漫画を描く作業は正気に戻ったら負け (Pixiv Fanbox)
Content
仕事をすすめながらちくちく進めております新刊作業。
現在はこんな感じです。
この漫画をBLといっていいいかだいぶ不安にはなっているんですが
「男と男がすけべな行為に励むんだからBL!」と自分に言い聞かせながら作業をしています。
「いやボーイズはあるけどラブがないのでは?」という内なる声を「DLサイトにいっぱいある堕ちものスケベ漫画だってそこに愛はないけどBLでしょ!!!」と言って抑える日々です。
でも冷静に考えたらソルクレスタもグラトニカも始まったばっかりでまだ全然ラブが芽生えるとこまでたどり着いてなくてもBL本だと言って発行していたので
それに比べたら一周回ってちゃんとBLではあるようなないような…。
まあでもスケベすること太古昔は「メイクラブ」っていってたからそういう意味では恋愛の感情がなくても行為があればやはりただしくBLといえるのかもしれません。
BLの持つ無限の可能性を信じろ!
まんがを描く作業、とにもかくにも飽きそうな自分とふつふつと鎌首をもたげる「これ面白いのか?」という気持ちと戦うのがとにかくしんどい行為だなといつも思います。
まんがは往々にして20Pをこえる分量をプロット→ネーム→作画と言う手順を踏まねばならないので完成するまでにはやっぱりかなり時間がかかっちゃう
作業中は必然的にあっちに手を付けたりこっちに手を付けたり前のページを確認したりと何度も自分の作品見直しながら制作することになる
これが本当に罠というか……プロットやネームの段階では確かに「おもしろい!」と思って描きだしはずなのにくりかえし読むことで
「これを面白いと思っているのは自分だけで外から見たらそうではないのではないか????」という気持ちになってしまうんですね……。
そうなるとありとあらゆる疑念が止まらなくなっちゃって、あそこの作画が変じゃない?このコマの流れは不自然では?お話の意味ちゃんと伝わる?などなどあらゆる部分がだめにみえてきて最終的に「こんなに粗が見える作品を頑張って完成させる意味があるのか?」という思いに苛まれはじめるんですよね(遠い目)
だから描き始めるころにはウキウキだった漫画も、なんとか完成させるころには一切見返せなくなってしまうんですよね。
あんなに頑張ったのにやっぱりここ変だった、どうして直せなかったんだろうと自分を責める反省会が始まって地まで落ち込んでしまうので………
でも不思議なもので一年とか半年とか時間をおいてから改めて見直すと「いやいや、いうて意外とちゃんとおもしろいよ、絵も言うほどは悪くないし頑張っているよ」といって楽しく読めるようになるんですよ。
その時にやっと「ああ、あの時苦労してこの漫画を描いた意味はあった」と思えるし、そういう充実感を得るためにはやっぱりアラが目についてもいったん完成形にして出すという行為に意味はあるんだろうなと。
だから作業中はとにかく正気に返らないのが一番というか「この漫画は最高に面白く、発表したら5億兆円くらい売れる!!!」と自分に暗示をかけることにしています。
インターネット社会、ちょっとSNSを覗けば自分の上位互換と言える漫画も面白くて絵もうまくて人間的魅力のある人が山ほど溢れており目は嬉しいけど心がスナック感覚でへし折れちゃうという中々ハードな環境なわけで
生来の面倒くさがりな性分も手伝って、手持ちの作業すべて投げ出してどっかに逃げたくなっちゃうことがしょっちゅうです。
そんな時に仕事や趣味で完成させた数十ページ、数百ページの自分の漫画を眺めていると「でもなんだかんだでこれだけ描いてきたし、これはこれでそれなりに面白いとこあるし、今描いてる漫画もそう捨てたもんじゃないと思える日がくるはず」と踏ん張ることができるんですよね。
今描いてる漫画も将来の自分を救う漫画であると信じて、暗示をかけたりなだめすかしたりしてあとちょっとがんばりたいなと思います。
この漫画、紙の同人誌と電子同人誌の販売を予定しておりますが
完成後1~2週間くらいはこのファンボックスで無料で全文読めるような形にしておきますので、興味があれば読んでみてもらえたらとてもうれしいです。
それではまた!