元ヒーローのセントバーナード司令官が洗脳され下級戦闘員に堕ちる話 (Pixiv Fanbox)
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前回【https://omo.fanbox.cc/posts/3837515】
「ポイントAにて異能力反応! データに登録されている異能力のパターンと一致します! 二日前逃亡したヴィランの物です!」
ヒーロー本部の作戦司令室。壁面に数多のモニターが張り巡らされたこの部屋で、オペレーターらしき猫獣人が声を上げた。それを受け、部屋の中心に立つ制服姿のセントバーナード獣人は、耳に装着されたイヤホン型マイクに向かって語り掛ける。
「ヴィランが同時に二体か……! ブラウンベア、聞こえているな!」
『うむ、聞こえておるぞ!』
「ポイントAからはお前が一番近い! レッドボアとの合流は止め、直ちにポイントAへと向かいヴィランを鎮圧しろ!」
『了解した!』
「猫坂、ブラウンベアの端末にヴィランのデータを送ってくれ!」
「了解しました!」
制服姿のセントバーナードの獣人──ヒーロー本部の現司令官であるバーナード司令は、オペレーターの猫獣人に指示を出すと再びイヤホン型のマイクに手をかけた。
「ホワイトタイガー、レッドボア、聞いているな!」
『おう!』
『聞いている!』
「ヴィランの反応は二つ。新たに更新した避難経路を端末に表示させる! ポイントAとポイントCのヴィランはそれぞれブラウンベア、レッドボアが担当し、ホワイトタイガーは一般市民の避難を優先! 誰一人怪我をさせるな!』
『『了解!』』
「司令! ポイントCにレッドボアが到着します!」
「わかった! 今からレッドボアを俺の異能力でサポートする。その間のブラウンベアとホワイトタイガーへの状況報告は、猫坂、一時キミに一任する。頼めるな?」
「了解しました!」
バーナード司令の指示に猫獣人の青年──猫坂は威勢良く返事をするとモニターに向き直る。それを確認したバーナードも傍にあった椅子に腰かけると、その三白眼で前を見据え、異能力の発動を試みる。
「……よし」
バーナード司令の持つ異能力は目に見えない力を操る念力のような物だ。念力は自身の周囲だけではなく、目の届く範囲なら遠くの物体も動かす事ができる。浮かせたり、押し潰したり、叩いて破壊するなどのシンプルな用途が基本形だが、波状に放出した念力をソナーとして使うといった応用も可能だ。
「……」
目を瞑り、“出撃前のレッドボアに渡した念力”に意識を集中させる。すると、遥か遠くの前線に立つレッドボアを起点として、バーナードのソナーが展開した。
目に見えない力を操るため、本人以外異能力の発動を認知することはできないが、ソナーによってレッドボア周囲の状況は確かにバーナードの脳へ伝達される。
「ソナーで得た情報を伝える。未確認のヴィランの反応は無し。敵は報告通り一人。付近にまだ逃げ遅れた市民がいる。お前から見て1時方向のビルの3階、8時方向の建物の中だ。」
『確認した』
「ヴィランは前方100m先、ホワイトタイガーと同じ氷を操る能力だ。発現したての割に出力が大きい。相性は良いが決して油断するな!」
『了解した!』
レッドボアがそう答え、炎の噴出を利用して倒壊した家屋を飛び越えると100m先に氷を操る熊のヴィランを目視した。それと同時に、ブラウンベアもポイントAへと到着したのだった。
──この日、二人のヴィランがヒーロー達によって捕らえられ、街の平和は保たれた。ヴィランの数、被害の規模に反して負傷者はなんと0人。ヒーローと職員達を含めたヒーロー本部の快挙と言えるだろう。
*****
「お疲れ様です、バーナード司令官」
「うむ、キミこそご苦労。素晴らしいサポートだった」
事態が収拾し一息つくと、オペレーターの猫獣人、猫坂が労いの言葉をバーナードへと掛ける。椅子に座っていたバーナードは猫坂の方へと身体を向けると同じように労いの言葉を掛けた。
「ありがとうございます。お疲れのようですがこの後のご予定は……」
「そうだな……研究班から洗脳装置の解析の進捗を聞かねばならない。しかしもう良い時間だ、キミは先に帰りなさい」
「……かしこまりました。お先に失礼致します」
「うむ、夜道に気をつけてな」
頭を下げ司令室から出るオペレーターの猫獣人を見送ると、ふう、と息を吐いて眉間を指で抑える。ここ最近のバーナード司令は働き詰めであった。
最強のヒーローの一角、レッドボアが一年間失踪していたことでヴィランの出現が増えた現状に、最近台頭してきた”組織”の存在。そしてレッドボア失踪の原因がその“組織”にあり、彼ほどのヒーローが洗脳されその力を悪に利用されていたというのは由々しき事態であった。レッドボアが洗脳から脱し正義の心を取り戻したのは喜ばしい事だが、事態の根本的な解決には至っていない。それがバーナード司令の悩みの種であり、ここ数日のヴィランの出現頻度も相まって休める暇を与えなかったのだ。
「いかんな……」
閉じていた目を開き、ネクタイを締め直すと重い腰を上げる。自分達の力で平和を築くのだと誓い合った四人。ブラウンベアにシルバーベア。そしてレッドボアも、ただ一人組織の洗脳に打ち勝ちヒーローとして戻ってきてくれた。
(戦闘能力で劣り、司令として務めると誓った自分がこの程度の雑務をこなせずにどうする)
バーナード司令は自身を奮い立たせると、足早に作戦司令室の外へと出た。
ゴツ、ゴツ、ゴツ、と。バーナードが歩く度にその全体重が乗った革靴が鈍い音を立て、通路に響き渡る。
バーナード司令。ヒーロー本部を立ち上げる前は最強に名を連ねるヒーロー、ブラックドッグとして活躍していた。レッドボア、シルバーベア、ブラウンベアに並ぶ古株であり、負けず劣らずの実力の持ち主だと周りからは言われている。しかし、当の本人はそれを過大評価だと思っている。だからこそヒーロー本部を立ち上げる際、役職上戦闘から離れる事の多い司令官に自ら立候補したのだ。
「司令! お疲れ様です!」
「うむ、お疲れ様」
すれ違う緊張した様子の新人ヒーローにできるだけ朗らかになるよう挨拶を返すと、速度を緩めず研究室へと向かっていく。朗らかになるように、と言っても周りからは依然厳つい表情に見えるらしいのだが。
バーナード司令はセントバーナードという種族も相まってレッドボア、ホワイトタイガーに負けず劣らずの強面であった。レッドボア以上に生真面目だと自覚している性格。老年に差し掛かる年齢に司令官という立場。歳で脂肪が付き、腹も丸くなってしまったがその内側に秘めている筋肉は衰えておらず、高い身長も合わせて、その巨体から発される貫禄と圧に怯まない新人ヒーローはいない。
勿論怖がらせる気は毛頭ないのだが、トップに立つ司令官であるならば立場という物も示さなければならない。厳しさと優しさどちらを優先するべきか。それもそれもバーナード司令の小さな悩みの種の一つであった。
ゴツ、ゴツ、ゴツ。と革靴の音を立てながら歩みを進め続けていると目的地である研究室の前へと到着する。二回ノックするとゴホン、と咳ばらいをし自動扉のスイッチを押した。
