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前回【https://omo.fanbox.cc/posts/2618079】


「下級戦闘員共、整列しろ」

「「「イ゛ィーッ!!」」」

 洗脳装置で下級戦闘員へと洗脳を施された者達は、頭の中にインプットされた基地内の地図に従いとある大広間に来ていた。

 ここは総統の間。入口から正面奥に二段ほどある台座があり、そこには豪華に飾り付けられた椅子が置かれていた。そこにどっしりと腰を据え下級戦闘員達を見下ろす黒いローブに身を包んだ豚獣人こそが、このヴィラン組織の総統であった。

「休め」

「「「イ゛ィーッ!!」」」

 総統の言葉に戦闘員達は奇声を上げ休めの姿勢をとる。人語で返答せずにこの奇声を発するのは総統よりも遥か下の階級であることを示すため。そして総統の命令に下級戦闘員が逆らう選択肢などない為、命令に対するこの掛け声はただYESの意味だけを持っていた。

 黒の全身タイツ、グローブ、ブーツは隠密活動や下級戦闘員としての作業を円滑に行う為。豚をモチーフにしたマスクやマークは総統の所有物であり、総統の為に全てを捧げる同種となった証として。腹に描かれた数字は名前ではなく、下級戦闘員を区別する記号として。彼らは皆身も心も、総統の所有物となってしまったのだ。

 そしてその中に、最強に名を連ねた元歴戦のヒーロー、レッドボアの姿があった。

「……」

 露出したマズルと口髭、そしてその体格に面影はあるものの、黒いマスクと全身タイツに身を包んでいる為まともに区別は付かないだろう。彼がレッドボアだとわかるのはレッドボアを下級戦闘員105号へと洗脳、改造した洗脳装置での記録と、レッドボア本人のみだ。

(ああ……ワシは、ヒーローであるはずなのに、総統閣下のご命令に従い整列してしまっている……)

 そう、レッドボアには確かにヒーローとしての記憶があった。自身がレッドボアであったことも自覚していた。ヒーローとしての己ならば、正義の為目の前の総統を倒さねばならないという使命もわかっていたのだ。しかし。

(正義の為に鍛えてきたこの身体が総統の為に使われる……。なんて、なんて素晴らしいのだ♡)

 下級戦闘員としての記録を何度も刷り込まれ、それが快感なのだと教えこまれ、レッドボアは洗脳装置により絶頂に達してしまった。既に総統の命令に従う事こそが至上の喜びであると洗脳されてしまったのだ。

「ブフフ……全員しっかりと洗脳されておるな。それではそれぞれに命令を下そう」

 命令を下す。その言葉にレッドボアは、下級戦闘員105号は身を震わせた。ヒーローとしての記憶があった。自身がレッドボアであったことも自覚していた。ヒーローとしての己ならば、正義の為目の前の総統を倒さねばならないという使命もわかっていた。しかしそれら全てがどうでも良くなってしまうほどの下級戦闘員としての喜び、快感を教えこまされてしまった。

(命令が……総統閣下から命令が下されてしまう……♡)

 下級戦闘員がグループごと、もしくは個人に別れて命令が下されていく。命令を下された下級戦闘員達は奇声を高らかに発し、敬礼で応える。

 ヒーローとしてではなく下級戦闘員として待機する背徳感が、レッドボアを更なる快感へと誘う。身悶えしてしまいそうになるが、休めと命じられたためその姿勢を崩すことは許されない。快感で精子がドクドクと生成されタイツを張り詰めさせる股間も、射精は愚か勃起すら許されない。股間の鍵マークは総帥の管理下にある証。レッドボアが総帥より長い時間を生きていようと、ベテランの正義のヒーローとして活躍し、様々な人々に感謝されてきたという経歴があろうと、下級戦闘員へと変えられてしまえばその全てが総帥の所有物なのだ。

(イ゛……ぃ……♡)

 かつての自分を思い出す。同期のブラウンベアと出会い、共に助け合い、高めあった。数々のヴィランを討ち倒し、多くの人々を救った。他にも同じ使命を持つ多くのヒーローがいることを知った。ホワイトタイガー、シルバーベア、ブラックドッグ。皆で協力して、平和な世界を作り上げていった。

「最後に101号から121号は下級戦闘員を増やすため市民共を攫ってこい、いいな?」

 総統から命令が下る。その命令にレッドボアは。

「「「イ゛ィーッ!!♡」」」

 他の下級戦闘員とタイミングを揃えた美しい敬礼と奇声を以て応えるのだった。

(お゛ほ……♡ ワシは下級戦闘員105号♡ 全ては組織の為……総統閣下の為に……♡)

 ビクビクとタイツを押し上げちんぽが打ち震えるが、すぐにその硬さは全身タイツの機能によって奪われてしまう。円滑な作業を行うため勃起は許されない。今すぐにでも腰を振り、何かに押し付け快感を貪りたいところであったが、下級戦闘員105号にとって総統の命令が何よりも優先であった。

「ブフフ……それでは下級戦闘員共、作業に戻るがいい」

「「「イ゛ィーッ!!」」」

 下級戦闘員達は命令を遂行するため素早く散り散りになって行く。その中には口元にも笑みを携えた下級戦闘員105号の姿もあるのだった……。

 こうしてレッドボアは堕ちていく。最強に名を連ねるヒーローとしての実力は、下級戦闘員として遺憾なく発揮され、組織に、総統に貢献していくことだろう。



次回【https://omo.fanbox.cc/posts/3837515】

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Comments

shun

元ヒーローという記憶は鮮明にあるのに、その力を総統閣下のために使うことに興奮しちゃうんですね…! しかもめちゃくちゃ強いはずなのに、「101号から121号」って雑に呼ばれててめっちゃ無様…! 良かったです!

omo

ありがとうございます〜! ちゃんと元ヒーローとしての人格や記憶がしっかり残ってるの好きです 特別扱いされずまとめて番号呼ばれる所好きポイントなので嬉しいんですね……

Anonymous

正義の身体が邪悪に使われるのは素晴らしいです。でもレッドボアもう過去になって、今ここに立つ者はsilver blackボアで...なんてね。

omo

ありがとうございます!! レッドボアは既にヒーローではなく、悪の組織の下っ端の一員に成り果てました