【コミッション】女武者切腹秘話~四ノ章~<中編ノ壱>【SS付き】 (Pixiv Fanbox)
Content
有償依頼で描かせて頂いた、切腹した女武者のイラストです。
まに様が書いたSSもつきます。是非とも一見ください。
【四ノ章<前編>】
fanbox post: creator/3195765/post/504874
++++++++++++++++++++++++++++
~~以下はSSです~~
++++++++++++++++++++++++++++
作者:まに
囚われた白馬月恵(はくば・つきえ)と秋津紅葉(あきつ・くれは)は、今正に身の千切れるような苦痛に耐えている最中であった。
場所は草木も生えぬ平野、白い陣幕で囲まれた敵陣のその内。
数多の敵兵達に取り囲まれながら、下卑た視線を浴びせかけられる彼女達の姿格好は女として屈辱の極致にある。
二人、並び、正座姿で後ろ手を縛られている。その諸肌は完全にはだけ、女の象徴を晒させられていた。両者の胸板より垂直に垂れた乳肉はその豊満さを強調しながら、若々しい二十歳そこいらの女子らしいハリ艶により、綺麗な楕円を保っている。
但し、二人の美しい乳肉には、幾つもの鞭打ちの痕がある。
乳肉だけではない。露出した二人の上半身には余すことなく痛々しい生傷や殴打の跡があり汚れていた。剥かれた白い鎧下着はすっかり泥だらけで、下に穿いている袴にも滲んだ血や戦塵が付着している。女性の命である髪も乱れていて尚見栄えが良い辺りに器量の良さが伺えるものの、今ばかりはその美しさが、寧ろ見ていて痛々しい。
言うまでもない、拷問を受けた後の姿である。
しかし二人が感じている苦痛とは、ただ身体的な痛みによるものだけでは、ない。
(なんという、屈辱でしょう……)
長い髪を凛々しく一つに結った、月恵は血が滲むほどに下唇を噛み締める。
(小夜派め、末代まで祟ってやるっ……)
肩ほどまでの髪を揺らす、紅葉は瞳に恨みを燃やす。
肩を並べる二人が共に感じている苦痛とは、何より精神的なものに他ならなかった。
あられもない姿を雑兵達に晒されているから?
尋問と称し、散々身体をいたぶられ、性欲のはけ口にされて汚されたから?
――違う。どれも最たる理由ではない。
何よりの痛みは、小夜派の卑劣な行為によって踏み躙られた尊厳と部下達の命にこそある。
((……千姫様、皆……ごめんなさい))
やりきれない気持ちで目を伏せる、彼女達はただ美しいばかりではない。
二人は男を魅了する美女でありながら、確かな武の才にも秀でた、千姫直属の護衛隊の分隊長であった。千姫の身を守る守護者として確かな自負を抱き、二人は身を粉にして千寿派の為に尽くした功労者なのだ。
此度の小夜の陰謀に二人は強く抗った。
二人は辺境を荒らす盗賊達を討伐する為、護衛隊副隊長である雨音の指揮する本隊から離れ、千寿派の国人領主の援軍と行動をしていたが、そこで小夜派の軍勢から攻撃を受けたのと同時に、全ては小夜の陰謀であることを知った。
千姫や自分たちが謀られたことを知った二人は他の護衛隊に所属する者達と同様、憤慨し、徹底抗戦の構えをとる。
だが、圧倒的戦力差という現実には抗えない。
二人とその隊は近辺の廃棄された砦跡に篭城したのだが、多勢に無勢である上に食料等の物資もなく、万に一つの勝ち目もありはしなかった。そして、その後届いた千姫達の切腹の報によって隊の士気も落ち、皆が絶望と虚無感に苛まれた。
月恵と紅葉は例えそれでも、その身朽ち果てるまで抗い千姫の後を追うことを厭わなかったが、自殺に等しい行為によって自分達に従ってくれた兵達の命までをも無駄にするほど周りが見えないわけでも、また、なかった。
結果、二人は小夜派の軍勢への降伏を選んだ。
条件は、自分達二人の切腹と、部下の助命。
小夜派の軍勢はすんなりとこの条件を呑み込んだ。
――ここまでであるのならば、いい。
だが、軍勢を指揮していた小夜の甥は、そんな降伏の条件を悉く反故にしたのだ。
武器を捨てた二人の部下達はその場で即刻皆殺しにされた。
残された月恵と紅葉は、切腹の要望さえ受け入れられず、辱めを受けたあげくに今まさに斬首されようとしている。
……外道め。
心から敵を侮蔑する、二人が見下ろすのは、正面の地面に掘られた穴。
斬られ、落ちた己の首を、受け止める為の穴である。
正しく自分の死の象徴を見下ろしながら、それでも二人の心はそこにない。
最早、自分達の死など些細な問題だ。
二人は反乱分子としてここまで徹底的な拷問を受けてきてが、それも構わない。
無意味な陵辱をその身に受けもしたが、女でありながら戦いに身を置く者として覚悟はしていたことだ。