「失礼する」
中に入り、まず最初に目に映ったのは壁面に取り付けられた多数のモニターだった。次に机や椅子、用途の分からない様々な機材が目に入る。おそらく全て研究に使う物なのだろう。
研究室の中にいる人物は一人だけのようで、ソファの上に白衣姿の眼鏡をかけた豚獣人が腰掛けていた。
「これはバーナード司令。お疲れ様です」
「豚科‘’ブタシナ”か、キミも御苦労。それで、解析の方はどうなっている?」
豚科、と呼ばれた眼鏡に白衣姿の豚獣人は立ち上がってバーナード司令を出迎えた。しかしその身なりは整っているとは言い難く、無精髭を蓄えた顎、ヨレヨレの白衣にシャツがズボンからはみ出していたりと、かなりだらしない恰好をしている。
ヒーロー本部は制服こそ存在するが、身だしなみに厳しい規則はない。正義の心を持つ者は多く、それだけ様々な個性を持った獣人が集まる為だ。目に余れば注意こそするが、制服を着崩すヒーローも少なくない。一方でバーナード司令は制服にもスラックスにも皺一つ付けず、ボタンも全て留め常にネクタイをしっかりと締めている。体型のせいで首回りも少し苦しいが、きちんとした身だしなみを続けるよう心がけていた。
「解析はほぼ完璧です。ここに実物を再現した装置もございます」
豚科が見やった方向には金属製の黒色の椅子が置かれていた。背中からは何本かアームが伸びており、その一つにモニターのような物が取り付けられている。
「……こんなもので獣人が、ヒーローが悪の手先に早変わりとはな……科学技術というものは恐ろしい物だ。しかし、再現と言っていたが安全な代物なのか?」
「ええ、データは完璧に再現しましたが、現在のこの椅子自体に洗脳機能はありません。あとはこれと解析データをベースに洗脳解除装置を作っていけば、下級戦闘員へと洗脳された者達も元に戻せるようになるでしょう」
「そうか……よくやった。キミの働きに感謝する」
「正義の為なら当然でございます」
豚科が微笑むと、ふう、とバーナード司令は一息ついた。事態が好転した事がわかって少し緊張が抜けたのだろう。たまった疲れがどっと押し寄せてくる。
(いかんいかん、せめて部下の前では弱った所を見せないようにしなければ)
己を奮い立たせ、今後について豚科に聞こうとすると後ろの自動扉が開いた。
「失礼する」
「レッドボア、お前も来ていたのか」
自動扉の先から現れたのはバーナード司令に負けず劣らずの巨体を持ったフレイムヒーロー、レッドボアであった。色褪せた茶色の被毛に覆われ、赤を基調としたヒーロースーツに身を包んだ猪獣人のヒーローは、背中の炎を揺らしながらバーナード司令に歩み寄った。巨体の獣人が二人並ぶことで、本来なら肥満体で大きな身体と評されるであろう豚科が相対的に小さく見えてしまう。
最強に名を連ねるヒーローが二人。もし普通のヴィランがこの光景を見れば冷や汗を掻くどころでは済まないだろう。
「うむ、豚科殿に用があったのでな。バーナードは洗脳装置の件で来たのか?」
「ああ。解析は順調のようだ。お前もヒーローとして活動しながら力を貸してくれていたのだろう。感謝する」
バーナード司令が礼を言うと、レッドボアは後ろめたそうに目を逸らし、豚科へと目を向ける。
「いや、感謝などせんでいい。ワシは手も足も出ず組織に洗脳され、その状況を豚科殿に伝えただけだからな。この装置も全ては豚科殿の力あってこその代物だ」
レッドボアが豚科を見つめながらそう言葉を吐く。その様子にバーナード司令は少しの違和感を覚えた。
「いえ、レッドボアさんの働きも十分役に立っていますよ」
「う、む。それならば嬉しい限りだ」
豚科の言葉にレッドボアはどこか言葉を詰まらせた様子で返答する。
(……?)
どこか、レッドボアが豚科を見つめる眼差しに畏敬の念のような物が混じっているような気がした。豚科は研究班の長であり、レッドボアの後遺症の治療も行っている。レッドボアの豚科への恩は計り知れないものがあるだろう。それにしても、その瞳に必要以上の妄信の光が宿っているような。
言葉を発さなくなったバーナード司令に気付いたのか、豚科が話題を転換するかのように口を開いた。
「それでレッドボアさん。用事とは?」
「む……。そ、そうだったな。後遺症のせいか、今日も少し身体を動かしていて違和感があったのだ。いつものように診てはくれないだろうか」
「いいですよ。宜しければ、バーナード司令官のお身体も診て差し上げましょうか? とてもお疲れのようですし」
「……気付かれていたか」
図星を突かれたバーナード司令は額を抑えため息を吐いた。それ程分かりやすく疲れが出ていたのだろうか。専門家である豚科だけでなく、司令室で共にしていた部下達にも見抜かれていたのかもしれない。
そんな風に体調管理のできない自らの不甲斐なさを嘆いていると、レッドボアからも声が掛かった。
「お前も働き詰めだろう。豚科殿の腕は確かだ。ワシからも診てもらうことを勧めよう」
「……ふむ、そうだな」
顎に手を当て考え込む。
バーナード司令は先程のレッドボアの様子に妙な引っ掛かりを感じていた。自身も疑り深いのは悪い癖だと反省しているのだが、その役職上中々直せずにいるのだ。
「……いや、今回は遠慮しておこう。また今度頼んでもいいかね?」
しばらく思案した結果、バーナード司令は豚科の提案を断った。
と言っても、今回は疑う材料も少なくバーナード司令の感じていた”レッドボアの洗脳は解けていないのかもしれない”という予感は全く確信に至る程の物ではなかった。
本人からすればただの考えすぎで、断る理由はなんとなく気が進まないから程度のものだったのだろう。
「勿論です」
豚科は視線をバーナード司令の隣、レッドボアへと移す。それは一見特になんでもない行動のように見えた。しかしその中に何か合図のようなものが含まれていると、積み重ねてきた経験則が叫んでいた。
「──ッ!」
レッドボアがバーナード司令の脇に腕を回す。瞬間、バーナード司令は素早く異能力を発動した。
レッドボアがバーナード司令を後ろから羽交い締めにするのと、豚科が吹き飛び壁に叩きつけられるのは同時だった。
ミシミシ、と音を立て重力がまるで壁向きにかかっているかのように白衣ごと豚科が壁に押し付けられる。
「レッドボア! 豚科! 何のつもりだ!」
突然始まった仲間同士の戦闘にバーナード司令は怒号を放つ。しかしその声色に反して、頭の中は極めて冷静であった。
(レッドボアは冗談でこんな悪趣味な事をするやつではない! 洗脳は解けていなかったのか? それとも、豚科の手で再び洗脳されてしまったのか?)
一瞬でこの現状を説明できる仮説を導き出すも、状況が好転するわけではない。絶望的なのは、異能力を行使しようとも、炎の噴出でパワーを上げたレッドボアの拘束から逃れられないことであった。
「そ、のまま抑え続けろ、レッドボア」
豚科が白衣の袖から取り出したスイッチを押すと壁面に取り付けられたモニター全てが眩い光を発する。それと共に耳に届くのは不快な音。
(これはまさか……レッドボアの報告にあった……!)
