気が付いた。顔が熱いのは屈辱と羞恥心から来るものだと思っていたが、それだけではないらしい。どうにもこの広間自体の気温が高いようだ。気温だけでなく湿度もだろうか。  マズルから汗が滴り落ちるのを自覚すると共に、グレイベアは一つの結論に思い至った。恐らくこれは戦闘員達の発する熱気が広間に充満しているせいであろう。このヴィラン組織の率いる戦闘員達は何故か、種族違わずその殆どが豚のように肥えた肥満体型なのだ。稀に普通体型の戦闘員もいる為、この筋肉質な身体でも怪しまれることはないと思うのだが……。 (しかしすげぇ熱気だ。汗の臭いも……早く師匠を見つけ出さなけりゃ、どうにかなっちまいそうだな)  師匠の、ダイナドッグの発見を急ぐに越したことはない。見つかり捕らえられているのだろうか。それとも、未だに雄豚戦闘員に扮し潜入捜査を続けているのか。  ダイナドッグの姿を脳裏に思い浮かべる。まだグレイベアが幼い頃、筋骨隆々で格好良いと憧れていたバーニーズマウンテンドッグ獣人の姿。今では歳のせいで腹や二の腕にも肉が付いてしまい、中年の親父のような体型にはなってしまったが、身長も高く、肥満体の戦闘員の中に混じっていればすぐに気付くことができるだろう。 「……全員揃っているな。イ゛ィーッ! ワイルドピッグ様! 点呼終了致しました!」 「よしよし。これにて任務完了とする! 次の任務に備え休息をとることを許そう。解散!」 「「「イ゛ィーッ!!!」」」 「っ! イーッ!」  ワイルドピッグの声に答え、周りの戦闘員達が敬礼をしたのを見て慌ててグレイベアも敬礼する。ワイルドピッグが背を向けて去り、正面の壁に設置された扉を開けて姿が見えなくなるまで、戦闘員達は敬礼を維持し続けていた。  扉が閉じる音と共に戦闘員達は敬礼を崩し、言葉を発する事無く後ろの扉に向かって歩き出す。どうすれば良いかわからなかったが、グレイベアも周りに合わせ扉に向かって歩き始めた。 (こいつら、拠点でもこんな風にヴィランの言いなりになってるのか。あんなヴィランにヘコヘコして辛くねえのか? いや、そんな事を考えてる場合じゃねえな。早く師匠を探さねえ、と……?)  扉を潜った先は一本道の通路だった。そして前を歩く戦闘員達の姿を見たグレイベアは訝しげに声を上げてしまう。 「師匠……?」  声を上げてからハッと口を噤む。 (何を言ってんだ俺は、あれが師匠な訳が……)  そう言いながらも、再び戦闘員達に混じる背の高く横幅の大きい戦闘員を注視する。  黒いマスクの左右にはみ出るバーニーズマウンテンドッグ獣人特有の長い耳。少し色褪せた茶色の被毛に覆われたそれは、確かにダイナドッグの特徴に見えた。こうして見ると、身長も同じに見える。  しかしその戦闘員の横幅が記憶に残るダイナドッグの物より太い。背中は広く、両腕や両足も丸太のように膨らんでいる。注目すべきはその腹部だ。後ろから見ても横腹に付いた肉が曲線を描いているのがよく分かる。尻も大きくドッシリとしており、他の戦闘員達と遜色のない相撲取りのような体型をしていた。 「!」  バーニーズマウンテンドッグ獣人の戦闘員が廊下の壁に取り付けられた扉を開け中に入っていく。扉の横には171、172、173……と180まで連番になるように十つの数字が刻まれていた。  戦闘員に割り当てられた部屋なのだろうか。グレイベアの番号は178。自身の番号も割り当てられている為、真実を確かめるべくその戦闘員の後を続いた。 「む?」  部屋の中に入ると、大柄なバーニーズマウンテンドッグ獣人の戦闘員がこちらを振り返ってきた。そして少し驚いたように口を開いた後、確かにこう言った。 「お前は……まさか、グレイベアか?」  貫禄を感じさせる雄々しい低音。グレイベアの身体はその声を聞くと、条件反射的に安心感を覚えてしまう。そんな聞き慣れた声を耳にして疑惑は確信に変わった。この腹に176の数字が描かれた肥満体の戦闘員は確かに己の師匠、ダイナドッグなのだと。 「師匠!? よくご無事で──いや、しかしその姿は──」 「馬鹿者!」  突然の叱責にグレイベアの動きが止まってしまう。 「お前はいつも思い立ったらすぐ行動に移してしまう。大方私の事が心配で、本部の皆の静止を振り切って来たんだろう……! もし私が敵の手に堕ちていたとして、罠が仕掛けられている可能性は疑わなかったのか?」 「それは、そうですが……」 「通信機は妨害電波のせいで使えなくなっていただけで、私は一人で捜査を続行していたのだ。