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母が再婚したのは俺が10歳の時だった。

「ほら昴、お前にお兄ちゃんができたんだぞ。挨拶して」

父親にそう言われて出てきたその子は、大人しそうでとても可愛い子だった。

俺の弟になったその子はまだ小さくて、小さいながらに自分が守ってやらないとと思ったのを覚えている。


それから10年の時が経った。


「兄ちゃ~ん、ただいま」

今、俺と昴は二人で暮らしていた。

「おい昴、ちゃんと手ぇ洗えよ」

「わぁってるよ」

そう言って俺の脇を通る昴は、俺よりも身長が頭一個分程大きかった。

大きいのは身長だけでなく、筋トレが趣味の昴はガタイも良く、身長もタッパもあまり無い俺の方が弟に見られることも多い。


なんでこうなったんだ。


おかしい。

確か俺が中学に入るまでは俺の方が身長は高かったはずだ。

だけど昴が中学に入ったあたりから日に日に身長が伸び、卒業する頃には俺よりも大きくなっていた。

「何見てんの?」

じっと背中を見ていると、手を洗い終わった昴が俺の視線に気づいて聞いてくる。

「いや、ほんと大きくなったなって思ってよ」

「何で今更…ってか飯は?腹減ったんだけど」

「もうできてっから先食ってて良いぞ。俺はちょっとレポート終わってから食うから」


こうやって一緒に暮らし始めたのは、昴が大学に入学してからだった。

先に大学の関係で一人暮らしをしていた俺と、昴の希望によって一緒に住むことになったのだ。

家族になったあの日から昴は俺に懐いてくれ、ありがたいことに夫婦、兄弟関係共々良好だったため、昴が一人暮らしが不安だと言うなら兄として面倒を見るべきだと、俺は昴の希望を素直に受け入れた。