目を閉じ光を視界に入れないようにしようとしても、瞼から貫通する光が、音がバーナード司令の脳を支配し目を開けていってしまう。
徐々に身体の力が抜けていき、レッドボアの身体に体重を預けてしまう。同時に壁に押し付けられていた豚科の身体はゆっくりと落ち、足から床に着いた。
「ぐ、う……」
「よくやった、レッドボア。いや、下級戦闘員105号」
「イ゛ィーッ! ありがたきお言葉!」
「そのままバーナードを洗脳装置に座らせろ」
「イ゛ィーッ!」
聞きなれた低い声音が聞きなれない言葉と奇声を発し、バーナード司令を例の洗脳装置の元へと運ぶ。アームの付いた黒色の椅子。ただの見た目の再現と言っていたが、この状況から完全な本物なのだろうとバーナード司令は推察する。
「レッドボア、目を覚ませ……」
自らを運び椅子へと腰掛けさせるレッドボアに声を掛けるがレッドボアは答えない。目を細め、頬を紅潮させ鼻息荒くしながらバーナード司令を椅子へと拘束していく。
「レッドボア……ッ!」
「無駄だ。既にそいつは我らの忠実な下僕、下級戦闘員105号へと生まれ変わったのだ。私が許可しよう。バーナードに自分の本当の姿を見せてやれ」
「……ッ♡ イ゛ィーッ! 了解致しました、サイエンピッグ様!」
バーナード司令の手足を拘束し終えたレッドボアはその場で敬礼すると、聞いたことのない名前で豚科を呼んだ。サイエンピッグ。それがおそらく豚科の正体。ヒーロー本部の研究班班長は仮の姿で、本来は組織に属する――しかも下級戦闘員を束ねるような立場にある人物なのだろう。
「す、すまない……バーナード♡ ワシは、ワシは……♡」
ハッ♡ ハッ♡ と息を荒げながら謝罪を意味する言葉をバーナード司令へと投げ掛けるが、濁ったその瞳からは罪悪感を微塵も感じ取れない。
しかし、少しの躊躇はあったのだろうか。両端に立派な牙を携えた口を真一文字に閉じたまま、暫く黙り込んだ。そして、覚悟が決まったのかのようにゴクリと息を飲み込むと、レッドボアは姿勢を正し口を開いた。
「変身解除!」
そう口に出すとレッドボアのヒーロー端末が開き、ボンッ♡ という間抜けな音と共にレッドボアが煙に包まれる。
「馬鹿な……」
煙が晴れていく。そこにあるのはフレイムヒーロー、レッドボアの勇ましい姿ではなかった。そこにいたのは、組織の奴隷、下級戦闘員の証である全身タイツ、グローブ、ブーツに身を包み、個性を塗りつぶすマスクで顔を覆われた猪獣人の姿。
「イ゛ィーッ! ワシはもうフレイムヒーロー、レッドボアなどではない! 再び洗脳され生まれ変わった今のワシの名は下級戦闘員105号! 総統閣下に永遠の忠誠を誓い、組織を統べる総統閣下並びに幹部様方に所有される奴隷なのだッ♡ イ゛ィーッ!♡」
敬礼しながら旧友の声でそう宣誓する下級戦闘員の姿を見て、バーナード司令は絶望の底に叩き落とされる。悪夢のような光景であったが、確かにこれは現実なのだ。
「と、いうわけだ。わかってもらえたかな?」
「ぐ……ッ! 貴様ッ! よくもレッドボアを、俺の大切な仲間をこんな目に合わせたなッ!」
不敵に笑うサイエンピッグに対し、バーナード司令は噛みつきそうな勢いだ。
しかし異能力もまともに使えなくなり拘束されたヒーローなど一般人も当然。ヒーロー本部のトップ、如何に巨体で強面のバーナード司令であっても今のサイエンピッグに対抗できる術はなかった。敬礼を続けるレッドボア──下級戦闘員105号を一瞥すると余裕そうに口を開ける。
「こんな目に、と言っているが本人はこんなにも幸せそうだが?」
「世迷言を! 貴様らが卑劣な手段で洗脳し、価値観を歪めているだけだろう!」
「……卑劣な手段か。105号、勃起を許可する」
「……ッ♡ イ゛ィーッ!♡」
サイエンピッグの言葉にレッドボアがビクッ♡ と身体を震わせたかと思うと、股間のタイツが持ち上がっていく。
「う゛ォ……♡ お゛♡ はひっ、イ゛ーッ♡ サイエンピッグ様! 下級戦闘員めに勃起許可を下さり感謝致しますッ♡♡」
そう声を上げるレッドボアの愚息は極限にまで反り勃っていた。特殊な素材で作られたタイツが、亀頭から雁首、包皮の境目までをくっきりと浮かび上がらせている。そのせいで無様にも、最強のヒーローでありながら仮性包茎であることをサイエンピッグだけではなくバーナード司令にも知らしめてしまっていた
「バーナード司令の拘束に成功した大手柄だからな。どうだ、嬉しいか?」
「イ゛ィーッ♡ 勃起を許されワシの戦闘員ちんぽも汁を垂らしながら喜びで震えておりますッ♡♡」
「私の命令に従えて幸せか?」
「はひっ♡ イ゛ィーッ♡ 幸せでございますッ♡ 下級戦闘員に洗脳していただきありがとうございますッ♡♡」
ハッ♡ ハッ♡ と鼻水を垂らしながらヒクヒクとちんぽを上下に動かし感謝の意を伝えるレッドボア。勿論かつての同志、元ブラックドッグが目の前で拘束されているのにも関わらず、敬礼のポーズを崩そうともしない。
「確かにこの通り最強のヒーローの面影などない」
「ウオ゛ォ……ッ♡♡」
そう言いながら、サイエンピッグはおもむろにレッドボアのちんぽを掴んだ。
「この太さだけが取り柄の情けない皮被りちんぽも自分の意思で射精は愚か、扱くことも勃起することも許されない」
「はへっ♡ はっ♡」
ビクッ♡ ビクッ♡ と雄の射精本能で腰を震わせているが、情けなくヘコヘコと前後に動かすことはしない。おそらく言葉通り自らの意思で快楽を得ることを禁じられているのだろう。
「しかしそうして我ら組織に仕えることができるのは名誉あることなのだ。それが心の底から幸せだと思えるのなら、我々の洗脳は素晴らしい行いだと言えるだろう?」
「下衆め……ッ! そんなはずがないだろう! それ以上俺の仲間を侮辱したら許さんぞ!」
「ククク、そう熱くなるな、貴様もすぐに私達の組織の奴隷となる喜びを知ることができるだろう」
「誰が貴様らの奴隷になぞなるか!」
バーナード司令がどれだけ激昂し吠えようとサイエンピッグはどこ吹く風だ。余裕そうに笑みを浮かべながらレッドボアに指示を出す。
「105号、洗脳装置の操作方法は前に教えた通りだ。かつての仲間をその手で洗脳しろ」
「イ゛ィーッ! かしこまりました、サイエンピッグ様!」
敬礼したレッドボアは洗脳装置の操作盤らしき物の前へ駆け足で移動すると、その黒いグローブに覆われた手ですぐさま操作を始める。
「バーナード、すまない……サイエンピッグ様の、サイエンピッグ様のご命令なのだ……♡」
バーナード司令の目の前にアームが伸び、モニターに映像が表示される。映し出されるのはかつての友をこのような存在へと貶めた、組織を統べる総統の姿。
「レッドボア、目を覚ませ! 俺達四人で悪を討ち、平和な世界を築き上げると誓っただろう! お前はこんな洗脳に屈するタマではないはずだ!」
一縷の望みに賭け、レッドボアへ語りかけながら異能力を発動しての脱出を試みる。しかし発せされる光と音の効果からなのか、まともな出力を出すことができない。
『組織に従え。組織に永遠の忠誠を』
「ぐ、う……!」
低い男の声がモニターなら流れ出す。報告書通りなら、これも総統の声なのだろう。脳を無理やり弄られているからなのか、突如バーナード司令の頭を激しい痛みが襲う。
『組織に従え。組織に永遠の忠誠を』
光から目を背けようとしても、レッドボアの報告通り光に向かって視線が吸い込まれてしまい背けることができない。
(何か、できることは……! そうだ……!)