もしお前が来たことで、ここにヒーローが紛れ込んでいることがバレれば……」  連絡が途絶えたのは妨害電波のせいで、ダイナドッグは単身で潜入捜査を続けていた。それがわかった瞬間、グレイベアは己の先走った行動を恥じた。  やはり、流石は憧れのヒーローであるダイナドッグだ。もっと彼を信じるべきだった、と反省すると、ダイナドッグは怒りの表情から変わり、口の端を緩めて笑った。 「……なんてな」 「え?」 「お前の軽率な行動には叱ってやらねばならんが……私を心配してわざわざここまで来てくれたのだろう?」 「そ、そうですが、すみません。俺は師匠のことを何も」 「良いんだ。見事に組織の目を欺いて潜入し、私の所へたどり着いてくれた。よく出来た可愛い弟子じゃないか、わはは」  ポンポンと頭を撫でられ、グレイベアの顔が熱くなるのがわかる。憧れの師匠に褒められ悪い気はしないのだが、グレイベアは三十を越えてもう良い歳だ。新人時代のままいつまでも子供扱いするのはやめてほしいと言っているのだが……ダイナドッグはそれをやめようとはしなかった。 (変わっていない。姿は変わっても師匠はあの頃のままだ) 「さて、それでは可愛い弟子の為に師匠である私が色々と教えてやらねばならんな」  頭を撫でるのを止めたダイナドッグは、その大きな手を腰に付けグレイベアを見下ろす。 「この組織の事ですか?」 「そうだ。潜入を続け色々な情報を手にすることができたからな」  元々の潜入捜査の目的は、神出鬼没で所在不明なヴィラン組織の大元を叩く為の情報集めだ。あのダイナドッグの事だ、効率よく多くの情報を集めているのだろう、と期待すると共にグレイベアの頭の中にはまだ少しの疑惑があった。  腰に手を当て胸を張るダイナドッグの姿。タイツを押し上げる張りのある胸。それは胸筋と言うよりも、肥満体型のせいで胸が出てしまった中年男性のそれに近い。上に肉が付いていたせいで分かり辛かったが、うっすらと見えていたはずの腹筋も完全に無くなっており、風船のように膨らんだ腹に以前のような誰からも好かれる格好良さはない。貫禄は増したように思えるのだが……。 「……」  ヒーロースーツ越しでは見たことの無い、ダイナドッグの右曲がりの雄の象徴までくっきりと浮かび上がらせるこの黒タイツで肉体の偽装は不可能だろう。この変わり果てた肉体について説明はあるのだろうか、と思考を巡らせていると、ダイナドッグが口を開いた。 「そろそろこの部屋に雄豚戦闘員達が戻ってくる。怪しまれないようまずは組織での雄豚戦闘員の振る舞いを教えてやらねばな」  ニヤリ、とダイナドッグが意味深な笑みを浮かべた気がしたが、それを注視する前に腕をぐいっと引っ張られ隣に並ばされてしまう。扉が開く音がすると共に、ダイナドッグは素早く姿勢を正し、聞き慣れた低音のまま、耳馴染みのない奇声を発した。 「イ゛ィーッ!」 「っ、イーッ!」  ダイナドッグに合わせてグレイベアも素早く敬礼する。入ってきたのは腹に172と描かれた戦闘員。戦闘員はこちらの敬礼を見ると同じように敬礼と「イ゛ィーッ!」という奇声で答えた。 「幹部様への挨拶や受け答えだけではなく、こうして戦闘員同士の挨拶にも敬礼とこの掛け声は使われる。怪しまれたくなければこの敬礼と掛け声は欠かさないことだ」  小さな声でグレイベアにだけ聞こえるようダイナドッグは語りかける。 「幹部様、ですか?」 「潜入捜査を完璧に行うためには完全に戦闘員に成り切らねばならん。普段から戦闘員としての振る舞いをしていなければ、いざと言う時にボロが出るぞ」 「……! わかりました」 「わはは、わかれば宜しい」  ポンポンとダイナドッグに肩を叩かれると、嫌でも安心してしまう。それ程までのヒーローとしての実力と人柄がこの獣人にはあるのだ。  その後も何人か戦闘員が部屋に入って来て、その度に掛け声と敬礼で答えた。未だにグレイベアは羞恥が混ざってしまうというのに、ダイナドッグの敬礼と掛け声の上げ方は他の雄豚戦闘員となんら変わりない程に完璧だった。言われなければ彼が正義の使者、それもベテランのヒーローであるなど誰も思わないだろう。  そうこうしている内に、扉の横に書いてある番号の戦闘員全員が揃った。すると、戦闘員達が万年床のように敷かれている敷布団に横になっていく。 「私達も次の任務に備えて休息しなければならんからな。横になるぞ」 「は、はい」  小声で話しかけられ、床に寝そべり始めるダイナドッグに習ってグレイベアも横になる。 「……あちぃ」  元々部屋も広くなく、横幅の広い戦闘員達で埋まっているため熱気が凄まじくむさ苦しい。