流石に1Rに二人はキツいため、少し広めの部屋に引っ越しはしたものの、それでも家賃や生活費に関しては安く済んでいる。

「え~、兄ちゃんも一緒に食おうよ。寂しいじゃん」

「悪ぃな。ちと時間ギリギリだから一緒に食ってやれねぇんだ」

「ちぇ~」

不貞腐れたようにそう言ってキッチンへとトボトボ歩いていく姿は、身体だけは大きくなったがあの頃と変わらない可愛い弟だった。


そして俺達には、親にも言えない秘密がある。


「兄ちゃんっ…」

「んぁっ…はぁっ、昴っ、あぁああっ」

昴の硬く勃起したチンポが俺の中へと入ったまま、何度も腰を打ち付けられる。

最初は痛かったそれも次第に感じるようになり、今では責められるとどうしようも無い程の快感が押し寄せるようになっていた。

「っ…くっ…イくよ」

「あぁああっ、俺もっ、んあぁあっ」

激しい腰のピストンの後昴はゴムの中に射精し、そしてそれと同時に俺も絶頂を迎えた。

「兄ちゃん、すげぇ気持ち良かったよ」

「んんっ…」

射精した後も俺の中に入れたまま、昴はそう言って俺にキスをした。


別に愛し合っている訳ではない。

俺らはただ、お互いの性の処理を身近な相手で済ませているだけ…だと俺は思っている。

きっかけとなったのは、俺がまだオナニーを覚えたての時のこと。

その日は家に誰もいないはずで、俺は調子に乗ってリビングの大きなTVでスマホの動画を流しながらシコっていた。

俺が大好きなアレを使って…

しかし一人だと思っていた家には、昴が既に帰って来ていたのだ。

誰もいないと思っていた安心感と、画面に集中して必死にチンポをシゴいていたせいで、俺は後ろに誰かがいることに気付かなかった。

「兄…ちゃん?」

「うわぁあああああああ!?!?!?!?」

急いで勃起したチンポを隠すが、TVではエロ動画が流れてる上にズボンも下着も脱いでいて、もう誤魔化しようがないような状態だった。

「何…してるの?」

「え、あ、え、これはっ」

「なんかおチンチン大きくなってるね。変なのー」

そう言って俺のその勃起したチンポを、あろうことか触ってきたのだ。

「んぁっ、や、やめろ!!」

「あははっ!なんか変な声出してる!もっと触らせてよ~」

そう言って、振り払った手を再び伸ばしてくる昴。

「だ、ダメだ!!あっち行ってなさい!!」

「えぇ~、良いじゃん。触らせてくれないと、お父さんとお母さんに兄ちゃんが変なことしてたって言っちゃうよ?」

「なっ!!絶対言うなよ!!」

「じゃあ触らせてよ~」

そう言って俺を見る昴は、純粋に興味を持っているだけのように見えた。

昴に触られるなんて恥ずかしいし嫌だが、親に言われることの方がもっと嫌だ。

「う…す、少しだけだからな」

俺は了承するしかなかった。

「わ~い!」

俺がそう言うと、昴は喜びながら俺のチンポへと手を伸ばしてくる。

「……んんっ…」

「わ、硬いね。なんでこんなに硬いの?僕のは柔らかいのに」

「大人になったら分かるよ!!なぁもう良いだろ…んぁあっ」

俺が昴の手を引きはがそうとした時、昴はチンポをシゴくように動かし始めたのだ。

「あははっ、こうするとお兄ちゃん変な声出すね。ほらほら~」

「あぁあっ、や、やめっ、んぁっ」

人にシゴかれたのはこれが初めてで、自分でする時とは違う快感に驚いた。

弟に何をさせているんだと理性が働くが、先程まで自分でシゴいて敏感になっているせいで強く抵抗できない。

そしてシゴき方がなぜかうまく、チンポの気持ち良い場所を知っているような擦り方をしてくるから余計に感じてしまっていた。

「ね、ねぇ兄ちゃん…なんか俺も硬くなってきた」

俺のチンポをシゴきながら、昴は自分の股間を指さして言う。

ズボン越しのせいで分かりにくいが、確かに昴も勃起しているように見えた。

「なんか変な感じする…兄ちゃんも俺にやってみてよ」


そこから俺と弟の関係は始まったのだ。

あの日俺らはお互いのをシゴいてイった。

勿論昴のからは精液は出なかったが、快感は得たらしくその日から頻繁にせがむようになってきたのだ。

俺も人にしてもらう方が気持ち良いし、そのまま済し崩しにその関係を続けてきた。

それがいつの間にかお互いの身体を重ねるようになり…


このままじゃ絶対良くないよな。


兄弟でこんなことをするなんて間違ってるし、こんな関係を続けるべきじゃない。

もう昴だって色々判別できる大人だし、いずれは彼女ができればその子とセックスをするようになる。

このまま続いたら良くない影響が出そうだ。

一緒に住むようになってからする頻度が多くなり、毎回次で終わりにしようと思うのだが、なんだかんだ流されて続けてしまっていた。

昴なら顔も良いし背も高いんだから、俺なんかと済ませなくたって相手なんていくらでも見つかるだろうに…

次昴が俺を誘ってくるのは金曜日。

その日に誘われたら、今度こそこの関係は終わりにしようと言おう。

そう決意した。


金曜日 夜


お互い風呂にも入り、俺の部屋のベッドの上で各々好き勝手に過ごす時間。

「兄ちゃん、しよ」

昴は俺に覆いかぶさりながら、案の定誘ってきた。

「んっ…」

そのまま耳を舐められ、いつものように流されそうになる。

舌が徐々に俺の顔の方へと来て、このまま行けはキスをされてそのまま雪崩れ込むパターンだ。

「ちょ、ちょっと待て昴!!」

誘惑をなんとか押しのけ、俺は昴の顔を手で押さえながら行為を中断させた。

「何…」

明らかに不機嫌そうな声で言う昴。

顔が整ってるだけに、怒る顔が怖い。

だけど負けちゃダメだ。これは昴のためでもあるんだから。

「ま、前々から言おうと思ってたんだが、やっぱり兄弟でこんなことをするのはダメだと思うんだ」

「は?何今更言ってんの?」

「うっ……そ、それはそうかも知れないけど…だ、だってこんなこといつまでも続ける訳にはいかないだろ?」

「なんで」

昴の低い声が怖い…

てかなんで食い下がってくんの?そんなに一人でオナニーすんのが嫌?

そりゃ俺だって二人でした方が気持ち良いけど、流石にずっとこのままって訳には…

「なんでって、そりゃ血は繋がってないとは言え兄弟がこんなことしてたら大問題だろ。お前だって俺とこんなことばっかしてたら彼女もできねぇぞ」

「いやいらねぇし。てか兄ちゃん彼女でもできたのか?聞いてねぇけど」

そう言ってめちゃくちゃ睨まれた。

こ、こえぇええ~

なんで?俺に彼女ができたらダメなの?