歯を食いしばり洗脳に耐えながら対抗策を探すと、一つの案が思い浮かぶ。拘束を解けるほどの出力は出せないだろうが、念力を使って少しでも視界に届く光と音を歪ませ、洗脳効果を和らげることができないだろうかと。
念力の特性は他者から視認できないこと。ならば多少は無理をしても気付かれないだろうと、持てる全力をもってモニターが放つ光に、音に向かって異能力を発動する。
「ぐ……ッ!!」
『組織に従え。組織に永遠の忠誠を』
総統の声が繰り返し頭の中に響く。脂汗が額から垂れる。
勿論念力をそんな用途で使ったことなどない。ぶっつけ本番で効果が出ているかもわからないが、今は全力を出すしかない。
『組織に従え。組織に永遠の忠誠を』
「こんな、こんな洗脳などという下劣な手段に、負ける訳には……!」
異能力と鋼の精神でもって洗脳に抗おうとする。
しかし、どれだけ抵抗しようといつか限界はおとずれる。
顔を強張らせ眉間に寄っていた皺が徐々になくなっていく。見る者を威圧する三白眼の目尻が垂れていく。食いしばっていた歯は離れ、口が半開きになっていく。
「組織に……俺は……従ったりなど……」
気が付けばバーナード司令の雄の象徴がスラックスを押し上げ苦しそうに存在を主張していた。頭痛が止み、モニターから放たれる光が心地良い物へと変わっていっていることに気付く。憎むべき宿敵であるはずの総統の声を聞くとちんぽが跳ねる。総統に命令され、それを達成しようと駆け出す下級戦闘員の映像を見ると下着が先走りで濡れる。
「随分苦しそうじゃないか。105号、バーナードの逸物を解放してやれ」
「イ゛ィーッ!」
「や、めろ……」
バーナード司令の言葉の抵抗も虚しく、レッドボアはしゃがみ込みスラックスのベルトを外す。チャックを下ろして中から現れたのは飾り気のない紺色のボクサーパンツ。ビクビクと震えながら膨張したちんぽはボクサーパンツを持ち上げ、スリットの間から皮被りの亀頭を覗かせていた。
「ほう、司令官ともあろうものが仮性包茎とはな。最強のヒーロー同士、未来の組織の奴隷同士お揃いではないか。良かったな?」
「だ、まれ……ッ!」
「クク、そんな口がきけるのも今の内だ。レッドボア、貴様と同じ包茎ちんぽを楽にさせてやれ」
「イ゛ィッ!」
レッドボアがボクサーパンツをずり下ろすと、バーナード司令の太竿、そして玉袋が露になる。勃起の妨げになる下着を失ったちんぽはその先端をゆっくりと持ち上げていき、水平より少し上がった程度の角度で止まる。
「ぐふ♡ まだまだだなバーナードよ♡ ワシのちんぽを見ろ♡ 幹部様にお仕えでき常に興奮しっぱなし♡ この歳になっても元気に腹にくっついてしまっているだろう♡ それだけ下級戦闘員へと堕ちるのは素晴らしいことなのだ♡」
「レッドボア……!」
変わり果ててしまった旧友の姿に耐え切れず目を閉じようとしても、モニターから発される光がそれを許さない。そして股間から伝わる快楽が、この悪夢のような状況を現実だと思い知らせてくる。
「はあ゛ッ、ぐ、ぅ……ッ」
ただの発情によるものか、それとも洗脳への抵抗による負担か。徐々に体温が上がっていくのがわかる。身体に籠る熱を逃そうと吐息の量が増えていく。強く握られていた拳が徐々に開いていく。
ヒク♡ ヒク♡ とちんぽが震え徐々に持ち上がっていく。司令官としての業務に追われ、愚息を慰める暇などなかった。朝勃ちすらしない事も増え、とうの昔に性欲など失くなってしまった物だと思っていた。
組織の技術によってもたらされた久々の快楽は、バーナード司令の思考を鈍らせていく。
「ふ、う゛ぅ……♡ う゛……♡」
すっかり硬さを取り戻したちんぽは水平を越え、斜めになるよう勃ち上がる。射精したい。最後にそう思ったのは何年前の事だろうか。忘れていた欲求がバーナード司令の脳を支配し始める。
『組織に従え。組織に永遠の忠誠を』
「組織に……忠誠……♡」
性欲に支配され鈍った思考が洗脳を受け入れていく。組織への忠誠と現在の快楽が結び付けられていく。
念力の異能力は絶えず行使している。しかしその洗脳を完全に止める事はできない。
『組織に従え。組織に永遠の忠誠を』
「ハぁ……♡ 組織に、従う♡ 組織に、忠誠を……♡」
うわ言の様に総統の言葉を繰り返してしまう。総統の言葉を繰り返すと気持ちが良い。総統の声を聞くと気持ち良い。下級戦闘員として総統に仕える映像を見ると気持ち良い。下級戦闘員として仕えるのは気持ち良い。雄ならば誰しもが持っている欲求を利用され、洗脳が進行させられていく。
『組織に従え。組織に永遠の忠誠を』
「組織に、イ゛……♡ 永遠の忠誠を……♡」
下級戦闘員となるのは気持ち良い。気持ち良く射精がしたい。下級戦闘員として射精がしたい。
「お゛ッ♡ お゛ぉお゛……♡」
雄としての本能で腰がヘコヘコと前後に動く。ピュッ♡ ピュッ♡ と先走りが飛び、床に小さな水溜まりを点々と作り上げていく。射精と共に洗脳が深く脳に刻み込まれる事はわかっているはずだった。しかし抗えない快楽がバーナード司令を射精へと導いていく。
「イ゛、く……♡ イ゛、ぃ……♡」
玉袋が射精の為にキュウ♡ と持ち上がる。無様に宙を突くちんぽの根元から精液がせり上がるのがわかる。映像の中の下級戦闘員が、バーナード司令が褒美に総統から射精許可を下される。そして。
「イ゛ッ♡ イ゛ィ~ッ!!♡ イ゛ッ!♡ イ゛ッ!♡」
身体を震わせると、映像に合わせバーナード司令は射精した。何年間も熟成された重たく濃厚な精液が鈴口から放たれ、白いアーチを形成しながら床にボタボタと飛び散っていく。
「イぎッ♡ イ゛ィいっ♡」
ドプッ♡ ドプッ♡ ドプッ♡ と大量の子種が詰まった精液が鈴口から断続的に噴き出る。その度にちんぽが跳ね、下級戦闘員のような奇声が口から漏れ出る。
久々の──否、人生で味わってきたどの射精をも上回る快楽に、バーナード司令の頭は茹で上がり抵抗することなく洗脳を受け入れていく。
「イ゛ぃ~……♡ イ゛……♡」
『素体の射精を確認。強制睡眠開始。下級戦闘員への改造と共に洗脳最終段階への移行を開始』
射精したばかりにもかかわらず次の快楽を求めて勃起を続けるちんぽをよそに、バーナード司令はガクンと項垂れ、意識を手放してしまう。薄れゆく意識の中で垣間見たのは黒色のアームが、組織の魔の手が自身に伸びてくる光景だった。
*****
(ここは……どこだ……? 俺は何を……)
『下級戦闘員351号の意識の覚醒を確認』
(この声は……)
『快楽信号発信』
「イ゛ッ!?♡ イ゛ィーッ!♡ イ゛ィーッ!!♡」
突如稲妻に打たれたかのように全身に快楽が走り、バーナード司令の身体が跳ねる。しかし手足を拘束されているせいで快楽にもがく事すらできない。