背中や頭や足元に、肉厚な雄の気配を感じるのはどちらかと言えば良い気分ではない。  そんな状況の中、目の前に雄豚戦闘員の正装に身を包んだ憧れの師匠がいるというのは妙な感じだ。 「先程教えられなかった雄豚戦闘員としての振る舞いも教えてやらねばならんな」 「まだ何か──」  そこまで喋りかけたところで、グレイベアの口が止まる。否、止めさせられたのだ。目を丸くするグレイベアの口元──そこをダイナドッグの黒マスクから露出したマズルが塞いでいた。 「むぐッ! ……ッ」  突然の事に驚き硬直していたグレイベアであったが、我に返りすぐさまダイナドッグを引き離そうとする。しかし、その豊満で鍛え上げられた肉体はビクともしない。 「ちゅ……んっ、ふっ」 「んぐ! ん゛ん゛ん゛ッ、ぷはっ!」  しばらくしてようやくダイナドッグの口付けから解放される。ダイナドッグは憧れの師匠ではあるが、生憎グレイベアは彼にそれ以上の感情など──それも決して性的な感情など持ち合わせてはいない。  突然の接吻に動揺を隠せずにいると、ダイナドッグが小さな声で語り出す。 「私も潜入してから気付いたのだが……この雄豚戦闘員スウツには射精管理機能が備わっていてな。一度着てからこの拠点に来てしまえば自分の意思で射精することができなくなってしまうのだ」  ダイナドッグは続ける。 「一度管理されてしまえばこのスウツはもう自らの意思で脱ぐ事もできなくなる。そして、射精を管理され続けた雄豚戦闘員は解消できない性欲で常に発情状態にある。だからこうして戦闘員同士でまぐわいその欲求を少しでも満たそうとするのだ」 「なっ!? そんな機能が……! いえ、だからと言って俺達までする必要は……!」 「周りを見ろ」  気が付けば、周りの戦闘員達も悩まし気な声を上げながら四肢を絡み合わせていた。ぴちゃぴちゃと粘ついた水音が鳴り響き、部屋の熱気が徐々に増していく。 「私達も同様にしなければ疑われてしまうからな……仕方あるまい♡ グレイベア、舌を出せ♡」 「ししょ、んむッ」  グレイベアの開いた口に問答無用でダイナドッグが口付けをしてくる。そして、その奥の分厚い舌を無理やり押し込んできた。 「フッ♡ フッ♡」 「ぐ、む……ッ」  肉厚な両腕が背中に回されしっかりとホールドされる。グレイベアを求め愛するかのように、肉々しい太腿を擦り付け足を絡めてくる。  口が再び離れ、唾液の橋がグレイベアとダイナドッグの間に出来上がる。男同士のキスなど不快なはずだというのに、それ程嫌悪感を覚えていないことにグレイベアは気付いた。室内に充満する熱気と雄の匂いに頭がクラクラする。  ぼうっとダイナドッグを見つめていると、垂れていたグレイベアの舌に目掛けてダイナドッグが舌を伸ばす。ピト♡ と分厚い舌同士が触れ合うと、ソフトクリームを舐めて味わうかのようにぺろぺろと舌先で擦り合わせる。 「グレイベア、こうしてお前とキスをするのは初めてだな♡ ハッ♡ それも当然か♡ こんな状況でなければ男同士でキスをする機会などないのだから♡」  ゴツゴツと硬いモノがグレイベアの太腿に当たる。見ると、黒タイツに覆われながらもしっかりと勃起したダイナドッグのちんぽがグレイベアの太腿に擦り付けられていた。足を絡ませながらも、浅ましく腰を前後に動かしている。 「師匠……ッ、んっ、それでもここまでなりきる必要はないんじゃないですか、はぁッ」 「何を言っている♡ 組織はこの溜まった性欲を利用して戦闘員に忠誠を誓わせる♡ だから雄豚戦闘員は常に発情していなければならないのだ♡ こうして男同士でまぐわう様を見せてやらねばすぐにヒーローだとバレてしまうぞ♡」  ダイナドッグはそう熱弁しながらグレイベアの舌を吸う。しかし、グレイベアにはそれがとても演技のようには見えなかった。自らの意思で弟子との接吻を楽しんでいるようにしか……。 「ふうっ♡ ふッ♡」 「ししょ、……ッ♡」  しかし、少しずつであったが、グレイベアの気分も段々と乗ってくる。目の前にいる師匠に対し、憧れと信頼だけではなく愛しさも感じ始めていることに気付く。あんなに頼れる師匠であるはずなのに、今は自分を求めて舌を絡めてくる。その気持ちに応えたくてたまらない。 「ちゅっ♡ んッ♡」 「んぐっ♡ ん゛ッ♡」  男で興奮したことなどないグレイベアのちんぽが、少しだけ硬さを宿しダイナドッグのちんぽに触れる。「はあ゛ぁ……♡」と悩まし気な息を吐いたダイナドッグは一瞬だけ身体を震わせたあと、より強くグレイベアに身体を押し付け口吸いを激しくする。  