TIPS【無知の知】 (Pixiv Fanbox)
Content
TIPS【無知の知】
イラストで「描く気が無くなる」原因のほとんどはキャパオーバーです。
自分の実力以上のこと、難易度が高すぎること、面倒くさいこと、楽しくないことをするほど、どんどんモチベーションが下がってきます。
やりたくない、早く終わらせたい。でも早く終わらせるだけの実力が無い。
こうなると質問者さんのようにどんどん描く頻度が下がっていきます。
そんなときに役立つのが【無知の知】という考え方です。
この【無知の知】が理解できればキャパオーバーに苦しむことが無くなります。
ぜひ知っておいてほしい概念なのでわかりやすく解説しますね!
▶【無知の知】って何?
【無知の知】とは古代ギリシアの哲学者ソクラテスの概念です。
「自分に知識がない事を自覚する」ということですね。
わかりやすく言うと、
・まだ知らないことがある
・調べても理解できないことがある
・教えてもらってもやれないことがある
など、自分のキャパシティが低いことを認める考え方ですね。
ちょっと自虐的な考え方に見えますが、全然違います。
むしろ謙虚になれる良い考え方です。
・知らないことがある➡だから人に質問できる。
・理解できないことがある➡だから人に教わることができる
・やれないことがある➡だから人にお願いできる。
自分ができないと認めるからこそ、人を頼ることができます。
解決策を探したり、いろいろ試したりできます。
そうやって行動しているからこそ、最終的にゴールに辿り着きます。
実は自分のキャパが低いことを認めている人の方が成長は早いです。
▶未来はわからない。だからこそ「試す」
本番の絵で上手くなりたい
➡だから練習する。
➡でも上手くならない。モチベーションが下がる。
➡だから練習を止めた。
この流れでやる気が失せたみたいですが、ここで【無知の知】を意識して下さい。
・わたしは「上手くなる方法」を知らない ※知っていたら既に上手いはず
・そんなわたしが選んだ練習はベストだったのかな?
・もしかして目的と関係ない練習をしてたんじゃない?
こう考えられたなら「(すべての)練習が無意味かも」なんて結論には至らないはずです。今の練習は効果が無いかもしれませんが、別の練習ならわかりません。
そもそも「本番の絵が上手くなりたい」という目的も、もう少し具体的にしても良いかもしれません。
・・・なんて色々と考えが出てくると思います。
これが【無知の知】のスゴイところです。
失敗しても「よく考えてみたら、自分は完璧超人じゃないし。そりゃ失敗もするし、サボりたくもなるよね」なんて、心に余裕ができます。
だからこそ「じゃあどうしようか?」という次の作戦を考えることができます。
その作戦も成功するとは限りません。
だって、自分は無知で正解なんてわからないから。
だから「もしかしたら上手くいくかも?」という気持ちで試すことが大切です。
未来は誰にもわかりません。
成功するかもしれないし、失敗するかもしれない。
だから「試してみる」ことが大切です。
▶超えられないハードルを設定したくなる
自分が【無知の知】を意識できてるかどうかを調べるのはかんたんです。
目標設定のハードルの高さをチェックしてみて下さい。
【無知の知】ができてない人ほど高すぎるハードルを設定します。
・2日徹夜すれば完成できる!
・死ぬ気で1日14時間勉強すれば合格できる!
・バズるために塗りも背景も完璧に描くぞ!
人間は基本的に高めのハードルを設定したくなります。
それは「失敗してもダメージが少ないから」です。
失敗した時に「これはさすがにキツイよね」というハードルだったら「クリアできる人はやっぱり才能がある人だよね」と言い訳ができるからですね。
これは完璧主義の思考でもあります。
TIPS【完璧主義対策】
Q5:どうしても些細なことが気になる 修正しすぎる」件では回答ありがとうございました!早速拝見させて頂きました! 更に少し掘り下げた質問をさせてくだい お察しの通りデジタル作画です。 自分も線を太くしてダイナミックさを演出しようとしている所でした。 しかし、デジタルとは便利なもので気になる部分が簡単に拡...
完璧主義になるほど、高すぎるハードルを設定して失敗できる言い訳をつくります。
そして少しずつ何もやらなくなります。何もしなければ「失敗しない」ことに気付くからです。
でも、それではずっと成長できません。
大切なのは高すぎるハードルをクリアすることではなく、クリアできるハードルを少
しずつ高くしていく事です。
今はまだクリアできないハードルを、1年後にクリアするために今何をしたらいいのか?それを考えるためにも【無知の知】は必要です。
誰だって成長します。
最初は転んでいた自転車にだって乗れるようになります。
まだできないことは恥ずかしいことじゃありません。
まだ知らないことは恥ずかしいことじゃありません。
これからできるようになるために、何ができるのかを探して下さい。
▶最後に
練習が苦痛なのは本当によく分かります!!!
わたしも練習が大嫌いです。
ひたすら同じものを描くとか、楽しくないのでやってません。
だから描きたいモノだけ描くようにしました。
わたしは背景が描けません。
動物やモンスターも描けないし、メカも描けません。
ダイナミックなバトルシーンも描けません。
でもそれでも良いと思えました。
わたしが描きたいのは「キャラクターの感情表現」だからです。
それさえ描ければ満足できます。
だからわたしのイラストは背景が無いし、
見た人を圧倒するようなインパクトはありません。
でもわたしは楽しいです。
わたしの時間は限られているので、その時間を少しでも楽しいもので埋めたいと思っています。だから完璧よりもやりたい事を優先するようにしています。
「自分にできないこと」を認めると、こういう選択肢もとれるようになります。
まだ21歳なので、自分が弱いことを認めるのは恥ずかしいと思います。
でもみんな同じです。みんな恥ずかしいことは隠したいと思っています。
みんな見栄を張って、話を盛って、自分はスゴイと自慢をします。
でもそれが「嘘」だと一番よく知っているのは本人です。
自分に嘘をつくって、実はすごいストレスですよ。
嘘のメッキが剝がれるのが怖いので同じ人とは会いたくなくなります。
あなたにはそうなって欲しくないです。
こうやって質問をするだけの行動力があるし、
悩みを相手に相談できるだけ【無知の知】ができています!
(これは本当にスゴイことです!
あとはやり方を少し変えるだけです。
そうすればもっとイラストが楽しめるようになるし、もっと自分のことが好きになれると思いますよ!
まずは試してみて、何か困ったらまた相談してください!
お疲れさまでした!