「お゛ほ……ッ♡ お゛……♡」
強烈な快感に襲われ乳首まで勃ってしまうが、先程まで元気だったバーナードの愚息は不自然な程に平常時の大きさを維持していた。
『エラー。洗脳基準値を満たしていません。射精管理システム正常。射精による下級戦闘員スウツ洗脳機構の起動を推奨します』
「ほう?」
流れる音声の内容とサイエンピッグの声でバーナード司令は思い出す。
(そうか、洗脳装置にかけられ……そのまま……)
項垂れていたバーナードの視界が開く。まず最初映ったのは拘束されている自身の足元。履いているのは見慣れた革靴ではなく黒革のブーツ。拘束されていた手には白手袋ではなく黒革のグローブ。顔を覆う布地の感触から、下級戦闘員のマスクも被らされているのだろう。
「お、れは……♡」
数字が描かれた黒の全身タイツが、司令服を着ていた時よりも突き出た腹の曲線を綺麗に浮かび上がらせていた。そして膨らみを作る股間には施錠マークが描かれていた。おそらくあれ程の快楽でも勃起しなかったのはこれのせいだろう。バーナード司令は下級戦闘員の身体へと改造されてしまったのだ。
しかし、そんな自分の有様を見てバーナード司令を支配する感情は屈辱ではなく快感だった。組織の奴隷としての正装に身を包んだ己の身体を見て、興奮してしまっていることに気付いてしまう。
(俺は……洗脳されてしまったのか、いや、組織を敵だと考えることのできる意思がある。まだ完全には……)
手足の拘束が外される。チャンスだ、とバーナード司令は立ち上がり脱出しようとするが。
「下級戦闘員351号、敬礼!」
「イ゛ィーッ!!」
サイエンピッグの号令に身体が勝手に従い、下級戦闘員の掛け声を上げながらその場で敬礼をしてしまう。
「……お、俺は、何を」
「命令には従うようだが……司令官としての意識がまだしっかりと残っているのか? 351号、現在の状況を報告しろ」
拘束が解かれた今、バーナード司令の最優先事項は素早くこの部屋から脱出し、レッドボアと豚科が敵であると仲間達へと伝える事。それをバーナード司令自身も頭ではわかっていた。しかし、その意に反して黒の全身タイツに覆われた巨体は姿勢を正すと、威勢良く報告を行う。
「イ゛ィーッ!! サイエンピッグ様のご命令には逆らえません!! しかし、恥ずかしながら組織への反抗心は残っておりこの状況からの脱出方法を模索中でありますッ!」
「そうかそうか、健気なことだな。どうしてこうなったか身に覚えはあるか?」
「……ッ♡ イ゛ィッ!! 洗脳が不完全なのはモニターから発せられる洗脳光、洗脳音波を自分が異能力によって歪めたからだと推察します! しかし現在はスウツの影響下にあり異能力は完全に封じられております! これにより二度と洗脳を阻害することはできないかと!」
サイエンピッグに一度命令されれば、全て正直に答えてしまいスラスラと手の内を晒してしまう。
そのあまりに無抵抗な姿をヒーロー本部の同僚達が、バーナード司令を慕う部下達が見れば落胆する者も少なくないだろう。しかし、そんな情けない姿を晒しながらも、勃起を封じられたちんぽがキュンキュンと疼かせてしまう。
(これが組織の洗脳……♡ このままでは、俺は本当に戦闘員になってしまう♡ 早く、早く何とかしなければ……♡)
「ふむ、そんなことをしていたのか。特例中の特例だな。一部の異能力に対する脆弱性……改良の余地がある。下級戦闘員351号、我らの技術力の向上に協力してくれたことに感謝しよう」
「イ゛ィーッ! 勿体なきお言葉!」
「さて、貴様の処遇だが……AIの指示通り射精による洗脳機構の起動を行うとしよう。105号、もう一度旧友を貴様の新たな仲間にする手助けをしてやれ」
「イ゛ィーッ!! 了解致しました! サイエンピッグ様!」
長い間無言で待機していたレッドボアは命令を受けるとビシッ! っと敬礼し戸惑うことなくバーナード司令へと歩み寄っていく。
「351号、動くな!」
「イ゛ィッ!♡」
隙を見て逃げようとすれど、サイエンピッグに一度命令されればその場で敬礼し身動きができなくなってしまう。不完全な洗脳で精神こそ堕ちていないが、バーナード司令の身体は既にサイエンピッグの所有物となっていた。
「勃起も許可する。正義の司令官としての最後の射精を楽しむんだな」
サイエンピッグの言葉を受け股間の錠前の形が開錠された物へと変わる。ヒーローとしての一大危機に直面しているはずなのに、バーナード司令の意思に反してちんぽは硬さを取り戻し、ムクムクと膨れ上がっていく。
「すまんなバーナード♡ いや、下級戦闘員351号♡ サイエンピッグ様直々のご命令なのだ♡ お前にもこの身体の、このスウツの素晴らしさを手取り足取り教えてやろう♡」
「巫山戯るなッ♡ 俺は、下級戦闘員351号などではない……ッ♡」
「そう強がるな♡ 敬礼しながらこんなに硬くしているというのに♡」
「う゛お゛ぉ……ッ♡」
おもむろに対面から勃起した愚息を右手で掴まれ、バーナード司令の口から熱っぽい息が漏れ出てしまう。それを見たレッドボアは口角を上げると、バーナード司令の記憶に残るレッドボアらしからぬ厭らしい手付きで愚息を扱き上げていく。
「ぐ、お゛ぉ……♡ お゛……♡」
「お前のちんぽを握るなど初めてだな♡ しかしワシ達の仲だ、たまにはこういうスキンシップも悪くないだろう♡」
先走りが潤滑剤となり、湿ったタイツと包皮が擦れる粘ついた音が響く。
「ふむ、先に比べれば硬いがまだまだ勃起が足りんな♡ 洗脳を受け入れ心の底から下級戦闘員となると誓えばこんな程度ではすまなくなる♡ 射精だけではなく自慰行為すら管理していただけるのだからな♡ 日に一度限り許される勃起は素晴らしい快楽だぞ♡」
「そ、んな事に♡ 興奮するものか……ッ♡」
口では抵抗するも、耳元で囁かれる甘言にバーナード司令の愚息はより一層硬さを増してしまう。
バーナード司令の亀頭を優しくレッドボアが指の腹で撫でていく。口を開き情けない声を上げながら腰を引いてしまうが、バーナード司令は決して敬礼を崩すことはしない。敬礼のポーズをとり続けながら快楽を得るのが一番気持ち良いのだと、本能に刻み込まれてしまっているのだ。
レッドボアは扱く手を左手に変え、先走りのたっぷりと付いた右手を肩に回す。バーナード司令のちんぽの隣に並んだレッドボアのちんぽは腹に押し付けられ真上を向いていた。
「ふむ♡ こうして並んで見ると大きさでは少々ワシの方が上のようだな♡ 可愛らしいちんぽではないか♡ しかしどちらも組織に管理される皮被り戦闘員ちんぽである事に変わりはない♡ 仲良くしようではないか、ん?♡」