他の雄豚戦闘員と同様に肥満化したダイナドッグの肉体。その雄の臭いにグレイベアの興奮が高まっていく。 「イグ……♡ イ゛……ッ♡ イ゛っ♡」  ダイナドッグの舌の動きが一瞬止まる。カクカクと浅ましく動いていた腰の動きも止まり、ブルルッ♡ と身体全体を激しく痙攣させたかと思うと、黒タイツに覆われたちんぽから透明な液体をぴゅっ♡ ぴゅっ♡ と吐き出した。  恐らく絶頂に達したのだろう。しかし、ダイナドッグの言っていた通り、射精はできないようになっているのかビクビクと震えるちんぽの鈴口からは、粘ついた白濁液が出ることはなかった。 「グレイベアッ♡ グレイベアッ♡」  たまらなくなってしまったのか、切なげに己の名前を呼びながら伸ばされる師匠の舌に、グレイベアも舌を伸ばして応える。  結局グレイベアは絶頂に達することは無かった。しかし組織から任務が下ることもなく、グレイベアは朝を迎えるまで、ダイナドッグとの淫靡な夜を過ごしたのだった。 ***** 「組織は戦闘員の健康……特に食事を重要視している。朝昼晩の三食、専用の機械で作られる飯はヒーローである私も舌鼓を打つ程だ。腹が減っては戦もできんからな。しっかりと食べて英気を養うんだぞ」 「……わかりました」  翌朝、ダイナドッグに案内されて組織の食堂に案内されたグレイベアは、この場所についての説明を受けていた。 「よし、それでは食うとしよう」 「……」  カウンターで担当らしき戦闘員に食事を受け取ったグレイベアとダイナドッグは、フードコートのように沢山に配置されたテーブルと椅子から一つ選んで向かい合うように座っていた。目の前にあるのは炒飯と水のみ。しかし大皿に盛り付けられた量は凄まじく、これだけで米三合分はありそうだ。 「んぐ、んぐ……」  ダイナドッグを見ると、銀色のグローブを嵌めた大きな手でスプーンを取り、グレイベアに盛り付けられた物の二倍以上はあるであろう炒飯を黙々と食べ始めていた。 (まさか、これを食って師匠はこんな体型になったんじゃねえだろうな)  戦闘員全員が何ともなさそうに食べているところを見れば毒が入っている訳では無いのだろう。だからといって、悪の組織が提供するような物を胃袋に入れる事には抵抗がある。 「……仕方ねえ」  小さくそう呟くと、スプーンで掬って口に運ぶ。食べなければ怪しまれるのは確かだ。それにダイナドッグの言う通り、腹が減っては戦もできない。常に万全の状態を保つことはヒーローとして大事なことなのだ。 「んぐ!?」  口の中に入れた瞬間、グレイベアを襲った感情は──。 「……美味い」  グレイベアの記憶にある限り、こんなに美味な炒飯を食べた事はなかった。先程までの抵抗が嘘のように、次々とスプーンで掬い口の中に運んでしまう。昨晩の事など色々とダイナドッグに聞きたいことは沢山あったが、一度炒飯を口にしてからは言葉を発することなく、米三合分はあるであろう量を最後まで食べ切ってしまった。 ***** 「完璧な戦闘員として振る舞う為には幹部様へのご奉仕は欠かせん。私が幹部役をやろう。お前は戦闘員として私に奉仕するのだ」 「わかりました……はぁっ♡」  潜入捜査を始めて一週間が経った。やはりヒーロー本部との連絡は繋がらないが、多くの組織の情報を得ることができた。あとは外に出ることができれば良いのだが、基本的に雄豚戦闘員の仕事は拠点内での掃除や雑務、幹部への奉仕がほとんどで外での任務は極めて稀らしい。  外に出ることが可能になるまでは怪しまれないよう、今日もこうしてダイナドッグに戦闘員としての振る舞いを教えこまれているのだった。 「最初はヴィランなどに、同性である私達が奉仕するなど屈辱的かもしれん。しかしこれも正義の為なのだ♡ しっかりと舌を使って奉仕するように♡」 「はいっ♡ ちゅっ♡ れろっ♡」  キャンディーアイスをしゃぶるかのように、腹肉に半分程埋もれたダイナドッグの剛直を舌で舐めとり口に含む。先走りの味に最初は慣れなかったが、雄豚戦闘員として活動を続ける内にすっかりと美味に感じるようになってしまった。  徐々に雄豚戦闘員の価値観に染まっていっている自分に焦りを覚えていたが、グレイベアの悩みはそれだけではなかった。 「ハッ♡ じゅるっ♡ じゅっ♡」  ヒーローとして鍛え上げてきた自慢の身体が、雄豚戦闘員として生活を続ける内に太り始めてきたのだ。  両腕と両足は明らかに太くなり、顔も少し丸くなった。