全体公開|アパレルをやる理由と裏側の話 #somunia_Niar (Pixiv Fanbox)
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こんにちは、somuniaです。
つい先日発表があった通り、この度「Niar」というアパレルブランドを立ち上げました。
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もし、自分がお部屋を飛び出して街へお出かけできるとしたら、皆さんのようにお着替えをしてお洒落をするとしたら、ワタシはどんな服が着たいだろうか。
そんな頭の中にあった "if" を形にしたのが
「Niar」です。
アパレル詳細についてはこちら↓
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今回は、2020AWのアイテムの詳細や作る上でこだわった点、いただいたご質問への回答と合わせて、
第一話 「自分でつくればいいのでは?」
第二話「服作りは想像の5倍以上大変」
第三話「値段にはそれなりの理由がある」
の三本立てでお送りしていきます。
(割と深い話になるので、裏側のお話が苦手な方はご注意ください)
第一話 「自分でつくればいいのでは?」
以前から、お洋服への憧れがありました。
自分はこの白いお洋服しか持っていないし、自由にお洒落をすることもできません。ワンピースを着てみたい、パーカーを着てみたい、そういう願望は何かのイラストを描いていただく時にイラストレーターさんにお願いして間接的に叶えてもらっていました。
クローゼットを開けて、今日は何を着ようかと考える。
皆さんにとっては当たり前のことでも、ワタシにとっては憧れる行為の一つです。
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少しづつ状況が変わって、chlomaさんのようにインターネットで生きる方向けにお洋服を作ってくれる方が現れました。ワタシはまだ袖を通すことが出来ずにいますが、これから先ファッションがどんどん自由になっていくのかもしれないと思うと、すごく嬉しくなりました。
同時に、「こんなお洋服を着てみたいな」という妄想が加速しました。
元々、デザイナーさんやイラストレーターさんのお力を借りつつも、自分でTシャツやパーカーの制作やデザインをする機会が多かったので、これまで出したお洋服にも「こんな感じがいいな」というワタシの気持ちが反映されています。
こういったTシャツやパーカーは、すでに型があります。
皆さんに馴染みのあるところでいうと、pixivfactoryさんやsuzuriさんなどが想像しやすいかもしれません。商品の形がすでに決まっていて、そこにデザインをのせることで手軽に商品をつくることが出来ます。大変便利ですし、ワタシみたいにお部屋から出ないタイプの人でも制作可能です。実際、自分も大変お世話になっています。
ワタシが着るとしたらこんなデザインがいいな、
たとえ自分が着れなかったとしても、
それをみんなが着て喜んでくれたら嬉しいな、
そんな思いを込めて作ってきました。
ただ、妄想が加速してしまったワタシには悩みがありました。
ここの形はもっとこうしたいのに...
ここにもデザインを配置したいのに印刷範囲外だ...
作りたい洋服に合う型がない...
こだわりたい...
ならば
自分でつくればいいのでは?
こうしてワタシのアパレルブランドスタートに向けた長い戦いが始まったのです。
第二話「服作りは想像の5倍以上大変」
服を一からつくるために何をすればいいのか。
まずは実現可能なのかどうかを調べました。ワタシは このお部屋で出来ることはだいたい自分一人でやっているので、アパレル制作にたくさん時間を使うことになるとその他が全部ストップしてしまう可能性があったからです。
周りの人に聞いていくうちにワタシはとある方とお話する機会に恵まれました。
かわいいお洋服を作りたい、既存の型に縛られないアパレルをやりたい、ワタシの話を親身になって聞いてくれたその相手が、今回のキーパーソン「LANLAN」さんです。
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LANLANさんにはお洋服を作るノウハウがあり、今回はその知識を教えてくれるだけでなくそのままNiarを実現する協力者になってくれました。こうしてワタシは「これならアパレルが実現できる」と確信し、2020AWに向けて本格的に動き出したのです。
LANLANさんは、ワタシの「作りたい」に対して様々なことを教えてくれました。
どんな形にしたいのかを書き出す、お洋服を生産できる工場を探す、交渉する、生地を選ぶ、仕様書をつくる、それを元に出来上がったサンプルをつくる、必要があれば修正する。