「イ゛ぃ……♡ や、めろッ♡ 言うなッ♡ お、オレは組織に管理される戦闘員なぞではないィ……ッ♡♡」
「まだそんな強がりを言うのか♡ 安心しろ、既にワシが完膚なきまでに敗北してしまっているのだ♡ 洗脳に、雄の快楽に敗北することは恥ではない♡ むしろ総統閣下の為下級戦闘員として尽くせるのは素晴らしく名誉な事なのだぞ?♡」
「はあ゛……ッ♡ ひ……♡」
「ほら、ワシが指で輪っかを作ってやる♡ 自分で腰を動かし好きなように快楽を貪るのだ♡」
ヌプ♡ と音を立ててレッドボアが作った指環をバーナード司令の亀頭が通る。
「う゛オ゛ォッ♡」
雄の本能が刺激される快感に腰砕けになってしまう。しかし動くなという命令だけは遂行しようと、その場に踏ん張り何とか立ち続ける。
亀頭の下──雁首を指で覆われたちんぽはレッドボアの手の中でドクドクと脈動する。それだけで指が擦れて気持ちが良い。徐々にバーナード司令の腰が前後に動いていく。
「い、かん……ッ、司令官たる俺が、こんな……ッ♡」
レッドボアの指が雁首から太竿の中心に動く。中心から亀頭の先端に。太竿が指から抜けきる前に腰を前に突き出すと、竿の根元にレッドボアの指が食い込む。少しづつ、少しづつだが腰を動かすストロークが長くなっていく。
「はあ゛……ッ♡ あ゛……♡」
「そうだ♡ そうやって敬礼しながら、腰を動かしながら、総統閣下に仕える自分を想像してみろ♡ 総統閣下に所有され、全ての権限を管理される自分を♡」
レッドボアの言葉のままにイメージする。映像で見た総統が目の前に立っている姿を。その圧倒的な偉大さに、下級戦闘員のスウツに身を包む想像の中の自分はビシッ! と敬礼することで忠誠を示していた。ヒーロー達を束ねる司令官──正義の組織のトップでありながら、悪の組織の尖兵として活動する。数々の戦いを生き抜き鍛錬を重ねてきた肉体を、正義の為ではなく悪を成す為に使うのだ。その背徳感と支配される快楽が、バーナード司令の腰を振る速度を速めていく。
「はあ゛……♡ 気持ち、良い゛……♡」
先走りがタイツを濡らし指の輪オナホでのオナニーを手助けする。包皮とタイツが何度も擦れ、淫水が泡立つ音が辺りに響く。
「頭の中で組織に繰り返し忠誠を誓うのだ♡ 組織に従う♡ 組織に永遠の忠誠を誓うと♡」
「組織に、従う♡ 組織に永遠の忠誠を……ッ♡」
バーナード司令の腰を振るペースが速くなっていく。舌がだらしなくたれ、ボタボタと涎が落ちる。
「気持ち良いだろう?♡ そのまま射精に向かうのだ♡ 素晴らしい快楽がそこに待っているぞ?♡」
「気持ちイ゛ぃッ♡ イ゛ッ♡」
もはやレッドボアの作った指の輪で快楽を得る事に抵抗などなかった。本能の赴くまま腰を振り、粘ついた下品な音を研究室に響き渡らせていく。
「イ゛ッ♡ イグッ♡ イ゛ッ♡」
司令官として数々の功績を残してきた知性あるバーナードの脳が射精直前のちんぽ一色に染まっていく。
既に射精と共に洗脳されてしまうことなど頭にない。最大限に快楽を得ようと、刻まれた偽りの本能に従い黒のブーツを履かされた足をぴっちりと揃え、揃えられた右手指に力が入る。
「ぐふ♡」
かつての旧友が自分と同じ所へと堕ちていくのを見てレッドボアが嬉しそうに笑う。バーナード司令の背筋がピンッ♡ と伸びた。タイツに覆われた玉袋が射精の為に持ち上がっていく。
「イグッ♡ イグぅッ♡ イ゛ッ♡ イ゛────ッ♡♡」
股にレッドボアの指の輪が食い込んでしまう程に腰を突き出すと、高速で動かされていた腰がビタッ! と止まる。亀頭がぷっくりと膨らみ射精の為に鈴口が開いた。しかし。
「イ゛ッ!?♡ イ゛ぃい゛──ッ♡ イ゛……ッ♡」
バーナードがその鈴口から精を吐き出すことはなかった。かつてなく血液が集中し、痛いほどに勃起したちんぽがビクビクと震える。
頭から完全に抜けてしまっていたが、射精できない理由は報告書を読んでわかっていた。バーナード司令の身体は下級戦闘員の物として改造され、組織の許可無しに射精できなくなっているのだ。
「イきたいか? 下級戦闘員351号」
聞かなくても答えはわかっているが、と言いたげな表情で問いかけるサイエンピッグ。少し前までのバーナード司令ならば人を馬鹿にするようなふざけた問いだと切って捨てただろう。ヒーローが、ヒーローを束ねる司令官たる俺がそんな無様な懇願をするはずがないだろうと激昂したはずだ。しかし。
「イ、きたい……ッ♡ イかせてくれ……♡」
洗脳が進行し、すぐ目の前にぶら下がっていたはずの射精という最上の快楽を取り上げられ、バーナード司令の冷静さは失われていた。知性あるバーナード司令の今の頭の中にあるのはただ射精したいという欲求のみ。ここにいるのはヒーロー本部の司令官などではなく、雄の本能に支配されたただの獣であった。
「ならば己の立場に相応しい態度で私に射精させてくれと懇願するのだ。」
「お、お願いします、どうかこの俺に、射精許可を……♡」
サイエンピッグの言葉に間髪を入れず懇願するバーナードの姿に、司令官としての威厳は微塵たりとも残っていなかった。
サイエンピッグを敬う口調で懇願した瞬間、ゾクゾクとバーナードの背中に快感が走る。
「下級戦闘員の分際で随分と偉そうだな。貴様はすぐそこにいる旧友の何を見てきた?」
「お願い致します♡ どうかこの俺に射精許可をくださいっ♡」
「俺? 俺とは誰のことだ? 貴様は誰に物を頼んでいる?」
はあ゛ぁ……♡ とバーナードの口から熱い吐息が漏れる。洗脳され植え付けられた従い虐げられる幸福がちんぽをより一層硬くさせる。
「イ゛ィーッ♡♡ サイエンピッグ様! お願い致しますッ♡ どうかこの下級戦闘員351号めに射精のご慈悲をッ♡」
「いいだろう。ならば今この場で宣誓しろ。貴様にとって組織とは何なのか、自分が何者になったのかをな」
「イ゛ィーッ!!」
辛抱たまらずバーナードは敬礼すると、間髪を入れず宣誓を続ける。
「イ゛ィーッ!! 本日ヒーロー本部司令官、バーナードは偉大なる総統閣下、そしてサイエンピッグ様の洗脳に完全敗北致しましたッ♡ 偉大なる組織に降伏し、その傘下、下級戦闘員351号として生まれ変わり永遠の忠誠を誓いますッ♡♡」
「その言葉に偽りはないな?」
「イ゛ィーッ♡ 偽りありませんッ♡」
姿勢を崩さずに勃起を続けるバーナードの姿を見たサイエンピッグは勝利を確信した笑みを浮かべると、管理者として尊大な態度で許可を下す。
「良いだろう。これで貴様は四六時中射精と組織の忠誠だけで脳を支配された我々の手駒に生まれ変わるのだ。射精を許可する」
「はあ゛ぁッ♡ サイエンピッグ様、ありがとうございま……ッ!?♡」