綺麗に割れていた腹筋も、今ではうっすらとしか割れておらず、腹の肉を摘むこともできる。胸も心無しか以前より出てきた。全く運動をしていないわけではないのだが、みるみる内に身体が大きくなってまったのだ。  原因はやはり、組織から提供されるあの食事だろう。しかし他の戦闘員達が見ている手前残すことはできない。そして、一度口にしてしまえばあっという間に平らげてしまうのだ。 「それでは幹部様を満足させることは出来んぞ! もっと舌を使え!」 「わ、かりました♡」 「違う! 返事で使うのはYESを意味する雄豚戦闘員の掛け声のみだ!」 「ッ、イ゛ィーッ!♡」  ダイナドッグの声にすぐにグレイベアは現実に引き戻された。今は奉仕の練習に集中しなければと、焦りながらも必死に舌を動かし始める。 「戦闘員は幹部様にオナホとして使われることもあるからな。尻も使えるようにならねばならん。心配するな。経験がない者でもすぐに使えるよう、この雄豚戦闘員のタイツが開発をスムーズに行ってくれる。私に尻を向けろ」 「わ、かりました♡」  仰向けになったグレイベアは尻をダイナドッグの方へと向けると、足の下に腕を通すようにして尻たぶを掴み左右に広げる。  雄豚戦闘員のタイツの機能は高性能で、尻の穴の中にまで侵入し、まるで皮膚と同化しているかのようだ。 「挿入れるぞ、178号♡」 「イ゛ィッ♡」  ダイナドッグが両手でグレイベアの両足を掴む。尻穴に亀頭の先端を押し当てられる感覚に身悶えする。  グレイベアの足を掴む手の力が強まると共に、ダイナドッグは腰を突き出した。 「ぬ、お゛ぉお゛……♡」 「イぎッ♡ ぐ、お゛♡ お……ッ♡♡」  己の中にダイナドッグの剛直が侵入してくる感覚。開発など一度もしたことがないというのに、グレイベアの尻穴は軽々とダイナドッグのちんぽを飲み込んでいく。 「ご、お゛ッ♡ お゛ぉお゛ッ!?♡」  バチュン♡ という下品な音と共に、ダイナドッグの股座が自身の尻に密着するのが分かった。自分の中で憧れの師の雄竿が脈打ちながら前立腺を突き上げてくるという感じたことのない快感に、グレイベアは背を仰け反らせて痙攣してしまう。 「素晴らしい締め付けだ♡ これなら幹部様もヒーローなどとは疑わずお前を戦闘員オナホとして使ってくださるだろう♡」 「お、ぐッ♡ ししょう♡ ぎづ♡ ぐ、ごお゛お゛ぉ……♡」 「師匠ではない! ここでの私は雄豚戦闘員176号だ♡ 今は幹部役をやっているからな、176号様と呼ぶように♡」  ヒーローらしからぬ厭らしい笑みを浮かべながら、ダイナドッグは腰を振り始める。パンッ♡ パンッ♡ と玉袋が尻に叩き付けられる音が鳴り響き、その度にグレイベアは濁った喘ぎ声を上げる。 「ッ♡ 176号様のちんぽがッ♡ ケツん中ゴリゴリしてっ♡ イグッ♡ イギそうでずッ♡♡」 「そうだ♡ 射精はできないが絶頂に達することはできるからな。その際は必ず幹部様のちんぽで自身が絶頂することを報告するのだ♡」 「わがッ♡ わがりまじだッ♡ イギュッ♡ イぎまずッ♡ 176号様のちんぽに突がれでイぎまずぅッ♡」 「私も、イクぞッ♡ お゛ッ♡ お゛〜〜ッ♡」  ダイナドッグが限界まで腰を押しつけながら、肥満化したその全体重をグレイベアに預ける。前立腺を突かれながらプレスされたグレイベアは、両手をダイナドッグの両手に絡ませながら声にならない声を上げる。 「お゛ッ♡ お゛ぉお゛ッ♡ お゛へっ♡ へッ♡」  互いの腹の間に挟まれたグレイベアのちんぽが虚しく脈打ちぴゅっ♡ ぴゅっ♡ と透明な我慢汁を飛ばす。初めてのメスイキの快楽に、グレイベアの意識はほとんど飛びかけてしまっていた。 「ふうっ♡ ふうっ♡ よくイったな178号♡ 戦闘員に相応しい身体になりつつあるではないか。ご褒美に師匠の私からキスをしてやろう♡」  荒い呼吸をするグレイベアの口に、ダイナドッグの分厚い舌が差し込まれる。己を雌として征服した師の、雄の舌に対し、グレイベアは息絶え絶えになりながらも嬉々として舌を絡め返すのだった。 *****  あれから数日が経った。ヒーロー本部との連絡はとれず、向こうからの接触もない。潜入捜査を続ける内に、グレイベアの肉体は筋骨隆々の逞しい物からダイナドッグと同様、どっしりとした肥満体型に変わり果ててしまっていた。  顔は丸くなり、顎に肉が付いてしまったせいで首がほとんど見えなくなっている。  筋肉ではなく脂肪で胸が張り、腹筋の割れ目は消え腹はまん丸と膨らんでしまっていた。