できる予定は今のとこないけど、流石に俺だって結婚したいし…

「いやまだいないけど…」

「なら良いじゃん。何が問題あんだよ。兄ちゃんは気持ち良くねぇの?」

「い、いや気持ち良いけど…そうゆう問題じゃなくて…あぁあ!!兎に角、もうこの関係は終わりな!これは昴のためでもあるんだ」

いつまでも埒が明かない言い合いをしても仕方ないと、俺は無理やりそう言い放った。

「………へぇ…じゃあ良いよ」

昴は呟くようにそう言うと、俺から身体を離してベッドから下りると、そのまま部屋を出て行ってしまった。

「……」

昴の部屋にも布団はあるし、今日から別に寝るんだろう。

これで良いんだ。

ずっと一緒に寝てたせいで少し寂しく感じるが、自分にそう言い聞かせて納得させた。

「寝るか…」

出ていった昴のことが気になって眠れそうにないが、俺はベッドへと横になることにする。


ガチャッ


しかしそう思ったのも束の間、部屋のドアがいきなり開き、再び昴が部屋へと入って来たのだ。

「えっ…えぇ!?」

昴の姿を見て驚いた。

先程までは寝るためのラフな格好だったのに、今部屋に入って来た昴は何故か警備員の制服を着ていたからだ。

「お前…え?何で着替え…」

昴はアルバイトで警備員をしていた。

身体がデカい上に鍛えてるし、確かに昴に合ったバイトだなと思っていたが、実際に制服姿を見るのは初めてだった。

制帽まで被った昴の警備員姿は、想像通りめちゃくちゃ似合ってるしカッコ良かった。

「なんでだと思う?」

呆気に取られている俺を見てニヤッと笑うと、昴はそう言いながら制服のポケットから一双の手袋を取り出した。

それを見てドキッとしてしまう。


ナイロン製の白い手袋。

それは俺の性癖を抉るものだったから。

昔アニメで、警備員達が白い手袋の手で怪盗を床に組強いているシーンがあった。

まだ性の知識がほとんど無かった俺は、そのシーンを見た時、得体の知れない恥ずかしさを感じたのだ。

身体がゾワッとし、見てはいけないものを見たような、なんだか変な感覚だったのを覚えている。

それが性的な興奮だと自覚したのは、俺がオナニーを覚えた頃だ。

ホームセンターでたまたま見つけたナイロンの白手袋を見て、どうしても欲しくなった俺は、衝動的にそれを買ってしまったのだ。

そしてそれを自身で嵌め、あのシーンを思い出しながら身体に触れると、どうしようも無い程に興奮して気持ち良かった。


だから昴がその白手袋を取り出したのを見てドキドキしてしまったのだ。

昴は俺に見せつけるように手袋を嵌め、指先までピッチリと納めると、ワキワキと手袋に指を馴染ませるようにいやらしく動かす。

そしてパチリと手首のボタンを嵌めると、もう片方も同じようにゆっくりと手袋を嵌めた。

手袋をピッタリに嵌める為に両手の指を組み、指の股までギュッと押し込んでいく。

指先まで真っ白なナイロンに包まれ、手首はボタンで隙間なく留められ、そして手の甲には美しく三本線の映える、俺の理想の手袋の手が出来上がったのだ。

「どう?俺の警備員姿」

そう言って笑う昴は元々イケメンではあるのだが、制服姿も相まって俺にとっては信じられない程に魅力的に見えた。

「に、似合ってるけど…なんで今その格好を…」

俺は冷静を装いながら言うが、そのいつもと違う昴の姿に照れてしまい、目を合わせることができないでいた。

「兄ちゃん」

そんな俺を見て、昴はベッドと乗って俺の近くへと寄ってくると、なんとその手袋の手で俺の頬へと触れたのだ。

「っっっ!!ちょっ、お前!」

頬に感じた、サラリとしたナイロンの手袋越しの昴の手。

なんだかそれだけでいやらしい行為のように思えてしまい、身体がビクリと反応してしまった。

「兄ちゃんさ、この格好が好きなんだろ?」

「っ!?!?!?」

図星を突かれた発言に、驚いて思わず昴の顔を見る。

制帽を被った昴の顔はいつもにも増してカッコ良く見えて、そのドキドキも合わさって声にならなかった。





続きは2月26日に他プランでも公開予定

現在タバコプランにて公開中

全文約14700文字

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