玉袋に押し広げられた施錠マークが開錠された物へと変わったのだ。瞬間、バーナードを襲ったのは激しい快感だった。精液がせり上がり有無を言わせぬ速度で鈴口にまで到達する。そして。
「イぎッ!?♡ イ゛ッ♡ イ゛ィッ♡ イ゛ィイ゛ーーーーッ♡♡♡」
全身を激しく震わせ、バーナード司令は吐精した。先程イったばかりだというのに、改造により急製造されていた精液がとてつもない勢いで鈴口から噴出していく。あまりの快楽で視界に白い火花が弾けるような錯覚に陥る。
「イ゛ッ♡ イ゛イ゛ィッ♡ イ゛ッ♡♡」
改造された玉袋が射精をしながら新たな精液を補充していく。急製造された精液が再びせり上がっていき、鈴口から外へと勢い良く放たれる。そして再び精液は補填され、びゅるびゅると気持ち良く射精する手助けをするのだ。
「イ゛ッ♡ イ゛ぎぎッ♡ イ゛──ッ♡♡」
人生で初めて味わう長時間の射精がバーナード司令の正義の心を快楽の海へと沈めていく。組織に忠誠を誓う下級戦闘員になればこんなにも気持ち良いのだとその精神を堕落させていく。射精一色に染まった脳に、長い時間をかけてゆっくりと、組織の洗脳が深いところまで刻み付けられていく。
「イ゛イィ……♡ イ゛ッ♡」
びゅッ♡ びゅッ♡ びゅッ♡ と音を立てて断続的に精液が噴き出る。それは同時にバーナード司令が身も心も組織の奴隷へと生まれ変わっていく音でもあった。ヒーローとしての正義の信念と共に吐き出されていく精液は行き場を失い、放物線を描いた後ぞんざいに床に叩きつけられていく。
「イ゛ィイ゛ッ♡」
射精を開始してからもう一分が経っただろうか。びゅびゅっ♡ と一際気持ちいい精液を鈴口から吐き出して、ようやくバーナード司令の射精は止まった。それと同時に改造された精巣が急速に精子を製造し、バーナード司令の玉袋をパンパンに膨れ上がらせていく。
下級戦闘員となった獣人はこうなるよう精巣を改造させられ、一度は大量射精を経験させられる。忘れられない快楽を餌にすることで忠誠を強固なものにできるとサイエンピッグは知っているからだ。下級戦闘員へと変えられた際、組織のルールと共に細かな洗脳装置の仕組みも頭に教え込まれている。しかし、バーナード司令はその知識をヒーロー側の優位の為に使うことはないだろう。
「下級戦闘員351号、敬礼!」
「イ゛ィーッ!!!」
バーナード司令は号令に対し、一切の躊躇のない、威勢の良い下級戦闘員の掛け声でもって応えた。
玉袋を満タンにさせられ常に興奮状態にさせられたバーナード司令の脳は、サイエンピッグによって開発された洗脳装置のプログラミング通り、組織への忠誠と次の射精への期待一色に染め上げられていた。
「下級戦闘員351号の射精と勃起を封じる」
サイエンピッグの言葉に呼応するように、股間の錠前マークが閉じ、ずっと勃起を続けていたバーナード司令のちんぽが萎えていく。ゆっくり、ゆっくりと縮まっていき、バーナード司令の股座には重量感のある萎えた竿と玉袋の膨らみだけが残った。
これで勃起が活動の邪魔をすることがなく、常に発情し総統への絶対の忠誠を誓う下級戦闘員のできあがりだ。組織にとって都合の良い便利な道具と化してしまったバーナード司令は息を整えると声を張り上げ宣誓した。
「イ゛ィーッ! サイエンピッグ様! 先程は下級戦闘員の分際で反抗してしまい、誠に申し訳ございません! これより総統閣下、並びに幹部様であるサイエンピッグ様に永遠の忠誠を誓います! イ゛ィーッ!」
「いいだろう。その代わりこれからの活躍に期待しているぞ?」
「イ゛ィーッ! お任せください! サイエンピッグ様!」
*****
司令執務室。ヴィランが出現しておらずオペレートが必要のない場合、バーナード司令は一日の時間をほとんどこの場所で過ごす。唯一の出入口である扉の正面に設置してある机と椅子は、本来ヒーロー本部の司令官、バーナード司令が執務を行う為の所有物だ。しかしその机の上には、この場にそぐわない”組織の”シンボルである白い豚の鼻のマークが描かれた黒色のモニターが一台置かれている。
起動音が鳴り、モニターに映像が映し出された。そこには黒いローブを纏った肥満体の豚獣人、”組織”を統べる総統の姿が映し出される。
モニターの前に立っていた豚科──組織の幹部、サイエンピッグは姿勢を正し、声を張り上げた。
「偉大なる総統閣下に敬礼ッ!」
部屋に号令が響き渡る。
号令をかけたサイエンピッグの背には、横に並ぶようにして二人の獣人が立っていた。
片方は赤を基調としたヒーロースーツに身を包んだ巨体の猪獣人。フレイムヒーローレッドボア。
もう片方は恰幅の良い身体に皺一つない制服をきっちりと着込んだセントバーナードの獣人。ヒーロー本部の司令官、バーナード司令。
モニターに写る悪の組織の総統、ましてや目と鼻の先にいる悪の組織の幹部、サイエンピッグと彼等は正反対の立場であり、宿敵同士と言えるだろう。謎だった総統の姿が判明し、目の前のサイエンピッグを捕らえることができれば事態は確実に好転し、ヒーロー本部が優位に立つことができる。
しかし、サイエンピッグの号令を受けたバーナード司令とレッドボアは同じように背筋を伸ばし、三白眼で前を見据えながら真剣な面持ちで両足を揃えると、右手の指を揃え額の前へと持っていった。そして。
「「イ゛ィーッ!!」
腹の底から下級戦闘員の掛け声である奇声を発しサイエンピッグの号令に応えたのだった。
「うむ、我が手下に相応しい美しい敬礼だ。しっかりと洗脳されているようだな」
「はっ! ご覧の通り、洗脳は完璧でございます」
「ご苦労だった、サイエンピッグよ……よし、機能のテストも踏まえて下級戦闘員として正装で我に宣誓したまえ。まずはフレイムヒーローレッドボアからだ」
「イ゛ィーッ!! 変身、解除!」
総統の命令にレッドボアは敬礼を維持したままそう叫ぶと、ボンッという間抜けな音と共に煙に包まれる。煙が晴れて現れたのは、赤を基調としたヒーロースーツに身を包んだ正義のヒーローレッドボアではなく、黒い全身タイツに身を包んだ悪の手先、下級戦闘員105号としてのレッドボアであった。
「イ゛ィーッ! 自分はフレイムヒーローレッドボア改め下級戦闘員105号でありますッ! 偉大なる組織に、そしてそれを統べる総統閣下、総統閣下を支える幹部様に永遠の忠誠を誓います! 総統閣下、万歳! イ゛ィーッ!!」
言葉に詰まる事なくスラスラと宣誓するレッドボア。その様子にヒーローでありながら悪の手先として振る舞う事に対する躊躇、そして罪悪感は存在していなかった。
「バーナード司令官、次は君だ」
「イ゛ィーッ!! 擬態解除!」