だが、自分達の決定のせいで、多くの部下を無駄死にしてしまった。
それが何より、辛い。
嗚呼、人とはこうまで憎しみと絶望を味わえるものなのか。
「……やれ」
己の無力と敵への憎悪に打ちのめされていた二人の身体は、それでも無慈悲な号令にはやはりびくりとした。
散々雑兵にこねくり回された柔らかな肢体が冷や汗をかき始め、ぼろぼろの肌をそれでも艶やかに彩る。
たった今、自分達が斬首されるという現実に胸が締め付けられる。
二人は自分が確かな死の実感に怯えていることを自覚したが、女として本能に在る被虐の欲求に僅かな興奮を抱いていることまでは気付いていない。
自己への理解を待ってはくれず、刃は冷徹に振り上げられる。
剣刃の冷えた雰囲気を空気伝いに感じたのは、まず、月恵だった。
斬首の邪魔にならないよう肩へと流された縛った長髪の先に露出した、白いうなじが向けられた殺意を察するのは不可思議なことであった。
「……千姫様と我々の魂は、卑劣なあなた達を絶対に許しません!」
月恵は無意識に抱いた死への渇望に、僅かばかり頬を紅潮させる。そして言い放ったのは、決意。心の強い彼女らしい最後の言葉である。例え千姫や自分たちが死のうとも、残ったもの達が自分たちの無念を晴らしてくれる。
自分達はこのような結末となってしまった。
自分も、部下も、卑劣な小夜派に踏み躙られてその生を落とす。
だが、千姫や自分たちの遺志を継ぐ者が必ずお前達を根絶やしにする。
軽薄で姑息な成功によって成った栄華など、ほんの一時の儚い悪夢。
真に群集を惹き付ける千姫の遺志が未来を開く――月恵は死を目前に確信していた。‘
(……雨音殿……どうかご無事で――)
最も身近な意思を継ぐであろう者に、月恵は全てを託す。
同時に、無常に刃は振り落とされる。
鋭い刃先は月恵の色っぽいうなじを、当然の道理で、切る。
縛られた月恵の身体が、激しいビクつきと共に乳肉を震わせた。
腹筋が引き締まり、秘部を締める。
月恵の首は血を迸らせて、頭と胴を行き別れにさせた。
「うう……月恵……」
横から惨事を見届ける紅葉の目は上下していた。
何故なら、どちらを見てよいか分からない。
虚ろな表情で穴へと落ち、転がる頭も彼女だ。
――激しい痙攣をもよおしている首なしの女体もまた、月恵である。
(……っ)
紅葉はごくり、生唾を飲む。
恐ろしいのではない。
何故――自分は興奮しているのだろう。
今まさに首から血しぶきを噴いている月恵の女体を見て、自分は今確かに昂ぶっている。
月恵の身体は魅力的だ。
肉付きも良く、胸も尻も出ていて、はっきり言っていやらしい。
今、女体はそんな肉付きを淫らに痙攣させている。
理性と気高さという枷を外された月恵の身体が、乳も尻も震わせて色香を振り撒く様子は性欲を煽る踊りを舞っているかのよう。
そして、どこか、気持ち良さそう。
――私も今から、ああなる。
「……ひと思いにやりなさい、この人でなし共めっ……!」
言い放った紅葉の声色は、劣情を隠せていなかった。
下手をすれば月恵以上に豊満な紅葉の身体が、縛られたままに、身悶える。
くねくねとしながら乳房を揺らす様子に、処刑人は目を血走らせながら、刃を振り上げた。
首の落とされる音が、処刑場に小さく鳴る。
刹那、紅葉が味わったのは壮絶なる快感であった。
痛い。
だがそれ以上の快感が、まるで電流のように全身に迸り、充満した。柔らかい身体に余す事無く恍惚が満ち渡り、快楽に身悶える肉人形と相成った。
「あっ♡」
故に、紅葉の最後の言葉はほんの短い喘ぎとなった。
無論、声は物理的に分断される。
掘られた穴に、恍惚の形相で固まった紅葉の頭が落ちた。
遺された身体はといえば――痙攣に、踊る。
月恵以上の激しい痙攣は雑兵達に絶頂を想起させるほどのいやらしさに満ち溢れている。太腿をぎゅっと寄せて、麗らかな乳首が残像を描くほど乳肉を振り、直に真後ろに倒れ、それでも痙攣を続ける。紅葉であったものは散々色香を振り撒いて、潮とも小水ともつかぬものを袴に滲ませていった。
事実、紅葉は絶頂していた。
人生の最後、紅葉は雌として至上の幸福を味わい、そして逝った。
* * *
反逆者である月恵と紅葉の首は、後に薄月城の城下町の刑場に晒された。
遺された二人のむっちり汗ばんだ身体は敵兵によってうち捨てられたが、それまでの間に斬首の様子を散々見せ付けられた雑兵達にどう扱われたのかは、最早言うまでもないことだろう。
++++++++++++++++++++++++++++
++++++++++++++++++++++++++++