デカ尻と大きな腹を支える両足も両腕同様に肉付き太くなっており、前のグレイベアを知っている者が今の姿を見ても同一人物だとは思わないだろう。  伸縮自在な黒タイツはそんな変わり果ててしまったグレイベアの肉体も隅々までぴっちりと覆っている。黒のマスク、銀色のグローブとブーツを身につけ、腹の下に埋もれる銀色のベルトを巻いた肥満体型の熊獣人の姿は、他の雄豚戦闘員達の物と何ら変わりなかった。 「貴様等を呼んだのは他でもない。射精許可を下してやる為だ」  広間に呼び出され整列した171から180号の雄豚戦闘員達に対し、軍服を着た豚獣人のヴィラン、ワイルドピッグはそう告げる。 「雄豚戦闘員へと生まれ変わる前の自分の名と職業を言え。かつての自分を捨て雄豚戦闘員として我らに尽くす奴隷となることを今ここで再び宣誓するのだ」 「「「イ゛ィーッ!!」」」 「勿論姿勢も大事だぞ? 無抵抗の証として両手を頭の後ろに持っていき、性欲に負けた無様な雄豚だと示すため両足を開き腰を振りながら宣誓するのだ。全員、腰振り開始!」 「「「イ゛ィーッ♡♡」」」  幹部の命令に戦闘員は逆らえない。どれだけ間抜けな行動だとしても、他の戦闘員と一緒になって雄豚戦闘員176号と178号──ダイナドッグとグレイベアは掛け声を上げ、ガニ股になって腰を振り始める。  重量の上がった上半身を支えるため、太ももがむっちりと膨れ上がる。息を荒くしながらも、腹肉に半分程埋もれた己の愚息を快楽の為に突き出していく。 「まずは171号、貴様からだ!」 「イ゛ィーッ♡ 自分は警察官をやっていた猪山武《いのやまたける》と申しますッ♡ 独身を貫き仕事一筋、警部にまで出世しましたがその地位を全て捨て、組織の総統様、幹部様の奴隷である雄豚戦闘員として尽くすことをここに誓いますッ♡」 「嘘偽りはないな。いいだろう、イけ」 「イ゛ィーッ♡ お慈悲を頂き感謝致しますッ♡ 総統閣下、万歳ッ♡ ワイルドピッグ様、万歳イイィッ♡ イ゛ィーッ♡♡」  ガニ股で情けなくヘコヘコと腰を動かしていた猪獣人の戦闘員は、奇声を上げるとその突き出した太々しいちんぽから精液を吐き出した。  立派な牙の間から垂れた舌からはポタポタと涎が垂れており、マスクをとれば情けなく破顔しているであろうと容易に想像できる。 「ハッ♡ ハッ♡」 「ふうっ♡ ふっ♡」  グレイベアもダイナドッグも、幹部の命令通り頭の後ろに手を回してガニ股になりながら腰を振って自分の番を待つ。正義のヒーローらしからぬ醜態ではあったが、これも正義の為なのだとグレイベアは自分に言い聞かせ玉袋を揺らしながらちんぽを突き出していく。 「総統閣下、万歳ッ♡ ワイルドピッグ様、万歳ッ♡ イ゛ィーッ♡♡」  順々に宣誓が行われ、射精許可が下されていく。とうとう175号の宣誓が終わり、次はダイナドッグの番になった。 「イ゛ィーッ♡ 私は……ッ♡」  戦闘員たるもの幹部の命令に逆らう事も、その慈悲を無下にする訳にもいかない。しかしダイナドッグは正義のヒーローだ。正直に答えてしまえばこの潜入捜査は失敗に終わってしまう。  少しの間を空けた後、ダイナドッグはおずおずと口を開いた。 「私は、会社勤めをしていました犬山一雄《いぬやまかずお》と申しますッ♡ 社会の為に貢献してきましたが本日からは……ッ♡」 「違うな」  ワイルドピッグの言葉にグレイベアの心臓が大きく脈打つ。ダイナドッグも驚いたのか、言葉の途中で口を動かすのを止めてしまった。 「雄豚戦闘員が幹部に、組織に嘘を吐くことは許されん事だ。仕置がほしいのか?」 「い、イ゛ィーッ! 決してそんな事は……!」 「ならば本当の事を言え」  ワイルドピッグがダイナドッグの目の前に立ち、その三白眼で威圧する。 (組織は戦闘員の嘘を見破ることができるのか? しかし本当の事を話しちまえば……♡)  本当の事を話してしまえば、捕虜となり完全な雄豚戦闘員となるようたっぷり調教を受けてしまう事だろう。しかし、それを想像したグレイベアが抱いた感情は、恐怖ではなく興奮だった。 (ち、違う……♡ 駄目だ、俺達はヒーローだ♡ 雄豚戦闘員なんかじゃねえ♡ 師匠もきっと、何とかしてこの場を乗り切ってくれるはず……♡) 「射精がしたくないのか?」 「ぐお゛ぉッ♡」  ワイルドピッグがダイナドッグの乳首を摘む。芋虫のように太い指が乳首の上を動き、ダイナドッグを快楽へと誘う。 「声や見た目の雰囲気から見ていい歳だろう。だのにこんなにも情けなく勃起しおって。ビンビンじゃないか、ん?」  右手でダイナドッグの乳首を弄びながら、左手では水平よりも上に向いたちんぽを掴んでシコシコと前後に擦る。