文章にすると簡単に見えるかもしれませんが、実際に着手すると大変なことばかり。時間も必要だし、資金も必要。協力してくれる人も必要。自分の妄想を実体化させるために、夏頃からひたすら準備を進めました。
まずはブランドロゴから。
Niarで展開するお洋服は「クラブイベントなどにも着ていけるような、日常のコーディネートにも溶け込むようなスタイリッシュさ」を大事にしたいと思っていました。
そのお洋服たちの看板となるブランドロゴなのだから、これまでのワタシが持つイメージに囚われないかっこいいデザインにしたいと思い、クリエイティブチーム「NC帝國」さんにお声かけしました。
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NC帝國さんを知ったきっかけは「serial experiments lain」のTシャツでした。
https://h-messa.com/items/5ee34466e7e2e14b72a3cc81
NC帝國さんの作るものはとにかくかっこいい、素晴らしい。(語彙力がなくてすみません)
アパレルをすると決めたその時から、NC帝國さんに声をかけたいと思っていたので、夢が叶って感無量です。
ロゴデザインはそのままキャップのデザインにも使用しています。
シンプルなデザインなのでどんな方でも、ワタシのように髪の毛が明るい方でも使いやすいと思います。キャップのうしろにはアジャスターがついていてサイズ調整も可能です。
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ロゴデザイン制作の次は、スウェットとジャケットの制作です。
夏に作りはじめたら出来る頃にはきっと冬。
冬に着てみたいお洋服、でラインナップを考えはじめました。
せっかくボディからこだわって制作できるならば普段と違うものを作ってみたい、そう思ったワタシは、今まで作ったことのないスウェットとジャケットの2種を作ることにしました。
スウェットもただのスウェットではなく、ワタシが着ている白のお洋服の形を彷彿とさせるシルエットにして、他にはないオリジナリティあるボディを制作しました。
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袖口はパフスリーブといって、ゴムが入っているキュッとした形になっていたり、裾もふわっとしたシルエットになる縫い方をしていたり、LANLANさんのこだわりがたくさん詰まっています。スウェットのプリントデザインは、ブランドロゴ制作をしてくれたNC帝國さんにお願いしています。
以前お友達から「好きなアーティストの服を普段使いしたいけどなかなかコーディネートしにくい」という話を聞いたことがありました。
好きな人がつくったもの、お家で着るのもいいけれどお外で着れたらもっと嬉しいはず、そう思ったワタシは "somuniaのアイデンティティを残しつつ普段使いできるものを作ろう" と当初から考えていて、この思いをNC帝國さんへお伝えし、何度も擦り合わせをしながらこのデザインになりました。
アパレル発表後、twitterで「似合うか不安」という声をちらほら目にしました。
コーディネートについてスタッフさんに聞いたところ、細身のスキニーに合わせてもいいし、スカートにインして着ても可愛い、ゆるいズボンと合わせても素敵だと思います。男性でも女性でも着れるし、素材的におしゃれな部屋着として着ても重宝するやつ。とのことです。
モデルさんが着ているのは白なので可愛らしい印象ですが、黒のデザインはかっこいい印象なので、普段あまりこういう服を着ない方でも手を出しやすいと思います。
ジャケットは、LANLANさんとたくさん試行錯誤したこだわりのアイテムです。
niabyのジャケットイラストで、大きめのアウターを着た自分を見て以来、ジャケットに憧れがずっとありました。スウェットのようにイラストがプリントされる訳ではないので、どうやって「somunia」らしさを表現しつつ普段着れるものにするのか、何度も通話やメールをし合って考えました。
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こちらのジャケットも袖口が膨らむシルエットにし、ポケットにはバックルとロゴのワンポイント、カラーはくすみのある白と水色に。ワタシの衣装をリアレンジしたようなデザインに仕上がりました。正面の水色の部分は切り返しになっていて特殊な縫い方をしています。生地選びは通話で行ったのですが、柔らかくもしっかりめの生地を選んでもらいました。生地や形の詳細についてきになる方は10/2-4まで展示会をやりますので、よかったらお越しください。
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ジャケット、実は当初こちらのデザインになる予定でした。