バーナード司令も敬礼を維持したままそう叫ぶと、同じく間抜けな音と共に煙に包まれる。足元から煙が晴れていき、擬態ではない生まれ変わった真のバーナード司令の姿が露になっていく。フォーマルな革靴は作業や移動効率を優先した黒いブーツに。スラックスは巨体を支えることで丸太のように膨らんだ太腿のラインをくっきりと浮かび上がらせるタイツに。白手袋は暗闇に溶け込んで工作活動が行える黒のグローブに。ヒーロー本部をまとめる司令官の証たる司令服は、組織の手先、下級戦闘員の証である数字の351が描かれた黒の全身タイツに。厳つく司令官としての威厳に溢れたセントバーナードの顔立ちは、個性のいらない下級戦闘員の黒マスクに覆われている。下級戦闘員の姿となったバーナード司令の口が開かれ、部屋に雄々しい声が響き渡る。
「イ゛ィーッ!! 自分はバーナード司令官改め下級戦闘員351号でありますッ! 偉大なる組織に、そしてそれを統べる総統閣下、総統閣下を支える幹部様に永遠の忠誠を誓います! 総統閣下、万歳! イ゛ィーッ!!」
ビシッ! と敬礼を行う姿はまごう事なき下級戦闘員の物であった。最強のヒーローの一角、レッドボアだけではなく、ヒーロー本部の司令官ですら“組織”の手に堕ちてしまったのだ。
「ブフフ、良い宣誓だ。我は機嫌が良い、褒美に勃起許可を下そう」
総統が指を弾くと下級戦闘員へと戻ったバーナード司令、レッドボアの太竿の形がくっきりと浮かび上がっていく。根元から雁首、鈴口までタイツがぴっちりと密着し硬さを取り戻したちんぽがゆっくりと持ち上がっていく。
「お゛ほッ♡」
「厶゛ぉお゛ッ♡」
皮余りで少しだけ顔を出した亀頭達が天を向く。ビイィィンッ♡♡とでも効果音が出そうなほどガチガチに勃起した二人のちんぽは、寄る年波で突き出てしまった腹に密着しその動きを止めた。
「「イ゛ィーッ♡♡ この哀れな下級戦闘員共に勃起を許すご慈悲を与えて下さりありがとうございますッ♡ イ゛ィーッ♡」」
「問題ない。下僕の管理も我の務めだからな。しかし、勃起を許しただけなのだが……。我に忠誠を誓う喜びのみでそこまで逸物を硬くするとは、最強のヒーローとやらも形無しだな」
「「イ゛ィーッ♡ 総統様の忠実な下僕、下級戦闘員へと変えていただき感謝致しますッ♡♡」」
「うむ、その感謝の分組織の為我の為に働くが良い」
「「イ゛ィーッ!!」」
「さて、大事なヒーロー本部の司令執務室とやらも我に献上したのだ。本来ならば一日に一度だけの一分間の自慰も許してやろう」
総統の言葉に二人のちんぽがビクンッ♡ と跳ね先走りを垂らす。寸分違わぬ動作で足を少し横に開き再び揃えると、バーナード司令とレッドボア──二人の戦闘員は声を揃え感謝の言葉を上げた。
「「自慰の許可まで頂けるとはありがたき幸せッ♡ 直ちに敬礼忠誠オナニーで組織と総統閣下に感謝忠誠を捧げます! 総統閣下、万歳! イ゛ィーッ!」」
二人は辛抱たまらないといった様子で右手の敬礼を維持したまま左手で竿を掴むと、即座に激しい動きで上下に擦り始める。
「お゛ほッ♡ イ゛ィーッ♡ イ゛ッ♡」
「イ゛ィッ♡ イ゛ぃイッ♡」
宿敵を前にしてシコシコシコシコシコ♡ と敬礼しながら必死にちんぽを擦り上げる様は変態以外の何者でもない。しかし下級戦闘員として洗脳された老年に差し掛かる元正義のヒーロー二人は、少しでも快楽を貪ろうとなりふり構わずちんぽを扱き上げていく。
勿論自慰も強制ではなくただ許可を下しただけ。それにも関わらず、バーナード司令は宿敵の前で忠誠を誓いながら必死にオナニーに勤しんでいる。前のように洗脳に耐え、状況を打破しようなどと考えている可能性は0に等しいだろう。
「総統閣下。ヒーロー共の痴態を楽しまれている所恐縮なのですが、洗脳したバーナード司令の処遇はどうなされますか?」
二人の元ヒーローが粘ついた下品な音を立てながらオナニーに勤しむ中、前に立つサイエンピッグが問いを投げかけた。それを受けた総統はふむ、と少し考える仕草をした後に口を開く。
「うむ。擬態の完成度も上々のようだしな。レッドボア共々その立場は充分に利用価値があるだろう。表向きは元の司令官として働かせてやればいい。勿論、司令官としても我々組織の有利になるよう立ち回ってもらうがな。管理はサイエンピッグ、お前に任せよう」
「はっ! かしこまりました」
目の前で己の処遇を勝手に決定させられているのにも関わらず、バーナード司令はちんぽを扱くのを止められない。むしろ正義の為に築き上げた司令官としての地位を利用される事に興奮し、ちんぽを硬くさせてしまってすらいる。
「ぐひッ♡ イ゛ッ♡ イ゛……ッ♡」
ヒーローであった頃の記憶が残っていないわけではない。ヒーロー本部を設立し、仲間と誓い合った頃の熱い想いも胸に残っている。自分が下級戦闘員として利用しやすいように洗脳されてしまった事も客観的に理解できているのだ。しかしその上でシコシコと浅ましく射精管理ちんぽを扱き快楽を貪る事が。それが終われば偉大なる総統閣下の為尽くす事が今のバーナード司令の最優先事項になっていた。
「イ゛ッ♡ イ゛ぃイッ♡」
両足は揃えたままだが快楽でガニ股気味になってしまう。手を動かしながらも、射精への欲求から腰を僅かに前後に動かしてしまう。
気持ち良くなりたい。射精がしたい。その一心でこんなにも無様な醜態を晒しているというのに、とうとうその時は訪れてしまう。
「うむ、そろそろ一分だな。全員、止め!」
「「イ゛ィーッ!!♡♡」」
総統の号令に合わせ、二人はちんぽから素早く手を離すと、先走りで濡れた黒のグローブを腰の横に付ける。直前まで扱かれていた黒タイツに覆われたちんぽはまんまると突き出た腹を持ち上げそうな勢いで勃起していた。まるで意思が宿った別の生物かのようにビクビクと震えるちんぽは、見るだけで射精がしたくてたまらないだろうと察せられる。しかし二人は全ての権限を組織に握られた下級戦闘員。パンパンになった玉袋の部分に描かれた施錠マークが二人の射精を許すことはなかった。
「ブフフ、その愚息から気持ち良く精を吐き出したいか? ならばもっと我の為に、組織の為に尽くせ。我の世界征服の野望を叶えるため、その身を粉にして働くのだ。いいな?」
「「イ゛ィーッ♡♡ 了解致しました! 総統閣下!」」
二人の下級戦闘員は口角を上げながら、心の底から服従し言葉を続ける。
「「我ら下級戦闘員は総統閣下の為に! 総統閣下、万歳! 組織に栄光あれ! イ゛ィーッ!!」」
「ブフフ、ブフフフフ……」
モニターの向こうから響く総統の笑い声を聞きながら、バーナード司令はこれからの下級戦闘員としての人生への期待に先走りを飛ばした。
こうして歴戦の猪ヒーローレッドボアだけではなく、ヒーロー本部の司令官、バーナード司令すらも組織の手に堕ち、完全な下級戦闘員として生まれ変わってしまったのだった。
続く……?