堪らなくなったダイナドッグは「お゛ほッ♡ お゛ぉお゛♡」と無様な喘ぎ声を晒しガクガクと腰を震わせる。 「貴様らは底辺の奴隷だがワシ達にはそれを管理する責任がある。素性をしっかりと確認し、こうやってガス抜きをさせてより組織に、ワシに貢献して貰わねばならん……さあ、射精がしたくないのか?」  腰を振り続ける雄豚戦闘員達の汗の匂いが広間に充満していく。射精を終えたちんぽから漂う栗の花の蜜の匂いが、ダイナドッグの思考を桃色に染めていく。待ちに待った射精許可のチャンスが、目の前に転がっている。そして隣には、その快楽を享受した仲間達が幸せそうに立っているのだ。  熱を少しでも吐き出すために、舌を垂らしながら荒く息を吐きだす。空気を取り込むためにフンッ♡ フンッ♡ と鼻を鳴らして息を吸い、雄豚戦闘員の雄臭を、目の前のワイルドピッグの体臭を体内に取り込んでいく。必死に自制するダイナドッグとは裏腹に、ワイルドピッグは余裕そうに笑みを浮かべながらダイナドッグの剛直を扱き続けていた。 「ぬ、お゛ぉッ♡ 私はッ♡ 私は……ッ♡」  ダイナドッグはこの環境下で確かに歪められ、雄豚戦闘員の価値観に染まりかけていた。しかし、その低く勇ましい声には確かに正義のヒーローの面影があった。グレイベアの憧れの師である、ベテランヒーローダイナドッグ。彼なら、こんな目先の性欲に負けて裏切ったりなどしないとグレイベアは信じていた。しかし。 「お゛ッ♡ し、たい……ッ♡ 射精したいッ♡」  ビクッ♡ と一際大きく腰が震え、ちんぽがワイルドピッグの手の中で脈打った。 「どんな風にだ?」 「い゛、イ゛ィッ♡ ワイルドピッグ様に、組織に忠誠を誓いながらヘコヘコと浅ましく空気オナホで射精したいでありますっ♡」  それはベテランのヒーロー、憧れの師であるダイナドッグが快楽に堕ちた瞬間であった。辛抱たまらないと腰を前に突き出し、自らワイルドピッグの手をオナホ代わりにしてちんぽを出し入れしていく。  数々のヴィランを討ち倒した逞しい両腕は頭の後ろに。射精の事だけしか考えられず、ただ快楽を貪る様は常に発情を続ける雄豚戦闘員の物となんら変わりがなかった。 「ならば言え、貴様とは何だ?」  ワイルドピッグが手を離し、ダイナドッグのちんぽがブルンッ♡ と上下に跳ねた。 「皆……すまん、私は……ッ♡」  簡素な謝罪を呟いてダイナドッグは息を吸いこむ。間抜けなガニ股姿のまま、性欲に支配されるままに腰を振るダイナドッグは厭らしく口の端を吊り上げ、大きな声で宣誓した。 「イ゛ィーッ♡ 私はヒーローダイナドッグ、犬山一雄《いぬやまかずお》と申しますッ♡ 正義の為己を研鑽し、数々の悪を討ち倒して参りましたッ♡ しかしその地位を全て捨て、組織の総統様、幹部様の奴隷である雄豚戦闘員として尽くすことをここに誓いますッ♡」 「嘘偽りはないな。いいだろう、イけ」 「イ゛ィーッ♡ 憎きヒーローである私にまでもお慈悲を頂き感謝致しますッ♡ 総統閣下、万歳ッ♡ ワイルドピッグ様、万歳ィッ♡ イ゛ィーッ♡♡」  ヘコヘコと情けなく腰を動かしていたダイナドッグは、奇声を上げると同時にその突き出した雄の象徴からドプッ♡ ドプッ♡ と大量の精液を吐き出した。手を頭の後ろに回し、ガニ股になってへり下りながら射精する様に雄としての、ヒーローとしての尊厳など一切存在しない。鼻の下を伸ばしながら舌を垂らし、気持ち良さそうに射精の快楽に浸っている。 「イ゛ッ♡ イ゛ィーッ♡ イ゛ッ♡」  鈴口から精液が噴き出る度に太ましい身体を震わせて口から雄豚戦闘員の奇声を漏らす。数々のヴィランを倒し、人々を救ってきた肉体は、今ではただ雄豚戦闘員としての快楽を享受するための肉の塊に成り下がってしまった。  長い射精が終わる。ダイナドッグは余韻に浸りながら、口をおの字に開き腰を弱弱しく前後に動かす。腹の肉に半分ほど埋もれたちんぽは今尚硬く水平に伸びており、その先端からぼってりとした白濁液をぶら下げていた。 「まさかヒーローだったとはな。しかし、これで貴様も立派な我が組織の手先だ。この後たっぷりと使いながらここで集めた情報、ヒーロー本部の情報を教えてもらうからな? 楽しみにしておけ」 「は、へ……♡ イ゛ィー……ッ♡」  ヒーロー本部を裏切るに等しいワイルドピッグの命令に対し、ダイナドッグはちんぽをピクッ♡ と持ち上げ戦闘員の掛け声で答えた。もう憧れのヒーロー、ダイナドッグはここにはいない。