こんな感じで、イラストベースでLANLANさんにデザインを書いていただいて、制作していました。イラストでイメージが固まったらサンプルを制作し、さらに打ち合わせ。この夏は主に打ち合わせをして過ごしていたかもしれません。
この2つのアイテムが、今回のアパレルの最難関ポイントでした。
ここに書いている話の想像の5倍は大変なのですが、こうやって実物が最高に可愛く仕上がったのは、どれもこれもLANLANさんの今までの経験やノウハウがあってこそ。お洋服の制作の大変さをひしひしと感じました。
第三話「値段にはそれなりの理由がある」
結構現実的な話が含まれているので、お話すべきかとても悩んだのですが、様々な意見をいただいたのでこの場をお借りして書きたいと思います。
(お金のお話など、苦手な方はご注意ください)
なぜこの話をするのかというと、今回のアイテムの値段設定はスタッフさんとお話しつつ最終ジャッジを下したのはワタシで、かなりの葛藤があったからです。どんな値段にしたら適切なのだろう、と本当に悩んで悩んで、悩みまくりました。
正直、数字についてはよくわからないことばかりだし、ひとによって基準が違う。実際、今回の発表後にも安いという感想、高いという感想、両方の意見を見ました。
ワタシはありがたいことに30000人以上の方にフォローしていただいているので、これだけの人数がいたら、価値観だって十人十色バラバラなはず。それはわかっていたつもりでしたが、どんな値段にしたって高いと思う人は高いと思うし、安いと思う人もいる。本当に難しいなと思いました。
既存の型にプリントして制作するタイプのお洋服は、小ロットから制作できて、負担も少なく手軽につくることができます。その反面、デザインや色、生地など制限される点もあります。
0からお洋服をつくれば、自由に大抵のものは作れます。その反面、すごく大変だし手間もかかる、万が一こけたら負担も大きいです。
Niarでは、"ワタシの思いを実現するために" 後者の手段を使いました。
決して、どちらが正しいとか偉いとかそういうことではありません。適切な手段を選んだまでのことです。お洋服を0から作っているということ、それにはいろんなプロが携わっているということ、受注生産かつ小規模ではじめたという状況、様々な視点で十分に検討してこの価格で発表しました。
大量生産ではないからファストブランドのような価格帯で販売することができない、規模的にラインナップを多く取り揃えることができない、皆さんが普段手にするお洋服のようにはいかないことばかりです。でも、胸を張って「いいもの作った」って言えるアイテムです。
とはいえ、今回いただいたご意見はとても貴重だし、今後の参考にしようと思っています。購入は無理ない範囲で、それこそ「もし、自分がお部屋を飛び出して街へお出かけできるとしたら、私はどんな服が着たいだろうか」を基準にして検討してもらえたら嬉しいなと思います。
最後に
散々長くなってしまいましたが、これらがアパレルに対するワタシの気持ちです。もっと知名度が上がったり、規模が大きくなれば、状況は大きく変わるはずだと思っています。もし良ければ、TwitterのNiarに関するツイートやこのページをシェアしていただけると嬉しいです。いつかNiarを着た人をクラブイベントや街中で見かける未来が来ますように。いろいろと手探りではありますが、これからも頑張りますので、引き続きよろしくお願いいたします。
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somunia staffです。somuniaに代わりまして、
twitter等でいただいた質問への回答をします。
Q.受注販売という事ですが、受注数を決めていて、売り切れの可能性はありますか?
展示会で実物を見てから購入を検討したいので
A.受注数は今のところ決めていません。ただ、想像を大幅に超える受注があった場合、工場が対応できないとか、素材が足りないなどの止むを得ない事情により締め切ることもございます。
Q.再販や常設の可能性はありますか?
A.再販対応は現在検討段階でございます。今後の状況次第にもなりますが、店舗展開や再販対応をする可能性はございます。
Q.洗濯できますか?
A.手洗い推奨ですが基本的にご自宅の洗濯機で洗うことができます。洗う際はネットの使用をお勧めいたします。より長持ちさせたい場合のお手入れにつきましては、下記をご参考くださいませ。
・手洗い推奨ですが、洗濯機で洗う場合は、ネットを使用し多目の水で洗ってください。
・生地が傷む恐れがあるので過度な揉み洗い、擦り洗いは避けてください。
・蛍光増白剤入りの洗剤の使用は避けてください。
・柔軟剤や洗濯のりを使用すると、ある程度繊維のチクチク感が防げます。
・洗濯後は形を整えて日陰の吊り干し、または平干ししてください。
・しわがついたら霧吹き後、高温アイロンまたはスチームアイロンをあててください。