いるのは快楽に堕ち、悪の手先となったバーニーズマウンテンドッグ獣人の雄豚戦闘員だけなのだ。 (そんな、師匠……)  ダイナドッグの醜態を目にしたグレイベアは絶望する。希望を奪われ、残されたのは腰振りによって与えられる快楽と射精がしたいという欲求のみ。 (……ああ♡ 俺も、俺も射精してえ♡ 師匠みてえに、あんな気持ち良さそうにちんぽから精液を……♡)  残された快楽と欲求が、頭の中を妄想で埋め尽くしていく。ダイナドッグが敵の手に堕ちたのなら、グレイベアの存在もすぐに判明してしまうだろう。そうなれば潜入捜査を続けることなど不可能だ。 「次はお前だ」  ワイルドピッグがグレイベアの目の前に立つ。  ニヤリ、とグレイベアは口の端を吊り上げた。  潜入捜査を続けるのは不可能。ならばそこには躊躇いなどなく、グレイベアは腰を振りながら大きな声で宣誓する。 「イ゛ィーッ♡ 私はヒーローグレイベア、熊田堂吾《くまだどうご》と申しますッ♡ 師匠と共に潜入捜査を行っておりましたが、雄豚戦闘員としての快楽の前に完全敗北致しましたッ♡ ヒーローとしての地位を全て捨て、組織の総統様、幹部様の奴隷である雄豚戦闘員として尽くすことをここに誓いますッ♡」 「ほう……嘘偽りはないな、いいだろう、イけ」 「イ゛ィーッ♡ ご慈悲を頂き感謝致しますッ♡ 総統閣下、万歳ッ♡ ワイルドピッグ様、万歳ィッ♡ イ゛ィーッ♡♡」  黒の全身タイツに身を包み、手を頭の後ろに回したガニ股姿という無様な格好のまま、とうとうグレイベアは数週間ぶりの吐精をした。  雄豚戦闘員として潜入してから溜め続けた精液の量は凄まじく、鈴口から真上に噴き出した精液は白色のアーチを作り出した。  これまで経験してきたどの射精よりも、ダイナドッグとのどのまぐわいにも勝る快楽。こんな素晴らしい快楽を与えてくれる組織には一生をかけて尽くさねばならないと、グレイベアの脳は瞬時に理解させられてしまう。再びこの快楽を得るために、馬車馬のように組織の為、幹部様の為に働かねばならないのだと。 「お゛ッ♡ お゛~~~ッ♡ お゛ッ♡」  びゅっ♡ びゅっ♡ びゅっ♡ と断続的に精液が噴き出す。間抜けだとわかっていても、空気オナホに対して変態腰振りするのが気持ち良くて止められない。無様な醜態をワイルドピッグに晒すことが幸せでたまらないのだ。 「がはは! 予想外の収穫だな♡」  ワイルドピッグが愉快そうに笑う。自身の新たな主となったワイルドピッグが喜ぶのを見て、射精を終えたグレイベアが感じるのはただ幸福だけだ。 「丁度良い、この後師弟仲良くワシが使ってやろう♡ いいな?」  ワイルドピッグの言葉に、ダイナドッグとグレイベア──否、雄豚戦闘員176号と178号はこれからの奉仕を夢想し、息のあった掛け声で答えた。 「「イ゛ィーッ!!♡♡」」  醜く肥え太ったその肉体も、快楽に堕ち悪に染まった心も元に戻ることはないだろう。  こうして、二人のベテランヒーローは悪のヴィラン組織の手先、雄豚戦闘員へとその身を堕としたのだった。

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Anonymous

潜入捜査で戦闘員に擬態するうちに快楽に染まり、腰ヘコ敗北射精する師弟ヒーローが何から何までエッチでした……!

omo

ありがとうございます~!! シチュエーションは所々リクエストされた内容なんですが楽しんでいただけたら良かったです……!!潜入捜査物好き

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師匠がちゃんと潜入捜査してて、最後の最後ももうちょっとでバレずに乗り切れそうな所まで行けてたのいいですね... 既に潜入してるベテランヒーローが雄豚戦闘員としての振る舞いが完全に板についてしまってる感じもとても好きです.... バレないために真面目に戦闘員としての生活を送り続け、そのせいで身も心もどっぷり嵌まって最後には抗いきれず堕ちてしまうの最高でした! 素敵な潜入調査ものでした、ありがとうございます....!

omo

ありがとうございます〜! 師匠ヒーローが既に完全に堕ちてしまっているか染まってはいるけどちゃんと潜入捜査は続けているかで迷っていたんですが満足して頂けたなら良かったです……! やっぱり潜入捜査物は良いですね

Anonymous

師弟二人共に堕したのは幸せと思います

omo

師弟洗脳好きです これからは仲良く同じ立場で悪の手先として働くんでしょうね……